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【速報】G1@Clubhouse㊾「家族を考える」安部敏樹×高濱正伸×堀瑞絵×土井香苗×なつみっくす×堀義人

投稿日:2021/03/20更新日:2021/03/26

昨日、3月18日22:00 ~23:00に行われたG1@Clubhouse㊾の内容のポイントをご紹介します。

テーマと出演者

テーマ:「家族を考える」

出演者:安部敏樹(リディラバ)、高濱正伸(花まる学習会)、堀瑞絵、土井香苗(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)、なつみっくす(母親アップデート)、堀義人

発言のポイント

※上記出演者のご了解を得たうえで、記録、公開しています。

1)それぞれの家庭における子育てのあり方と、そのなかで抱えている問題

・子どもが生まれたとき、どのように育てていくかについて夫と話をしたうえで、まずは「生きる力を育む」という方針を掲げ、それをベースに子育てをしてきた。一方で、たとえば子どもが何かしたとき、「これ、片付けるのは誰なの?」なんていう風に、子育てのなかでいらいらすることはあった。そこで、どうすればいらいらせずに済むかと考え、我が家では「使える手はなんでも使おう」と。保育園にはすごく助けられたし、ほかにも今はアウトソーシングできる仕組みが多い。それらを活用して自分自身も笑顔でいられるようにしようと考えた。

・子育ての役割り分担についても、子どもが生まれたときに夫婦ですり合わせをしている。我が家は分業制。家のことは電球の交換から家具の移動まで、私の判断でほとんど決めている。ただ、いずれにしても夫はとても協力的で、子どもの送り迎えもしたり、保育園では有名なパパだった。いつだったか、自身の評価基準として、「外での仕事に加え、“子どもをきちんと育てているか”という基準を設けて、それを自分に課している」という話をしていたことがある。

・子育ては予想していたより遥かに大変だった。自分自身は良い大学で学ばせていただき、仕事もばりばりやっている感覚から、「子育てだって皆ができるなら自分もできる。産むまでが仕事だ」ぐらいの感覚で(笑)。でも、実際には痛い目にあった。「子育てとはこれほど大変なのか」と。特に上の子が0歳のときは本当に大変で、不安と自信のなさの塊になっていた。

・当時は近くに頼れる先輩もおらず親も遠くにいたので、基本的に子育ては私と夫だけ。ただ、保育園に6ヶ月頃から預けることができて、そこからすごくラクになった。やはりプロに預けられるのは大きい。預けているあいだだけはホッとできる。それまでは24時間、緊張しっぱなしだった。

・子育てというのはすべてが初めてで予想外。学ぶ機会もないまま、いきなり大海に放り出された結果、寝不足になって体力も奪われ、不安と自信のなさに苛まれていた。また、「自分が失われた」感覚もあったというか。それまでの優先順位は自分が1位で当たり前。でも、そこに子どもが一気に入ってきた。自分のことを話す相手も時間もないなかで「私自身はどこへ行ってしまったのだろう」と。保育園に預けるまでは、特にそういう感覚が強かった。

・実家が近かったので、そこを頼れたのはありがたかった。ただ、親の子育ても30年以上前の話だし、世代による考え方の違いでいらいらが募ることもあった。「育児は母乳で」とか「こういう食べ物はダメだ」とか。また、いわゆる“ご近所システム”が失われていて周囲に頼れる人がいない辛さのなか、「できて当たり前」と思われ、できないことで自己否定してしまったりもしていた。

2)子育てにおける課題への対処と、その効果について

・仕事をしているかどうかに関わらず、誰でも保育園に子どもを預けられるようにするべきではないかと思う。私自身、すごく助けられてきた感覚がある。物理的に預かってくれるだけでなく、いろいろ話を聞いてくれることも大きいし、ママ友もできたりする。

・大学の同窓で運営されている“ママ組織”のようなところにも入っていた。主にメーリングリストのコミュニティで、こちらにも本当に助けられている。一世代上の先輩方も入っていらしたので先々の話を聞くこともできたし、ちょっとしたことでも相談したりしているうち、互いの子どもについて親戚の子どものような感覚を抱いたりしていた。

・今は小学校からの学びが子どもの権利だが、国際的には保育園や幼稚園からの学びも権利にしようという議論がある。当然それは子どももためになるが、親のためにもなるという自分自身の実感もある。どこかがきちんと子どもの面倒を見てくれることで、物理的にも精神的にも親に余裕ができるのはとても重要だと思う。

・私が一番尊敬するのは、外で働いていないために子どもを保育園に行かせられない状態で、子どもを24時間見ているお母さん。本当に大変だと、自分の状況を思い返しても感じるし、めちゃくちゃ尊敬している。

・他方で、社会には親のいない子どもいる。日本は児童養護施設や乳児院で暮らす子どもが数多くいる、非常に珍しい国。子どもは愛情と幸福のある家庭で暮らす権利がある。学校に行く権利と同じで、荒んでいない幸せな家庭を子どもに与えるのは国家の義務だ。それを日本は果たしていない。

・ネグレクトや虐待を受けている子どもは日本にも数多くいるが、日本はそうした子どもたちをほとんど施設に入れてしまっている。これはおかしなことだから、海外と同じように養子縁組や里親制度をつくりたい。私は多くの里親さんを存じ上げているが、子育てが上手な“肝っ玉母さん”のような方がいる。そうした方々のなかで、ご自身の子どもが大きくなって少し手が空いたような方に里親となっていただけるような仕組みがあればと思っている。

・子どもに最も大切なのは自尊心。子どもが自分自身を大切な存在だと思える最大の源泉は親から愛される経験だ。でも、赤ちゃんのときから施設にいる子は、親が8時間ごとに替わったり、ときには辞めていなくなってしまったりする。そうした環境を経て愛着障害というものを抱えてしまう子もいる。ただ、そういう環境でもしっかり育つ子がいる。理由を聞いてみると、たとえば給食のおばちゃんに特別目をかけられていた経験があったりするのだという。「○○ちゃん、これあげるよ」なんて言われて。いわば、えこひいきだ。でも、そういう愛を受け取ることで自尊心が育まれ、根っこの張った大人になっていく。

・子育てとは究極のえこひいきだ。多くの親は自分の子どものためなら死んでもいいと思っている。それが子どもの自尊心を育て、人間としての土台をつくる。だから、国際的な子どもの権利条約でも「家庭で愛されて育つ」ということが子どもの権利になっている。脳科学的にも、0歳から6歳のあいだに家庭で特定の人に愛されることが、脳の発達に影響を与えることが分かっている。

・「母親アップデートコミュニティ(HUC)」では母親同士のつながりをつくっている。ベースは安全・安心を守ること。それで「誰も否定しない」ことを唯一のルールにしている。母親にも根っこが必要だ。子どもや家庭や仕事に時間と労力が割かれ、「自分のため」という部分になかなか向き合えず、かつ周囲とのつながりもない状態だと、その根っこがどこかへ行ってしまう。だから、自身を肯定するためのつながりをつくろう、と。それによって自分自身と向き合ったうえで、子どもに「向き合い過ぎない」。そうすることで、むしろ子どものこともきちんと考えられるようになる。安心・安全のなかで自分の軸を持つことができるからだ。どんな子育てをしたいかも、そうした軸から生まれてくるもの。その軸と向き合いながら、多様なつながりのなかで助け合って子育てをしていきたい。

・母親のコミュニティも、たとえば働いている人とそうでない人のように、背景によって分断されがち。だからHUCでは、そうした属性や違いも認め合ったうえで自分の軸を持つようにしている。今は子育てについても教育についても外に情報が溢れている。そちらに目がいってしまうと何が大切か分からなくなり、子どもに価値観等を押し付けてしまうような結果になりやすい。そうでなく、多様なつながりのなか、自身が否定されない環境で、自分が何を大切にしたいかという軸を持つ必要があるのだと思っている。

3)私たち、そして社会は家族の問題についてどのように考え、何をしていくべきか

・PTAをうまく活用してはどうかと思う。世間では避けられがちなPTAだが、やってみると意外に楽しい。親同士のつながりもできる。それと、今の世の中は情報が溢れ過ぎている面もあるので、あえて情報を探さないのも1つの考え方になると感じる。いずれにせよ、「子どもをどう育てるべきか」に正解はないと思っている。唯一あるとすれば、「懸命に子どものことを考えていけば悪くなる筈はない」と、自分を信じて、子どもを信じることだと思っている。

・里親としての経験を通じて感じるのは、乳幼児期を施設で過ごした子どもは育てるのが大変という点だ。その意味でも、乳幼児期は特定の大人が子どもときちんと相対し続けることが不可欠だと思う。こうした話についてはエビデンスも多く、他の先進国は乳幼児期に施設で長期間の養育をしていない。それをいまだにやっているのが日本なので、そこは改善していくべきだと思う。

・「母親はこうあるべき」という呪縛のようなものが社会の空気として存在するし、それが無意識のジェンダーバイアスにもつながっていると感じる。また、それが男性による育休取得率の低さや、家庭における家事・育児分担比率のアンバランスさの背景にもなっているのかな、と。そうした母親自身の呪縛をどう解いていくか、私自身も引き続き考えていきたい。

・働きながら子育てをしている今は、保育園やベビーシッターの方々をはじめ、あらゆる方の力を借りることができていると感じるし、夫も協力的だ。ただ、仕事が忙しいこともあって、心のどこかで「この子に時間をかけられていないのでは?」といった罪悪感を抱くときもある。ただ、そこで「いや、大丈夫ですよ」と言ってくれる方もいるし、今はあらゆる意味で周囲の方々の力をお借りすることが大切になるのだと、日々感じている。

G1@Clubhouse㊾「家族を考える」

ディスカッションに参加してくださった皆様

今後の予定

G1@Clubhouse㊿「アメリカ政治と社会2021」厚生労働省大臣官房人事課課長補佐 久米隼人 × イェール大学助教授 成田悠輔 × EY ストラテジー・アンド・コンサルティング 上田倫生 × 弁護士 徐東輝 × 堀義人

G1@Clubhouse51「『科学×ジャーナリズム』コロナ禍で考える、科学をどう正しく伝えるのか?」ジーンクエスト 高橋祥子 × 東北大学 大隅典子 × スマートニュース 瀬尾傑 × 堀義人

G1@Clubhouse52 「『日本を良くする』G1への質問・要望なんでも受けるよ!」堀義人

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