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【速報】G1@Clubhouse㉙「テクノベート2:テクノロジーが変える2050年の社会」落合陽一×安宅和人×堀義人

投稿日:2021/02/27更新日:2021/03/26

 
昨日、2月26日22:00 ~23:00に行われたG1@Clubhouse㉙の内容のポイントをご紹介します。

テーマと出演者

テーマ:「テクノベート2:テクノロジーが変える2050年の社会」。

出演者:落合陽一(ピクシーダストテクノロジーズ)、安宅和人(慶應SFC/ヤフー)、堀義人

発言のポイント

※上記出演者のご了解を得たうえで、記録、公開しています。

1)これから劇的な進化を遂げていくテクノロジーの分野

・1901年、報知新聞が「20世紀の豫言(よげん)」というサイエンスフィクション的未来予測記事を発表している。今回はそれと同じように大胆な未来予測をしたい。先般、理研の松本紘理事長を座長として実施された「2100年未来予測」の勉強会に参加した。2100年だと遠過ぎるので2050年に設定したうえで、僕が考えた10の大胆予測をもとに議論を進めたいと思う。

【2050年の予測テーマ(1)】脳とAIが結ばれる。脳に組み込まれたAIやチップを介してコミュニケーションが行われ、英語を学ぶ必要がなくなったりする

・脳がつながるというのはあると思うが、教育はなくならない。言語の変換をしたいから英語を学ぶのでなく、非言語的な文化特性を理解するために習っているから。手法が変わるだけ。脳に組み込まれたAIやチップが自動翻訳をしたとしても、その出力結果についてはカルチャー自体を学んでいないと面白さも分からない。今もChromeのエクステンションを入れたらどのサイトも日本語で読める。

・考え方としては、脳とAIは現時点ですでにつながっているとも言える。ただ、直接の接続となると、方向性としてはそうなるものの、物理的限界が多く数十年のスパンでは難しい。脳には1mm3に5~10万のニューロンがあるので。それと、学ぶということに関して言うと、英語だけの話ではなく、化学式だって訓練を受けているからこそ理解できる。「理解していないもの」を理解することはできない。だから、数学でも何でも訓練する必要性は絶対になくならない。

【2050年の予測テーマ(2)】不老不死が実現する

・老化の抑制はかなりできていると思う。遺伝的な治療ができるようになるほか、老化が病気と同じになるという面があるので。

・不老不死の個体を新たに生み出すことができるようになる可能性はあるが、有限の命を持って生まれてきた命を不老不死化するのは、おそらく2100年になっても無理。細胞の分裂回数に上限があるから、どうしても死ぬ。寿命はおそらく120~150ぐらいで頭打ちになると思う。

【2050年の予測テーマ(3)】CO2問題が解決する

・資源が無限にあれば解決できるが、資源は有限なので。

・希望はゼロに近い。テクノロジー的には可能。しかし、現在の温暖化というのは、実際には寒冷期に向かっているなかで起きていることであり、今後はフラクチュエーションがすごく激しくなる可能性がある。地球という星は、ここ1万2000年だけは安定しているけれど、それまでは数十年ごとに10度ぐらいの温度変更を繰り返している。だから人類は15万年間人口をまったく増やせず、滅亡を繰り返していた。今は同じ波に向かっている可能性がある。

・CO2排出に関して言うと、全世界でニュートラルになることはない。2050年にもならないと思うし、2100年も分からない。核融合がきちんとできるようになれば話も変わるけれど、そもそも我々だけでなく海中プランクトンも木々もCO2を出しているので。極端な話、地球を草木1本も生えていない星にしてしまえばまったく出なくはなる。

【2050年の予測テーマ(4)】エネルギーは核融合などで無料化する

・有料のままだと思う。

【2050年の予測テーマ(5)】ベーシックインカム(以下、BI)が導入され、働かずに生活できる人々が出てくる

・大いにあると思うし、やるべきだと思う。所得再分配の仕方が変わり、2050年を待たず実現すると思っている。負の所得税をかけないと成立しない層がたくさん出てくるので。

・BI自体はやらなければいけないと思っている。ただ、人間というのは、なんというか、希望を持って生きていくべきもの。その逆方向の人が大量に発生するのは、あまり良い社会ではないと考えている。這い上がる道をうまくつくらないと未来はめちゃくちゃになると思う。

・BIによって社会が安定化するわけではないと思う。きちんと遺伝子ガチャで生まれている筈なのに、そのガチャが効かない世界になってしまうので。

【2050年の予測テーマ(6)】Googleのようなプラットフォーマーがパワーを持ち、国家の概念がなくなる

・たとえば実質的にお金を払う先がテックジャイアントとなり、国家に対するお金の払い方が社会保障と国防だけになるという話であれば理解できる。ただ、それは国境がなくなったりする理由にはならない。今後、国境に対する人々の考え方がどのように変わるかは分からないが、国境自体はなくならないと思う。

・国防と社会保障は国家でないとできない。一気にお金を集める必要があるので、国家の概念がないと社会が動かない仕組みはしばらく続くと思う。国防は5兆円、社会保障は120兆、インフラについても土木だけで毎月2兆円。これは税金のシステムがあるからできる。

・豊かな国々が貧しい国々の社会保障を担う決意があれば国境は外せる。結局、すさまじい富の差があるなかで、どうしても線引きができるという話なので。

【2050年の予測テーマ(7)】管理国家になっていくことで犯罪や戦争がなくなっていく

・犯罪を犯さないようにする世界というのは、法律がない世界と同じ。それは法律の定義的に難しいと思うけれど、滅多に殺人が起きないような社会は結構できそうな気がする。

・表面上の犯罪はひたすら減ると思うが、見えない犯罪は激増する。戦争についても同じで、物理的な戦争は先進国間ですでに止まっていて、今は弱いものいじめみたいものにしかなっていないし、代理戦争状態は相変わらず続いている。

【2050年の予測テーマ(8)】移動はすべて無人化する

・自転車は残りそうだけれど、バスや電車、特にバイクはかなり自動化すると思う。将来は、「え、おじいちゃんの時代は人間が車を運転していたの? 横断歩道に突っ込んだら皆死んじゃうじゃん」みたいなことを言われているようになると思う。

・人間が移動するのは、舗装された道、トレイルのような道、そして何もないところの3つがあると思っている。このうち、舗装された道については、東京のように路地が多いところは大変なものの、基本的には無人に向かっていくと思う。ただ、2つ目と3つ目は不連続なことが起こり過ぎて、まだ人の力が必要になるのではないか。

【2050年の予測テーマ(9)】火星をはじめ、宇宙の往来が自由になる

・火星まで運ぶあいだに人類の遺伝子がぼろぼろになるので、お金が無限にあっても難しいのではないかと思っている。

・2050年までのムーンショット型研究開発では人口冬眠というテーマも入っている。人間を鉄の棺桶に入れて冬眠させ、そのうえで外部からの宇宙放射線を防ぐという話であれば、なくはないと思う。ただ、ここも資本の格差がかなり影響する。アフリカの貧しい地域で生まれた子どもが明日行こうと思っても行けない。

【2050年の予測テーマ(10)】1~9までの議論を経て、脳にチップが埋め込まれるような時代が仮にやってきたとき、幸せの定義が改めて議論され、テクノロジーがもたらす進化を拒み、アーミッシュ的な生き方を選ぶ人が増えている。

・現時点ですでに増えているし、これからもさらに増えると思う。

・すごく便利なデバイスを誰もが使っている社会では、それがあること自体は付加価値にならないので、おそらく拒んでも死なない。一方で、スマホが暴力的だなと思うのは、スマホを持たない人のことはあまり考えずにできているところ。スマホはスマホありきのダイバーシティという社会構造になっていると思う。

2)大胆な未来予想:社会がどう変わっていくのか。

・ケインズは『Economic Possibilities for our Grandchildren』で、資本が3.25%の成長が続ければ、やがて人は働く必要もなくなり、人類が抱える経済問題は根本的に解決されるといった話をしている。でも、3.25%の成長を続けるための資源が無尽蔵に蓄えられているわけではないし、3.25%成長を続けたところで、その資本が再分配されるわけではない。そこに規制をかけるため、SDGsやESGで資本再投下の使い道を決めようというのが2020年代。でも、それでも格差拡大は止まらないのが2040~2050年だと考えている。そう考えると、税のかけ方はすごく変わるだろうと思う。

・たとえばClubhouseに参加していると時間を奪われるけれど、今はここで経済活動が行われていない。ここに課税しない手はないと思う。YouTubeもGoogleも同じ。時間を取ってはいるけれど、無償の労働をさせられているITサービスが数多くある。「無償の労働」というのが鍵だと思う。皆がツイートすることで行われている広告宣伝活動のうち、経済活動に還流されているもの、つまり課税可能になっているものは、極めて微々たるもの。そういう構造自体を大きく変えないと再分配はうまくいかない、と。そんな議論が2020~2030年になされ、2040年頃には誰かがそちらに舵をきって、2050年代頃には常識になっていると、なんとなく思っている。

・2050年に格差をどうやってなくすか。たとえばClubhouseはスピーカーと非スピーカーの非対称が顕著という点で格差を広げるアプリだ。そこに課税しないのはどうかと思う。あと、たとえば電力会社をやっているイーロン・マスクが電力をたくさん使うビットコインを買っているのもどうかと思っていて、そういうカウンターパートを常に考えながらテクノロジーを見ている。

・資産課税で格差を是正していこうというのは少し難しいと思っている。北風と太陽であれば太陽。お金を持っている人が気前良く社会のためにお金を使えるようにするのが正しい流れではないかと思うし、そこをうまくデザインできた社会が成功すると思っている。

G1@Clubhouse㉙「テクノベート2:テクノロジーが変える2050年の社会」落合陽一×安宅和人×堀義人

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