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「データの可視化」と「対話」がエンゲージメント向上の鍵!リモートワーク時代に求められる「リーダーシップ」とは?〜川本周(アトラエ)×福田亮(グロービス)

投稿日:2020/08/13

本記事は、2020年6月19日に開催されたグロービス法人セミナー「リモートワーク時代のエンゲージメントとリーダーシップWithコロナ 人事・育成部門に求められるマインドセットとリーダー支援とは?」の内容を書き起こしたものです(全2回 後編) 。 ※本セミナーではリモートワークの同義としてテレワークと表現させていただきます。

福田亮氏(以下、敬称略):ここからは、「エンゲージメント」について、株式会社アトラエの川本周様にお話を伺っていきたいと思います。
エンゲージメントを高めるためには「チーム単位でいかに自発的な対話をつくり出すか」であり、そのきっかけとなるのが「データの可視化」ということでした。しかし、最初にデータを取って、そのデータを元に対話するのは、実は言うほど簡単ではないと感じています。データというのはどうしても分析的に捉えてしまいがちで、「この数字の意味が分からない」とか「比較できないと分からない」といった議論になって、なかなか行動に繋がるようなコミュニケーションが取れないことが多々あるように思います。最初にデータを見た時に、どんなふうに捉えると対話が始まるのでしょうか?

対話で重要になるのが「情報のレベルを揃えること」

川本周氏(以下、敬称略):基本的には「対話」というステップと、「数字に対して解釈を入れていく」というステップは分けた方がいいと思っています。例えば、まずはマネージャー同士で「これ、自分のチームだけれども、どうかな?」とお互いに話しあう形式でもいいですし、信頼のできる次期リーダーのような部下がいるのであれば、その方に対してだけ話をする形でもよいと思います。まずは対話の部分と、解釈を入れていく部分をしっかり分けることが大切です。

その上で、対話という意味で重要になってくるのが「情報のレベルを揃える」ということです。情報の非対称性がある中で、「自分はこう思っているんだけれど・・・」と言っても、言われた側としても「え、なんで?」という話になってくるので、対話の真ん中に共通言語となるようなきっかけ(wevox(ウィボックス)でいうとエンゲージメントスコア)をつくっていくことが非常に重要かなと思っています。

福田:「情報のレベルを揃える」ということですが、鍵になるのが、いかに情報をリアルタイムにオープンにするかだと思います。毎月情報を取って、いろいろな情報が見られるようになっても、これまでは「管理職までに情報開示がとどまっている」といったことがよくあるケースですが、チーム単位で活動を加速する上では、情報のオープン化は重要だとお考えですか?

川本:むしろ必須だと思っております。もちろん、それをするにあたって横のチームまで見える必要があるのか、そういった論点はあるとは思います。けれども、エンゲージメントに対してのアプローチという意味では、「自分ごと化」ができるかがすごく大事になります。ですので、旗を振る推進役の皆さんが少なくとも自分のチームの結果を全員が見られるような環境をまず準備することが非常に重要だと思っております。

福田:チーム単位で推進していく上での進め方として、コアメンバーの様な形で、チーム活動を推進する人達を募って働きかけをするような活動が、チームを活性化する上では鍵になるのでしょうか?

川本:進め方は会社さんのカルチャーによってもあるとは思いますが、フィットするという意味では、手上げ方式を導入し意欲のある方を募ったり、もともと次期リーダー候補という形で何かのプロジェクトに在籍しているような意義や熱意がある方にうまくバトンを渡していくことが非常に有効かなと思っております。

エンゲージメント向上に必要な「リーダーシップ」とは

福田:では、ここからは私の方で「リーダーシップ」についてお話ししたいと思います。エンゲージメントの話になると必ず「上司が変わらないといけない」という問題に突き当たります。実はリーダーシップ開発がエンゲージメントを語る上ですごく重要な要素になってくるので、そのキーワードやポイントをご紹介したいと思います。

まず今、実際に起こっていることとして、「テレワーク時の課題・不安」についてですが、パーソル総研様が公開しているデータからピックアップをしました。テレワーク前と比べて「減った」と感じるもの、業務への不安についてです。

業務時の不安というところで見ていただくと、1番目の「相手の気持ちが分かりにくい」というのは、コミュニケーションの問題ですが、2番目、3番目、5番目は、「マネジメントプロセス」の問題です。つまり、離れて見えなくなってどうマネジメントするか、どう評価されるのか、つまりお互いどんな状態であるかを把握するのが極めて分かりにくいということだと思います。あと、4番目の「相談しにくいと思われる」は、実は「信頼に関する話です。メンバーを信頼しているか、メンバーに信頼されているか、こういった相互の信頼関係を育んでいくことが鍵になると思います。

では、ここで皆さんに投票していただいたアンケートの結果(99人回答)をご紹介します。

Q、ニューノーマルの時代に向けてリーダーがまず取り組むべきことは何ですか? 
(1)明確なビジョン・目標を示すこと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28人(28%)
(2)役割付与・進捗管理などのマネジメントスタイルの転換・・・・・・・・・19人(19%)
(3)自組織のメンバーとのコミュニケーション転換(きめ細かいケアやサポート)・・・9人(9%)
(4)相互信頼の醸成・心理的安全な場づくり・・・・・・・・・・・・・・・・43人(43%)

一番多かったのが(4)の「相互信頼の醸成・心理的安全な場づくり」ですね。次が(1)の「ビジョン・目標」です。実はすごくベースのところから始めるべきじゃないかという、皆さんのご関心の表れかと思います。私も皆さんのご認識にまったく同感で、実は「信頼」をいかにして育み続けるか?が、オンライン(少し離れる状態)が増えることによって改めて問われるということだと思います。元々ヒエラルキーの上位層という立場だからこそ、一定の信頼が担保されていました。これが自律分散の流れになってくると、「信頼というのはどういう状況で、どんなことをすることなのか?」を改めてリーダーは理解する必要があると思います。

 これからのリーダーに必要な6つのこと

では、改めてリーダーシップ、マネジメントで重要になるものは何なのかをご紹介したいと思います。

1つ目は「課題の捉え方」です。ちょっと難しい言葉になりますが「技術的課題」を「適応課題」に変えるということです。「技術的課題」というのは、過去の経験と知識を持てば正解が見つかるという課題です。一方「適応課題」は、過去の経験と知識では正解が見出せない、そもそも正解が何か分からないという課題です。実は今、直面している多くは「適応課題」です。新人の方の受け入れは、これまではある意味、「技術的課題」で対処できましたが、リモートの環境下でどんどん個別化が進み、正解のない取り組みになっています。ですので、まずはリーダー自らが正解のない課題に対して、いかに学んでいくかが非常に大事になってくると思います。

2つ目が「透明性」と「さらけ出す」です。今、起こっていることに正解がないことが多いので、多くの人が情報をしっかりと同じレベルで認識している方がアイデアは出てきますし、オーナーシップも高まってくるので、いかに透明性を担保するかが鍵になります。仕事の分担もそうですが、リモートになると誰が何をしているのかがしっかり見えるようになっていないと、特定の人に負荷がかかってしまい、この状況に気づかないことが起こりがちです。ですので、とにかく「透明性を保つ」ということと、心情的な部分を「さらけ出す」のが大切になります。自分でも正解が分からないとか、自分にも弱い部分があるとか、できない部分があるとか、みんなが変化に直面している時こそ、いかに自分をさらけ出すことができるか。このさらけ出すことが、実は情報開示に繋がる鍵にもなるということです。このあたりの仕組みをどうつくっていくかがポイントです。

3つ目の「シェアする」というのは、「全部一人で抱え込まなくていい」ということです。透明になってさらけ出せば、「お互い助け合おう」とか「協力し合おう」という状況が出てきます。そういうときにはリーダーシップをシェアする。別の言葉でいえば、役割とともにオーナーシップを付与する。柔軟にそれぞれの役割を発揮してもらうリーダーシップをシェアしていくことが非常に大事になってくると思います。

4つ目が、当然ですが、リモートで離れている中では、自分がどこまでできているかが分からない状況が続きますので「フィードバック」がとても大事になります。しかも困難な状況で試行錯誤をしているので、「これができている」「もっとできる」というポジティブなフィードバックを絶やさないということがポイントです。

5つ目が、「学習プロセスをマネジメントする」ということです。今まではマネジメントプロセスというと、行動と結果の管理という視点が強かったと思いますが、これからは失敗や挑戦を繰り返し、お互いにフィードバックをしながら学んでいくことが大事になりますので、その学習プロセスをどう描いていくかがリーダーに求められるポイントになると思います。

6つ目が「点・線・面に関係性を広げる」ということですが、これはチーム内のみで閉じずに、どんどん横展開を広げていくことです。ここで重要になってくるのが、経営層の巻き込みです。いかに理念・戦略・ビジョンを腹落ちさせるかは、経営層との対話がより重要になってくると思います。

また、この他、研修も含めたOFF-JT(Off The Job Trainingの略:職場から離れ、セミナーや研修などを行うこと)の役割も重要になってくると考えています。実際、私たちもアトラエ様のサーベイを使いながら、マネジメント層同士が集まって対話をする取り組みを始めています。会社の中でお互いが立場を越えてフラットに話し合って、お互いの認識を変えたり、アップデートするための対話の時間が日常でもどれくらい根付くかが、組織をよくする上で鍵になると考えています。そのため、横串でメンバーが集まる研修を、対話の機会として活用することが非常に増えています。

一方で「対話」の習慣は多くの組織であまり根付いていないのが現状です。対話のレベルをどう上げるかについては、私たちの経験をまとめたコラムをnoteに掲載していますので、ぜひこちらをご覧ください。

【noteコラム】 よい対話とはなにか?「対話」の質を高める鍵(前編)https://note.com/globis_gcs/n/n3c086ff66c4c
【noteコラム】 よい対話とはなにか?「対話」の質を高める鍵(後編)https://note.com/globis_gcs/n/n1c60f1bda5c7

ここまでエンゲージメント、リーダーシップという観点から、これからの組織変化の鍵についてお話してきました。ここまでの話をまとめますと、withコロナの時代、働き方が急速に変化して、正解がないという状態では、組織のコンディションが今までよりも見えにくくなってくることは間違いありません。そこで、まずは「見える」ということから始めることが非常に大事だと思います。見えないことには何も始まりません。見えた上で、大切になるのが関係性の向上です。リーダーであれば自分だけで考えて決めるのではなくて、心を開いてメンバーと一緒に考え学んでいく。そしてやりたいことのアイデアが挙がってきたら、メンバーを信頼して任せアクションにつなげていく。こういった信頼をベースにした良い関係性を少しでもつくり出していくことが大切ではないでしょうか?

また、全社への広がりという観点からは、経営層・管理職層の方々が、会社のビジョン・理念をしっかりとメンバーと共感・共有し、内発的動機を高め、自発的な行動が正しい方向に進んでいく羅針盤を示すことも合わせて重要となってくるでしょう。人事部門にはそうした支援や働きかけを行っていくことが求められます。本日はありがとうございました。

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