G1サミット2018
第1部全体会「G1がつくる日本の未来~100の行動2.0~」
(2018年2月10日開催/沖縄万国津梁館)
第1回G1サミットのテーマは「2020年の日本と世界」であった。10年目を迎えた今、多くのG1メンバーが日本の中枢を担い、それぞれの分野で世界をリードする姿が現実のものとなった。10周年を迎えさらにパワーアップしたG1は、次の10年に向けて今いかなる行動をすべきか。世耕弘成氏、竹中平蔵氏が考えるこの国の未来を小泉進次郎氏が引き出す。(肩書きは2018年2月10日登壇当時のもの)。
<動画の全文書き出し>
小泉氏:みなさん、こんにちは。なんか、私の脇に『最強の生産性革命』っていう本があるんですけど、これ、誰が書いたかと思ったら、「竹中平蔵/ムーギー・キム」ってあるんですけど、なんでこの本が僕の脇にあるのですか?
竹中氏:私、今日は何を楽しみにしてきたかっていいますと、進次郎さんのモデレーターぶりを見るのを楽しみにやってきました。その本がある理由は、今の政治の謎と同じぐらい難しい問題かもしれないのですが、ムーギー・キムさんっていうのは私のゼミの卒業生です。ダイヤモンド・オンラインのコメンテーターをやっていて、本当に子どものまま40歳になったみたいな面白い男です。私たちが(その本の中で)議論したのは、とにかく徹底的に「本質から考えよう」「根本から考えよう」ということ。根本から3つのこと「Critical thinking」「Creative thinking」「Effective communication」を考えましょうよと。
「Critical thinking」っていうのは批判的に物事をちゃんと分析して考えて、「Creative thinking」はまさに批判じゃなくて提言型。そして「Effective communication」はどんなに良い考えを持っていても、それが広がらなければいけないということ。そういうことを言いたくてこの本を一緒に作ったのですが、今日はそれを引っ張り出されたのは、「そういう話をしろよね」っていうモデレーターからの厳しいご指摘なのかなというふうに思います。
小泉氏:『最強の生産性革命』の1つ、生産性を高めるというのが、今、世耕大臣がやっている「働き方改革」。これも、なんで「働き方改革」が必要なのかが十分に浸透しているとはまだ言えないと思うんですね。だけど、その1つのコアのメッセージは、今、竹中さんが言った「日本は生産性を高めなければいけない。そのためには「働き方」ひいては「生き方」を見直すべきなんだ」っていうのが今のメッセージの1つだと思うんですが、いきなりで大変申し訳ないんですけど、世耕大臣。「プレミアムフライデー」(会場笑い)、私の周りでは最近ほとんど聞かれなくなって「プレミアム」じゃないのではないかっていう声もあるんですけど大丈夫ですか?
世耕氏:地道に続けていきたいとは思っています。やっぱり「働き方改革」と「消費の喚起」、この両方の狙いのあるイベントですから、あんまり堅く考えずに参加率がどうこうとかよりも、楽しい雰囲気でもうちょっと進めていきたいというふうに思っています。みなさんぜひ「プレミアムフライデー」、今度の月末の金曜日は、もし良ければ、私、絶対お付き合いしますから(会場笑い)、楽しい週末を過ごしましょう。
小泉氏:この10年間で、いろんな変化があったと思うのですけど、できたことよりも、できなかったことは何なのかっていうところを。竹中さん、できなかったこととは?
竹中氏:できなかったことはたくさんあると思います。本質で考えると、できてない最大の問題は「社会保障改革」。社会保障改革をきちっとしない限り、財政健全化はできないわけで。あと、「地方分権」についてまだ手がついてませんよね。あと、いろいろモヤモヤとなっている「エネルギー」の問題。その3つのことが政策面ではできてないといえばできてない。
もう少し一般的に言いますと、アベノミクスが始まってからすごく大きく変化したことは、株価が上がりました。株価3倍ぐらいになっているのですよね。失業率が2.7まで下がって、これ以上、下がれないところの近くまできてますよね。
今日、我々は沖縄に来てますけど、みなさんご存じでしたか。去年、沖縄の訪問客は930万人。これはハワイを上回ったんですって。これ、すごいことだと思うんですね。そういうことで、今の日本を良くするためにできていることはたくさんあって、冒頭のフィルムで「景色を変えよう」って言いましたけど、今の景色は本当に変わったと思うんです。変わってないことがあるとすれば、10年後の景色が見えないというところが変わってない。10年後の景色をいかにつくって変えるかっていうのが、たぶんこのG1サミットを通した全体の課題かなというふうに思っています。
小泉氏:G1サミットは10年目なんですけど、世界ではダボス会議がありますよね。このダボス会議に竹中さんは毎年出ている中で、世界の中の議論、それと日本の中のこういった議論で、何を感じるかなと。
竹中氏:いちばん言いたいことを振ってくださってありがとうございます。今年のダボス会議にはトランプ大統領も来られて、すごい盛り上がりました。70の国のHead of stateが集まって、G7の国の6か国の首脳が来られました。1か国来ませんでした。日本でした。これは国会との日程がドンピシャで重なってしまって、身動きが取れないという状況だったと。私も短い間ですけども永田町にいましたからその雰囲気は分かるんですが、世界の常識から考えたら「なんで日本だけ来ないの?」と。その意味では、日本の存在感という意味ではすごく残念なことがあって、外から見ると「国会大変だね。でも、日程1日か2日変えればいいんじゃないの?」。その世界の常識と日本の常識がぜんぜん違っているわけで、今日はあとで与野党の国会議員のみなさんのセッションもあるらしいので、絶対結論出してください。1日か2日変えられないわけないんだから。それを変えるにはどうしたらいいかっていう、それをやってほしい。
もう1つ。トランプ大統領はすごい静かな演説をしました。みんなちょっとあっけにとられて拍子抜けだったんです。拍手もほとんどなかったんですけども、1か所だけ拍手が起きたとこがあったんです。それはトランプが「メディアはけしからん」って言ったところなんですね。これは世界中のリーダーが拍手して、世界的な問題だというふうに思うのですが、このメディアの責任は私は大きいのだと思います。
小泉氏:世耕大臣は、大臣になってから外国の会議に出たりするのがいかに大変か、そういったところはありますか。
世耕氏:私、経産大臣になってから1年半の間にもう27回出張しました。その内のかなりの部分、特に国会開会中の時の出張は、ホテルのベッドで寝られない出張がほとんどです。0泊3日とか、下手したら0泊4日っていうのも。途中、国の間の移動があって、その機内でまた寝てっていうようなことがありました。本当に体力消耗します。
で、この間のダボスも結局行けなかったんです。国会が1月22日に招集されましたんで、そのあと代表質問が24・25・26の3日間ということで、ここがまさにダボスのピークと重なっちゃったんですね。実はダボスに来ている各国のリストを見ました。貿易大臣ズラーッと揃っている。行けばめちゃくちゃ効率良くいろんな話し合いができたんです。特に今、実は12月のWTOの場で日・米・EU三極貿易大臣会合って、実は日本のイニシアチブで立ち上げたんです。アメリカもEUもすごい嫌がったの。強引に日本がブエノスアイレスのWTOの合間にセットをして、やってみたら良かったんです、すごく。第三国による市場歪曲措置に対して日・米・EUが連携して対応していこうっていうようなことを決めて、ライトハイザーUSTR代表も、そしてマルムストローム欧州委員もめちゃくちゃ満足で、「2回目早くやろうよ。ダボスでやろうよ」っていうことになって、アメリカとEUから「ぜひ世耕さんも来てもらって、ダボスでやりましょう」って。こんなこと日本の貿易交渉の歴史ではなかったんですが「残念ながら、私は衆議院・参議院の本会議で代表質問があるので行けません」ということで行けなかったんです。なんと、衆議院・参議院の本会議、私、3日間ずっと朝から夕方まで座っていましたが、された質問は1問だけでありました。
竹中氏:1点だけ補足で。今の話で、通商交渉で、実はTPP11がその直前にまとまって、これは日本がものすごく大きな役割をしたわけですよね。実はそこにカナダのトルドー首相が来ておられて、トルドーさんが「TPP11、まとまりました」っていうふうにおっしゃったんだけども、実はいちばん最後まで抵抗していたのはカナダだったんですよね。しかし、そこに日本の代表がいないことによって、河野外務大臣が「日本外交の危機」という言葉を使われたんですけど、こういうことが私は危機なんだと思うんです。はっきり言って、私、言論の自由がありますからかわりに言いますけどね、国会が日本の外交の邪魔をしている、国会があるべき政策の邪魔をしてるっていうのは、これはもう……。
いいですねぇ、やっぱり自由な身になると本当にいいと思うんだよね(会場笑い)こんなこと言ったら大変なことになりますよね。これはやっぱり本当に、今日、国会議員の方来ておられるから、真面目に結論を出していただきたい。
小泉氏:そのとおりですね。たぶん、野党の方があとで手を上げると思いますけど、ぜひ、そのときに言いたいことは言っていただきたいと思います。ちなみに、外交の危機っていう話になると、私も最近調べて驚いたのは、結構、安倍総理が外遊やっていますから、日本ずいぶん外遊してる国になったっていうイメージがあるじゃないですか。一方で、河野外務大臣を含めて外務大臣の外遊、これ、2013年から2017年の5年間、この5年間で日本の外務大臣が外国訪問をした数と、中国の外務大臣が外国訪問をした数は、倍違うんですよ。そして、さらに言えば、この5年間で日本に来た外国の首脳と、中国に行った外国の首脳の数を比べると、4倍違うのです。中国に4倍行くわけです。
だから、こういったことを含めて考えたときに、本当に日本ってなんで合理的に国会という意思決定の最高の場が変われないんだろうと思うのは、外国の会議とかあったら大臣とか行かせて、帰ってきてから報告を受ければいいのに、1問のために行かせないっていうのは、いったい誰のための幸せなのかと。だから、これからぜひ、今日会場にいるみなさんに私が考えてもらいたいのは、政治家の使い方っていうのを考えてもらいたいんですよ。7時間、質問がないのにずっと委員会に座り続けているということを、みなさんが選んだ政治家にみなさんは求めている使い方なのか、それとも、その7時間があるんだったら、様々な世界とか、現場とか、有識者との政策の議論とか、そういった形で政治家を使いたいのか。やっぱり、こういうことが問われる国会のあり方に変えていきたいですね。
竹中氏:私が内閣の中で仕事をしてるとき、ちょうど金融担当大臣だったときだと思うんですけども、今の李顯龍シンガポール首相が大蔵大臣で、何回か呼んでくれたんですけども、「平蔵、おまえはどういう生活しているんだ」っていわれたんで、「月曜から金曜までほぼ国会でへばりついています。9時から7時間へばりついています」って言ったら彼はびっくりしまして、「おい、おまえはいつ仕事しているんだ」って言われた(会場笑い)。「いやいや、深夜と土日にやっています」って。そういうのは働き方改革が必要だと思うんですけども、これが彼らから見ると、やっぱり日本の非常識なんですよね。
世耕氏:そうですね。総理大臣が国会に出席する日数が年間120日ですよ。その次に長い人が、たぶんドイツかイギリスで、せいぜい年間2週間ぐらいですよね。アメリカ大統領にいたっては年に1回しか行かないし、中国の国家主席はそんなものはありませんから。ということで、本当に縛られているというのはみなさんに分かっていただきたいなというふうに思いますね。
小泉氏:ここでちょっと空気を変えて。コントリビューターという他のセッションには絶対にいない存在、武田さんが今日はいるので、武田さんから2人に何か聞きたいことありますか?
武田氏:まず、2つあるんですけど、1つ目は、先ほど小泉先生が「この10年でできたこともあるけれども、できなかったこともあるんではないか」と。それについて竹中先生から回答がありました。私もできなかったことの中でいちばん重要なのは、次の時代をつくる、特に未来の世代に対して責任ある政策運営をするというところについてはまだ課題があるのではないか。特にその中でも「社会保障制度改革」、これについてはしっかり今後取り組むべきではないかと、このように考えています。
では、その社会保障制度改革と言うのは簡単だけれども、先ほど先生もおっしゃったとおり“Critical thinking”という言葉を借りさせていただくならば、根本的な社会保障制度改革、これは何なのかということと、それができていないとするならば何が障害になっているのか、この点についてお聞きしたいというのが1つ目です。
それから2つ目は、3人の先生には後ろを振り返らずに言っていただきたいんですけども、本セッションのテーマは「G1がつくる日本の未来」というセッションです。その日本の未来、どういった未来像を目指して我々は100の行動の2.0に進むのか、このあたりについてお話を伺えればと思います。
小泉氏:これ、やっぱり言論の自由がいちばん高い竹中さんからいかがでしょうか。
竹中氏:社会保障改革の原点で、私はさっきから「原点が必要」「原点が必要」って言ってるんですけども、年金がものすごい分かりやすい例だと思うんですよ。年金って「社会保障」って言われるでしょ。でも、年金っていうのは「社会保険」なんですよね。保険だって考えればいいわけで、もし年金の財政に問題があるんだったら保険料上げればいいんです。保険料を上げるべきなんです。でも、保険料を上げるとどうなるかっていうと、私たちの社会保険料は、要するに自分と企業が払ってるでしょ。企業の負担が増えるから財界が反対するわけですよ。経済界は絶対反対なんですよ。だから「消費税でやれ」って言って。消費税なんかでやると、本当は消費税そのものは逆進性があるから社会保障には向かないなんて分かっているのに、日本の財界トップはみんな消費税引き上げ賛成ですよ。それは、保険料で上げるべきなのに、それをやると負担が重くなるから、誰か他の人に「払ってよ」って、はっきり言ってこういう論理ですよね。しかし、これはものすごい簡単な本質なんだけれども、こういう本質がほとんど理解されてなくて。
保険で言うならば、生命保険っていうのはどんなに掛け金払っててもピンピン生きてたらもらえません。年金という保険も、これは死ぬためのリスクではなくて、生きるための、生きるリスクに掛ける保険だから、どんなに保険料払ってても、80歳90歳になって収入があったら1銭ももらえなくて普通なわけ。でも、経団連会長、今、年金もらってるわけですよね。だから、保険だっていう原点に考えて改革をすれば処方箋っていうのは見えてくる。決してそれは消費税の引き上げではないわけで、支給のやり方を変えて、もし必要だったら保険料を上げるっていうことで、そういう本質的な議論がなされないで、みんな負担するのが嫌だと、誰かに押し付けようという議論でそうなってる。それになかなか政治は食い込めない。政治がそこに食い込めないことを助けてるもう1つの阻害要因はメディアですよね。今、私が申し上げたような、常識的な、本質的なことを書いているメディアって、私は見たことがないんです。「これは年金だから、保険料を上げろ」って書いているメディア、ないですよね。そこがやっぱりできていない1つの大きな理由なんだと思います。
小泉氏:大臣は?
世耕氏:やっぱり「社会保障改革」はこの10年間できなかったことの筆頭だと思います。安倍政権、発足したときから社会保障制度改革国民会議っていうのを立ち上げたんです。我々、なんとか社会保障に構造的にきっちりメスを入れなければいけないという思いでスタートしました。だけど、結局本格的な手は付けられなかった。
一方で我々は、経済はすごく良くしました。良くしましたけども、最後、この経済がグンといかない、いちばん大きなポイントは、やっぱり国民がみんな「社会保障が本当に持続可能なんだろうか。このままだと大変なことになるんじゃないか」という気持ちを少なくとも国民は持っていて、その国民に対する答えをちゃんと示せていないということに尽きるというふうに思っています。なぜできなかったのかといったら、これはやっぱり政治家というのは選挙が怖い。選挙が怖くない人は小泉さんのお父さんぐらいしかいなかったんですね(会場笑い)。みんなやっぱり「これをやると票が減るんじゃないか」ということばっかり気にしてきたわけですけれども、その結果こんなことになった。そうなったメディアの原因もあるかもしれませんけれども、やっぱり政治がなかなか踏み切れなかったっていうところが大きいと思います。ただ、これを解決しない限り経済は伸びないと思っています。
私は、安倍政権、この9月に小泉さんが総裁選に出なければ安倍総理がおそらく再選されると思うんですけれども、私はやっぱり社会保障制度を抜本的に改革をして、持続可能な姿をきちっと国民に示して、そのことが理由で一段と経済が良くなった、そこまで踏み込めるかどうか。いろんなテーマがあると思います。例えば高齢者。「すごい資産のある高齢者が本当に1割負担でいいんですか、医療費」というような議論。「ものすごく資産のある人に、本当に年金は要るのでしょうか」という議論。あるいは「もう助からないと分かってから大量の医療費がかかってるけども、本当にこの終末期医療をやる必要があるんですか」。こういうところに踏み込んで、「年に何千億お金を抑えます」というレベルの議論ではなくて、社会保障制度そのものを根本から組み替える議論ができるかどうか、そこにかかってるというふうに思います。(会場拍手)
竹中氏:世耕さんね、ちょっと議論のための議論を出したいんですけどね、「将来のため」っていうけども、ものすごく近い将来なんですよね。よく言われるのは、2025年に団塊の世代が全員、後期高齢者になるっていうふうに言われるわけですけども、全員がなってからじゃ遅いわけです。最初の段階の世代の頭が後期高齢者になるのは、2021年か22年なんですよ。だから、22年までにできていなきゃいけなくて、そうすると、21年まで理屈のうえでは安倍内閣は続きうるわけだから、21年に制度改革ができていなきゃいけなくて。
これは安倍内閣がどうしてもやらなければいけない、マストの仕事だというふうに思うんですよね。でも、この議論する体制、社会保障のための新しい器を安倍内閣はつくってないんですよね。申し訳ないけども、いちばん最初に出てきた社会保障制度改革推進会議っていうのは、前の政権からメンバーもほとんど入れ替えないで、看板掛け替えただけで、本当にどの程度本気でこの社会保障改革をやってくれるのかというのが、実はちょっとまだ見えない気がするんですが。
世耕氏:これは「私が総理だったらこういうふうにやりたい」という思いがあります。それは、まさに今年6月に向けて、骨太の方針に向けて財政健全化をどういうふうにやっていくかという計画の議論をしているわけです。具体的には、プライマリーバランス(PB)の黒字化の目標時期をいつにするかっていう議論をしています。私はこれを、逆にモラトリアムを置く。PB黒字はいつかはやるけども時期は明示しない。少なくとも対GDPの債務残高比率が下がっている限りにおいて、PBはちょっと横に置く。横に置く期間は何年って決めますけども、横に置いて、その間に社会保障に関して抜本的な改革、集中的な議論をして、それによって「社会保障費の伸びが完全にこれぐらい下げることができますよ」ということを明示したうえで、それをセットにしてPBの議論をしていく。これが私が総理だったらやりたいタイムスケジュールです。これだと数年ですぐ実行に移せるというふうに思っています。
小泉氏:いずれにしても、この社会保障改革っていうのはすごい大事で、これをやんなければ長期政権の中で次世代に何を残せるのかということに真正面から向き合ったことにはならないっていうのがお二方の思いで。ちなみに、今、党内で若手の議員を含めて「人生100年時代にどういう社保改革が必要か」という1つが、「人生100年型年金」が必要だということで、何歳から年金をもらえるかは自分で決める制度に変えようと。この提言を去年やって、今、実際に政府の中でも検討が進んでいるようです。ですので、こういった1個1個をちゃんと形にして残していかなきゃいけないということが1つだと思います。あと、武田さんから2つ目にあった問い、後ろを見ないで、10年後どんな未来を描きたいのかということを1人ずつ語って、フロアにも対話の時間を振りたいと思うんですけど。まず竹中さんから。
竹中氏:私は人々がもっとも尊重すべきバリューは「自由」だと思うんですね。それぞれの人が自由にできる。今、小泉さんがおっしゃった「自由に自分の年金を選べる」っていうのはまさにその象徴だと思うんです。ところが「自由にやったらいけない」というのがまさに規制なわけですよね。やっぱりその規制で特に企業家の方は困っていると思うんです。そこをどんどん自由っていうのをもっと前面に出して、楽しめる、自由に生きられる社会。そこに今、第四次産業革命という自由を楽しめるような素晴らしいチャンスが出てきてるわけで、それに対する備えをどのようにしたら良いのか。
ダボス会議では、メイ首相も、マクロン大統領も、みんなこの第四次産業革命にどう備えるかっていうことを熱弁されましたよ。マクロン大統領は「こういう機会は、やはり頑張れる企業に頑張ってもらわなきゃいけませんから、33%の法人税率を22%にする」というふうに言った。トランプが21%にするでしょ。だから、20%ぐらいが水準になってる。アベノミクスはようやく35%が30%弱になったぐらいなので、相当日本は離されている。そこは政策競争が始まっているということだと思うんですね。
メイ首相で面白かったのは、メイ首相はあえてUberの固有名詞を挙げたんです。「Uberについてはいろんな議論をする人がいるけども、これを否定してはいけない。こういうものを取り込んで社会の中に上手く定着させる工夫が必要なんだ」と。これは日本の永田町・霞ヶ関の議論とはぜんぜん違うわけですよね。これは日本の業界が猛反対して「議論することすらまかりならん」みたいな雰囲気になっているわけですけども、第四次産業革命があるからこそ、その自由をやろうと。そのための究極のインフラは、私は「個人認証制度」、「マイナンバー」だと思います。インドでは、12億人の人口のうちの11億人が指紋と瞳孔まで登録して個人認証制度を確立させた。日本では、まだマイナンバーカードを持っている人は12人に1人で、そこは未来をつくるための、ものすごく重要なポイントになるのかなと思います。
小泉氏:だけど不思議ですよね、日本ってぜんぜんマイナンバーカードが普及しないのはなんでだろうと。どれだけ行政や政治は信用されてないのか。一方で中国は、アリババ、テンセントのことはぜんぶ共産党が握っているっていう。で、電子決済は進む。それだけ行政や政治を信用していない日本は、喜んでGoogleやAmazonは使ってる。なんなんですかね。
竹中氏:これについても、ぜひ、本質的なことでいうと、我々には戸籍制度があるでしょ。厳密な住民票の管理がある。こんな厳密な戸籍制度を持っている国っていうのは世界で数か国しかないんですよ。我々はその意味では既に登録されているんです。それをデジタルにしようというだけで、なんでこんなに反対するのかですよね。ここはやっぱり本当に本質的なことを考えれば、日本は最も簡単にそれができる国だと思いますけどね。
小泉氏:よく「中国人は共産党政府とかを信用していないから」って言うけど、今のこのマイナンバーと、データの誰が握ってるかって話すると、いちばん国を信用してないのは日本じゃないかという、それぐらい思わざるをえないぐらい、このマイナンバーっていうのはぜんぜんだめですね。どうすればいいですかね。
世耕氏:もうこれは便利なサービスをどんどん入れていくしかないですよね。私、野田大臣とも話していますが、一発で解決する方法があるんです、私の頭の中には。これは、マイナンバーで1回登録しておけば、一生、住所変更の手続きが要らないと。クレジットカード会社にも、銀行にも、ダイレクトメールを送ってくる会社にも、デパートにも、どこにも、「こことここには俺の新しい住所教えていいよ」って登録をマイナンバーでやっとけば、人生、住所変更手続きゼロ。これ、絶対マイナンバー取る人が一気に増えると思います。(会場拍手)
竹中氏:あのね、世耕大臣、それだけでは不十分だと思うんですよ(会場笑い)。イギリスで「Tell Us Once」っていう制度があるのご存じですよね。たとえば私の父が5年前に他界しましたけども、区役所に死亡届を出して、相続税の話を国税に出して、登記を登記所に出して、そのために丸2日か3日を犠牲にしてるわけです。Tell Us Onceっていうのは1か所に届ければ全部いきます。銀行の口座の封鎖から、証券の書き換えから、このTell Us Onceをやっぱり目指してもらわないと。これをやれば本当に世の中変わっていくっていうことが分かるので。実は民間で何かやるっていうのはよくあるんですけど、政府自身があんまりやってないんですよ。
世耕氏:それはまったくおっしゃるとおりで、まず隗より始めよ。これ、政府全体でやり出すとものすごく時間がかかっちゃうんです、残念ながら。ということで、経産省に閉じたものはないかというのを探しましたら、中小企業に補助金をいっぱい配っているのですね。その補助金の手続きっていうのが、だいたい年間3万5,000件ぐらいあるので、これを本当に簡単なデジタル化しようと。ものすごく便利なやり方にしようと。来年度スタートすべく、今、準備を進めてます。
小泉氏:「10年後の未来」という話は?
世耕氏:私も竹中さんがおっしゃった「自由」というのが非常に重要だと思っています。ただ、日本を取り巻く環境っていうのは、安全保障的にも経済面でもそう甘くなくて、日本が自由じゃなくなってしまう、日本人が今のように自由で明るく希望を持って暮らせなくなるかもしれない可能性っていうのは、結構いろんな形であるわけです。これから守らなければいけないと思ってます、私は。
1つは、軍事的にはなかなか日本は限界がある。そういう中で日本がやっぱり自由をキープしていくためには、経済を常に強くしていかなければいけない。やっぱり世界にとって日本という国がなくては困るだけの経済の力、技術の力を持っている国で居続けることが、私は最大の日本が自由で居続けるだけのいちばんの根本だというふうに思っています。
まさに今、この時期に経産大臣をやらせてもらっているっていうのは、そういう意味で、自分として、そこの使命感でやっています。10年後も日本がやっぱり経済的に強く、きちっと技術やノウハウで立ち向かっていくことができる、そういう状況を私はしっかりこれからつくっていきたいと思うし、そのいちばんの大きなポイントは「コネクテッド・インダストリーズ」ということで、よろしくお願いしたいと思います。
小泉氏:僕は、お2人が言った、自由をしっかりと謳歌できる国になるための、真のセーフティーネットっていうものは何かっていうことを真剣に考える時代が来ているなと思いますね。堺屋太一さんがこういう面白いことを言っていて、「今までの日本は明治維新から3段階の国づくりのフェーズがある」と。明治維新から敗戦までの間は「強い日本」、これをスローガンでやってきた。そして、戦争が終わってから戦後は「豊かな日本」、これを標語にやってきた。じゃあ、これからはっていうときに堺屋さんが言っていたのは「楽しい日本」、これを目指してやるべきだということを堺屋さんは最近のインタビューで言っていたんですね。
あわせて僕の関心に留まったのは、村上龍さんがあるコラムで書いていたのは、「果たしてこれからの時代、国や政治が希望を生めるのか」っていうテーマで書いてたんですけど、「これだけ価値観が多様化すると『これが希望です』っていう設定はあまり響かなくて、むしろ『ひとりひとりの中にある希望が叶いやすいような国であって良かった、それがこの国の希望である』ということがこれからの希望ではないか」ということを書いていたんですね。僕は「楽しい日本」と「希望はひとりひとりの中にある」っていうのは、多様性ある社会だと思うんですよ。1つのレールではなくて、いくつものレールがこれから日本の中にはあって、それが叶うような社会をどうやって築けるか。
それでは、ちょうどいい時間が来たと思います。フロアから今までの論点を含めご意見を受けたいと思いますが、まずあちら、じゃあ、そこの2人まずいきましょう、まとめて。
参加者A:10年後に向けて外国人をどう考えるかっていう問題で、既に128万人の政府統計上の労働者がいて、ここ数年の労働者の増というのは、実は女性だけではなくて外国人労働者の増に支えられていると。要は、建前では高度労働者しか入れないと言いながら、実質は頼っていると。これが豊かなアジアの時代には続かないのは目に見えているときに、どういうふうに外国人問題を考えていくべきかについて、ぜひ10年後のビジョンを教えていただきたいと思います。
参加者B::無党派層が多いっていうのは、やっぱマスコミのせいだと思ってるのですよね。政治家を野党でも与党でも叩き続けていると。その結果、政治に対する関心が失われたりして無党派層が増えていると。戦前、日本にも二大政党があった時代に、やっぱり新聞が政治家を叩きすぎた結果、政党政治がだめだという結果に、それが軍部を呼んだり、近衛内閣のような貴族内閣になったりしたという歴史もあったりして、やっぱりメディアの責任は重いと思ってます。そういう意味で、メディアが政治家を育てていくっていう視点がすごく必要だと思ってるんで、そこはぜひ変えていきたい。それと、さっきの国会の話みたいに、個人のスキャンダルよりも制度の問題に踏み込んで、そこを批判して変えていくようなメディアに変えていきたいというふうに思っています。そういう意味で、今日、G1に参加している方へのお願いは、メディアもこういうふうに変えていこうと思ってるメディアもありますんで、政治家を育てていくみたいに、メディアも批判するだけじゃなくて育てていただきたい、応援していただきたいという、そういう厚かましいお願いを意見として申し上げます。(会場拍手)
参加者C:簡単に質問として、生産改革とかいろいろ世耕さんさっき言われましたが、これから10年先20年先、今の教育の問題を見ると、子どもたちがそういった技術系の企業に行きたいとか、そういうふうになっていってないと。技能オリンピックでも日本はどんどん順位が下がって、もう9位になって、もっと下がっていこうとしていると。こういう技術で付加価値の高いものをどんどんつくっていく才能がある人たちを育てるように教育がなってないと思うのですが、そこらへんをどういうふうにするつもりなのか。
参加者D:国会運営でSkype国会、あるいは総会運営と同じで決まった議題以外は議長が受け付けない、そんなような仕組みがあると。今、国会法読んでたんですけど、参加しなくちゃいけないっていって、べつに「Skypeで参加しちゃいけない」って書いてないんで、Skypeでいけるといいんじゃないかなと。変な圧がないんじゃないかなと思ってます。
小泉氏:じゃあ、1つ目の外国人の問題と、それと2つ目の技術者の育成の問題、それと3つ目の国会改革、これは竹中さんからいきますか。お答えできるところと、残りのテーマは大臣から。
竹中氏:外国人の話はおっしゃる通りで、日本で何が問題かっていうと移民法がないんですよね。移民法がないっていうのは、移民を受け入れる基準もないのだけれども、移民を取り締まる基準もない。だから、移民法がないから不法移民が増えるっていう問題が生じると。移民の受け入れは大変厳しい条件で、本当に必要な人は受け入れなきゃいけなくて、かつ、日本で求められているのはミドル人材なんですよね。もちろんハイクラスの人材は必要なんですけど、プラス、ミドル人材が今は足りなくて、農業なんかは本当に困ってるわけで。そういうことも含めた、「移民」という言葉が嫌いなら「外国人労働法」でもいいですから、そういう法律をやっぱりちゃんとつくって。これ、韓国はつくったんですよね。ドイツもつくってる。日本にないのですよ。日本は出入国管理しかやってないわけで、やっぱり、ちゃんとこの問題に政治が向き合うということなんだと思います。
技術者の話は、これは技術者になることが成功する、人生を豊かにするという実例をつくっていかなければいけなくて、それをいちばん妨げるのは企業の中の給与体系なんだと思う。企業の中で、技術面で貢献した人が十分給与面で待遇されなくて、昇進の面でも処遇されていない。その責任は企業にあって、結果、企業全体の技術力が低下するわけだから、企業が自分でしっかりしなさいということにある程度尽きるのかなと思います。
国会については、国会議員の人、AIを導入して、質問も答弁も、ぜんぶAIにやらせたらいいですよ。本当にこれ、やってみたら面白いと思いますよ。AIの技術者が遊び半分でやってみたら、「これ、次、何て答えるよ」とか「この次、こういう質問するよ」って、絶対AIで今できると思う。そういうことも含めて、大臣が行かなくてもAIに答弁させるぐらいの改革をやってほしいなと思ってますが、いかがでしょうか。
世耕氏:まず外国人については、私、この間、新宿区の成人式の映像を見てびっくりしましてね。ものすごい外国の人が晴れ着を着て、新成人の何十%かは外国人。これが今、日本の現実だと思います。そろそろ我々は現実に向き合わなければいけない。外国の労働力なくして日本の社会は成り立たないわけであります。たとえば一定のスキルと年限を切るとか、日本語能力という1つのものさしを入れていくとか、何らかの形で外国人をある程度入れるという覚悟を我々はしなければいけないときに来てるんだろうというふうに思います。
あと、技術についてです。近畿大は受験生がガンガン増えてまして、だから、そういう意味では、いい学びの場があれば学生はいくらでもまだ技術系に行きたいという思いはたくさん持ってると思います。ただ一方で、問題は、いわゆる日本の匠の技ですよね。「見て学べ」「10年修行してなんぼのもんだ」っていう、これに耐えられる若者はなかなか今やいないので、ここはまさに「コネクテッド・インダストリーズ」は世代も超えて繋ぐと。だから、匠の技をきちっとデータ化して、それを次世代に引き継いで、次世代はそのデータを使いこなして今まで以上のものをつくっていくっていうやり方に変えていくことが重要だと思ってます。最後にSkype国会、私、大歓迎であります。
小泉氏:ちなみに、1つ目の外国人の話で言えば、去年、国家戦略特区の新しい改正で、特区どうしで外国人実習生の方々の農業現場での移動が可能になるっていう形に変わりました。
そして、2つ目の人材の話では、今日、東大の松尾教授がさっき僕と話して面白いことを教えてくれたんですけど、AI人材で500位ぐらいまでの人材のランキングがあって、なんと200位とか300位ぐらいで年間5,000万円払わないと来ない。さらに言えば、トップ30位ぐらいは5億。それで、トップ10以内になると50億。その年収払わないと獲得ができない。しかも、その人材を100~200人の数百人単位でGoogleとかAmazonは抱え込んでいる。
3つ目のSkype国会、これは実は、エストニアにこの前安倍総理が行きましたけど、エストニアはものすごく合理的で、委員会とかで質問をしない国会議員は委員会に行かなくていいんです。なぜなら、どこでも仕事ができるから。ネット中継をやってますから。で、スマホもパソコンも国会内は自由。そして法案の賛否もスマホでできる。一方で日本はこういう状況ですから、やんなきゃいけないことはいっぱいありますね。
参加者E:具体的な質問なんですが、この間、540億円盗難にあったコインチェックに対して、今後政府として、経済界やメディアに対して、どういう対応をするのが良いと思われているのでしょうか。世界に誇る1つの産業をどうバックアップしてけばいいのか、1回の失敗があったとしても。
参加者F:冒頭のところで社会保障改革だったり、いろいろレガシーがあるっていうお話をされて、当然そこに対する対策って、政治家のみなさんだったら政策っていう観点でインフラを整えると思うんですけれども、一方でたとえばビジネスセクターだったり、ソーシャルセクターだったり、はたまた1人ひとりの個人っていう観点でも、そういう国としての課題を乗り越えるためにやるべきことってきっとあると思っているのですよ。それを僕らももちろん考えるのですけど、政治家のみなさんの視点からどういうものを求めているのかご意見をいただけたらと思います。
参加者G:先ほど「1人ひとりの希望が叶う国というのが希望だ。多様性が大事だ」というお話だったんですけれども、機会の平等っていうのが不可欠なんじゃないかなと思うんですが、婚姻平等についてはどう考えられているかをお答えいただけたらと思います。
参加者H:過去10年成功してこなかったものの1つに「地方創生」があるんじゃないかと思います。プレミアムフライデーも、地方にいると結構普通にできちゃいます。それは土地が持っている豊かさ。超先進国の中でここまで一極集中が変わってない国っていうのは、たぶん日本ぐらいだと思います。これはどうやったら上手くいくのでしょう?
参加者I:新しい産業が日本から生まれない一番の理由は、やっぱり教育だと思ってまして、おそらくこの中にいる方のお子さん、ほとんど外国に留学に行っちゃってるという状況の中で、教育改革、いつやるのか教えてください。
参加者J:社会保障の問題で言うならば、医療・介護の現場は決まった診療報酬の中でどうやってやっていくのかということを考えているのが現実だと思うんですが、これ、どうやったら成長産業に変わるのか、何かアイデアあったら教えてください。
参加者K:意見なんですけど。100の行動2.0に関して、もうちょっと若者を巻き込んだ行動をつくってもらえればっていうふうに思います。
小泉氏:今の質問で、コインチェック、LGBT、地方創生、教育、国民に求める政治家の思いですね。じゃあ、答えたいのを答えてください。
竹中氏:まず、仮想通貨の話は、これは仮想通貨を否定することは絶対できません。仮想通貨は分散型の台帳でやるという話で、いくつかの失敗例は必ず出てくると思うんですけども、日本の金融庁はその点では去年の資金決済法の改正で、そのことに対してきちっと位置付けをした、ここはやはり評価されていいことだと思うんです。問題は、そのチェックの仕組みをちゃんとつくっていくことで、今回はこのチェックが遅れたということなんだと思うんです。だから、全体を否定しないで、少しずつ、さっきのメイ首相のUberの話じゃないですけども、そこを見ていくということだと思います。
地方創生の話なんですけど、私は日本がそんな極端な一極集中だとは思わないんですね。むしろ今、安倍内閣はいい政策やっているんですけども、これ変だなと思う政策の1つは、東京23区の大学の定員を増やさないということ。これはちょっとおやめになったほうが良いのではないかなというふうに思います。
医療は本当に今ガチガチだと思うんですけども、システムを変えるのは難しいのですけど、1つのきっかけになるのは、私はやっぱり混合診療だと思います。お金を払いたい人にはもっと払わせる。しかし、混合診療を医師会が反対してるわけで、混合診療をきっかけにいろんなことが変わっていくトリガーになるのかなと思います。
世耕氏:「政治家としての思いを」ということがありましたんで、ぜひ。これ、メディアのみなさんにお願いしたいんですが、『相棒』とかいろんなドラマにいろんな政治家が出てきますが、全員悪者なんです(会場笑い)。お願いですから、一生懸命やっている政治家もいるっていうドラマをつくっていただきたいなと思います。それだけです。(会場拍手)
小泉氏:ありがとうございました。それでは、時間も来ましたので冒頭のセッションはこれで終わります。ありがとうございました。
執筆:山本 兼司