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データとAIを活用してオリンピック選手を育成できるか?~鈴木健×伊達公子×皆川賢太郎×為末大

投稿日:2023/07/03更新日:2023/12/13

G1サミット2023
第7部分科会C「データ・AIと直感を活用したアスリート育成システムをどう構築するか」
(2023年3月19日開催/北海道ルスツリゾート)

アスリートの育成におけるデータ活用・AIの重要性がこれまでにないほど高まっている。進化するテクノロジーを日本のスポーツ界はどう活かして世界で戦っていくのか。盛り上がる日本のスポーツ界を牽引するトップランナーたちがスポーツのこれからを議論する。(肩書きは2023年3月19日登壇当時のもの)

03:40 自分の競技で何が勝負に影響したか?

-(伊達氏)体格が世界と戦うには劣っていたので、相手のボールを利用して打つライジングで世界に向き合えた。ボールまで直線的に入るような打ち方をしていた。
-(皆川氏)スキーにおいて、決まった環境でやるのはジャンプスキーぐらい。定量化してデータを取るのと、その時に適合する必要もあった。アルペンスキーにおいては、スピードに慣れることとターン数を稼ぐトレーニングが必要。

14:20 スポーツ現場のデータ活用について

-スポーツはルールや道具、環境の変化によって最適解は変わる。スポーツは究極的には強くなることが選手の目的だが、本当の目的は楽しむこと。サッカーのオフサイトも楽しむためのもの。楽しい方向性にルールが進化することが大事。『なめらかな社会とその敵』でも書いたように、複雑な世界を複雑なまま生きるためにはどうすればいいのか。
-スポーツで観客の影響がどれだけあるのか、興味は持たれていたが測定できなかったが、コロナ禍の無観客試合でデータが取得できた。AIですべてを明らかにして平等にすると、観客による熱狂は生まれなくなるのではないか。
-現地で応援してもテレビで応援しても、応援したから勝ったと思うが、そこには因果関係はない。応援というのは科学ではない。

24:00 環境がパフォーマンスに与える影響

-『サーフェス世界で戦うためのサーフェスとは』という論文を書いた。サーフェスコートは日本で人気だが、日本の子どもたちは世界で使われていないコートで練習しなければならない。肉体的な差があるのに、コートの差まで出てしまう。
-プロも、グランドスラム(全豪・全仏・全英・全米)でハードコート、赤土、天然芝にアジャストしなければならない。まずは日本で、最低限の環境を整えることが重要。
-ウィンタースポーツは、雪がない国には立ち行かないという物理的な問題がある一方、いかに選手の石製を速く見極め、能力に合った種目を選択させるかが大事。データと同時に、環境との兼ね合いと勝率数が今後も重要になってくる。

30:20 競技を始める年齢、骨格、楽しさ、センスについて

-ウィンタースポーツでは、小学校から始めて日本代表になれる人を聞いたことがない。テニスでは、3歳くらいから始められるが、15,16歳くらいまでは間に合う。
-ソ連では、子どもの骨格を見てやらせる競技を決めていた。合理的だが、スポーツは楽しくないとダメ。
-僕は父が競輪選手で、競輪選手にさせるために毎日自転車に乗っていたが好きにならなかった。
-今後AIやテクノロジーによって、センス(勘)がいらなくなって、コツを習得することが起きてくるのではないか。汎用性のある身体にセンサーデバイスがついたウェアを身につける時代が来る。

40:28 選手を育てる良いコーチとは

-テニスの場合は、オンコートでモチベーションを上げることが重要。視野を広くさせる助言ができるコーチが良いコーチだと思う。自分で考え、自分で答えを見出す力を養っていく。信頼関係を築き上げることが求められるのではないか。
-個人競技の場合は、伴走型でコミットしてやってもらえる信頼関係が大事。

45:28 質疑応答①

-パワハラについては、根気よく定量化していくことで数は減ってきているので、地域・現場でも同様で、AIとの情報共有で減らせるのではないか。スタジアムなどのハード面に合わせたスポーツを作っていくと、負荷が減らせる。
-スポーツの細分化について。スポーツをする時間は有限。やる楽しいスポーツと観て楽しいスポーツは分かれて進化するのでは。
-地域の指導者について。渋谷区のようにアウトソースする形が増えるのではないか。指導者のスキルを上げていくことが大事。運の掴み方について。運を掴みに行く力と、転がっている運に気付く力も大事。

55:02 質疑応答②、まとめ

-我々の世代は、みんなから応援してもらえるスポーツのフォーマットを作る世代。
-引退した今の私がやっているのは、週に2回コンディショニングと皇居ランを1周すること、週に1回のテニス。
-自分の体自体に対して細かい感覚が持ってるようになっていくこと自体が、生きていくこと、幸せになること全体につながるのではないか。

  • 鈴木 健

    スマートニュース株式会社 共同創業者 代表取締役会長

    2009年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士。東京大学特任研究員。著書に『なめらかな社会とその敵』(勁草書房)など。「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」ことをミッションに、2012年にスマートニュース株式会社を共同創業。2014年9月SmartNews International Inc.を設立し、米国市場の展開を牽引している。
  • 伊達 公子

    テニスプレーヤー/株式会社KD PLANNING 代表取締役

  • 皆川 賢太郎

    株式会社HEIDI 代表取締役社長/全日本スキー連盟 常務理事兼競技本部長/一般財団法人冬季産業再生機構 代表理事/公益財団法人日本オリンピック委員会 選手強化中長期戦略プロジェクト サービスマネージャー兼データ&テクノロジーリーダー/プロスキーヤー

    元アルペンスキー日本代表 全日本スキー連盟常務理事 プロスキーヤー

モデレーター

  • 為末 大

    一般社団法人アスリートソサエティ 代表理事

    1978年広島県生まれ。
    スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2024年9月現在)。
    現在はスポーツ事業を行うほか、アスリートとしての学びをまとめた近著『熟達論:人はいつまでも学び、成長できる』を通じて、人間の熟達について探求する。
    その他、主な著作は『Winning Alone』『諦める力』など。

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