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子育てを楽にするテクノロジーを積極的に探し、使おう

投稿日:2022/12/16

今年9月発売の『MBA 2030年の基礎知識100』から「第10章98 子育てでもテクノロジーを活用」を紹介します。

子どもを育てることは非常に労力を要するものです。近年、子どもを持たない夫婦が増えました。その理由として圧倒的1位となっているのは経済的な事情ですが、それに次いで多いのが「仕事に差し支える」「精神的・肉体的負荷に耐えられない」というものです。特に子どもを出産する女性の場合、キャリアが一時中断する、あるいは育児の負荷が高くなりがちというのは切実な悩みでしょう。

ただ、子どもが減れば、国はますます衰退してしまいますし、子育てを通じて得られる充実感や自分の人間性への刺激も得られません。国や自治体、企業の対策も必要ではありますが、それを待つだけでは受動的すぎます。個人でもできることはあります。2030年くらいには発達するはずのテクノロジーを積極的に使いこなすことで、負荷はかなり軽減できるはずです。また男性も、育休を取るのはもちろん、同じくテクノロジーも活用してより積極的に育児に参加することが必要なのは言うまでもありません。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、PHP研究所のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

◇    ◇    ◇

子育てでもテクノロジーを活用――よりしっかりと向き合うために

「子育ては親育て」という言葉もあります。少子化の進む日本において、次世代を担う子どもを育てるのはそれ自体価値が高いことですし、子育てを通じて得られる親自身の成長や満足感は、他の営みでは得られないものがあります。ここでは、主にテクノロジーを活用した子育て、特に就学前の子どもの子育ての工夫について見ていきましょう。

アメリカにはすでにBaby Techという言葉があります。文字通り、赤ちゃんの育児にテクノロジーを活用するものです。例えば、健康状態やどのくらいご飯を食べたのかといったことを、ITの力で捕捉するのです。起きている時間や寝ている時間の捕捉といったことも可能になります。母乳で育児をする人であれば、そのタイミングなども記録できます。赤ちゃんの寝かしつけを促すテクノロジーの研究などもされています。こうしたテクノロジーは、2030年にはさらに多様なものが出ていることが想定されます。乳幼児に限らず、使えるもの、評判のいいものは、うまく活用していきましよう。おそらく、そうしたサービスを案内するウェブサイトなどもかなり増えていると思われます。ある程度のリテラシーは必要にはなりますが、そうした情報も利用したいところです。

2030年にはリモートワークがかなり進んでいると想定されますので、それを活用し、子どもと触れ合う時間を持つことも、男女ともに大切になります。いわゆる「ワンオペレーション」は極力排除することが好ましいと言えるでしょう。特に重要なのは、男性の育児への参加です。女性側に丸投げするのではなく、男性も育児を引き受けることが期待されます。そこでもテクノロジーは活用できます。どのように男性が育児に参加しているのか、どのような工夫をしているのかを議論するSNSやオンライン懇親会なども、多数登場するでしょう。「お悩み相談サイト」なども、より発達すると思われます。それらを活用することで育児能力を上げることが、男性には望まれます。また、そうした交流は「自分だけが大変だ」という意識を減らすことにもつながり、モチベーション向上にも寄与します。

日本ではベビーシッティングの文化はあまり浸透していませんが、お年寄りによるそうしたサービスもあります。保育所などへの入園が難しい場合は、そうしたサービスの活用も検討しましょう。多少の費用はかかりますが、それによって得られるものが大きいのであれば、外注は効果的です。

他の家事を外注することで、子育てにより時間を使うという方法もあります。リモートワークが進むとはいえ、共働きが増える中、家事をすべてこなすのは、やはり時間を取るものです。また、掃除や後片付けのような家事は、面倒な割に満足度を得にくい家事です。常に家事代行を依頼する必要はありませんが、時にはそうしたサービスを利用することで息抜きをし、子育てにより時間を使うことも検討していいでしょう。なお、家事についてはテクノロジーの進化で、そもそも減るという見込みもあります。例えばロボット掃除機は掃除の負荷をかなり下げてくれましたし、食洗機は洗い物という面倒な仕事をなくしてくれました。 2030年にどこまでこれらのテクノロジーが進化するかは未知数ですが、利用可能なものはどんどん取り入れましょう。

一般に、テクノロジーは若い人の方が取り入れることに抵抗感が少なく、また、うまく使いこなす傾向があります。比較的高年齢で子育てを始めるカップルの場合、そうした若者に学ぶという姿勢も大切です。

幼少時までの子育てで、子どもの人格形成のかなりの部分が左右されてしまいます。男女ともテクノロジーを活用し、しっかり子どもに向き合うことが、2030年にあるべき子育てと言えるでしょう。

MBA 2030年の基礎知識100
著者:
グロービス 著・編集:嶋田毅 発行日:2022/9/22 価格:2,145円 発行元:PHP研究所

グロービス出版
グロービス電子出版

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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