G1・KIBOWソーシャルアワード2017 授賞式
「G1・KIBOWソーシャルアワード」は、G1サミットがきっかけとなって生まれたアワードで、日本ならびに海外で社会を良くする活動で幅広く活躍する方々を顕彰し、その活動を後押しすることを目指すものです。2017年の受賞者は下記の方々です(肩書は2017年5月29日の授賞式当時のもの)。
<社会事業家部門>
株式会社ベネッセホールディングス 名誉顧問 福武總一郎氏
<社会起業家部門>
特定非営利活動法人かものはしプロジェクト 共同代表 村田早耶香氏
<特別賞>
日本サッカー協会 キャプテン(最高顧問)
日本バスケットボール協会 エグゼクティブアドバイザー 川淵三郎氏
<受賞理由>
ベネッセホールディングスは、30数年に渡り、公益財団法人福武財団とともに、瀬戸内海の直島・犬島・豊島を、自然や素晴らしい建築の特性を生かした現代美術によって、固有の空間に創り上げてきました。国立公園の第一号に指定された瀬戸内海国立公園の中で、製錬所の亜硫酸ガスや産業廃棄物の不法投棄、過疎で痛めつけられたそれらの島々を、世界から評価される場所に生まれ変わらせました。中心的な直島には年間70万人(2016年)を超えるゲストが世界中から訪れます。これらの活動は2010年から始まった「瀬戸内国際芸術祭」の開催につながっています。現在では12の島で人々を元気にし、現代美術を使った地域再生の手法は「直島メソッド」として海外でも紹介されています。現代アートとそれを包含する地域が、ともに成長し続ける関係を築いてきた功績は非常に大きいものと考えます。
村田早耶香氏は、大学在学中の2001年、東南アジア訪問時に子どもが売られる問題の深刻さを知り、2002年20歳の時にかものはしプロジェクトを創業しました。かものはしプロジェクトでは、10歳未満の子どもまでもが被害にあっていたカンボジアで、子どもが売られる問題を防止するため、職業訓練と雇用により家庭の収入を向上させる雑貨工房を運営するとともに、加害者を取り締まるための警察訓練を支援してきました。インドにも活動の幅を広げ、現地NGOと共に、被害にあった方達が人生を取り戻す支援と子どもが売られない社会の仕組み作りを支援しています。このような人身売買の防止や被害者への支援を行ってきた功績は非常に大きいものと考えます。これらの活動を称え、社会起業家部門賞を授与します。
川淵三郎氏は、日本サッカーリーグ(JSL)の総務主事としてサッカーのプロ化をけん引し、1991年に日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の初代チェアマンに就任しました。2002年のFIFAワールドカップ日韓大会後に日本サッカー協会の第10代会長に就いてからも、日本サッカーの発展とサッカーを通じた地域スポーツ振興、国際交流に力を注ぎ、日本に「スポーツ文化」を根付かせました。また、2015年には、二つのプロリーグの並立によって国際大会への出場が停止されていたバスケットボール界を改革し、プロリーグ「Bリーグ」を創設しました。このようにスポーツ界全体の発展に寄与した功績は非常に大きく、これらの活動を称え、特別賞を授与します。