G1経営者会議2016
第3部分科会B「テクノベート時代の新たな"働き方"とは」
テクノロジーがあらゆる業界を変革していく中で、就業構造や働き方、企業と個人の関係もまた、大きく変わろうとしている。リモートワークや副業を推奨する企業も現れ、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現を政府が主導する。産業構造がドラスティックに変わる中、日本企業が競争優位を獲得していくために、どのような「働き方」が必要となるのか。働き方改革を進めるパネリストたちに迫る。(肩書きは2016年11月3日登壇当時のもの)
<動画冒頭をテキストでご紹介>
牧野氏: 今日は「テクノベート時代の新たな"働き方"とは」ということですが、テクノベート時代と言っても、今後一番言われることは、AIが普及していく中で、今ある仕事の単純な知識型の労働の部分はどんどん減っていくだろうと言うことです。
一方で働き方改革ということで、政府も中心となりながら色んな改革提案が出ているわけですし、それに対して一般の企業の方の経営者としても、クリエイターや専門職の人たちも、色んな形で期待をしている部分もあります。このあたりを中心に、今日は河野さんも来られていますのでお話を聞きながら進めます。あとは先端的な働き方改革のひとつの労働時間改革だとか、ワークライフバランスの考え方についての専門的な意見も少し聞きながら進めていきたいと思います。
最初に、小室さんから今の時代背景的な労働人口の変化について説明いただいたほうが、このあとのディスカッションがやりやすいと思いますのでお願いします。
小室氏: ありがとうございます。最初に人口ボーナス期・オーナス期という背景についてお話しておきたいと思います。私の本業は企業の働き方改革のコンサルティングで、900社の企業の働き方を変えてきているのですが、一言で言うと働き方改革がものすごく必要になっている組織の働き方は、「人口ボーナス期」に非常に最適化されてしまっているというのがあります。
説明すると長くなってしまうのですが、若者がたっぷりいて、高齢者がちょっとしかいないという時期のことを指します。速く安く大量に仕事をして儲けて、高齢者の比率が少ないので社会保障費がかからないのを武器に、儲けたお金をどんどんインフラ投資に回すので、爆発的な経済発展をしやすいという時期です。この時期が日本でいうと90年代半ばに終わりまして、日本は今「人口オーナス期」にあります。(この続きは動画でご覧ください)