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プレゼンテーション入門――聴き手を起点に考える!プレゼンの基本を解説

投稿日:2026/01/29更新日:2026/01/29

【本稿のポイント】

・プレゼンの良し悪しは、話し方や資料の出来ではなく「聴き手が行動したか」で決まる

・自己満足のプレゼンから脱却するには、まず「誰に、どうなってほしいか」を明確にすることが重要

・成功するプレゼンには「伝える内容を絞る」「一目でわかる資料」「短く話す」の3原則が欠かせない

・抽象論ではなく、事実や数字を使うことで説得力は大きく高まる

・あがらずに伝えるために必要なのは話術ではなく、徹底した準備と熱意

自己満足のプレゼンから卒業するには?

人前で話すのは得意ではないし、プレゼンするのは気が重いという方が多いのではないでしょうか。しかし、仕事のレベルが高まり、役割の幅が広がってくると、お客様への提案、社内の会議での説明、様々な説明会でのスピーカーなど、多くの人の前で話をする機会は社内外問わず増えてきます。そして、そこでのプレゼンの成否が皆さんの仕事の成果、そして周囲からの評価を左右するようになります。

一方、中には自分は話すのが得意だ、プレゼンには自信があるという方もいます。見栄えのよいスライドを作り、自信を持って堂々と縦板に水のごとくしゃべる。プレゼンが苦手な方から見ると、自分もあのように話せればいいのにと感じることも多いでしょう。

しかし、プレゼンが苦手な方も、そうでない方も、実は大きな思い違いをしている点があります。

例えば、プレゼン終了後のこのようなコメントを考えてみましょう。

「今日のプレゼンは完璧。言いたいことは全部言えた。15分の持ち時間に収めるために何度も資料を作り直したかいがあった。何度もしゃべる練習をしたおかげで、途中でつっかえることもなかった。上司からも『よいプレゼンだった』と言われ、お客様からも帰り際に『しゃべり、うまいですね』と褒められた」

さて、これは本当に「良いプレゼン」なのでしょうか?

プレゼンの成否は聴き手の行動で決まる

実は「うまく見えるプレゼン」と「良いプレゼン」は違うのです。プレゼンが「良い」か「悪い」かは、資料の出来やしゃべり方のうまさなどではなく、「そのプレゼンで実現したかった状態が達成できたか」。具体的には、「聴き手は自分が狙った判断や行動をとってくれたか」によって決まります。

例えば、もし自社のミスで取引先の顧客に迷惑をかけ、その対応策を説明するとき、凝った資料を使って堂々としたプレゼンをしたら聴き手はどう感じるでしょうか。おそらく「資料を作る時間があったら、この状態を何とかしろ!」「こいつら本当に悪いと思っているのか?」などと反感を持たれてしまうでしょう。このプレゼンで実現したいことは、聴き手であるお客様が当社を再度信頼してくれること、そして当面の対応について納得してもらい、その実行に協力してもらうことでしょう。それがこのプレゼンのゴールであり、そこに向けて全ての力を振り向けていくことが必要です。

プレゼンをする上で、資料の作り方や話し方などはとても重要です。しかし、それはプレゼンの目的ではありません。プレゼンは「聴き手を動かす」という目的に対する手段なのです。このことを忘れずに、日々自身が行ったプレゼンや説明について、「それで聴き手は納得して動いてくれたのか_」をまず確認することを意識しましょう。そして、うまく行かなかったのであれば、どこがまずかったのかを振り返る。うまく行ったのであれば、何が効果的だったのかを押さえていく習慣が重要です。これを地道に続けることで、あなたのプレゼン力は確実に上達します。「プレゼンの成否は、聴き手の行動で決まる」。このことを深く心に刻んでおきましょう。

プレゼンの成否を左右する「聴き手」とは

プレゼンの成否は「聴き手が、自分が狙った判断・行動をとってくれたか」によって決まります。このため、同じ資料を用いて同じように話をしても、聴き手によって成功する場合もあれば、失敗することもあります。そこで大事になるのが、プレゼンをいかに「相手に合わせたものにする」かです。

聴き手を知る、聴き手について深く考える

「当社の製品の一番の特徴は耐久性が高いことです。これだけの耐久性が出せるのは当社独自の技術があるからです。その技術は長年の研究開発によって生み出された生産技術の高さによるもので、そこに当社は…」

たとえば、聴き手が、その製品自体についてほとんど知らず、使ったこともないお客様だとしたら、こうしたプレゼンは適切と言えるでしょうか。耐久性が優れていることが、そうした製品においてどれくらい重要なことなのかがわからなければ、若しくはそのお客様が実は耐久性よりも価格など別の特徴を重視している場合、こうした説明はあまり意味がありません。聴き手はなぜこちらがこの話を長々としているのか理解できないでしょう。逆に、こうした製品について熟知している技術者が聴き手で、今使っている製品の耐久性に不満を抱いているのであれば、この説明こそが相手に響きます。このように、言うべき内容、言い方をいかに相手に合わせることができるかが重要なのです。

聴き手と心の中で「対話」する

しかし、ぼんやりと「聴き手が知りたいことは何だろう?」と考えても答えは出ません。プレゼンの機会が与えられたら、「聴き手は誰で、自分は聴き手にどうなってほしいのか」「聴き手は何を知っていて、何を知らないのか」「聴き手が最も関心があることは何か」の3つを自分に問いかけてみましょう。

当たり前のように思えるかもしれませんが、こうした点が押さえられていない、聴き手不在のプレゼンが世の中には極めて多いのです。プレゼンの準備、そして実際に話をする際も、これらの問いを何度も自分に問いかけ、もしわからない点やはっきりしない点があれば、聴き手についてよく知っている人に聴くなどして、聴き手の情報を集める努力にまず時間をかけましょう。資料をつくるのはその後で良いのです。

情報が十分に得られない場合、「自分が聴き手の立場だったら」とイメージして考えてみましょう。ふだんどのようなことをやっているのか。何を知っていて、何に関心があり、どんな願望や懸念を持っているのか。などをイメージしてみることで、いろいろなことが見えてくるはずです。一旦自分の「言いたいこと」から離れ、聴き手の立場に立ち、聴き手と「対話」しながら準備を進める。プレゼン成功のかなりの部分はここにかかっていると言っても過言ではありません。

成功するプレゼンに必要なこと・3つ

プレゼン資料をつくっているとついつい「あれも言いたい、これも説明したほうが…」と多くの情報を詰め込んでしまいがちです。

言うべきことを絞り込む

ここで注意が必要なのは、話し手が考えている時間に比べて、聴き手が話を聴いて理解する時間は圧倒的に少ないということです。この落差を意識しないと、聴き手がプレゼンの中で処理できるものを超えた情報を伝えてしまい、「いろいろ説明してもらったけど、結局よくわからなかった」。もしくは、説明時間を大幅に超過し、一番大事なところの説明が駆け足になってしまい、「伝えるべきことが伝えられなかった」といったことになりがちです。

こうした失敗をしないためには、プレゼンで言うことを、「聴き手の知りたいこと、知るべきこと"だけ"に思い切って絞り込む」ことが重要です。

まず、そのプレゼンで1番聴き手に伝えたいこと、理解してもらうべきことは何かを2行程度の短い文章で表現してみましょう。これがそのプレゼンのメインメッセージになります。そして、そのメインメッセージを理解、納得してもらうために、聴き手が「最低限知らなければならないことは何か?」を考えていきます。それらを資料の各ページの一番上にメッセージとして書いてみます。そして、これらのメッセージだけを読んでみて、聴き手にとって必要十分な内容になっているか、わかりやすく表現できているかをチェックするとよいでしょう。そのうえで、各メッセージを理解するために必要なデータ、グラフ、図などを資料に加えていきます。

一目でわかる資料をつくる

1枚のスライドにいくつものグラフや図が描かれていたり、細かな字で説明がたくさん書いてあったりするスライドをよく目にします。話し手としてはそれを使いながら説明するつもりなのでしょうが、大抵の場合、その説明は聴き手にとってわかりにくく、回りくどく、何を言いたいのかわからないものになりがちです。

こうした事態を避けるには、1枚のスライドに入れるものを絞り込む。各資料のメッセージを言うために必要最低限な情報だけを掲載し、極力シンプルにするのがコツです。そして、図表やグラフを見た瞬間に、余計な説明をしなくても、メッセージが頭に浮かぶかチェックすると良いでしょう。

短く話す

たとえば15分の説明時間を与えられたとしましょう。我々はついついその時間目一杯を使って話をしようとしてしまいますが、むしろ2/3くらいの時間、この場合であれば10分で話すことを目標にするとよいでしょう。プレゼンが長くなることで不満、不便を感じる人は多いですが、プレゼンが早く終わって文句を言う人はほとんどいません。むしろ簡潔で言いたいことが明確なプレゼンは、聴き手の好感を得やすく、強いインパクトを与えることができます。

プレゼンにおいて重要な原則はLessisMore(より少ないことは、より豊かなこと)。シンプルで明快なメッセージ、一目でわかる資料、短い説明。ぜひこの3つを明日から意識して実践してみてください。きっと「わかった」と言ってもらえることが増えるはずです。

プレゼンで事実の伝え方、間違ってませんか?

例えばあなたが、職場でのコミュニケーションについて問題意識を持っており、何らかの改善が必要だと伝えたいとします。問題提起のためのメッセージとして、次の2つの候補を考えました。

事実の力

  • 職場でのコミュニケーションが悪化しており、社員のモチベーション低下の原因となっている
  • この半年で若手3名が退職。理由は『上司と話がかみあわない』

さて、どちらが聴き手に「それは問題だ!」「何とかしなければ」という気持ちを起こさせるでしょうか?

恐らく2つ目のメッセージのはずです。これらのメッセージの違いは何でしょうか?

前者は抽象的な考えを述べているのに対して、後者は具体的な事実を使って語っています。自分の主張に説得力を持たせる上で、抽象的なことを言うよりも、事実をはっきり述べる方が説得力を持つのです。

自分より知識や経験が豊かな人を説得する。まだ付き合いが浅く、関係構築ができていない顧客を説得する。自分の考えに自信を持っていて、なかなか自説を曲げない上司を説得する。こうした説得が難しい場面で、皆さんが一番頼りにすべきなのは「事実」や「数字」です。聞こえの良い抽象的な言葉をたくさん並べるより、ビジネスの現場に根差した「事実」をシンプルに、明確に伝える方がよほど説得力があるのです。

徹底的に準備し、話し方に集中

プレゼンの世界では、「何を話すか以上に、どのように話すかが重要」とよく言われます。実際、話し方ひとつで聴き手の受け取る印象、話の説得力は大きく変わります。まっすぐどっしりと立ち、大きな声で話す。両手をダイナミックに使って強調する。笑顔で聴き手の目をしっかり見て話す。こうした基本を押さえ、訓練をすることはとても大事なことです。

しかし、問題は実際のプレゼンになると、頭でわかっていてもなかなかできないということです。次に何を言うんだっけ?と考えてしまい、言葉に詰まってしまう。いろいろ説明をしているうちにどこをしゃべっているのかわからなくなり、焦って大事なことを言い忘れてしまう。そうなると、体を揺らしたり腕を組んだりといった悪い癖が出てくる。聴き手と目を合わせるどころではなくなってしまう。結果、1番言いたいことを言う前に時間切れ、などが良く見かける症状です。

こうした悲惨な状態を避けるには、テクニック以上に徹底した準備が重要なるのです。言うべきことを絞り込み、大事なことだけを自信を持って伝えられるよう、頭の中をクリアにしておく。補足説明が不要な一目でわかる資料をつくり、大事なメッセージは資料にしっかりと書いておく。そして、時間に余裕を持っておく。こうした準備をしておけば、プレゼンの現場で考えることが減り、焦ることがなくなります。徹底した準備こそが、プレゼンで「あがらない」秘けつなのです。

熱意を伝える

「どのように話すか」は大事ではあるものの、必ずしも「うまく話す」ことを目指す必要はありません。皆さんが「感動を覚えたスピーチ」を思い出してみてください。それらは必ずしもうまいプレゼンではなく、その人ならではの個性が感じられ、何かを伝えたい、わかってほしいという思いがダイレクトに伝わってくるものではなかったでしょうか。特に若い人が行うプレゼンでは、うまいプレゼンよりも、真剣に、一所懸命に話す姿が、聴き手に好感を与えるものです。うまくしゃべろうと考えるのではなく、熱意を持って話す。そう考えるとプレゼン時に緊張することはなくなるはずです。


本稿は、2014年に掲載した「プレゼンテーション入門」シリーズを再構成して掲載するものです。

プレゼンテーションについてもっと知りたい、スキルを高めたい方には、こちらの動画もおすすめです。

  • 吉田 素文

    グロービス経営大学院 教員

    立教大学大学院文学研究科教育学専攻修士課程修了。ロンドン・ビジネススクールSEP(Senior Executive Program)修了。大手私鉄会社を経て現職。グロービスでは、ケースメソッド等インタラクティブな経営教育の方法論を専門とし、多数の質の高い講師・クラスを創出。論理思考・問題解決・コミュニケーション・経営戦略・リーダーシップ・アカウンティング・組織論等の経営の広範な領域においてのコンセプト・プログラム・コンテンツ開発多数。グロービス経営大学院での講義の他、企業での経営者育成、シニアマネジメント向けプログラムの設計、および企業の実際の戦略・組織課題を扱うセッションの講師を多数務める。著書に『ファシリテーションの教科書』(東洋経済新報社)がある。

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