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5つの基本マトリクスタイプをマスターせよ

投稿日:2025/04/21更新日:2025/04/21

今年3月発売の『マトリクス思考』から「1章 マトリクス思考の基本」の一部を紹介します。

マトリクスにもさまざまなタイプがあります。たとえばマーケティングで有名なポジショニングマップは、それぞれの要素がプロットされる位置関係が重要になりますが、戦略立案などで用いられるSWOT分析は、4つのマス目(セル)のどこに特定の要素が入るかが重要となります。本書では、基本的なマトリクスのタイプを5つにまとめ紹介しています。何かマトリクスを見たら「これはどのタイプかな」などと考えるとマトリクス思考もより素早く身に付きます。

その中でも重要なのは、基本ともいえる最初の3つのタイプでしょう。今回紹介するポジショニング型は他の型と併用して使われることも多い、基本形の1つです。汎用性も高いため、オリジナルのマトリクス作成の場面でも大いに役に立ちます。ぜひ使いこなせるようにしましょう。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、東洋経済新報社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)


マトリクスには様々な派生型があります。本書では、その代表的な5つの種類について説明します。

5種類のタイプとは、①ポジショニング型、②セル型(分類型)、③セル型(方向性型)、④メカニズム型、⑤センターボックス型です。この5つ以外にもマトリクスのタイプはありますが、まずは基本的なところから確認し、その上で他の型についても学習するといいでしょう。なお、この5つのタイプはクリアに分かれるものではなく、複数の要素を持つケースもあることを念頭に置いてください。事実、第3章でご紹介する新規マトリクスの中にも複数の要素を併せ持つものは少なからず存在しています。 

ポジショニング型

ポジショニング型は、2本の軸を引き、散布図のようにプロットしていく型です。プロットした各々の相対的な位置や分布などは様々な情報を含むことになります。マーケティングなどでよく利用されており、最も一般的なマトリクスの型の1つです。下記の図表はあるレストランのポジショニングマップ例です(ポジショニングマップとは、競合よりも自社が優っていると顧客に認知してもらうために用いるマップのこと)。 

自社はオシャレでしかも健康的なメニューを訴求しており、近隣のライバルに比べて良い位置にあることがわかります。

その他の有名なポジショニング型のマトリクスとしては、事業ポートフォリオのバランスを見る、ボストン コンサルティング グループが開発した「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」があります。縦軸に「市場成長率が高い/低い」、横軸に「相対マーケットシェア(トップ企業のシェアに対する比率。トップ企業の場合は2位の企業に対する比率)が高い/低い」の軸をとります。縦軸の中心の値は10%(もしくはGDP成長率などを置くこともあります)、横軸の中心の値は1.0として作図します。横軸は、左にいくほど高くなるという、通常とは逆の向きになっています。

各象限には、以下のような特徴的な名称がつけられています。なお、PPMは各事業の相対位置も重要ですが、最終的にはどの象限に含まれるかを重視するため、次の項で紹介するセル型(分類型)の要素も入っています。

  •  「市場成長率が高い」×「相対マーケットシェアが高い」=花形事業
  • 「市場成長率が高い」×「相対マーケットシェアが低い」=問題児
  • 「市場成長率が低い」×「相対マーケットシェアが高い」=金のなる木
  • 「市場成長率が低い」×「相対マーケットシェアが低い」=負け犬

このマトリクスを用いることで、複数の事業を持つ多角化企業において、資金を生み出す事業と、資金を投資しなければならない事業を視覚的に区別することができます。PPMでは、「金のなる木」から得られたキャッシュを「問題児」に投下し、相対市場シェアを上げて「花形」に近づけるというのがセオリーです。「花形」はいずれ成長期の後期になると「金のなる木」となり、他事業にキャッシュを供給する立場となります。「負け犬」事業は撤退も視野に是々非々で対策を考えます。


マトリクス思考: 2軸で切る、視える、決める
著:グロービス経営大学院 監修:嶋田 毅 発行日:2025/3/19 価格:1,980円 発行元:東洋経済新報社

グロービス出版
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