グロービスセミナー
遺伝子工学の最前線 Part1/2
20世紀半ば、DNAの構造が明らかにされてから60数年の間に遺伝子工学は急速に進歩した。遺伝子工学は今やさまざまな産業に影響を与えつつある。医療、農業、環境などの分野が遺伝子工学の技術によってどのように変化をみせているのか、かずさDNA研究所の大石氏が語る(肩書きは2015年11月18日のもの)。
<動画冒頭をテキストでご紹介>
大石氏: 大石です。確か8年くらい前にここでお話して、その時はですねDNAの基礎的な知識をお話ししたんですけど、今日は少しそれよりも応用といいますか、開発や産業に近いお話をしようと思います。遺伝子工学といいますのは20世紀のだいたい半ば、1953年に有名なワトソンとクリックの2人の研究者が、我々が持っているDNAという生命の根本的な物質でございますが、その構造を決めたわけでございます。それをきっかけに、急速に進歩いたしまして、今それからほぼ60数年経っているわけですけど、その間に我々が持っている生命に関する知識は飛躍的に増大いたしました。その結果ですね、当然のことながら、それらに関係する産業について、新しい影響が及んでいるわけでございます。もともと産業の発達っていうのは、基礎的な発見があってそれをもとにして、色々な形の産業に影響していくというわけです。簡単に申しますと、遺伝子工学というのが非常にセンセーショナルに扱われてきたわけですが、実は何回もブームがあったわけです。クローニングの時とかがあったのですが、私は専門家だったものですから比較的冷静に見ることができまして、遺伝子工学というのが実際の産業に影響を及ぼすのはまだまだ先の話と、皆様方には言ってきたわけですけども、ここ数年、5年ないし10年の動向を見ますとようやく、遺伝子工学がかなりのインパクトを持って、将来の、一部ですけど産業に影響の及ぶ時代になってきたと。ようやく、ものにありつつあるということでございます。(この続きは動画でご覧ください)