IoTやビッグデータを活用するにはどういう人材が必要? 

G1経営者会議 2015
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IOTとビッグデータが変革する企業経営[3]

川邊:私からは最後に将来の話も伺っておきたい。会社としてでも個人としてでも結構なので、「こんな世界を実現したい。それで皆の生活はこう変わり、こういう夢みたいなことが起きるのでは?」というお話を、抱負も含めてご披露いただけたら。

新野:GEとしては産業用機械を中心に、データを活用させていただいてお客様のアウトカムにつながるサービスを提供することがベースになる。で、「それはGEだけの話じゃないか」とよく言われる。ただ、インターネットのベネフィットはコンシューマの世界なら当たり前で、誰もが普通にスマホでクラウドを使ったりしている。ところが、ことインダストリーに目を向けると、直近の5年間でそのプロダクティビティは1%しか上がっていないとのデータもある。2010年までは同4%前後だったものが逆に落ちていると。コンシューマが感じるほどには、インターネットやクラウドのベネフィットが産業界にはまだ生まれていないという話だ。そのレベルを上げることができればインフラのビジネスにつながるし、結果的には人々の社会生活にもインパクトがあると考えている。

では、その実現に向けて何が障害かというと、プラットフォームがないこともひとつあると思う。スマホのiOSやAndroidにあたるプラットフォームが産業機械のセグメントにはなかった。GEは今までそれをどこがリードするのか見ていたが、結果的にどこからも出てこなかった。従って、今後は産業向けのOSや環境づくりをGEも行っていくことでエコシステムを広げたい。それによって産業界や製造業界の誰もがそこからベネフィットを得られるような世界にしたいと思っている。

それによって、あらゆるところで結果が出てくると思う。たとえば、我々がお客様とプロジェクトをはじめるときは、「こういうテクノロジーがあります」「こういうアプリがあればこうなります」といったアプローチは決してしない。まずは「ビジネス上の課題は何かありますか? あれば共有させてください」と言ってアプローチする。で、そうすると十中八九、「いや、困ってることはないよ」と言われる。でも、我々はワークショップのような場でそうしたステークホルダー企業の方に自由な発想をしていただく機会を設けている。これは3日間ほど行うけれども、そうすると、最初に「課題はない」と言っていた方も最終セッションで「こういう風になったらいいかも」「こういうやり方もあった」となる。そこで初めて、「それを解決するにはこういうテクノロジーとデータが必要ですね」となるわけだ。そのうえで、それを少しずつスペックに落とし込んでいく。

川邊: IoTやビッグデータによって、今までGEさんですら解決できなかったようなことがお客さんへのソリューションという形で解決し得る、と。

新野:その可能性がまだまだある。安全性向上や売上増、あるいはコスト削減という風に、多くの領域でプロダクティビティを向上させることができると思う。

熊谷:我々千葉市は市民の英知とエネルギーを徹底的に活用する街を目指している。だからマッチングの精度を上げたい。たとえば「ちばレポ」は今新たなステージに入っている。レポートしてもらった不具合のなかには、市民で直せてしまうものもある。「落書きを消したい」といった人がいらっしゃるわけだ。そういう方々をマッチングして、市民で直してしまうというところまで今は進んできた。ボランティアをしたい人とボランティアを求める人のマッチングを含め、「自分はこういうことができるのに」ということがあれば、ITを使ってそれを求める人たちとマッチングさせたい。それによって同じ人口でも「総付加価値」を高めるというチャレンジを、私たちはしていきたい。

たとえば、最近面白いと思ったのは夏祭りのアプリ。地域に新しく住んだ人は、周辺でどんな祭りや催しが開催されているか分からない。そこで「Code for Chiba」という、千葉市に貢献したいというエンジニアのグループの方々がアプリをつくり、そこに千葉市で行われる夏祭りのデータをすべて入れた。それで市民の皆さん方が、自分の近所ではどこでいつ、どんな祭りが行われるか、過去開催時の写真などとともに分かる仕組みだ。そういうものをあらゆる領域でつくる。それによって市民の皆さま方に、「この街はすべての分野で無駄のない、文字通りスマートな街だな」と思ってもらえるような街づくりを目指しているし、その点で日本の先駆けになりたい。

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川邊:IoTで市民参加が増えて、結果として効率的な街ができる、と。

熊谷:だからIoTというより「IoP(Internet of People)」とか「IoC(Internet of Citizen)」かもしれない。そういう形を我々としては目指している。

川鍋:我々のテーマは移動で人を幸せにすること。もっともっと気軽に、簡単に移動できる社会が必要なんだ。

川邊:自動運転はどうだろう。いけるだろうか。

川鍋:最終的には自動運転だと思う。ただ、それを市民が使えるまでにはまだ時間がかかる。だから今はまず、たとえばおばあちゃんが「私、外出したいの」と家族にその都度言わなくても外出できるようにしたい。でも、当社の「おでかけタクシー」等を利用すればそれが実現できるけれども、今は高い。子どもの送迎も同じだ。「キッズタクシー」というサービスが今もすごく使われているが、こちらも高い。でも、自動運転またはその手前の簡易運転によって乗務員に求められるレベルが下がるとどうなるか。運転に関してはいざというときに緊急ブレーキを踏むだけといったレベルに下がり、あとはお茶を出したり子どもをあやしたりする役割になるかもしれない。そうなれば、もう少しコストを落とすこともできる。

たとえば、会場の皆さんなら平日は東京で仕事をして、金曜の夜は自動運転車に乗って別荘へ行くダブルライフのようなスタイルもあると思う。完全自動運転と言ってしまうと私も政治的にまずいけれども、そこには一応運転手がいて、おしぼりを出したりするわけだ。で、皆さんが寝ているあいだに館山の別荘に到着したら、釣り道具を磨いて車のメンテをする。だから運転手も失業しないけれど、やることは多少変わってホスピタリティが必要になるかもしれない。あるいは別荘の管理をしたりバーベキューの炭を起こしたり、もう何でも屋だ。それによって休日に楽しめる時間が延びてさらにリフレッシュできるようになる。また、別荘へ行く際は当社にたくさん払っていただくのもありがたいけれど、もう少し安く行けるようにして…。

川邊:以前、川鍋さんと釣りに行ったとき、本当に運転手付きのハイヤーで釣り場に現れた(会場笑)。あれをIoTで自動にしていく?

川鍋:あれは、今はタクシー会社の社長やヤフーの副社長でないと金額的に難しい。でも、自動運転等でそれがある程度太い流れになればシェアリングも起きて一気に安くなる。そうすれば東京に住む価値も大いに上がると思う。私はよく鴨川に行くけれども、「こんなに素晴らしい自然が都心から1時間半の距離にあるんだ」と感じる。「でも、ここまで運転はしたくないな」とも思う。そこを誰かに任せることができたら。(57:51)

IoTやビッグデータの価値を最大化できる人材戦略は?

川邊:夢があるお話だった。では、続いて会場からの質問を受けたい。

会場(岡崎富夢氏:株式会社PASIO代表取締役CEO):建築・住宅業界で、職人さんを手配して屋外用の家具をつくり設置するといった、川鍋さんに負けないほどアナログな事業をしている。それで我々の業界も年寄りがのさばっているが(会場笑)、そこを変革するため、たとえば川鍋さんならどんなアイディアを思いつくだろう。

川鍋:業界の方々が必ず使うデバイスって何かないかなと思う。我々の場合、今はアプリを横展開しているけれども、それとは別にタクシー用ドライブレコーダーをつくった。これ、以前なら当社が3500台購入しても定価の7万円が5万円にしかならなかった機器だ。それで「しょうがないな」と思っていたけれども、とあるベンチャーの社長さんが「こんなの絶対原価2万以下ですよ。つくれます」と言う。それで、「おお、じゃあつくってくれ」とお願いしたら本当に2万円前後でできた。今はそれを3万で他社に売っている(笑)。やばい、ばらしちゃった(会場笑)。ただ、それで当社に1万円の粗利は入る一方、購入するタクシー会社も、それまでは我々みたいに大量購買できないから6万円ぐらいで買っていた。それが今は3万円まで下がったからオペレーション的にも助かる筈だし、加えてタクシー専用のより良いレコーダーができたわけで。そんな風に、他社も使わなければいけない業界ならではのデバイスがあれば、うちはその横展開でうまくいった。タクシーメーターなんて超ニッチで、市場はタクシー24万台ぶんしかない。でも、ニッチゆえにあまりつくられないので。

川邊:インターネットやIoTで面白いのは、仕事をする人も個人ではコンシューマとしてスマホをばりばりに使っている点だ。その非対称につけこんで、スマホで何かできることをやるのも有りだと思う。「便利だから」と言って数多くのエンドユーザーが使いはじめたことによって全体が変わるということはよくある話なので。

会場:IoTやビッグデータを活用した企業経営を行ううえで、今後、どのような人材を増やさなければいけないとお考えだろうか。そうした人材を社内でどのように育成していくべきなのかも併せてお考えを伺いたい。

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新野:たしかにIoTやビッグデータの領域ではデータサイエンティストという人たちの能力に頼る部分が大きくなるので、その人材養成は不可欠だと思う。ただ、それはテクニカルな話。私自身が今お客様とお話しして感じているのは、「やっぱりトップダウンじゃないとうまくいかないな」ということだ。皆さんのような経営者の方々がコミットする必要があるのだと思う。「はっきり言ってどうなるか分からないけれども、それでもやるんだ」と。そこで日本企業が得意とするボトムアップでやっていると…。

川邊:やらない理由を100個見つけてくる。

新野:そう(笑)。日本企業ではCIOの権限がグローバルで見ると相対的に低く、ソフトウェア発注者のような立場に留まることも多い。そうではなく、CIOが先頭きって「トップダウンでやるんだ」というコミットメントを示すことが一番重要だと思う。

熊谷:それぞれの事業分野で詳しい人を育成することが一番かなと思う。どこも同じだと思うけれど、「こんな技術でこういうことができるんじゃないか?」という発想だと大抵うまくいかない。千葉市でもそのケースはほとんどダメだった。「ちばレポ」は、むしろ道路を担当する部隊がやる気になって、無駄のない行革につながるものをつくったという事業だ。事業分野の人たちのなかで、「ITを活用すれば何かできるんじゃないか?」というマインドを育てれば、あとは技術の問題だけ。で、私としてはそれで成功した事例を最大限褒めまくっている。それでまた同じようなものを出してもらう流れが今はできているのかなと思う。そこで“回路”が1度つながればあとは次々出てくるので、たとえ小さくてもそういう事例を各分野でつくればいいのかなと思う。

川邊:川鍋さんはまさにそういう会社を、主軸を移してまでやるという。

川鍋:振り返ってみてすごく良かったのは、元大手電機メーカー出身者で、実はグロービス出身でもある人材がうちに来てくれたこと。ただ、その頃はリストラばかりで人を採ったことがあまりなく、「人材ってどうやって採るんだろう」なんて状態だった。そんな頃、その彼が押し掛け女房のようにやってきた。それで「よし、来てくれ」というメールの送信ボタンを押したカフェの光景を今も覚えているほど、当時としては清水の舞台から飛び降りるほど思い切った採用だった。その彼がすごく良かった。

とにかく、ある程度は理系の要素を持ちながらもビジネス寄りで、いつでも話せる人が必要なんだと思う。自社でアプリをつくるとなればそれなりにエンジニアが必要だから、最初は外部のサービスを使う。私はそんなとき、彼と相談しながら進めていた。ひとりで進めていると訳が分からなくなっちゃうから、まずはビジネス寄りで、かつ自分より若くてテクノロジーを分かっている人がいたのは助かった。アドバイスをもらえたり2人でディスカッションできたりしていたので。私自身はタクシー協会のおじいちゃんに会わなければいけないときもあったし、いつでもSIerに会えるわけじゃない。そういうときに彼がいろいろな人と合ってくれていて、本当に助かった。データアナリストがいきなり会社に入ってくることはないから。

で、今はそういう人材に関してまったく同じ相談を、家業であるベビーシッターの会社を継いだ女性経営者から受けている。ベビーシッティングもマッチングの世界で、タクシー業界におけるUberみたいなことになっていて、それで「どうしよう。どういう人を採ったらいい?」と。その会社のサービス品質はすごく高いけれどもITに疎い。だから私は、「誰かひとり、社内であなたのサイドに立って戦う人がいなきゃいけない」と話した。意外とどこかにいるものだ。技術だけじゃなくて「リアルを変えたいんだ」という人が。ベビーシッターの業界には女性エンジニアがたくさんいるし、そこで熱い心を持った人はいると思うので、「求めれば1~2年のうちに数人は集まる筈だ」と。

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IoTは今後、どんな利便性を生み出す?

会場(吉村公孝氏:ベイシスホールディングス株式会社代表取締役社長):IoTのプラットフォームを販売していて今は多くの問い合わせをいただく。ただ、その大半は「興味があるんだけど」というところで、実験等してみると「費用的に合わない」「思った以上にベネフィットが出せない」という判断になることが多い。従って、ハードウェアや通信のコストは今後も下がると思うが、今後は「IoTを活用してどんなベネフィットを生み出すか」が重要になると思う。そこで、仮説で構わないので、「こういう形ならうまく活用できるのでは?」「この視点を持っていればベネフィットを生み出しやすいのでは?」といったご意見があればぜひ伺いたい。

会場(小室淑恵氏:株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長):日本人の仕事のレベルが高過ぎてITに置き換えるメリットをなかなか感じられないというのは、民間企業でも言えることだと思う。いつまでも外注せず、すべて自分たちでやってしまうので。ただ、結果として大変な長時間労働になっている現実もある。それが、全体会で菅(義偉氏:内閣官房長官)さんもおっしゃっていた、この国の一番の問題である少子化、そして労働力人口の減少と一人ひとりの過重労働につながっている。そこをIoTで置き換えて残業を減らす選択肢はないだろうか。それで労働時間を短くして、さらにレベルの高い人材が惹きつける環境にする。これは今後、人材の奪い合いとなる時代に経営で一番のメリットになると思う。そうしたメリットや、そのために今打っている手、あるいはその辺について感じていらっしゃることがあれば伺いたい。

新野:お客様にベネフィットを出せるかどうか、やってみなければ分からない部分もあるのがこの世界だ。だから最初にお客様がどんなアウトカムを目指しているか、突き詰めて議論することが大切になる。お客様自身が気付いていないケースも多々あるので。それが先ほどお話ししたワークショップで変わってきて、新しいアイディアが出てきたりする。恐らくはそこを基点にしたほうが、「やってみたけど費用対効果が上がらなかった」というリスクも下げられると思う。ただし、効果があがらないケースもこの世界では実際にあるので仕方がないことだとも思っている。

熊谷:行政は特殊だけれども、私自身は庁内の行革効果だけでなく、「そのIoT活用で市民や事業者の時間をどれほど返せるか」ということもよく考えている。時間をコストに換算して考えるということだ。従って、費用的にはとんとんでも市民や事業者の時間が年間で1000万円ぶん削減できるなら、「やろう」と判断するときもある。そうした指標で運営する自治体は少ないかもしれないが、千葉市はその2つでやっているので、自治体を攻めてみる際はひとつのポイントになるかなと思う。

川鍋:ちゃんとフォローしてくれるところが意外と少ない。まず、IoTでもネクタイを締めて行ってください(笑)。「まったく違う世界から来た人種」だと思われたらダメ。あるいはきれいにプレゼンして、「わっ」とやって「すっ」と進めて、そしてなんのフォローもない、みたいな。現場ではそれを求める人がいる筈なんだ。だから、たとえば現場に3回行ってもらうとか。ちょっとベタだけれども、そういうフックがすごく大事になる。IoTだからこそ、そう思う。実際、過去にいろいろと受けた提案のなかで意外とうまくいっていたのは、現場の社員が「彼らは頑張ってるんです」なんて私に言ってくるケースだった。それで私も「おお、そうか」と。…つまんない話ですみません。

あと、社員に何ができるかという点については本当に悩んでいる。当社はこれまでの87年間、オペレーションの会社だった。それで私も朝から「(いら)っしゃいやせえーっ!!」なんてやってる。でも、エンジニアはそれを見て「ネクタイして黒ガラスみたい」なんて言うわけだ。オペレーターとすれば、「お前、ふざけんじゃねえ」と。でも、人材を獲得するためにその辺の規定を少しずつ緩くしていった。いろいろな方にアドバイスを聞くと、「それは会社を分けたほうがいいよ」と言われる。でも、それだと結局は外部を使うのと同じ。だから、今は皆で一応ワンフロアにしつつゾーンを分けている。で、「そうしないとエンジニアが採れないから」ということで今年のはじめ頃からエンジニアは私服にした。また、これから面接をする女性エンジニアの方は、「子どもがいるので10時まで出社できません。夜はベビーシッターを雇うから大丈夫」と言うので、その人を雇いたいから、恐らく10時~16時コアタイムのフレックスにすると思う。

あと、オペレーターとソフトウェアエンジニアとハードウェアエンジニアでは文化が違う。でも、だからといって分けちゃうのも良くないと私は信じている。だから、敢えてアメリカ人と日本人と中国人が一緒にいるみたいな感じにしているけれども、お互いに尊重して一緒に飲んだりもするような世界にしたい。

熊谷:市民は「公務員はいくらでも働いても大丈夫」と思っていて、そこにお金を払っている感覚がほとんどない。働かせれば働かせるほど税金が高くなるという当たり前のロジックを国民の99%が意識していない点は大きなポイントだ。アメリカだとティーパーティーのようにそこで「止めろ」という人たちがいるけれども、日本にはまったくいない。だから「公務員を働かせるといかに高くつくか」を説明して、“割り切りの文化”をつくる必要がある。今は住民票も印鑑証明もコンビニで発行できるのに、皆がいまだに市役所窓口へ行く。それで損をしていると分からないわけだ。だから、少しのレベルにこだわったためにどれほどの稼動がかかっているかを見える化するしかない。それで職員側も「うわ、自分の人件費ってこんなに高いんだ」という当たり前の事実が分かる。こちらもほとんどの公務員が分かっていないので。そういうことも含めて割り切りの文化を市民に理解してもらうフィールドに、いつか日本社会は進まないといけない。行政は99%を99.9%とするため膨大なコストを払う。それをうまく伝えたうえでコストをカットして、市民のため、もっと良い使い道にお金やエネルギーを回したい。

川邊:その点、可視化はIoTとビッグデータが得意なことのひとつなので。

熊谷:そう。ただ、数字になり過ぎるとぴんと来ないから私はベタな事例で話す。「“駐輪場をこうして欲しい”とおっしゃいますが、それをやるとこうなっちゃうから、それなら同じお金でこちらをやったほうがいいでしょ?」と、トレードオフの関係を繰り返し説明するしかない。そこは政治家がもっと発信していかないと。コストをかけて自分がやってきたことばかり話す政治家は多いけれども、そうではなく、「トレードオフでこっちを選んだ。この判断って市民目線でしょ?」みたいな話をもっとして欲しい。

新野:「インダストリアル・インターネット」のお話なのでお答えにはならないかもしれないが、GEはグローバルで400の工場を持っている。そこで順次、我々は「ブリリアント・ファクトリー」と言っているが、なるべく作業員のミスがなくなって品質が向上するようなITツールを入れている。それで従業員満足度をあげるのもひとつだと思う。あと、GEは世界中でインフラをつくる際、現地へ赴くエンジニアにウェアラブルなデバイスを持たせ、たとえばグラスでマニュアルを閲覧できたりするようにしている。そうすることで彼らの安全性と効率を高めるようなアプリケーションも提供している。

川邊:熱い議論となった。好むと好まざるに関わらずIoTやビッグデータの社会は到来するので、あとは皆さんがどうするかという話だと思う。そこで今日の議論が何かの参考になれば嬉しい。今日はありがとうございました(会場拍手)。

※開催日:2015年11月3日

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