世界を巻き込み、変えるしくみ~進化し続けるコペルニクに学ぶ~ Part2
ラストマイルと呼ばれる過疎地、政府の手が届かない地域にシンプルで革新的なテクノロジーを届けるコペルニク。NPO、ソーシャルビジネスという枠を超え、優れたビジネスモデルとしての示唆に満ちた同社からビジネスパーソンは何を学び、成長できるのか。国連での経験を経て、幅広いキャリアを持つ共同創設者、中村俊裕氏が現在の取組み、現地パートナーについて語る(視聴時間36分15秒)。
スピーカー
中村 俊裕
米国NPO法人コペルニク 共同創設者 兼 CEO
【ポイント】
・テクノロジーの製造者、現地パートナー、資金提供者をつなげるためのものがテクノロジー・フェア。世界中で見つけたテクノロジーを、パートナーが活動している地域に直接持参して紹介。テクノロジーを受け入れるかどうかは現地によって異なる。何がマッチするのかを理解するプロセスの一つ
・テクノロジーを届けるには、グループのネットワークを使って販売する方法と、地方の売店を拠点に販売する方法をとる。農村部の売店ネットワークを拡大し、テック・キオスクというシステムを構築。インドネシアには60ほどのネットワークがあり、ラストマイルのコンビニとも言える
・コペルニクは、2010年から本格的に活動開始。21カ国で24万人にテクノロジーを届けてきた。メンバーの大多数がインドネシア人だが、様々な国籍のチーム
・非営利団体は、何をしているのかを証明しなければならない。本当に貧困削減に関われていることを証明するため、執拗にデータを収集する。テクノロジーによって浮いたお金が食料や医療費、学費に使われていること、テック・キオスクの現地パートナーの利益も増加したことなどデータとともに、ラストマイルへの届け方を模索している
・企業からの提携の問い合わせが2年前から増加。ためらいもあったが、企業支援により、より良いテクノロジーが生まれる可能性が高まる。企業のステージに応じた製品開発への支援、現地視察や製品テストなどに携わっている
・もう一つの転機は、国際援助機関とのパートナーシップの増加。世界銀行をはじめとする様々な機関から声がかかり、一緒に新しいアプローチの効果を確かめることが多くなった
・テクノロジー普及というコア事業はそのままに、新たなテクノロジー開発支援を企業と共同で行いながら、ODAを使った援助に風穴をあけてきたのが現状。改良すべき点はあるが、形としては成立するようになった
・次の事業として、「インパクト追跡テクノロジー」を推進。携帯・タブレット・センサーを使って途上国でのテクノロジーの使用状態をリアルタイムで集計している
(肩書きは2015年2月16日登壇当時のもの)