世界を巻き込み、変えるしくみ~進化し続けるコペルニクに学ぶ~ Part1
ラストマイルと呼ばれる過疎地、政府の手が届かない地域にシンプルで革新的なテクノロジーを届けるコペルニク。NPO、ソーシャルビジネスという枠を超え、優れたビジネスモデルとしての示唆に満ちた同社からビジネスパーソンは何を学び、成長できるのか。国連での経験を経て、幅広いキャリアを持つ共同創設者、中村俊裕氏が現在の取組み、現地パートナーについて語る(視聴時間26分18秒)。
スピーカー
中村 俊裕
米国NPO法人コペルニク 共同創設者 兼 CEO
【ポイント】
・国連での仕事は、途上国政府への支援が中心。集まっている人種も非常に近く、同じやり方の踏襲が多い。新しいアイディアを恒常的に取り入れ、普通の人の生活に変化を与えるために効果的かつインパクトのある仕事をと考え、コペルニクを立ち上げた
・途上国の貧困層の方々が使った結果、生活の質が向上するテクノロジーの製造者と、各地域に根ざした活動をしている現地パートナー、テクノロジーを届ける活動への資金提供者(個人、企業)をつなげるのが仕事
・この三者をつなげて、途上国の貧困層の人たちの生活が改善するテクノロジーを、最も必要とするところ(ラストマイル)に届ける。遠隔地や離島で、ビジネスや政府の公共サービスも届かないところがターゲット
・農業・教育・エネルギー・保健・IT・水・衛生という6つの分野の課題を解決するテクノロジーを集め、途上国のニーズにつなげる。テクノロジー製造者は主に起業して10年未満のベンチャー企業
・テクノロジーの1つがソーラーライト。支出がかさむ上に薄暗く、有害な煙を発生させる灯油ランプから替えることで、それらの問題を解決する。輸送料を削減できる小さいものや、ソーラーパネルが太陽を追いかけるように角度を変化させるものもある
・薪を使用して調理すると、肺へ悪影響がある。1年間で何百万人もの死者が出る大きな課題。この問題を解決するテクノロジーによって、煙と薪の量を大幅削減すると同時に、それにかかる時間をその他の生産性が高い仕事にまわせる
・主食にかかる時間の短縮や水浄化のためのテクノロジーなど、生活の根幹に関わる部分の改良も可能になる
・資金提供者の大きい比率を占めているのは企業だが、個人や政府系・財団と、さまざまなスキームを作りながら、プロジェクトを支援いただいている
・現地パートナーとは、女性の相互支援団体・自助団体など、現地で長い間活動している団体。ここを通じて、テクノロジーをもっていく。規模の大きさではなく、地元密着の活動をしていることが重要
(肩書きは2015年2月16日登壇当時のもの)