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京都、奈良――1000年の歴史を支えるのは “利他の心”

投稿日:2015/05/13更新日:2019/04/09

西陣織工業組合理事長・渡邉隆夫氏×妙心寺退蔵院副住職・松山大耕氏×地域活性局・藤丸正明氏×奈良市長・仲川げん氏
G1地域会議2014 関西
第3部 分科会B 「1000年の歴史を継承するまちづくり」

1000年の歴史を有する奈良・京都。その価値観の根幹には、その町ならではの不文律がある。暗黙のルールの意味合いを理解し、利他の心をもって人との交流を図れば、おのずと文化は継承されていく……。日本人ならでは、その土地ならではの共通言語がどれだけ維持されているかが、継承の要素のひとつ。関西の復権のみならず、多様な価値観の社会に立ち向かって国や地域を再興するためのヒントが、奈良・京都のあり方から読み取れる(肩書は2014年10月18日登壇当時のもの。視聴時間1時間12分42秒)。

藤丸 正明氏
株式会社地域活性局代表取締役
松山 大耕氏
妙心寺退蔵院副住職
渡邉 隆夫氏
渡文株式会社 代表取締役社長 西陣織工業組合 理事長
仲川 げん氏(モデレーター)
奈良市長

【ポイント】
・奈良・京都は1000年つづいた歴史だけを自慢しても仕方がない。昔あった京都・大坂の上方文化が廃れてきたために、東京に対抗できない状況におちいっている(渡邉氏)

・イノベーションが全てではない。いいものをいいと判断する直感が大事であり、その判断基準は「古典」。京都では古典に触れる機会が多く、自然な形で取り入れられる(松山氏)

・おもてなしの精神にもつながるが、人の心や言葉の行間を読むことに優れている。戦国時代を生き抜くことで、相手の立場や想いを徐々に察する文化ができた。不文律が根づいている文化でもある(松山氏)

・京都でのステータスは町への貢献度による。それぞれの立場にふさわしい貢献の仕方があり、それを果たしていない人は冷遇されることになる(松山氏)

・海外の寄付文化はある種の危険を孕んでいる。寄付側に、事業の応援よりも自分がいいことをしたいというモチベーションだけが高いのであれば、利権が発生したりと、結局寄付される側のマイナスになる可能性が高い(松山氏)

・奈良では、何をするかよりも「誰がするか」ということが重要視される。また町への貢献度の高さは一つのものさし(藤丸氏)

・奈良では七大寺の住職を「おかみ」と呼び、絶対の存在であり秩序のもととなっている。経験知識をもつ方が70歳ぐらいでトップになり、安定を保つ。町の住人もお寺とのつながりが、自分の地位となる。冒険をせず、波風をたてない風土(藤丸氏)

・狂言は1000年の歴史の中で、寺院と神社、武家社会、町の旦那衆などの力を借りながら今まで継承してきた。奉納する場所と装束などが継承しない限り、それを用いる狂言も続かない。関西における助け合い、「愛町心」「愛都市心」をもって活動をすることで未来につながるのでは(会場より 茂山氏)

・狂言が革新的であるのは、同じことを続けることへの危機感から? もしくは創作意欲から?(仲川氏)

・古典は無駄が少なく、新しいものには無駄が多い。新作は時代の流れで長く上演できないものもある。能楽は、言葉の裏を読むのにたけた人の文化で生まれたものであり、日本人ならわかるだろうというルールが前提。無駄をはぶいた芸能のため、現代人からは理解しづらい。新しいものを作りながら、現代人に窓口を広げることが必要(茂山氏)

・日本人なら、京都人なら、この町の町衆ならわかるだろうといった共通言語がどれだけ維持されているかが、継承の要素のひとつ。多様な価値観の社会にいかに立ち向かっていくかが、関西の復権のみならず、次の1000年に向けての要素となるのでは(仲川氏)

・日本が世界に先駆けてもっていたのが「チームワークと識字率」。明治維新以降の経済産業振興も、この二つによってうまくいった。上方文化を尊重しつつ、チームワークをもって次の1000年を(渡邉氏)

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