「MYCODE」の特徴は徹底したロジック作りに基づく充実したレポート配信
そこで、「MYCODE」の話になる。これは東京大学医科学研究所(以下、医科研)とDeNAが組んだもので、一緒に遺伝子解析した結果をユーザーさんに届けるというサービスだ。東大とDeNAの共同研究という建て付けで、去年は政府COI(Center of Innovation)の支援もいただいた。で、共同研究の結果を一般ユーザーさんにいち早く届けるためのサービスという部分では、DeNAが単独で責任を持つ形になる。サービスの提供は、まずウェブで申し込んでいただくと、登録されたご住所にキットが届くので、そこに唾液を入れて郵送していただく。すると数週間後、ウェブ上にて、本人でないとアクセスできない形で結果が参照できる。また、日々新しい研究結果が出ているので、それによってお伝えした結果が変わった場合はアップデートできるようにしている。これ、検査のほうは医科研内に設置した当社運営の検査ラボで実施している。
「MYCODE」の特徴として、まず体質や疾患のかかりやすさをお伝えしている。これが一番重要なポイントだ。体質にはいろいろある。「太りやすい」とか「髪の毛は云々」等々。まずはそういった、すでに結果が出ているようなものもあるので、それと照らし合わせて遺伝子とどれほど一致しているかを見るのも面白いと思う。で、それに加えておよそ150の疾患に関して、かかりやすいか否かをお伝えできるようにしている。主だった疾患はすべてカバーしている状態だ。がんに関しても多数あって、悪性腫瘍になりやすいかどうかといったことも分かる…、というか言い方には注意しなければいけないけれども、「遺伝子タイプから見た統計的な数字をお伝えできる」ということだ。
ただ、単一遺伝性疾患は項目から除外されている。病気には遺伝要因と生活習慣などの環境要因の両方が関わっているけれども、一部には遺伝要因だけで発生する病気がある。たとえば、アンジェリーナ・ジョリーさんのニュースで「BRCA1」「BRCA2」という言葉を聞いたことはあるかもしれない。乳がんのなかには、…1割ぐらいか、家族性乳がんというものがある。「BRCA1」「BRCA2」という遺伝子を持っていると、85~90%の確率で進行性の乳がんになってしまうというものだ。
そうした、ほとんど遺伝子で決まるものはお伝えできない。それをお伝えすると、ほぼ「診断」として医業に該当してしまうからだ。これに関して言うと、法律がなくとも倫理的に重要な問題がある。もし、そうした情報まで提供するのなら事前カウンセリングが不可欠だろう。子どもにも大きな影響があるし、検査を受けるか決める際、「こういった影響がありますが本当に受けますか?」と、すべて本人に伝えたうえで意思決定してもらう必要がある。これは、インターネット上のサービスでは難しい。ただ、それも病院に行けば、数十万円かかるけれども調べることはできる。従ってそこは除外して、遺伝要因と環境要因の両方が関わるものについてデータを提供している。約1万円~3万円ぐらいの3つのコースがある。
で、どんなレポートが出るかというと、その病気に、日本人の平均と比べてどれほどかかりやすいかが数値で表される。レポートでは「1」を日本人平均としているので、「1.5」ならだいたい遺伝的傾向として1.5倍かかりやすいというイメージだ。0.5なら日本人平均に比べて0.5倍かかりやすい(2倍かかりにくい)となる。従って、1より大きな数字が出た場合はその疾患には少しケアをしていただきたい、と。検査をしたり、生活習慣を改めたりして、その病気にならないよう頑張って欲しいという話になる。ただ、仮に数値が「2」だとして、日本人全体でも数千人しかかからないような病気なら、その2倍でもほとんどかからないという意味になる。一方、もっと多くの人が罹っている病気なら「2」が結構高いケースもある。そんな風に、どれほどの人がその病気に罹患しているのかが統計的な数字として書かれている。
また、各項目には黄色い丸印が付いている。これは論文評価レベルで、印の数は1個から3個まで。その数で、統計的優位性や、日本人をサンプルとした研究に基づいているのかどうか、あるいは実験で再現性が確認されているのかどうかといった信頼度を示している。さらに、レポートでは分布グラフにして、日本人全体のなかで自分がどこにいるかも示している。そこで自分よりも左側の人は、遺伝子的には自分よりその病気にかかりにくい遺伝子グループというわけだ。で、右側の人は自分よりも、遺伝子的にはかかりやすい、と。あくまで統計上だけれども、自分の相対的ポジションが分かる。
で、「MYCODE」最大の強みは、そうした情報に加えて病気予防のアドバイスが充実している点だ。たとえば、レポートには青い矢印で病気にかかるリスクを下げる因子が示されている。逆に、赤い矢印で示されたものはリスクを高める因子だ。2型糖尿病なら青の因子として植物繊維や運動、あるいは高血圧治療薬が挙げられている。「今後はそれらを採り入れ、赤いものは避ける生活にしてみてはいかがですか?」と。で、その各要因についてもそれぞれの相関関係、あるいはどれだけ確かなのかという論文評価レベルが丸印の数で示されている。ただ、たとえばそこで、「カリウムがリスクを下げます」と書かれていても、カリウムをどのように摂取すればいいか分からない。そこで、「カリウムは水に溶けやすいので、煮汁等とともに摂取できるメニューがお勧めです」といったレシピのレコメンデーション等もさせていただいている。
もう一つの強みは、各検査結果の根拠を明示していることだ。まず、それぞれの疾患に関してどのSNP(スニップ:一塩基多型)、つまり遺伝子のどの部分を読んだのかを明らかにしている。さらに根拠としている論文もすべて掲載しているので、プロの方なら遡って論文をお読みになるのも面白いと思う。私たちのような一般の素人はそこまで読まないかもしれないけれど、とにかくそこまで明らかにしている。なぜなら、この産業自体は黎明期にあって、産業が健全に育っていくためには多くのプロにご批判をいただく必要があるからだ。批判を数多くいただいたうえで内容を改善するためにも、根拠はすべてつまびらかにしている。ここまで明らかにしている事業者は他にいないと思うが、私たちは業界のなかでもこれを提唱している。「それは企業秘密だ」という考え方も分かるけれど、我々としては「ここ2~3年は皆で根拠を明らかにして、多くの人からインプットをいただける状況をつくりましょう」と提言させていただいている。
また、アフターフォローの充実も特徴だ。たとえば検査結果を見て、「“1.5倍かかりやすい”って、どういうこと?」と思われた方もいると思う。それがご自身の結果なら、さらに深刻な疑問になるだろう。「それを解決するため、カスタマーサポートセンターにどんどんお問い合わせください」と。また、そこで答えられない遺伝情報に関しても、当社の認定遺伝カウンセラーが対応する。また、「とにかく心配で眠れない」といったご相談にも、臨床心理士が対応させていただいている。で、認定遺伝カウンセラーと臨床心理士のどちらでも対応しきれない場合は、社内にいる医師とコミュニケーションを取っていただくことも可能だ。場合によっては対面ミーティングを設けて心配を解消してもらうこともある。責任ある相談主体としての医師もいるので、本サービスを利用してみて不安を持ったりしたら、どうか、ためらわずコンタクトしていただきたい。
そして「MYCODE」にはもう一つ、非常に大きな特徴がある。体質や疾患のかかりやすさをお伝えするという点では他社サービスでも同じだけれど、当社は医科研との共同研究で、日本人に特化した疾患リスクモデルを蓄積している。共同研究で一番大きな作業は疾患リスクモデルを一緒につくったことだ。遺伝子をラボで検査すると何が出てくるかというと、ATGCの文字列だ。で、その文字列と、たとえば「前立腺がんに1.5倍かかりやすい」という結果をつなぐのがロジックだ。我々はそのロジックを医科研さんと一緒につくっていった。
この共同研究のロジックづくりには丸1年かかったけれども、当然ながら生身の人間で研究してリスクモデルをつくろうとなるとさらに何十年とかかる。そこで、一定のクオリティが担保されている世界中の、ある手法に則った2~3千の論文をしっかり調査して、ぜんぶ読み込んだ。体制は、医科研の先生方と、我々の…、今はもっと増えたけれども、当初は生命系博士号保有者が5名。それで、まず医科研の先生に論文を読む方針をガイダンスいただき、そのうえで我々のキュレーターが論文を読み込んでいった。ただ、それだけでは足りないから、その読み込みのオフショアということで、インドにいらっしゃる博士号保有者の先生方3人に委託をしていった。
そうして論文をいろいろと評価し、読み込んで表にしていった。そこでは統計的優位性の重み付けがある。皆さんもp-valueやt-valueは覚えていらっしゃると思うが、統計的にかなり優位性の高いものだけに絞り込んでデータを抽出していった。また、人種に関しては日本人を最優先でとりあげて、次に東アジア人、その次に欧米人という形で重きをつけた。こうした重みづけをしたデータベースは世界で恐らく我々のものだけだと思う。また、「何人のサンプルで研究しているのか」というサンプルサイズや、再現性があるかどうかといった点でも評価していった。それらは論文を読み込んでテーブルにしていくのだけれども、結果だけ見ると人種ミックスと書いてあるものがある。ただ、中をぜんぶ読んでいくと研究ステップのなかに日本人だけのグループが入っていたりする。それを括り出して、重み付けをするといった作業も行っていった。
また、絶対にミスが出ないよう、DeNA内でも二つのチームに分けて進めていった。そこで両方のチームが同じようにテーブルへ記入して、その結果が完全に合致して、かつインドという離れたロケーションで表にしたものとも完全に合致したとき、初めてデータベースに格納していく。これとまったく同じ作業をしたのがアメリカのNIHだ。彼らも一定の手法に則って研究論文をすべて読み込み、データベースをつくった。我々は彼らのデータベースで間違いをたくさん見つけたのでお知らせしたりしているが。
ここまでがサービスの話だけれども、では実際にサービス提供でユーザーの行動は変わったのか。それが我々の目的だったし、何か一つでもいいから健康に良いことを始めて欲しいと切望していたわけだ。それが実際にどうだったかというと、アンケートではおよそ43%のユーザーさんが「健康意識や行動に変化があった」と答えている。「がん情報を積極的に仕入れるようになった」「バランス良い食事に改善しようと思った」「飲酒を控えるべきと感じた」「お酒の量を減らした」「たばこの吸い過ぎに気をつけるようにした」「検査を受けた」等々。元々健康意識が高かった方は、「MYCODE」購入後も同じという場合が多かった。でも、購入前にあまり健康意識が高くなかった方は購入後、健康に関する意識が大きく変化したとの結果が出ている。細かいところでは、なんと喫煙者の11%が禁煙を始めてくれた。これはすごい。運動をするようになった人も30%いた。それぞれ行動の変容があった。一番大きいのは食事だとは思うが。
私たちとしてはその数字等を見ても、「この結果はどうなのかな」という感覚だったけれども、医科研の先生方は「すごく高い数字ですよ」と言ってくださっている。ただ、問題はそれが続くかどうか。遺伝子検査を行うのは1回だけで、それ以上はあまりすることもない。だから1回接点を持った直後は行動が変わったとしても、そのあとが大事だと考えている。我々としては、そこがDeNAの腕の見せ所かなと思っている。なんのためにゲーム事業で頑張ってきたのか。もちろん主力事業として大事だからやってきたわけだけれど、一方では、何かを楽しく続けてもらうことに関して、我々は誰より研究してきたと思う。だから、今後はそこで我々の真価を発揮できると考えている。
遺伝子検査サービスは発展途上の産業だが、絶対にこの事業をやりぬきたい
一方で、遺伝子検査サービスというのはいろいろな課題が指摘されている、発展途上の事業だ。どんな課題があるかというと、まずはユーザーの保護。「本当にユーザーは守られているのか?」と。アメリカには遺伝子情報差別禁止法(GINA:Genetic Information Nondiscrimination Act)という法律あるけれども、日本にはない。では、このサービスが普及していったとき、それが本当に、雇用の場面で使われたりしないのか。その法的枠組みがまだ日本にはない。
今は個人が持っている情報なので提出を求める会社はないし、そんなことをしたら大変な社会問題になってバッシングされると思う。だから今すぐ問題が起きることを心配する状況ではないけれど、その枠組みはしっかりつくっていかなければいけない。また、検査ラボのクオリティがどこまで担保されているかという点で、我々のような一般事業者向け認証システムがないという問題もある。今、分析ロジックをオープンにしている我々のような会社は珍しく、ブラックボックスにしているところが多い。そこでオープンにしようと提唱しても、「企業秘密だから」と言われる。それもあながち間違いではないし、普通のサービスならそれでいいと思う。ただ、今は黎明期だ。私たちとしては「ここ2~3年は頑張ってオープンにしていこう」と主張している。今のままでは、もしユーザーさんが複数のサービスを受けて…、SNPの読み間違いはほとんどないけれども、その解釈が逆方向だったりしたとき、「どっちを信じたら?」という話になってしまう。
ほかにも課題はあるし、とにかく遺伝子検査サービスは発展途上の産業だ。でも、私は絶対この事業をやっていきたい。なぜか。食道がんを例にとると、最も大きな相関関係を持つSNPは2箇所同定されている。で、ほかにアルコールとたばこがあるので、SNP1、SNP2、アルコール、たばこという4因子が食道がんになりやすいか否かに関係すると言われている。で、そのSNP二つを持っておらず、アルコールもたばこも摂取しない人のリスクを1とすると、4因子すべて持つ人は189倍という数値になる。
ただ、不幸にしてそのSNPを二つ持っていたとしても、アルコールもたばこも摂取しないなら、オッズは前者のおよそ1/30となる6.79倍。それほどの差がある。これはたまたま医科研の先生による研究論文だけれども、我々としてはそういった事実をなるべくお届けしたい。また、それを知りたいと思えば知ることのできる社会にもしたい。それを知らず、アルコールもたばこもがんがん嗜んでいる状況は、ご本人だけでなくご家族にも大きな影響を与えてしまう。だから、「責任のある生活をして欲しい」と。そこで何もやりようがないなら話は別だけれど、そうした事実があるなら知りたい人には知らせたい。しかも病院で高いお金を払って何時間も待つのでなく、自宅で手軽に知ることのできる社会をつくりたい。そんなことを考えながらこの事業を進めている。
日本では遺伝子に関する教育が驚くほどなされていない。医学部のシラバスも見ても、遺伝子に関する教育は高校レベルに留まっている。もちろん求めれば学べるかもしれないけれど、平均的な医学部生は遺伝子のことをそれほど学んでいない。いわんや小中学生をや、ということだ。他の先進国と比べても、日本は遺伝子教育が相当手薄だと思う。そこで、我々は一般市民の皆さまにお集まりいただいて、全国キャラバンや遺伝子に関する市民公開講座を主催したり協賛したりしている。また、遺伝子について学ぶ親子ワークショップを開催して、「実際に見てみよう。DNAって何色?」「ゲノム見てみましょう」といったことを医科研の先生方にやっていただいたりもしている。
また、我々としては一般のユーザーさんに1万円や3万円をいただいてサービスを提供するだけで終わらず、この先、研究に同意頂いたユーザーさんのサンプルをできるだけ研究に生かしたい。医学の進歩に貢献していきたいという希望というか、アンビションを持っている。たとえば、ある予防法を実施して、効く人と効かない人がいたとする。「となると、その予防法を皆がやるのもちょっと微妙だよね」となる。そこで遺伝子型に分類をしてみると、とある遺伝子型にはかなり効いて、別の遺伝子型にはあまり効かないことが分かったりする。それなら、前者に投与したり保険を適用するといったこともできるのではないか。
そんなこともあり、現在はサンプルの研究利用に同意していただいている方が85%にのぼる。当然、データは匿名化して使う。今は「そのデータで研究したい」という企業さんからご相談をいただいていて、共同研究の企画を一緒にまとめている。ヘルスケアの会社からメディカルの会社まで、数社からオファーをいただいている。我々の研究データベース最大の特徴は、ネット上でつながっているので必要があれば追加的にアンケートを取ることができる点だ。また、「全般的に使っていいよ」という同意をいただいたのち、「こういう研究に使いますよ」となったとき、「それだけは嫌だな」となった場合は、個別にオプトアウトすることができる。インターネットだとそういうこともできる。
「KenCoM」に「Medエッジ」…セルフメディケーションのプラットフォームを作りたい
あと、今日は「MYCODE」のほかに「KenCoM(ケンコム)」という事業の話も少ししておきたい。これは住友商事さんとのJVで行っていて、健康保険組合にこのシステムを入れていただくと、組合加入者のもとへ健診データに基づいた健康情報が送られるというものだ。健保組合に入ってくる健診情報やお薬の情報に基づいて、必要な健康情報や「これを見て欲しい」といった情報を自動的に判断して送っている。加入者はスマホやPCでそういった情報を時系列で参照できる。また、自身の健康状態に合わせたレコメンデーションも次々と送られ、タイムラインに表示されていく。アプリやサービスもあって、たとえばメタボ直前といった人には「減量プログラムやりませんか?」といったことをお勧めする、健康レコメンデーションメディアと言える。3月に合弁会社を立ち上げていて、今は健康保険組合さんに導入していただきながら少しずつサービスが始まっていくところだ。これが二つ目のサービスになる。
このほかにもいくつか始めているけれども、冒頭でお話しした個人情報という部分では、「MYCODE」が遺伝情報をカバーしている。で、それ以外のお薬手帳、診療情報、健診情報、ライフログを「KenCoM」でカバーしている状態だ。また、一般の人々にも関係するような健康の専門情報は、日々論文という形で発表されている。我々はそれも鬼のような勢いで翻訳して提供していて、こちらは「Medエッジ」というサービスで展開中だ。とても有益で高品質な最新情報を、分かりやすく噛み砕いて提供しているほか、運動方法や栄養摂取方法、あるいは健康改善プログラムも提供している。
ということで、まあ、ここまでやるから私は理屈っぽくなってしまうのかもしれないけれども、とにかく、私たちのビジョンはセルフメディケーションのプラットフォームを作り上げること。そのなかで、個人は自身のドライバーシートの真ん中に座る必要があると考えている。で、そこで必要な情報として自分の情報と専門情報がある。自分の情報とは、遺伝情報や健診情報。つまり持って生まれたものと現在のもの。まず、それをカバーするサービスを展開していく。また、専門情報については自分自身がすごく苦しんだこともある。英語というだけで大変だったけれど、専門用語の英語はさらに大変だった。「それを分かりやすい日本語で噛み砕いたメディアがあれば、どんなにいいだろうか」と。それで「Medエッジ」をスタートさせた。
あとは、アドバイスをしてくれるサービスも用意して、我々の世界観を全面的に実現していきたいということで今は突っ走っている。それは我々だけで完成しないから、多くの企業さんと協力しながら社会を変えていきたい。この事業を始めて一番嬉しかった瞬間は、とあるメールがカスタマーサポートに届いたときだ。「自分は胃がんになるという確率が高いとの結果が出た。それで検査をしたら、すごく初期の状態で見つかり、問題なく対処することができた」と。そんな感謝メールをいただいた。その方は今、ご自身の家族や親戚にも勧めてくださっているという。で、今は19歳のお子さまがいらっしゃるとのお話だった。我々は「知る権利も知らない権利も個人に選んでもらおう」ということで、その判断ができる年齢として20歳という線引きをしている。だから今はそのお子さまに受けさせられないけれども、「その子の20歳の誕生日に『MYCODE』を送る」と仰っていた。こうした方がもっと増えるような社会にしたいし、今後もいろいろ課題は出てくると思うけれど、勇気を持って前に進んでいきたい(会場拍手)。
→続きは6/7公開予定
※開催日:2015年5月11日