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必ず行動を。そしたら応援するから -10年後の自分と社会を考える(3)

投稿日:2015/03/18更新日:2019/04/09

10年後の自分と社会を考える(3)

堀:ありがとうございました。次いきましょうか。あと4名かな。

発表者(帝京大学 島津):♪「金剛石も磨かずば~ 玉の光はそわざらむ~ まことの徳は~ あらわるれ~」。はい、パンフレットの65ページを開いていただければわかります。加治木島津家で神主をしておりますシマヅ ヒサタカと申します。いま歌ったのは、鹿児島に伝わる文化「薩摩琵琶」の歌の一句です。これは、実際は5分くらいあります。今回はいきなりこういうことから入りました。

僕は、先ほども言いましたように神職をしております。神社では、日本を再生したいということを考えております。日本って、神社がどこにでもありますよね。これは、日本の地域の象徴なんです。わかりますか? 文化継承の場に神社を使ってるんですよ。

例えば、わが故郷の薩摩においては「野太刀自顕流」。いいですか、構えますよ。(剣を振りかぶる仕草)こういう構えをします。「蜻蛉(とんぼ)の構え」といいます。トンボを捕まえる格好に似てます。蜻蛉の構えです。覚えておいてくださいね。

こういうものが鹿児島では、先ほどの琵琶もありますし、尺八が小さくなったような天吹(てんぷく)というものもあります。もともと神社は、こういうものを受け継ぐ場所になっています。ですが、今これが受け継がれなくなっています。

これを受け継ぐと、どういうふうになると思いますか? 我々が世界に飛び出ていくときに、自分たちの誇り、アイデンティティとして、もしくは相手の国との比較文化として視点を変えることができるんです。どうですか皆さん、やりたくなったでしょう? さあ、鹿児島においでください。

ということで僕は、こういうふうに文化を継承していきたい、そういう場で神社を使いたいと思っております。ありがとうございました。

堀:ありがとうございました。為末さん、お願いします。

為末:これ僕のチームで。「行き切れ」って言ったけど、ここまで行っちゃうとは思ってなかったんですけど(笑)。すごく良かったなと思います。彼がこのプレゼンをするまでに、実はみんなのアイデアが全部突っ込まれてこのプレゼンになったんで、チームの結集だなと思って感動しながら聞いてました。ちょっとやりすぎたかな? まあ、いいかな(笑)。

発表者(東北大学経済学部 齋藤):東北大学経済学部3年のサイトウ ユウサクです。私たちのグループは、日本の10年後の課題といたしまして、日本はこのままいくとチャレンジしにくい国になるのではないか、と考えました。

具体的な理由といたしまして、少子高齢化が進みます。消費税が上がってます。水野(弘道・年金積立金管理運用独法の責任者)さんには悪いですけど、年金制度が不安です。このままだと人々が、自分たちの日々の生活に危機感を持ち、チャレンジすることができなくなっていくのではないかと考えました。

これは私たちの課題で、じゃあそれを解決するにはどうすればいいか。ずばり、このG1カレッジのように志の高い仲間たちが一堂に会して集う、という企画をさらに全国的に拡大し、頻度を上げ、日々、人々の間で情報交換する。このような機会を持つことが、私たちの提案させていただくことでございます。

このG1サミットのようなイベントにはメリットが2つあると考えてまして、ひとつは、さまざまな考えを持った人たちと交流する中でインスピレーションを受けて、チャレンジするという気概が高まる。

もうひとつが、さまざまなフィールドで活躍する人たちと触れ合うことで、自分ひとりでは達成できなかったことにチャレンジできる、可能性が広がるという意味で、このような機会を設けることはとても大事だと考えております。皆さん、このG1カレッジで出会ったのも何かの縁ですので、これからもよろしくお願いします。どんどんドーパミン出していきましょう!

堀:ありがとうございました。りんちゃんか小澤さん、どっちかコメントあります?

小澤:いやあ、やってください! おおいに結構じゃありませんか! すばらしいことですよ。これね、堀さんがずっと1人でやってるわけ。第2第3の堀を、全国に散らばらせようということなんです。

ただね、これ本当に堀さんよくやるなあと思うの。だって何のメリットもないのよ? 彼個人には。でも日本のため、若者を憂いて、個人の私財と何より重要なのは、堀さんの時間を投入してるわけ。でも、堀さんに共感をする僕らの時間も投入させてるわけ。(笑)堀さんが。子どものサッカーの試合ほっぽらかして来てるんですよ、私も!

何でかっていうと、僕も堀さんに惚れてるし、こういう機会があったらそこを通じて皆さんに出会って、日本が良くなりゃいいなと思ってる。でもそうやって、この場をビンビン感じたあなたが「地方でやりたい」、口だけじゃダメだぞ。絶対やることだ。必ず行動してください。やるんだったら、僕らみんな応援するから。頑張ってくださいね!

堀:じゃあ残り2人ですね。

発表者(東北学院大学 柳沼):私の父はJR職員です。電車の整備士をしています。いつも誇りを持って電車を走らせていると言っています。私はそんな、駅に人が集まってくることに対して、これから人が少なくなっていくこと、それに悲しみを感じています。

そこで私が提言したいものは、「都市政策を一歩進めていく」ということです。具体的にいうと、地域住民同士がいかに協力しあうか、そしていかに地域住民と関係者が協力しあうかということが、まず問題としてあります。

その中で、限界集落をいかに作らないか、そして中央への集約化をいかに作っていかないようにするか。そのような中で社会問題としては、現在地方の雇用や産業、医療等の過疎化や、高齢化社会への対応が迫られています。

このような中で、私がJRの都市政策担当部長や駅の開発部長となり、地域の住民の人たち、自治会や行政の担当者の人たちと早めに協力しあって、街に話し合いの文化をもっと持たせるようにしたいなと思っています。自治体の人たちが住民にインセンティブを持たせることで、医療や住宅の支援以外に公共インフラの維持・削減費になったりとか、行政サービスの効率化に繋がると信じております。

そのような中で10年後に、地域やまちづくりに対しての集団としての貢献とか、共同体としての感覚といったものが醸成されることによって、今よりも民主主義のステップ、段階がもうひとつ上がると思っています。これを信じて、私はこの課題に取り組んでいきたいと思っています。

堀:ありがとうございます。この問題はりんちゃんにお願いしようかな。今、山の中に住んでらっしゃるりんちゃんに。

小林:(笑)。軽井沢からやってまいりました。そうですね、駅に人を集めるって限界集落の問題を解決しようとしてて、それはすごく着眼点がいいなと思うんですね。

ひとつ欲を言うと、実際のキャリアとしてはJRの都市政策の部長や課長だけじゃないのかなと思ってるので、問題の本質に向かってアプローチするのに1番早道なのはどこなのかなっていうことを、ちょっとステップバックして考えて見るとより良いかな、と考えました。頑張ってください。

堀:ありがとうございます。最後の1名ですね。お願いします。

発表者(多摩美術大学 坂田):こんにちは。多摩美術大学大学院絵画学科日本画領域のサカタ キョウヘイと申します。今、2020年のオリンピックに向けて「クールジャパン」とか日本の文化を推し進めていこうという風潮がありますが、それらをまとめて海外とかに紹介していく上で、必ずこぼれ落ちていくものがあると。

それは例えば地域に残っている伝統文化であったり、そういうものだと思うんですけども、それをちゃんと守り続けていくためにどうするか。やっぱり自分が生きてる日本というもの(国)のアイデンティティを、ちゃんと認識していく必要があると思います。

僕も普段からアーティストとして、あんまり有名ではないんですが、絵画作品やそういったものを発表しています。僕は日本画を専攻しているので、例えば和紙や金箔を使ったり、屏風・襖であったりとか、そういった日本特有のものを使って作品制作をしています。

そういったものを守っていくために、なぜ日本にとって良いのかを、やっぱり自分の「日本が大好きだ」ってさっき手を挙げてらした人が多かったと思うんですが、内にこもっていると良いか悪いかって、わからないと思うんですね。

海外に行って、海外の文化とかそういったものを知った上で、日本と比較して何が良いのか何が悪いのかを判断して、みんなの力で自国の文化を育んで守っていければと思っています。

そういったことを通じて、2020年の後も日本の文化を海外に認知してもらうためにも1回で終わるのではなく、クールジャパンが流行で終わらないためにも、皆さんで文化や芸術に対する理解やそういったことをやっていければと思います。ありがとうございます。

堀:ありがとうございました。どなたか最後に一言コメントがあれば。

為末:すごく良いなと思いながら聞いてました。我々のところでも議論があったんですけど、「日本らしさってつまり何なのか」って問いかけがあって。そのことを僕らは考えないといけないなって思うんです。日本っていったい何なんだろうかっていう。

これからたぶん移民の方もいっぱい入ってきて混ざっていく中で、僕らって何なのかってことに対して、文化はひとつのヒントになるのかなと思ってお聞きしてました。

堀:ありがとうございました。ということで12名の発表が終わりましたが、ここで簡単に、今日モデレーターをやってくださった方々に感想あるいはコメント、付け足しがあればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。急に無茶ぶりですけど國領(二郎)さんいかがでしょうか。

國領二郎氏

國領二郎氏:皆さんお疲れ様でした。僕もチームでいろいろ議論してて、問題意識としていろんなものがあって、それをどうやって具体化・実現の方向に向けていけるか、そこのイメージをどう作るかというところがすごく大事だなと思いながら聞きました。

それから、どうやって巻き込んでいけるかというのも、自分だけがやってるんじゃなくて人を巻き込んでいく、そういう意味ではプレゼンテーションでどうやって伝えられるかというところもすごく大事ですね。

僕のところはマキウラさんで、彼は実際やっていて実績があるというところですごく説得力があったんです。とはいえそれぞれの人に初めから実績なんかあるわけないので、やっぱり実績って作り上げていくものなんじゃないかなと思います。ぜひ具体化、大きな絵とともに具体的に動いていくということが大事だと思うので、頑張っていただけたらと思います。

堀:あと2名ほど。じゃあ漆さん。

漆紫穂子氏

漆紫穂子氏:皆さん本当に真面目で問題意識が高くて、すごく優秀だというのにまずびっくりしました。

そしてちょっと心配になったのが、例えばなんですけど「20代の投票率が低いのは問題だ。どうやってこれを解決するか、方法を考えてください」って言われたとき、どうやって考えます? 「20代に人気のあるタレントさんでキャンペーンしよう」とか、即解いちゃう、解きはじめちゃうってところがないかなと思う。

そもそもなぜそれが問題なのか。少子高齢化の問題も「問題」と決めちゃってるけど、本当に問題なんですかね?少子高齢化って何でいけないのか。真面目な人ほどいきなり問題を解いちゃうので、そもそも何で問題なのかを自分の頭で考えるっていうのが、あるといいのかなと思いました。

堀:ありがとうございました。あともう1人、名前が出た水野(弘道)さんにする? 大丈夫ですか、急に無茶ぶりで(笑)。年金問題は関係ないですからね。

水野弘道氏

水野弘道氏:年金問題が心配だということですので、そのために私が選ばれたと思ってます。ウチのチームは、さっきのJRの話の彼がプレゼンしてくれました。思ったのは、いろいろと問題意識が最初に出てきたんですけど、わりと新聞で出てきているようなのが多いなと思って。僕はもっと「学生ってこんなこと考えるんだ」っていうのが出てくるかなと思ったら、ちょっと出てこなかったので、「面白くないね」って言ったら「どういうのが面白いんですか」って聞き返されたんだけど。

別に笑わせろってことじゃないんですけど、普段大人が言ってる問題をみんなが問題意識として持つのは当然。でも、これからは我々を含む大人が「当たり前だ」と思ってしまってることを「問題だ」と気付かせてくれるようになると、世の中って変わるんじゃないかなと。

特に高齢化社会になってきて、多数決では皆さん負けますから。多数決で負ける前に勝とうと思ったら、どれだけシャープか、どれだけアングルがあるかってことが大事なので、そういうのを今後僕は皆さんには期待していきたいと思います。頑張ってください。

堀:ありがとうございます。こちらパネリストで総括的コメントを。

為末:すごく皆さん良かったと思う。解決策とかは経験を重ねるとついていくのかなと。僕はスポーツの人間なんで、エゴイストの集まりなんですね、スポーツの世界っていうのは。つまり、自分が1番になるというのがすべての目的なんです。あとは後付け。それが世の中のためになるかっていうのは……まあ、それもあったとしても。

僕は有名なスピーチを見るのが好きなんですけど、ほとんどは「I have a dream」から始まるんです。決して「We」から始まってなくて、彼ら(They)から始まることもなくて、自分が何でそんなにそれをしたいのかってこと、自分が欲しくてしょうがないものが本当は何なのかっていうのを、人間って自分で嘘ついちゃったりするんで。

欲しいのは本当はこっちなんだけど、一応社会的にはこっちが欲しいと言っておこうみたいな、頭で勝手に変換されちゃったりする。本当に自分が欲しくてしょうがないものは何なのかって問いかけは、あったらいいかなと思います。でも、今日は皆さんのいろんな話を聞きながら、僕もそういうことを自分に問いかけるキッカケになったと思います。

堀:ありがとうございます。(00:45:50)

→10年後の自分と社会を考える(4)はこちら

講演者

  • 小澤 隆生

    BoostCapital株式会社 代表取締役

    1995年、CSK(現SCSK)入社後、1999年にビズシークを設立し、2001年に楽天に売却。
    2003年のビズシークの吸収合併により楽天に入社。オークション担当役員に就任。
    2005年に楽天野球団取締役事業本部長。
    2006年に退社後は個人としてスタートアップベンチャーへの投資やコンサルティングを展開。
    2009年から2012年までは楽天顧問。
    2011年に設立したクロコスをヤフー(現LINEヤフー株式会社)に売却し2012年にヤフーへ入社。
    2013年よりヤフー執行役員としてヤフーショッピングを担当、2018年4月より常務執行役員コマースカンパニー長に就任し、
    eコマース、トラベル事業、金融事業を管轄。
    2019年6月にヤフー取締役専務執行役員COOに就任し、コマースとメディアの全事業を管掌し、
    2022年4月にヤフー取締役 代表取締役 社長執行役員CEOに就任。
    2023年10月LINEヤフー株式会社 顧問就任。
    2024年1月、ベンチャーキャピタル運営BoostCapital株式会社を設立し、代表取締役に就任。

  • 小林 りん

    学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン 代表理事

    経団連から全額奨学金をうけて、カナダの全寮制高校に留学中、メキシコで圧倒的な貧困を目の当たりにする。その原体験から、大学では開発経済を学び、UNICEFプログラムオフィサーとしてフィリピンに駐在。ストリートチルドレンの非公式教育に携わるうち、リーダーシップ教育の必要性を痛感する。帰国後、6年の準備期間を経て、2014年に軽井沢で全寮制国際高校を開校。2017年には世界で17校目となるユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC) へ加盟校し、ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンへ改名。同校は80カ国以上から集まる生徒の7割に奨学金を給付している。
    1998年 東京大学 経済学部卒業
    2005年 スタンフォード大学 教育学修士課程修了
    2012年 世界経済フォーラム「ヤング・グローバル・リーダーズ」選出
    2013年 日経ビジネス「チェンジメーカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
    2015年 日経ウーマン 「ウーマン・オブ・ザ・イヤー大賞」受賞
    2016年 財界 「経営者賞」受賞
    2017年 イエール大学 「イエール・グリーンバーグ・ワールド・フェロー」選出
    2018年 一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事就任
    2019年 Ernst & Young「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2019ジャパン 大賞」受賞
    2020年 ユナイテッド・ワールド・カレッジ (UWC) 国際理事就任

  • 為末 大

    一般社団法人アスリートソサエティ 代表理事

    1978年広島県生まれ。
    スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2024年9月現在)。
    現在はスポーツ事業を行うほか、アスリートとしての学びをまとめた近著『熟達論:人はいつまでも学び、成長できる』を通じて、人間の熟達について探求する。
    その他、主な著作は『Winning Alone』『諦める力』など。

  • 宮城 治男

    NPO法人ETIC. 創業者

    早稲田大学在学中の1993年、学生起業家支援の全国ネットワーク組織としてETIC.を創設。以来、若い世代が自ら社会に働きかけ、仕事を生み出していく起業家型リーダーの育成に取り組み、これまで1600名以上の起業家を輩出。2011年世界経済フォーラム ヤング・グローバル・リーダーズに選出。文部科学省参与、中央教育審議会臨時委員等を歴任。

モデレーター

  • 堀 義人

    グロービス経営大学院 学長/グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー

    京都大学工学部卒、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。住友商事を経て、1992年株式会社グロービス、1996年グロービス・キャピタル設立。2006年グロービス経営大学院を開学。2008年に「G1サミット」を創設。2011年には復興支援プロジェクトKIBOWを立ち上げる。2016年に茨城ロボッツ、2019年に茨城放送オーナー就任。2022年にLuckyFesを立ち上げ、現在総合プロデューサーを務める。2024年よりBARKSオーナー、世界最大のPR会社の米国エデルマン社 社外取締役。

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