キャンペーン終了まで

割引情報をチェック!

近藤洋介氏×澤昭裕氏×藤野純一氏「日本のエネルギー政策の今後」

投稿日:2011/08/16更新日:2019/04/09

第1部 プレゼンテーション/パネルディスカッション(00:00:00〜)

近藤氏プレゼンテーション(00:00:00〜00:18:49)

・「安定供給」「経済性」「環境」がエネルギー政策を語るキーワード

・2007年度実績でエネルギーに占める原子力は26%、政府計画はこれを2030年に53%にするというものだったが、震災で見直しを余儀なくされている

・東京電力は約30%を、関西電力は50%を原子力でまかなっている

・定期点検の結果、原子力発電所が運転できない場合は、関西電力、北陸電力、東北電力、四国電力、九州電力の電力供給力がこの冬7%、来年の夏13%下回る見込み

・LNGで全て代替すると3兆円の追加コスト、電気料金が上がることに

・再生可能エネルギー政策は推進するが、来年の電力不足への対応が足りていない

近藤氏プレゼンテーションを受けて

【澤 昭裕氏】

・原発推進は自然エネルギー反対、脱原発派は自然エネルギー推進派、というマスコミの報道の仕方は二元論、単純すぎる

・原発推進と自然エネルギー推進の両方を進めようとしているのがエネルギー基本計画

・議論を原発と自然エネルギーに限定せず、化石燃料(石炭、LNG)をバックアップとして、コストや調達可能性について柔軟に目を向けるべき

・再生可能エネルギーの導入について、時間軸をもっと考慮すべき。原子力が使えない場合、短期の自家発電が普及した場合、自然エネルギーのタイミングも遅れる場合も

【藤野 純一氏】

・東京電力管内は電気使用量が15%減、関西電力管内は何も変わっていない

・節電した分がどれだけ効果があったのかをモニタリングし、節電方法のプライオリティを伝える必要がある

・原子力が100%安全ということはないので、何かあったとき、政府と研究者がどのように対処できるのかを今から考えていくべき

パネルディスカッション(00:30:50〜)

・原発がいずれなくなるとしても、再生可能エネルギーが普及するまでは、原発と再生可能エネルギーは兄弟分(近藤)

・原子力が信頼を取り戻す2つの方法:1)被害がどこで収まるか。被害の範囲が社会的な受容限度内におさまるかどうか。2)たとえ事故が起こっても制御可能な技術かどうか(澤)

・石炭、再生可能エネルギー、原子力を中長期的にバランスを考える必要がある(田久保)

・20%は自然再生エネルギーで可能だが、残り8割をどうするのか。さらにどれだけ節電可能かは、我々の目指す産業にも関係する(藤野)

・日本のエネルギーの自給率は原子力を除くと5%。これで持続可能性をどう考えるのか(藤野)

・日本人は省エネルギーを行ってきたが、それでも消費量は増えてきている(澤)

・日本国内でのCO2削減は今は置いておいて、途上国でのCO2削減を日本が行い、国際貢献して総量として世界で減らすべき(澤)

・新エネルギーの割合を高めるには30年以上かかる。原子力普及にかかったのと同じお金と時間、新しい利権構造が必要になる(澤)

・原子力については「国有化するかどうか」の議論を一度クリアにする必要がある(澤)

・イギリスでは原子力を国有化している(田久保)

・電力は費用に応じて料金が上乗せでき、地域独占しているのだから利益が確保できる。だからこそ「透明性」が必要。値段設定に皆が納得できる仕組みになっているかが重要(藤野)

・電気は水のようにインフラであり、そこに公共と民間が混じっている状態。お金の使われ方と料金設定が透明になっていない(藤野)

・送配電分離にしても、再生可能エネルギー買い取りしてもらわなければ意味がない。分離しなくても確実に買い取るならばよい。目的があって、それに合わせたシステムがないといけない(藤野)

・世界のCO2をどう削減するか、という視点を持つこと。日本の産業にはもう余裕がないことを受け入れるべき。経済競争力を確保することを目的にそのうえでどうするか検討すべき(近藤)

・再生可能エネルギーも、風力は林野庁、環境省の管轄の場所に立てるので大変で、政治の力が要る。地熱や風力も立地補助金など要る(近藤)

・エネルギーは産業に直結するので、どのような産業をつくるのか描かないといけない

第2部 質疑応答 (1:01:12〜)

・火力に流れつつある国内政策、環境アセスメント免除などをしていると国際競争力に劣ると思うが?

・自然エネルギーへの急な方向転換は軽率ではないか。確率が低いものが起こると想定しなかったのが問題だと思う。原子力、自然エネルギーに限らず、信頼がないことが問題なのではないか。

・原子力、化石燃料、再生可能エネルギーの何をどれだけ使えばよいと思っているか

・地熱は利権に向いていないから、最近あまり議論されなくなっているのか

講演者

  • 近藤 洋介

    衆議院議員

    日本経済新聞社にて産業部、経済部の記者を経た後、2003年に山形2区より衆議院選挙に民主党公認で出馬、初当選。鳩山内閣で経済産業政務官、菅内閣で同政務官に再任、民主党総括副幹事長(政策担当)、民主党国民運動委員長に就任。野田内閣で経済産業副大臣に就任。現在、民主党役員室室長。著書に、「官僚ー軋む巨大権力」(日本経済新聞社)「日米摩擦、ミクロの深層」(同)「国家機能を立て直す」(株式会社ファストプレイス)がある。
  • 澤 昭裕

    21 世紀政策研究所 研究主幹 国際環境経済研究所 所長

    1981年一橋大学経済学部卒業・通商産業省入省。1987年行政学修士(プリンストン大学)、1997 年工業技術院人事課長、2001 年環境政策課長、2003 年資源エネルギー庁資源燃料部政策課長。2004 年8 月〜 2008 年7 月東京大学先端科学技術研究センター教授。2007 年5月より現職。著書に『地球温暖化問題の再検証』(東洋経済新報社)、『エコ亡国論』(新潮新書)、21世紀政策研究所の提言書として「難航する地球温暖化国際交渉の打開に向けて」、「温室効果ガス1990年比25%削減の経済影響 〜地域経済・所得分配への影響分析〜」など多数。
  • 藤野 純一

    独立行政法人 国立環境研究所 主任研究員 博士(工学)

    2000年東京大学工学系研究科電気工学専攻博士課程修了、同年4月より国立環境研究所勤務。アジア太平洋統合評価モデルによる温室効果ガス排出シナリオ分析に従事。2004年から日本低炭素社会研究プロジェクト(http://2050.nies.go.jp)の幹事を務め、2050年に日本の二酸化炭素排出量を70%削減するシナリオを構築。2008年以降、日本の2020年温室効果ガス排出量削減目標値に関する政府のシナリオ分析プロセスをサポートしている。最近では、中央環境審議会地球環境部会中長期ロードマップ小委員会専門委員として25%削減を実現する道筋検討に貢献。著書に「低炭素社会に向けた12の方策」がある。
  • 田久保 善彦

    グロービス経営大学院 副学長

    慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院理工学研究科修了。スイスIMD PEDコース修了。株式会社三菱総合研究所にて、エネルギー産業、中央省庁(経済産業省、文部科学省他)、自治体などを中心に調査、研究、コンサルティング業務に従事。現在グロービス経営大学院及びグロービス・マネジメント・スクールにて企画・運営業務・研究等を行なう傍ら、グロービス経営大学院及び企業研修におけるリーダーシップ開発系・思考科目の教鞭を執る。経済同友会幹事、経済同友会教育問題委員会副委員長(2012年)、経済同友会教育改革委員会副委員長(2013年度)、ベンチャー企業社外取締役、顧問、NPO法人の理事等も務める。著書に『ビジネス数字力を鍛える』『社内を動かす力』(ダイヤモンド社)、共著に『志を育てる』、『グロービス流 キャリアをつくる技術と戦略』、『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』、『創業三〇〇年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか』(東洋経済新報社)、『日本型「無私」の経営力』(光文社)、『21世紀日本のデザイン』(日本経済新聞社)、『MBAクリティカル・シンキングコミュニケーション編』、『日本の営業2010』『全予測環境&ビジネス』(以上ダイヤモンド社)、『東北発10人の新リーダー 復興にかける志』(河北新報出版センター)、訳書に「信念に生きる~ネルソン・マンデラの行動哲学」(英治出版)等がある。

関連動画

学びを深くする

記事に関連する、一緒に学ぶべき動画学習コースをまとめました。

関連記事

合わせて読みたい

一緒に読みたい、関連するトピックをまとめました。

サブスクリプション

学ぶ習慣が、
あなたを強くする

スキマ時間を使った動画学習で、効率的に仕事スキルをアップデート。

17,800本以上の
ビジネス動画が見放題

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

利用者の97%以上から
好評価をいただきました

スマホを眺める5分
学びの時間に。

まずは7日間無料
体験してみよう!!

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

新着動画

10分以内の動画コース

再生回数の多い動画コース

コメントの多い動画コース