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アイデアを「ゴミ」にしないための10のアクション(前半)

投稿日:2015/09/11更新日:2019/04/09

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せっかく思いついた新製品や新事業のアイデアを、恐る恐る上司に提案してみたら、「もっとよく考えろ」と突き返され、悔しい思いをした経験はありませんか?最近は、社内で新規事業のプランを広く募ったり、社内の研修やプロジェクトで新規事業のアイデアを求めたりする企業も増えています。そうしたシーンで、堂々と提案できる状態に持っていくにはどんな準備をしたらよいのでしょう?

あるいは提案を受ける側としても、MVP(Minimum Viable Product:仮説検証に必要な最低限の機能を備えた商品)製作や事業計画策定などに、資金や時間を投資してしまう前に、アイデアの筋の良し悪しを見極めるにはどうしたらよいのでしょう?

そこで、筆者が普段、クライアント企業内で指導している「思いついたアイデアを、新事業の卵に変えるためのアクション」をまとめてみました。

1. 類似の製品・サービスを知る

自分が認識している範囲で「これは斬新なプロダクトだ!」と盛り上がっても、残念ながら結構な確率で同じ、もしくは類似のプロダクトが既に世の中に存在しているのが現実です。後々になって「実は二番煎じだった」とならないよう、最初に冷静に調査しておきましょう。ウェブで検索をかけるのはもちろん、業界に詳しい数名に訊いてみるのが手っ取り早いと思います。

なお、同様のプロダクトが既に存在していたからと言って、即NGではありません。海外のサービスであれば、それをローカライズしたものを国内で展開できる可能性は十分あります。また日本国内に類似業者がいた場合でも、それらを競合に見立てて差異化を図れる可能性があります。ゼロから自社で新市場を創るよりも、既に類似業者が現れている市場の方が立ち上がりは早くなりますので、むしろ喜んでよいかもしれません。

2. 市場が空いている理由を知る

新事業の提案者の中に、よく「ここのセグメントが空いているので狙いたい」と発案した動機を語ってくる人がいます。しかし経験的に言って、この着眼方法は極めて危ないです。既存業者が踏み込まない市場セグメントは、技術的に参入が難しかったり、収支がペイしにくかったり、法規制で制約がかかっている等の背景がある場合がほとんどです。「空いている市場にはワケがある」が、事業開発の鉄則だと心得てください。

まずは既存業者が参入していない理由を把握しましょう。そもそも顧客ニーズがないかもしれませんし、技術・コスト・法規制などの面でハードルがあるのかもしれません。前者のようにニーズがない場合は諦めるしかないですが、後者のようなハードルがある場合は、どうやって乗り越えるかを考えます。もしここで突破方法が見つかったのなら、皆さんの事業アイデアは50%以上の確率で生き残れると自信を深めてよいでしょう。

3. 既存プロダクトに対する優位性を決める

「この製品・サービスには、既存のプロダクトでは得られなかったどんな便益を期待できるのか」。この問いに対して、顧客視点で具体的でピンと来る答えを言えるようにしましょう。「具体的でピンと来る」というのは、決して「より高品質」とか、「ワンストップ」といった曖昧な便益ではない、という意味です。

なお、「新たに提供する」便益を決める一方で、「捨てる」便益を決めておくことをお薦めします。この後に検討を進めていくと、必ず周囲から「こういう機能もあったらいい」という迷惑なアドバイスをたくさん受けます。それに流されて機能を追加してしまうと、アイデアのエッジがどんどん削がれていくことでしょう。そういう事態にならないよう、「その機能は今回諦めるんだ」と最初に覚悟を決めておくのが賢明なのです。

4. 顧客インタビューでニーズ検証

新プロダクトの概要が見えてきたら、早めに見込み顧客の反応を探ってみましょう。いきなりアンケートを作成してバラまく人をたまに見かけますが、この段階のインタビューで重視したいのは、量よりも質です。数名でよいので、見込み客の人と対話しながら、既存のプロダクトのどんな点に不満を感じているか、新プロダクトはニーズにフィットしているか等を定性的に確認していきます。

対話をより具体的にするには、よく言われるように試作品(プロトタイプ)を用意して臨むといいでしょう。ハードウェアならばレゴや3Dプリンターを使った試作品があれば御の字ですし、ウェブサービスであればランディングページのイメージ図で十分です。ただし一部のインタビューでは、プロトタイプを見せずに、製品コンセプトを言葉だけで伝えて反応を窺ってみることをお薦めします。あえて制約をかけることで、便益がシンプルで魅力的なものになっているか、チェックすることができます。

5. 需要を分解して見積もる

顧客インタビューが終わると、多くの提案者は「ニーズの存在が確かめられた」と自信を深めて、どんどん前に進もうとします。しかしここで一瞬、立ち止まりましょう。というのも、顧客インタビューで「ニーズが有るか・無いか」の二択で尋ねると、ほぼ全員の見込み客が「有る」の方向の答えを返してきます。肝心なのは、ニーズ(需要)の有無ではなく、その大きさです。

私の場合は、ニーズを「広さ」×「深さ」×「長さ」に分解して市場規模を見積もります。「広さ」とは、ニーズの汎用性がどの程度あるかで、ターゲット人口の推定に使います。「深さ」とは、顧客がどの程度強く必要としているかで、製品単価を決定づけます。そして「長さ」とは、ニーズがどの程度の頻度でどのくらい長く続くかで、購買頻度と継続期間に置き換えられます。広さ・深さ・長さの3要素を掛け合わせることで、おおよその市場規模を見積もり、自社が参入するに値する市場か否かを判断します。

図: ニーズ(需要)を分解して捉える

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後半では、残り5つのアクションについて解説しましょう。

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