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海外事例をヒントに事業機会を見出す

投稿日:2024/04/09更新日:2024/05/16

今年2月発売の『ビジネススクールで教えている 武器としてのAI×TECHスキル』から「Chapter5 伸びる/衰退する業界や会社を見わける」の一部を紹介します。

テクノロジー関連の新事業はこれからも加速度的に増えることが予想されます。その中でどれが有望かを見極めることは、協業や転職を考える際にも非常に重要な要素となります。
こうしたビジネスは、そもそも不確実性が高いため、100%の精度で成功するしないを言い当てることは難しいでしょう。ですが、海外、特にIT先進国であるアメリカで成功しそうなビジネスは、日本においても成功確率が高いのではないかと仮説を置くことはできます。幸い、近年は海外への情報へのアクセスもかなりしやすくなっています。情報源を広く海外に広げることがますます重要になるでしょう。

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、東洋経済新報社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

海外に学ぶ

日本企業の場合、海外の動向を調査することも非常に有効です。もともと日本には「タイムマシン経営」という言葉がありました。欧米で流行っているものは、そのうち日本にも導入されるという発想です。コンビニエンスストアやピザのデリバリー、宅配便などもすべて海外で先行したビジネスです。アメリカや時に中国の先行事例を見ておくことは、そちらが先行しがちなITビジネスにおいては有効です。特にユニコーン(設立10年以内で時価総額10億ドル以上の未上場ベンチャー企業)やデカコーン(設立10年以内で時価総額100億ドル以上の未上場ベンチャー企業)を調べることは、これから伸びる業界のヒントを得られるとともに、Chapter7で紹介する新事業のヒントともなります。たとえば日本のECサイト作成プラットフォームのBASEは、Shopifyのビジネスモデルを参考にしていると思われます。

少子高齢化や地球温暖化、交通といった、ヨーロッパが日本と似たような課題を抱えている分野においては、アメリカよりもヨーロッパの事例の方が参考になるかもしれません。

こうした先行事例の調査は、検索で行うことも可能です。

導入期の技術の場合、ベンチャーキャピタル(VC)、特にシリコンバレーの著名なVCや、MAAMAなどの大手IT企業がどのような技術テーマに投資をしたり、どのような企業を買収したりしているかの情報を知ることも効果的です。そうした技術は、数年後に大きく化ける可能性があります。

たとえば昨今ではAI関連はもちろん、ディープテック(ロボティクスや材料科学など、より物理化学領域のテクノロジーの比重が高い分野)やSDGs関連の課題をITの力で解決しようとする分野への投資、あるいはエッジコンピューティング(演算をグラウト上などではなく、センサーなどデータの発生源に近い場所で行う技術)への投資などが増えています。Chapter9で紹介するメタバース関連なども当然投資が増えています。

ただし、VCや大手IT企業は「外れるかもしれないが、当たった際にリターンが巨大だから」あるいは「ライバルも投資を大きくしているから(ライバルの後手に回るとまずいから)」という理由で、決して確度が高くない案件にも投資を行うことがあります。それゆえ、往々にして一過性の投資ブームで終わることもあるという点には注意が必要です。

Column:視野を海外に広げる

日本の国内人口はほぼ間違いなく減っていきます。世界に占めるGDPの比率も減るでしょう。それゆえ、産業規模を考える際には、国内の動向だけを見るのではなく、世界の動向もにらむ必要があります。

ちなみに、日本の高度経済成長期においては、特に製造業は視点を早期に海外に向けることで業容を広げてきました。たとえば自転車部品で圧倒的な地位を築いているシマノは、日本の自転車市場の成長のみならず、世界(特にアメリカ)の自転車市場の成長も見据えたうえで大胆な設備投資を行い、一気に高性能と低価格というアドバンテージを獲得しました。そして、日本市場、そしてアメリカ市場で圧倒的な市場シェアをとるに至ったのです(当時の1ドル360円という超円安の固定為替相場も後押しをしました)。

残念ながら、一部の製造業(部品や素材、自動車など)を別にすると、日本のサービス業やITビジネスが海外で最大のシェアをとった例は皆無と言っていいでしょう(コンビニエンスストアはその例とも言えなくはないですが、もともとは海外のサービスです)。

ITを活用した製造業のサービス化(モノ売りからコト売りへの進化)が進んでいるとはいえ、製造業頼りあるいは国内市場頼りでは将来は明るくありません。サービス業やITビジネスも、世界全体を見据えつつ、その中で一定のプレゼンスを得る力が今後必要になるでしょう。

特に地理的にも近くGDPの成長も大きいアジア市場などでのプレゼンス向上が期待されます。ベトナムやタイ、フィリピン、インドネシアなど、日本との相性が良く、かつ確実に経済成長が見込まれる市場は意識しておきたいものです。 

ビジネススクールで教えている 武器としてのAI×TECHスキル
著:グロービス経営大学院 発行日:2024/2/28 価格:1,980円 発行元:東洋経済新報社

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