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【速報】G1@Clubhouse㊸「コロナ禍のメンタルヘルス:心を強くする手法とは」岡島悦子×島田由香×石川善樹×大室正志×堀義人

投稿日:2021/03/14更新日:2021/03/26

 
昨日、3月12日22:00 ~23:00に行われたG1@Clubhouse㊸の内容のポイントをご紹介します。

テーマと出演者

テーマ:「コロナ禍のメンタルヘルス:心を強くする手法とは」

出演者:岡島悦子(プロノバ代表取締役社長)、島田由香(ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス取締役)、石川善樹(予防医学研究者・医学博士)、大室正志(大室産業医事務所代表)、堀義人

発言のポイント

※上記出演者のご了解を得たうえで、記録、公開しています。

1) コロナ禍でリモートワークが続くなか、個人および組織のコミュニケーションにはどのような変化が生まれているか

・集団のストレス度を測ってみると、コロナ禍にあっても前年と変わらない企業は多い。リモートワークのおかげでストレスが軽減された人も、コミュニケーションが減ったことでネガティブな影響を受けた人も、両方いるので。ただ、データは出揃っていないが、後者は女性のほうが多いような雲行きだ。とにかく、今はコロナ禍を発端とした生活スタイルの変化にまつわる不具合が生まれているというか、環境変化になかなか適応できず、しんどくなっている方が出てきた。

・自分が見ている範囲だと4~5月の休職者は少し減っていた。上司の顔を見なくて済むのでストレスが減ったりしていたのだと思う。ただ、中長期的にはリモートワークの常態化で、たとえば4月の入社以来、上司と直接会っていないままの人も出ていたりする。そういう人は、Slackで、「これ、どうなっていますか?」と聞かれただけでも、「怒っているのかな」なんて考えたりしてしまう。人となりを知らず、信頼の基盤がないからだ。リモートが長引くなか、今度はそうしたコミュニケーションの齟齬によるストレスが増えてきた。

・ユニリーバは2016年に「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」という人事制度で場所と時間を問わない働き方を導入していて、今回もスムーズにリモートワークへ移行できたと思う。それで、工場で製品をつくってくださる方々以外は去年3月18日から今に至るまで完全在宅が原則となり、もうすぐ1年になる。昨年入社組も入社式から研修から配属まで、すべてオンラインだ。そのぶんしっかりコミュニケートすることに注力している。特に管理職へのトレーニング。「オンラインコミュニケーションでは、こんな風に活用したらむしろリアルより良くなるし、こういう部分に気をつけたほうがいいです」といったTIPS等を提供したりしている。

・EAP(Employee Assistance Program)は派遣社員や業務委託の方々も使えるようにした。誰でもいつでも電話で無料カウンセリング等を受けることができ、相談も少し増えた状態だ。具体的には「気持ちが落ち込みやすくなっている」といった話が多い。やはり、つながりが大事なのだなと感じる。ポジティブ心理学では「幸せの3つのレバー」というものがある。それがあると満足感や高揚感、あるいは肯定感を持つことができ、パフォーマンスが高まるというものだ。その1つは「つながり」。その‘Sense of Connective’がコロナ禍でなくなった、または少なくなったと感じる人は多い。

・もともと日本人は会社の人と過ごす時間が長過ぎるぐらいだった。仕事後も皆で居酒屋に行ったり、土日も一緒にゴルフをしたり。それに対する反動で、パチンコや吉野家や一蘭等々、日本は1人になれるインフラがすごく発達した国になった。ただ、今はリモートで1人。外に行っても1人でご飯。これは少ししんどいかなと思う。

2) 個人のメンタルヘルスにおいて大切なことは何か

・今回のタイトルは「心を強くする手法とは」としたが、むしろ強くするのでなく、環境変化に適用し、柔らかくしなやかになることが大切なのだと感じる。

・日本ではEAPの利用率も大変低く、カウンセラーに自分の悩みを構造化して話すことに慣れていない方が多い。キリスト教の文化圏では教会で懺悔をしたりするけれど、日本だとお寺に行ってもお坊さんの「いい話」を聞いて帰ってくるだけ。自己開示とはスキルに近いもので、小さい頃から慣れていないといけない。今後は、しんどくなってからではなく、普段からカウンセリングのようなものに行き慣れておく必要もあるのではないかと思う。

・もともと日本はストレスに強い国だと世界から思われていた。たとえばジェンダーギャップ指数等、日本の女性はあらゆる観点で大変厳しい状況にある。にも関わらず、なぜ平均寿命が世界一なのか。これは世界の公衆衛生における7不思議の1つだった。世界的な公衆衛生学者のマイケル・マーモット先生は自身の論文で、「日本人は過酷で長時間の労働を強いられ、有給もほとんど消化できていないのに、なぜ健康でいられるのか。もし、イギリス人が日本人のように働いたら、きっと高いストレスで体を壊してしまうだろう」と書かれている。

・かつての日本では、会社への忠誠心や部下に対する管理職の思いやりがあったため、長く過酷な勤務下でも仕事にやりがいを持って取り組むことができる面はあった。でも、それがバブル崩壊で一変した。成果主義の台頭などによって、結果として会社への忠誠心が下がり、部下への思いやりも消えていった、と。そうして、バブル崩壊後の30年は戦後初めて日本人の平均寿命が下がった。男性管理職や男性専門職の死亡率は70%高まっている。

・株主資本主義的な社会への変化に加え、今回のコロナによって、そこはかとない不安や、存在欲求の示せなさといったものが出てきたように思う。自分の人生でハンドルを握れない感じが、そうした不安につながっているのだと感じる。その点、ベンチャーの人間が強そうに見えるのはハンドルを握っている感じがあるから。裁量権を持って仕事をすることが健康にも大きな影響を与える。

・‘Sense of Control’は「幸せの3つのレバー」の1つでもある。自分で何かをマネージしていたり、物事を進めていたりするような感覚が、幸福度や高揚感や自信につながる。だからこそ自分で何かを決めていくことが大切になるし、ときには勇気を出して「No」と言うことも必要なのだと思う。

・「Noと言ったら嫌われるのでは?」という恐れはあると思う。だから、‘Deep Listening and Loving Speech’であることが重要になる。相手の話を深く聞くことと、口から出る言葉が愛や感謝に溢れていること。「AI(Appreciative Inquiry)」と言い換えることもできる。誰かが言ったことに「No」と言う前に、「あ、ありがとう」「そんな風に思ってくれているんだ」と肯定する。そういう状態になると、皆、もっと言いやすくなると思う。

・日本人は強さでなく弱さを肯定する。日本人は自己肯定感が低いと言われるが、それは西洋的な自己肯定感を見ているから。「私は自分に誇りを持っている」とか、「うわぁ、西洋!」という感じだ(笑)。でも、日本人は「私なんてまだまだです」と、まずは自分のことを否定する。で、それに対して相手が「そんなことないですよ」と、否定を否定することで肯定するという、ややこしい構造になっている。これも、先ほどのお話にもあった「つながり」が大事になるということ。つながりのなかで人間は弱いという前提に立って、弱さを肯定するのが日本的な自己肯定なのだと思う。

・ポジティブもネガティブも、どちらも包括することが大切だと思う。ハーバードのタルベン・シャハー博士は‘Permit to be a Human’とおっしゃっている。「人間にはネガティブな感情があって当たり前。それが無いのは死者とサイコパスだけ。そのどちらでもない私たちは皆ネガティブを持っていていい」。すごく安心する言葉だし、実際、ネガティブな感情をきちんと感じきった人ほど、ポジティブな感情を持ちやすくなることが今は分かっている。

・日本人を含むアジアの人々は感情を表に出すことを、あまりよしとしていない。ただ、メンタルの不調で休職をする人は、「上司の言っていることは正しいから」なんて言って感情を殺してしまっている人のほうが多い。他方、「言っていることは合っているけど、あの言い方はムカつく」なんて言う人のほうが辞めにくい。「合っている」と「ムカつく」の両方を肯定できているということだ。

3) 個人のメンタルヘルスに対して組織がサポートすべきこと

・幸せとはポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情も両方ある状態であることを知ることができると楽になる。ネガティブな感情や弱さを自分でも受け入れ、他人にも自己開示することによって、変化適応するきっかけを得られる。自己開示できるためには、個人のマインドセットも信頼できる関係性や組織文化も必要だ。

・国連が出した『World Happiness Report 2020』は我々が120カ国で行った調査をベースにしているが、G7に絞ると日本は成績がすごく良かった。8割を超える日本人がコロナ禍にあっても落ち着いた感情でいられたと答えている。心配や不安についても2020年は2019年より減っていた。もちろん不安を感じていた方も大勢いるけど、全体で見ると日本人はコロナ禍において強く、レジリエンスを発揮していた、と。過去そうであったように、日本人のメンタルヘルスは意外と強いかもしれないことがデータから見えてきた。その意味では「答えは私たちのなかにある」という当たり前の事実に気づきたい。苦しくても力強く立ち上がった人がいるという、ポジティブな面にもしっかり目を向けていきたいと思う。

・体調不良で休んでいた人が職場に復帰するとき、菓子折り片手に「すみませんでした」と言うような文化がいまだにある。育休からの復帰やコロナからの回復も同じ。この「すみません」をすべて止めて、「ありがとう」に変えることができないか。誰かのサポートに対して「すみません」と言ってしまうと、互いに自己肯定感が下がってしまう。「コロナになるのは自分が悪い」と考える人の割合が世界一高いというのも、誰も幸せにしないと思う。

・ネガティブな感情を自覚したときの効果的な対処法として、「泣く」「人に話す」「書く」の3つに加えて、さらに効果的なのが「感謝のワーク」だ。寝る前に1日を振り返り、感謝できる人や感謝したいことを思い返す。できればそれを書く。それを続けているだけで、どんどん‘Loving Spirits’になっていく。騙されたと思って皆でやってみたら、日本はすごいことになると思う。

 

G1@Clubhouse㊸「コロナ禍のメンタルヘルス:心を強くする手法とは」岡島悦子×島田由香×石川善樹×大室正志×堀義人

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