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【速報】G1@Clubhouse㊶「ローカルメディアの未来: いかに地域の発展に貢献するか」徳力基彦×阿久津友紀×阿部重典×堀義人

投稿日:2021/03/12更新日:2021/03/26

 
昨日、3月10日22:00 ~23:00に行われたG1@Clubhouse㊶の内容のポイントをご紹介します。

テーマと出演者

テーマ:「ローカルメディアの未来: いかに地域の発展に貢献するか」

出演者:徳力基彦(noteプロデューサー)、阿久津友紀(北海道テレビプロデューサー)、阿部重典(茨城放送)、堀義人

発言のポイント

※上記出演者のご了解を得たうえで、記録、公開しています。

1)ローカルメディアの現状共有と、ローカメディアはどう変わろうとしているか(各社の取り組みを簡単に共有)

・ローカルメディアとインターネットは相性が良いのではないかと思っているが、ローカルメディアの現状は厳しい。地方新聞を見ると購読数の減少が著しく、経営的にも厳しい。全国紙に比べると減少幅は少ないと言われているが、ここ5年で減少が加速しており、地方紙42社のうち21社が減少率10%以上、中でも西日本新聞は減少率25%。一方で地方紙のデジタル広告金額が倍になったと言われており(当然分母が少ないということはあるが)、デジタルシフトに成功すれば違う形が見えてくる。

・テレビに関しては、ローカルテレビ全体の市場が3,000億円でここ30年ほぼ横ばい。しかしここ4年くらいで 明らかな形で緩やかな右肩下がりになっている。それに加えコロナの影響もあって、テレビCMの収益については大手テレビ局よりもローカルテレビの方が下げ幅が大きく、20数%ダウン。

・ラジオも同様で20数%下がっており、今年の回復が+13%と言われているので、下がった分を取り戻せないと言われている。

・4大メディアの中で今一番厳しいのは雑誌で、半減や休刊に追い込まれている。唯一健闘しているのが、漫画と文春、新潮。次に影響を受けているのが新聞。購読数の減少(20年前から40~50%減少、ここ1年間で10%程度の減少)で、朝日新聞などは赤字が数十億円程度で希望退職者を募るほどになっている。ラジオはインターネットの台頭などの大きなことに影響を受けることなく、右肩下がりで来ている。コロナの影響でさらに10~20%の減少。これまで最も影響を受けてこなかったのが、テレビ。テレビ(特にキー局)だけが全く危機感がなかったが、ここにきて危機感を持って動き始めている。

・新聞でいうと、西日本新聞の20年前は90万部くらいあったが、50万部を割っている。かなり危機感を持ってやっている。

・ラジオはWindows95を契機にインターネットユーザーが急激に増加して以降厳しくなっている。茨城放送で言うと、1995年がピーク(14億8,000万円の売上)。直近では 売上7億円を割るくらいなので、60%減。

・テレビの中でも、ローカルテレビはかなり危機感を持ってやっていた。10年前くらいから地区投下予算が落ちていて、放送外収入をどうするかということに5年ほど前からシフトしていた。背景としては、ローカルテレビは元々過当競争に近い中で、ネット同時配信が始まったということもある。ローカルテレビ局にもよるが、20%減くらいが多い。

・ラジオはキー局のネット番組(野球中継、オールナイトニッポンなど)がかつてはキラーコンテンツとなっていたが、キー局が地方局へ分配できるお金がなくなってきたため、地方局が自前で収益を上げていく必要が出てきた。ローカルメディアはどこかに頼るというよりは、独自で収益モデルを考えていかないと生き残りが出来ない。インターネットが導入された中で大きく変革しているのが、radikoの登場。radikoがあると、全国どこででも好きな情報局の番組を聴くことができる。つまり東京から全国へ配信するというモデルが崩れてきて、ボーダレスになってきている。地方局が人気のあるオリジナルコンテンツを制作していく必要がある。茨城放送で言うと、売上はピーク時から60%減だが、9期連続の黒字を達成している。

・テレビでも同様で、キー局制作番組の提供が流れていたものが地方に流れなくなってきたので、地方は収益を上げるのに苦労してきている。今後キー局からの配分も減る可能性があり、ローカル局独自での広告収入も昨今厳しいので、DXによる掛け算で放送外収入をどう上げるかが鍵。例えば北海道テレビは「水曜どうでしょう」という番組が20年以上人気で、北海道テレビ専用のVODを2012年にローンチして以来現在16万人の会員がおり、マネタイズ出来ている。(北海道テレビは、2000年くらいに「デジタル放送が始まるから、こういう時代が来る」と当時の社長が予見しており、大成功の事例。)「おにぎりあたためますか」などの番組も人気で、NetflixやAmazon、U-NEXTなどに販売して収益をあげている。番組のグッズやオリジナルキャラクターのグッズも台湾などでも販売されており、それとVODをDX戦略の中でどのようにコネクトさせ、顧客を増やしていけるかを研究している。海外へは1997年頃から番組販売をしており、台湾・中国・ベトナム・タイ・カンボジア・インドネシア・シンガポール・ハワイ・メキシコで翻訳したものが放送されている。

・新聞は幕末の状況と似ていると思っていて、アメリカから「ネット」という黒船が来て、150年ほど続いた紙媒体の土台が揺らいでいる。一番の危機は読者離れ・高齢化。購読の平均年齢は70歳くらいの新聞社などもあり、若者からはお金を払ってまで読むものではないと思われている。

①今後は幅広いニーズが求められる。これまでは、「記者がこれを知らせたい」という内容や「これは知るべきだ」という内容に重きを置いてきたが、「読者の知りたい」に応えていなかったのではないか。②新聞への信頼を稼いで、ファンを増やす。③紙にもデジタルにも強いコンテンツを作る。

この3つを重視していく中で西日本新聞では2018年1月から「あなたの特命取材班」という企画を始めた。これは、LINEで読者と編集局の全記者(300人程度)が繋がって、読者の方の調査依頼に応えて調査報道し、地域の課題解決に貢献するというもの。開始して3年で、LINEのフォロワー(通信員=一緒に報道を作っていく仲間)が18,000人を超えている。3年間で14,000件くらいの調査依頼が寄せられて、うち600本を記事化した。

反響が大きく、社会を変えたというケースもある。例えば高校生からの依頼で「髪型をツーブロックにしていったら、学校の先生に校則違反だと怒られた。ツーブロックはスポーツ選手やホテルマンなど爽やかな人がしているのに、なぜ校則違反なんですか?」というものがあった。その依頼を受けて、記者が福岡県すべての県立高校の校則を入手したり、教育委員会や文科省などを取材していく中で、校則改正の動きが出てきた。ひとりの困りごとは多くの方の困りごとのことが多いので、それを問題提起して課題解決していき、結果的に新聞への信頼が高まっていると感じている。読者にとって解決してほしい問題を新聞社が解決してくれるという「ソリューション・ジャーナリズム」になっている。

2)ローカルメディアはどう地域発展に貢献できるか

・自分たちの地域の取材・記事はできるが、社説をはじめ地域以外のニュースは通信社に頼らざるを得ない。西日本新聞での「あなたの特命取材班」で感じたのは、ある程度の記者の人数がいないと対応できない。一方通信社は、全国幅広くカバーしている分、各地方の記者の人数が少ない。その人数で取材すると、どうしても表面的な情報しか伝えることができない。「あなたの特命取材班」に共感したローカルメディアと連携し、ジャーナリズムオンデマンド報道(JOD)パートナーシップを組んでいる。同じように、読者と繋がって調査報道をしているローカルメディアは25社29媒体あり、ネタとノウハウ、コンテンツを無償で共有するということをやっている。

・ローカルラジオ局ではコストカットのためにキー局の番組や通販を多く流すことで、利益を出すことが出来る。そういったことをすると、リスナーがどんどん離れていく。新聞社でも同じようなことが起こる可能性があると危惧している(通信社の記事を多く掲載し、記者を減らす、こうすることで売上は下がるが利益は出る、だが読者は減る)。

このようなことがアメリカでは既に起こっている。アメリカは日本より地方紙が弱い。要因としては、宅配制度が整っていないことや、日本では1県1紙に対して、アメリカは1カウンティ(郡)に2、3紙もあることなど。記者を減らした結果、読者が離れていく、そして新聞社がなくなる。その結果、地元の事を報じるニュース媒体がなくなってしまい、「ニュース砂漠」ができているのが社会問題化している。本来新聞社・テレビ局の強みは、コンテンツを作る力。誰でも簡単に真似できるものではないので、そのコンテンツをいかに高く売れるところに置くのかということが大事。

・読者と繋がるということと、ローカルメディア同士が繋がることがカギ。目指すべきは地域に必要とされるインフラであるかどうかだと思うので、困っていることの解決やよりよい地域を作るために頼りになれる存在になることが、存在意義。

3)既存組織をどう変えていくか

・テキスト(新聞)・音声(ラジオ)・動画(テレビ)はインターネットで融合できるという意味で考えると、ローカルに関しては新聞社・ラジオ局・テレビ局のすべてが合併するということも考えられるのではないか。キー局を軸にした横の薄い繋がりではなく、エリアで強く結ばれた繋がりの方が強い。「あなたの特命取材班」の例で言っても、新聞社とテレビ局が連動している。これはコスト構造をズラすイメージになる。取材することが必要なのに記者を減らすと取材できなくなってしまう。新聞・テレビ・ラジオが連携し、取材する人が増えることでお互いの所在が分担できる。

・北海道テレビでは、朝日新聞と選挙報道の協定を結んでいたり、SDGsのコンテンツなどで一緒に取材に行って、一緒に放送しましょうという試みはしている。そのような試みが、新聞社が株主についているテレビ局では始まっている所もある。

・コンテンツを作る力があるので、ローカルメディアにもっといろんな資本が入ってきたほうが色々な可能性が広がると思う。日刊新聞紙法(新聞社は新聞を経営している人しか経営出来ない)などもあるので、縛りも多いが。

・東日本大震災から10年経ったが、震災の時にはこれほどラジオを必要とされた出来事はなかったと言われた。災害時にラジオの有用性が叫ばれて、平時になるとラジオから離れてしまう。災害の時だけではないラジオをどう作るか、新しいモデルをどう作るかということが、業界では長年議論されてきた。もしかしたら、ラジオの中の人ではない人たちが放送を取り入れて、どう作るかということを考えた方が良いのかもしれない。ラジオを主としない、「ラジオもやっているよ」という会社があっても良いのかなと思う。ひとつの音声メディアとして、テキストや動画も含めてインターネットで繋いで、新しいメディアの想像を地方から進めていきたい。

・北海道テレビが海外にコンテンツを出すことで、インバウンドが北海道に来る流れを作ったような「ニッチトップ戦略」も可能性があると思う。茨城放送が現在、チームラボと取り組んでいる「光の祭」など、イベントとメディアの融合は地域の発展に繋がると思う。

・ローカルテレビ局は以前は限られた全国枠の中でしか放送出来なかったが、今はDXが進んでYouTubeやデジタルメディアに発信できるようになった。誰にでも需要のあるようなコンテンツを出せるというのが大きな可能性。ローカルメディアはこれまでやってこなかったことがたくさんあるので、伸びしろしかないと思っている。そしてスピード感。課題解決に向けたチャレンジや姿勢がまだ弱い。

・あとはネット上でどう稼いでいくか。新たなビジネスモデルが構築出来るか。現在のローカルメディアは、既存モデルの落ち込みが激しすぎて、ネットでは足りないというのが目に見えてしまい、あきらめてしまっていることが多い。小さいチームで小さい体験を積み重ねることを早く始めることで、北海道テレビのような事例も生まれる。大きくなるには時間がかかるので、とにかく早く始めること。今後、ローカルメディアの売上は明らかに落ちていくことになる。どこまでの危機意識を持ってローカルの経営者が動いてくるのかに注目したい。


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