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【速報】G1@Clubhouse㉑「日本のオンライン教育の未来」夏野剛×田久保善彦×國領二郎×堀義人

投稿日:2021/02/19更新日:2021/03/26

昨日、2月18日22:00 ~23:00に行われたG1@Clubhouse㉑の内容のポイントをご紹介します。

テーマと出演者

テーマ:「日本のオンライン教育の未来」。

出演者:夏野剛(ドワンゴ)、田久保善彦(グロービス経営大学院)、國領二郎(慶應義塾大学常任理事)、堀義人

発言のポイント

※上記出演者のご了解を得たうえで、記録、公開しています。

1)オンライン教育への取り組み状況

・N高等学校(以下、N高)は、4年前に創立した日本初のオンラインの通信制高校。もともとニコニコ動画というサービスでボカロ(VOCALOID)やUser Generated Contents(ユーザー生成コンテンツ)を生み出してきた。居場所を見つけるというコミュニティサービスが、YouTubeが出てきてもニコニコ動画が生き残っている理由だと捉えている。メインユーザーは、10代~20代、最近は30代もいる。ユーザーの多くは元引きこもり。日本の高校では、音楽やアニメの才能があっても、言われた通りにできない人は評価されない。そういう人の受け皿をつくろうと思って始めた。
 
・N高在学中の人が約1万8000人。そのうち通学コースが約4000人で、13カ所にあるキャンパスに通っている。約1万4000人がオンライン。ただし、授業は通学でも全員オンラインで受けている。

・教員免許を持つ先生が400名弱いるが、授業は教えず、コーチングを行う。毎朝クラス単位のSlackでコミュニケーションをとっている。授業は、免許関係なく予備校講師など「教えるプロ」が教える。

・文部科学省で必要とされる単位はオンデマンドでミニマムにしている(全体の10%程度)。その分、プログラミング、難関大学受験用のクラスなどオプション授業が豊富にある。

・N中等部も始めたが、中学校は規制が厳しく、フリースクール扱い。在籍者は、オンラインとリアルを合わせて1000人弱。オンラインはまだ少ない。

・通信制高校で卒業後の進路が決まるのは約60%といわれているが、N高は85%くらいと高い。35%が大学に進学し、東大京大にも行く。20%が就職し、それ以外は専門学校などに進む。

・通信制高校の目安は、2万人まで。そのため、筑波に新たにS高をつくる予定。

・オンラインの教務システムなどは、ドワンゴのエンジニアが開発し、N高に提供している。この教務システムは、他の高校にもライセンスできる。

・慶応大学は、1999年に初めてオンライン授業を行った。コロナ禍では、2020年2月14日に全授業をオンラインに移行する準備を始め、5月1日から授業を開始した。デフォルトはオンデマンドで、リアルタイムの遠隔授業もできるようになっている。現在は、50名以下の授業であれば対面授業もやっている。

・グロービス経営大学院では、2020年2月27日にオンラインへの移行を意思決定し、3月2日から全ての授業をオンラインで実施した。もともとは、リアルクラス90%、オンラインクラス10%だったが、現在はリアルクラス30~35%、オンラインクラス65~70%と逆転した。

(2)オンラインがリアルに比べて劣っている点、優れている点。

・知識の伝達はオンラインで全く問題がない。コミュニケーション能力を高める双方向の授業は、オンラインでも少人数で実施している。コミュニケーションに関する様々な体験をするオプション授業はリアルで用意している。

・保護者は、通学コースを希望する人が多い。

・最も教え方がうまい先生の授業を提供できるので、授業のクオリティが高いというのがオンラインの最大のメリット。LIVE配信の授業を特別講義で混ぜているが、これが重要。LIVEで受けているという躍動感やみんなで共有するという感覚があると、モチベーションが高まる。

・大学では、今後、世界的なアライアンスが進むと思う。

・オンラインでも、クラスパーティシペーション(クラス中の発言)は重要。オンデマンド型でも、クラスに参加している人の方が成績は良い。

・大学がオンデマンド授業を始めると、couseraやMOOCsと変わらなくなっていくのではないかという論点はあるが、今後は大学はオンデマンド型だけでなく、リアルタイムでのオンライン授業などを混ぜて、より良い方法を模索していくことになる。

・2020年度は必要に迫られてオンライン授業を行ったが、ベストな方法とは言い難い。コロナの制約が外れた時にどうするか。1年生は学校に来たがる。入学式もなく、コミュニティや友達をつくるためには対面が必要。

・グロービス経営大学院では、オンラインでもすべてインタラクティブで行う。35人クラスでプレゼン、グループワークを行い、リアルクラスと同じものを提供している。発言の量と質もチェックする。

・オンラインのメリットは、チャットなどでリアルより情報量が増える点。また、社会人はオンラインクラス受講により、オンラインでのコミュニケーションが得意になるなど副産物的なメリットもある。失ったものは、リアルでの懇親会くらいかもしれない。

3)未来の教育はどうなっていくのか

・規制は、様々なレイヤーがある。文部科学省、県単位あるいは自治体単位の教育委員会、そして学校長などでルールを決めていく。既存の教育業界のしきたりを考えないプレイヤーは柔軟性を持ってできるが、全日制にも展開できるかというと、様々な壁があり、難しいのでは。

・未来の教育は、教員の質をどう変化させていくかを検討せざるを得ない。免許の有無ではなく教育の効果をあげられる人が教育を提供できるようにすべき。

・世界の大学のトレンドは2つ。①国際的なジョイント・ディグリーやダブル・ディグリーが増えてきている。世界の大学から相手にされる大学であるかどうか。②生涯教育。卒業という概念をなくすほうにいくのではないか。

・グロービスでは既にしているが、ビジネススクール単体で存在しているのではなく、実業と融合するようになっていくべき。学校が卒業生のスタートアップに投資をし、共にリスクをとって、卒業生の成果と学校の成果が相乗効果をもって世の中に良いインパクトを与えるようにすべき。

・ソクラテスの時代から、問答形式と知識授受の教育の姿は変わっていない。だが、Amazonがコマースを変え、メディアやテレビが壊れながらNetflixが出てきたように、教育界でも既存の名門大学ではなく、新しい教育プレイヤーが出てくるのではないか。技術によって新しいチャンピオンが生まれてくる可能性がある。

今後の予定

G1@CH㉗「コロナ禍にバブル後最高値更新:世界経済と金融市場に何が起こっているのか?」(coming soon)

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