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【速報】G1@Clubhouse⑯「日本の機会平等を担保するために何をすべきか?:欧米の社会的分断から学ぶ」今村久美×駒崎弘樹×柳川範之×あべとしき×堀義人

投稿日:2021/02/14更新日:2021/03/26

目次

昨日、2月13日22:00 ~23:00に行われたG1@Clubhouse⑯の内容のポイントをご紹介します。

テーマと出演者

テーマ:「日本の機会平等を担保するために何をすべきか?:欧米の社会的分断から学ぶ」。

出演者:今村久美(認定NPO法人カタリバ)、駒崎弘樹(NPO法人フローレンス)、柳川範之(東京大学大学院経済学研究科教授)、あべとしき(一般社団法人リディラバ)、堀義人

発言のポイント

※上記出演者のご了解を得たうえで、記録、公開しています。

1)アメリカとイギリスにおける社会分断の現状と、日本との比較

・ポイントは2つあると思う。1つは所得階層の固定化。所得に依存することで教育機会が失われているし、就労トレーニングの機会を含め、今は機会平等が担保されていない。2つ目はSNSを通じた情報の固定化だ。見たいものだけを見ているうち、それだけが真実で、それ以外はフェイクニュースだと考えるようになってしまった。

・格差の再生産は日本でも起きていて、欧米のほうに進んでいる面はあると考えている。経済格差が固定し、セグメント同士で「交流しない」「互いに見えない」状況になることで生み出されるものが分断社会という風に定義できると思う。日本の場合、その主なセグメントは学歴。社会学の各種調査では大卒か非大卒かで分かれている。男性か女性かで分かれている側面もある。

・デモグラフィックでは、ブレグジットやトランプ氏の支持層は地方の年配男性が中心だった。一方、日本では大卒と非大卒が分断ラインになっていて、後者の若年層は政治参加意識が相対的に低い。皮肉なことに、最も困窮に陥りやすい人々からのセーフティネットを求めるアクションが弱いため、彼らが構造的に弱い立場に置かれ続けてしまっている。

・自国主義が政策に強いバイアスをかけ、政治を大きく動かしてしまうことが日本でも起き得るか。日本では再分配前のジニ係数が1980年代に一定程度広がったものの、社会保障がそれを是正する役割を担い、再分配後は大きく高まっていない。従って、ブレグジットやトランプ氏を支持した人々と同じ層が不満を持っているかというと、そうでもない、と。ただ、日本なりの分断は起きつつあると感じる。

2)日本ではどのよう問題が起きているのか

・もしかしたら現在の格差を生み出した構造のつくり手側にいるかもしれない人々が、たとえばG1のような場に集まっている気がしてモヤモヤしている。さらに、そこで分断があることに気づかないような議論のアジェンダになってはいないかと、特に教育関連セッションで感じている。自分たちがどのような特権的階級にいるか、あまり話題にならないというか、なりようがないというか。

・我々自身が分断の構造をつくっていることに、どうすれば皆で気づくことができるか。クラブハウスに集まっているような方々も、だいたい同じような情報ソースやメディアを通して議論していると思う。それで、教育NPOとして、格差のなかで取り残されている子を支援しているという立場の自分ですら、支援が必要な人々へのアクセスが難しくなっていると感じて悩んでいる。

・非大卒の若年層、つまり働き盛りで子どもを育てている層が、最も脆弱なセーフティネットのなか、今は懸命に頑張っている。非大卒若年層の女性が最も出産する層でもあるのに、そこのセーフティネットが弱いまま「少子化をなんとかしよう」と言っているのが日本だ。男性についても、「働けるよね」ということで雇用政策ぐらいしかセーフティネットがない。そうした若年層の利益を代弁するような政党や政治思想が欠如している。

・もし、日本で非大卒若年層に糾合する政治的勢力が生まれ、それが過激化するとしたら、そうした人々のルサンチマンを掬いとって、「我々と“彼ら”」という風に切り分ける。そして、攻撃的に「皆さんが辛いのは既得権益を持った彼らが悪いから」と先導することで、分断が生み出されるのだろうと予測している。

3)日本社会の課題をどのように解決していくべきか

・アウトリーチに大きな予算をつけることだと思う。今は、貧困の連鎖が起きているところに、それを断ち切る最初の一手が差し込めていない。コロナで契約を切られた若い非正規女性のもとへ最初に届くアウトリーチは風俗だ。大変な広告費用を運用しているから。「行政にはこんな支援サービスがありますよ」とテレビでアナウンスしたぐらいでは届かない。

・アウトリーチ活動をしている我々の敵はキャッチ。「お姉さん、困ってない?」と、気軽に話しかけて仲良くなり、住まいも食も人間関係も提供する。これに対して日本の福祉は基本的に「お店モデル」。9~5時で役所に来て、「課」を個別に訪れ、申請書に日本語で適切に記入して初めて福祉が発動する。つまり「待ち」の状態だ。しかし、我々の調査では困窮層の約2割しかそうした相談に行っていない。これに対してアウトリーチは自分たちから出張っていく。そうした福祉のあり方に変えていくことが1つの方向性と言える。

・非大卒若年層に加えて「無縁」の人々も困窮している。首都圏にやってきた非正規雇用の人たちは、給料が上がっていくわけでもないけど地縁もないから、状態が悪化するとネットカフェ難民のようになったりしてしまう。そうした人たちは路上にいるホームレスの人々よりも把握が難しい。

・我々を含めて、日本では教育のなかで空気を読んで忖度する力が育てられてきたし、一定の枠組みで生きていくことを前提にするよう刷り込まれてきた。でも、何かに対して意見を持つには一定のスキルが必要だ。政治等に関心を抱いていないと比較対象が持てず、怒ることもできなかったりする。今はそれで“怒り化”していないだけ。統計では見えてこない悲しみや苦しみがたくさんあると、構造をつくる側が理解しなければいけないと考えている。

・重要なのは教育にお金をかけることだと思う。子どもたち一人ひとりがどんな思いや悲しさをいだいているのか、聞いてあげられるスタッフが今は足りない。日本は頑張って少人数学級等を進めているが、公費は5兆円で、社会保障費の1/8以下。これだと細かくアウトリーチもしていられない。そこを政治にも働きかけなければいけないと考えている。

・統計に表れないミクロなまなざしも、統計的視点も、両方大切だと思う。マクロ的に誰が不満を抱えていて、どういった分断が我々に迫っているのか。構造をつくる側の人間がそこを理解して包摂的な対話を繰り返すことが、地味だけれども王道だ。

・社会分断の萌芽に対してスケーラブルにアウトリーチする、または対話の場所をつくることが重要とのご指摘に強く賛成する。そこで「デジタルソーシャルワーク」というものを提案したい。人口減少が進んで担い手が不足しているなかでは、今までのようなソーシャルワークではスケールできない。だからこそ、デジタル。我々は今、ラインを使ったソーシャルワークも行っている。そうした新しい包摂の可能性を追求したい。

・分断のスタートとなってしまう教育や学校を再設計する段階に、日本は来ていると思っている。今はオルタナティブスクールやフリースクールの議論も多いが、最後の砦として選択肢を増やし続けるのと同時に、公教育が社会をどう支えていくかも論点にしていきたい。

・今日は所得だけで見えてこない困難さを理解する必要があるとの思いを強くした。政府はもちろん、たとえば高所得者層もその点をしっかり共有して手助けをしていく必要がある。今は広い意味でのリカレント教育や、トランポリン型社会をつくるセーフティセット等、社会にきちんと戻っていける体制をつくっていくことを考える必要があるのだと感じた。

G1@CH⑯「日本の機会平等を担保するために何をすべきか?:欧米の社会的分断から学ぶ」カタリバ 今村久美 × フローレンス 駒崎弘樹 × 東京大学大学院経済学研究科教授 柳川範之 × リディラバ あべとしき × 堀義人

ディスカッションに参加してくださった皆様

今後の予定

G1@CH⑰「コロナ禍だからこそ考える企業のwell-being」プロノバ 岡島悦子 × 予防医学研究者 石川善樹 × 楽天 北川拓也 × 堀義人

G1@CH⑱「日本のスタートアップエコシステム〜グローバルNo1企業を輩出し続ける為に何が必要か」スマートニュース 鈴木健 × グロービス 高宮慎一 × BEENEXT 佐藤輝英 × スクラムベンチャーズ 宮田拓弥 × 堀義人

 

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