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【速報】G1@Clubhouse⑩「女性活躍推進:森元首相の『女性が入ると議論が長くなる』発言を受けて緊急開催!」キャシー・松井×堀義人

投稿日:2021/02/08更新日:2021/03/26

昨日、2月7日22:00 ~23:00に行われたG1@Clubhouse⑩の内容のポイントをご紹介します。

テーマと出演者

テーマ:「女性活躍推進:森元首相の『女性が入ると議論が長くなる』発言を受けて緊急開催!」。

出演者:キャシー・松井(元ゴールドマン・サックス証券)、堀義人  

発言のポイント

※上記出演者のご了解を得たうえで、記録、公開しています。

1) ウーマノミクスと女性活躍推進について

政府予測によると日本の労働人口は2055年までに4割減。当然、そうなれば潜在成長率は下がるが、男女の就業率が収斂し女性の労働時間が増えると、日本のGDPは約500兆円、15%も押し上げられるとの試算がある。

第2次安倍政権発足後、政府の成長戦略に初めて「ウーマノミクスは不可欠である」という表現が入った。良かったのは、人権や平等といった話から経済合理性の話に、あるいは企業成長に不可欠というコンテクストにシフトした点だ。以降は新聞等も日々ダイバーシティについて書くようになったし、日常的な会話にも浸透していった。

特に進展したのは2つ。G7で最低だった女性就業率は安倍政権のおよそ7年で71%まで上がり、欧米を上回った。皆、驚いている。もう1つは透明化だ。2016年に施行された女性活躍推進法では、300人以上の組織でジェンダー関連情報の開示が義務化された。

一方で変わっていないのは何か。ダボスの男女平等ランキングで2019年は121位。最大の下げ要素は女性リーダーの部分だ。女性マネージャーの比率は約15%、政治家(衆議院)は約10%で、サウジアラビアやリビアより少ない。男女賃金格差も25%でG7最大。女性のリーダーシップが足りないし、起業家も極めて少ない。また、今回の森氏発言とも関連するが、何より無意識のバイアスがある。

内閣府の審議会委員だった頃から企業によるジェンダー情報開示の義務化を目指していた。当時は約20人ほどの委員のうち19人が賛成したものの、財界の方が1人だけ猛反対して実現しなかった。理由は「情報開示はコスト増だから」。女性活躍推進がコストという概念だった。コストでなく投資だ。経営層のダイバーシティが高まるほどROEや株価パフォーマンスは高まる等、いくらでもエビデンスはあるのに、そんな発言が出る。

なぜ、そうした問題が起きているのか。政策にも原因はあるが、組織内の問題も同じぐらい大きい。出産で女性が仕事を辞める理由を日米で比較すると、日本人女性に多いのは「仕事への不満」「行き詰まり感」といった行き詰まり感になる。であれば、制度側を完璧に整えても組織内の問題は残る。

何より意思決定層に多様性が足りない。女性やジェンダーだけの問題ではない。必要なのは「考え方の多様性」。異なる立場の人によるインプットを意思決定プロセスへ反映させることでイノベーションが生まれる。

明るい話もしたい。最終的に日本社会は変われるはずだ。理由は2つの追い風があるからだ。今、世界の金融界で最も注目されているテーマはESGだが、ESG投資が世界で一番伸びているのは日本と言われている。これはトレンドでなくムーブメント。公開企業だけでなくすべての企業が意識しなければいけなくなると考えている。

もう1つは、若い男性の価値観が変わっている点だ。ゴールドマン・サックスは7割がミレニアム以下の世代。昔は女性の部下から「私はいつ結婚するべきですか?」「いつ子どもを生むべきですか?」とよく聞かれたが、そうした質問を、ここ5~7年で急に若い男性から聞くようになった。すなわち女性が求められてきたものをこれから男性も求められてくるので、皆んな同じ方向に向かうことが多様性の追い風になる。

2) 2月3日の森喜朗組織委会長による発言について

皆さんと同じく大変なショックを受けた。「またか」というのが正直な反応だが、それで終わらせてはいけない。アメリカでも、かつては差別や人権の問題について民間企業のリーダーがあまり発言しなかった。しかし、SNSが普及した今はそれを隠せない。Silence is Complicity。自分に関係がなくともステートメントを出さないと「共犯だ」と捉えられる。特に若者はそうだ。社会の問題は我々すべてに責任がある。その意味でもリーダーの声が聞きたい、と。

今回のことは残念だが、議論のきっかけになると思う。森氏の辞任を求める署名も現時点で12万筆を超えているし、そこで使われている「ゼロトレランスポリシー」も大変良い言葉だ。沈黙が一番危険だと思う。大坂なおみさんも「無知なコメントである」と発言してくれている。

これを機に、無意識バイアスについて率直に議論できる環境が、外圧によってでなく日本のなかから生まれて欲しい。スポーツ界のガバナンス問題にも光が当てられたし、あらゆる意味で良いターニングポイントになればと思う。

若い世代や子どもたちに「ああ、こんなものかな」と思われたくない。「これはダメ」という運動にならないと今後も同じことが起きる。海外では多くのメディアが本件を報じていて、「日本人男性は皆こういう考え方」といった解釈もされがちだ。「違う意見の男性も数多くいる」と、民間や政界の男性リーダーこそ声を挙げて欲しい。

冒頭で申し上げた通り、ウーマノミクスやダイバーシティについては進展が見えてきた部分が結構ある。今回の件によって時計の針を戻したくない。労働人口が4割減るわけで、人材を100%活用しないと社会が成り立たない。それほどの危機意識を持って、今後の議論をさらに進めたい。

最後のディスカッションにご参加してくださった皆様

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