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これからは”ボカロP”ならぬ”AI P”の時代が来る!?生成AIでライブの価値が上がるのか?

投稿日:2023/08/10更新日:2023/12/13

G1ベンチャー2023
第4部分科会E「新たなテクノロジーが変える音楽・映像配信の未来」
(2023年6月11日/グロービス経営大学院 東京校)

新たなエンタメ体験を求める人々のニーズに応えるため、音楽・映像配信業界は常に新たなテクノロジーを採用し、進化し続けてきた。Generative AI等の登場は、そうした進化を新たなステージへと昇華させる可能性を秘める。これから音楽や映像配信業界はどのような変革が進んでいくのか。エンタメの未来の可能性を深堀する。(肩書きは2023年6月11日登壇当時のもの)

00:22 テクノロジー・AIを活用したエンタメの未来について

-(前田氏)コミュニケーションを前提にしたエンタメはVTuberの流れから大きく進化した。それは人格を自由自在にコントロールできるところ。今まで埋もれていた才能が表に出てくるようになった。
-(樹林氏)ここ10年ぐらい、テクノロジーがエンタメにもたらしたものはプラスのものばかりだった。AIそのものがリアルを食っていくとみんなが危惧している部分がどうなるのか。
-(後藤氏)人類は目の前に現れたものは必ず取り込んでいくので、今後も広がっていくことは間違いない。海外の方がアクションが多いが、日本はまだAIとは?みたいなところにいる。今までもビデオがDVD、配信になっていったりする海外の動きを日本が追いかけていく形。

06:12 リアルなクリエイターとテクノロジーの共存の仕方、未来

-(樹林氏)これから新人で出てくるときにどうなるのかという心配もあるが、うまく使えば才能を拾えるチャンスは増える。人が作るものとAIが作るものは差が出るはず。例えばストーリーテリングは全然ダメ。うまく使える人がいるなら、その人は評価することが必要。
-(前田氏)ボカロPみたいな文化になるのではないか。「AI P」みたいなものが出てくると思う。裏側で何らかの感情移入を誘うドラマを人間が設計しないことには、まだAIに深い感情移入は引き起こさない。
-(後藤氏)AIは学習フェーズとアウトプットフェーズがある。自分のオリジナルなのか、何かを思い浮かべて作ったのか、完成したものと相関関係が証明しづらい。AIの要素がどれくらい入っているかわかれば、AIが広がっていくのではないか。
-(前田氏)Sporifyの中でBoomyというAIが作った曲が1450万曲くらいある。Sporifyが数万曲を弾くと言っているが、それは再生回数を水増ししているからで、AIだからではない。
-(樹林氏)お金をかけないで作れるのは、良い面と悪い面がある。ものすごくお金をかければ売れるより、若い才能を発掘できる可能性が上がってきている。漫画家はほとんどアシスタントを使わないで出来るようになっていくし、動画のアニメーションも同様。音楽業界もそうなるかも?
-(前田氏)次はアニメルックではなく、フォトリアルルックの姿で配信できる未来が来る。これからネット上で見る動画は、本人か本人じゃないか判別できない世界が来る。アーカイブ動画はすぐにそうなるし、数年後にはリアルタイムで生成AIに紐づけて声と顔を動かす世界が来る。
-(樹林氏)全然AIをネガティブに捉えていない。自分が出来なかったことを出来る期待感がある。1人とか2人でアニメが作れる世界もあり得る。

19:03 グローバルに出ていく速度も上がっていくのか

-(後藤氏)クリエイター視点で言うと、どんどん自分を表現する場が広がっていく。AIを持っている会社は大手なので、そこに人類の知が集まっていくことは予見できる。なのでAIの「戸籍」くらいは残してほしい。
-(前田氏)先ほどのSporifyもそうだが、最近全部AIが作ったホラーゲームをやってみたが、人間が作るより怖い部分があった。本来人間のクリエイターが担うべき領域を結構AIが侵食し始めてるのを、ジャンル別でみると感じている。
-(樹林氏)集合知なのか個性なのか分からなくなってきている。ただ、今から新しい個性を持てる可能性があるとも感じている。AIがくれる刺激が楽しみでもある。
-(前田氏)これまでライバルは人間のクリエイターだけだったが、AIもライバルになるし、クリエイターの成長も早まる。エンタメ全体のレベルが上がるかも。
-(樹林氏)配信が今や当たり前になった。AIが音楽を作れることに危機感はあるかもしれないが、AIはライブは出来ない。
-(中川氏)音楽もCD出さなくてもいいし、アニメもテレビで放送しなくて良くなった。
-(後藤氏)ソニーミュージックではステークラウドという配信サービスをやっているが、海外からの視聴者が増えてきた。乃木坂46を見たい人は各国にいるし、鬼滅の刃が好きな人は日本人だけではない。そういう人がインバウンドで日本に来て、本当の会場のライブも見てもらうような循環が美しい。
-(前田氏)バーチャルで関係性作ってから、リアルで確認し合うみたいな流れはすごい 日本的で、関係性が生まれる確率や総量増やしてる。
-(樹林氏)おばあちゃんがVTuberになったりと、ボーダレスが進むことでエンタメへ参加するハードルが下がる。

32:29 アニメエキスポなどのイベントは、テクノロジーの進化でさらに盛り上がる?

-(後藤氏)毎週日本と同様にアニメを見ている方が一同に会すことで生まれる熱気がある。親子コスプレが一般になってきている。親子で炭治郎の服を着てる、というのがアメリカでも出てきたのは喜ばしい。正規配信が伸びたのがすごく大事で、違法だとこの状況にはなっていない。クリエイターに還元できるビジネスモデルがあることが、グローバルの進化を助けている。
-(樹林氏)カコジョもその例で、年代・性別も超えたボーダレスで表現できるようになる。
-(中川氏)日本は二次創作に愛があるということとテクノロジーが繋がっていくことは?
-(後藤氏)コミケなどは本来無許可のものだが、漫画家もそういうところから育っているから、双方リスペクトを持っている。キーワード入れれば何か成果物が出てしまうというのは悩ましい。
-(前田氏)二次創作は愛と労力を費やしているのでクリエイター。AIだと数秒で出来てしまう。AIはリアルが弱点なので、AI時代にリアルをもっと頑張らないといけない。

41:56 ここまでの話のまとめ

-(樹林氏)ボーダレス化とチャンスが広がったこと、この2つをどう生かすか。
-(後藤氏)クリエイティブの開放と民主化、AIの進化が進む。
-(前田氏)表現の手段が広がることで、理想の自分を確立できる世界になっていく。人間が得意な事は何かを見つめ直す機会になるのでは。

47:09 質疑応答①

-これから10年でクリエイターの育成で一番大きく変わるところは?
-週刊プレイボーイのAIグラドル「さつき あい」が販売中止なったが、何が問題だったか。今後どうなっていくのか。どこまでAIが表現者として許されるのか。

54:33 質疑応答②

-前向きに使うためのルールがあれば良いのではないか?

  • 樹林 伸

    作家 「神の雫」「金田一少年の事件簿」など原作者

    早稲田大学政治経済学部卒業後、講談社に入社し漫画編集者として『シュート!』『GTO』等の企画・ストーリー制作に深く関わる。原作者として独立後は亜樹直、天樹征丸、他複数の名義で『金田一少年の事件簿』『神の雫』『サイコメトラー』『クニミツの政』(第27回講談社漫画賞受賞)『エリアの騎士』『BLOODY MONDAY』『GetBackers奪還屋』等のTV化された多くの漫画の他、木村拓哉主演のドラマ『HERO』などを企画、小説作品では『ビット・トレーダー』(幻冬舎)『陽の鳥』(講談社)『ドクター・ホワイト』(角川・フジ系にてドラマ化)等を発表、ゲーム作品『ファイアーエムブレムif 』の原案も担当している。また、市川海老蔵主演の新作歌舞伎『石川五右衛門』、及び同名テレビドラマ(テレ東)の台本を手がけた。2013年にはDeNA社が創刊したウエブ漫画雑誌『マンガボックス』の編集長に就任。2009年、グルマン世界料理本大賞の最高位『Hall of Fame』をアジア人初受賞。2010年フランス政府より農事功労賞、2019年には芸術文化勲章を受勲。2011年JapanExpoAwardsにおいて、最優秀青年漫画賞受賞。2013年4月、クールジャパン推進会議分科会委員。2023年には漫画「神の雫」が日仏米制作にてドラマ化され全世界に配信される。
  • 後藤 秀樹

    株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント コーポレートSVP 海外事業推進グループ代表

    立命館大学法学部卒、2006年にアニプレックスに中途入社。2010年にAniplex of America Inc.の代表として北米自社事業の立ち上げを行う。 帰国後アニプレックス専務(配信・海外)を経て、現在は株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント海外事業推進グループ担当として、アニメのみならず音楽や日本のエンターテインメントの海外展開を支援。
  • 前田 裕二

    SHOWROOM株式会社 代表取締役社長

    1987年東京生まれ。2010年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、外資系投資銀行に入社。2011年からニューヨークに移り、北米の機関投資家を対象とするエクイティセールス業務に従事。株式市場において数千億〜兆円規模の資金を運用するファンドに対してアドバイザリーを行う。その後、0→1の価値創出を志向して起業を検討。事業立ち上げについて、就職活動時に縁があった株式会社DeNAのファウンダー南場氏に相談したことをきっかけに、2013年5月、DeNAに入社。同年11月に仮想ライブ空間「SHOWROOM」を立ち上げる。2015年8月に会社分割によりSHOWROOM株式会社設立、同月末にソニー・ミュージックエンタテインメントからの出資を受ける。現在は、SHOWROOM株式会社代表取締役社長として、「SHOWROOM」事業、ならびに2020年10月にローンチしたバーティカルシアターアプリ「smash.」事業を率いる。2017年6月には初の著書『人生の勝算』を出版し累計16万部超のベストセラー。近著の『メモの魔力』は、発売2日で17万部、現在75万部突破(電子版含む)。

モデレーター

  • 中川 悠介

    アソビシステム株式会社 代表取締役

    イベント運営を経て、2007年にアソビシステムを設立。「青文字系カルチャー」の生みの親であり、原宿を拠点に地域と密着しながら、ファッション・音楽・ライフスタイルといった、原宿の街が生み出す“HARAJUKU CULTURE”を、国内はもとより世界に向けて発信し続けている。自主イベント『HARAJUKU KAWAii!!』を2011年〜全国各地で開催し、近年は、KAWAIIのアイコン・きゃりーぱみゅぱみゅのワールドツアーを成功させた。新プロジェクト「もしもしにっぽん」を発表し、日本のポップカルチャーを世界へ向け発信すると同時に、国内におけるインバウンド施策も精力的に行っている。

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