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生成AIの登場で、デザイン思考・デザイン経営はどう変わる?~三浦崇宏×田川欣哉×久志尚太郎×江口亮介

投稿日:2023/07/24更新日:2023/12/13

【この動画の要約記事はこちら】
三浦崇宏氏×田川欣哉氏×久志尚太郎氏×江口亮介氏 AI時代のデザイン経営~生成AIの活用とビジネスへのインパクト~

 

Generative AIの登場は、デザインの領域にも大きな変革をもたらす。新たなテクノロジーは、デザインをどのように変え、ビジネスにどのような影響を与えるのか。日本発のデザイン経営が世界次元で勝つための方策を深堀する。(肩書きは2023年6月11日登壇当時のもの) 

00:21 田川氏による、議論のセットアップ

-生成AIはクリエイティブ業界に激震をもたらした。デザインのプロたちは、そのあたりをどのように見ているのか。デザイン×経営についても話を聞いていく。

01:11 「デザインと経営」を自社でどのように取り組んでいるか。

-TERASSは54名いるが、最初に採用したのがデザイナーだった。昔からある不動産のイメージを変えたいと思って起業した。全アウトプット、全文章をデザイナーとライターと作り込んでいる。
-イーロン・マスクもテスラのデザイン室長を兼務している。江口氏も、そこに対するこだわりを持っているのか。
-マーケの下に置こうかと悩んだ時期もあったが、そうするとマーケティングドリブンなデザインになってしまう。それは避けたかったので、悩んだ結果自分が見ることにしている。
-NEW STANDARDでは、デザイン経営をずっと推進してきている。デザイン思考の中に「意味のイノベーション」という分野があるのだが、新しい意味をデザインの力を使って作っていくことに注力している。企業ではデザインという概念の誤解があって、うまく使われていない。
-3つのデザインをやっている。1つ目は広告のデザイン、2つ目はプロダクトのデザイン、3つ目は デザイン経営。ここ2,3年で、デザイン領域がマーケティングの下ではなく、経営者が向き合う領域だという認識が広がってきた。テスラ、Apple、サイバーエージェントなど。

08:03 三浦氏の取り組みの中で、新しい切り口の事例

-ファミリーマートのPBで「ファミマル」というものを作った。これは徹底的にUXデザインから考えて、顧客体験から逆算してプロダクトデザインを作った。あとは明利酒類から販売している日本酒・「雨下」をリブランディングして33,000円で販売することを取り組んでいる。あとは、UXデザイン、ブランドデザイン、プロダクトデザインを一貫してできる子会社を作った。

10:34 生成系AIを使った取り組み事例

-TABI LABOでは、世界中のニュースAPIから情報を集め、すべて日本語化し、データベース化している。ミレニアル世代、Z世代の新しい基準や価値観などをすべてデータ化し、それをベースにメディアを作っている。例えばターゲットや目的に合わせて、良いアイディアが作れるようになる取り組みをしている。デザイン思考では、早くたくさん失敗することが大事。
-ゼロから1を作る力、99から100にする力がクリエイティビティ。一流のクリエイターは、これの無限のトライアンドエラーの当たりを付ける精度が高い人。やっていることはAIと変わらない。最終的なデザインを選ぶのはクリエイティブディレクターだが、そこに至るまでの検証の部分ではAIによってかなりスピードアップできている。
-Takramの中で行けそうだなと思っているのは、カスタマージャーニーマップの挿絵が自動生成される機能。

18:47 Takram・田川氏が感じた、クリエイティブにおける最もインパクトのある進化

-iPhoneが出てきたときの衝撃は大きくて、今回のAIは同レベルくらい。デザイン思考のコアは組織学習をいかにスピードアップ出来るかどうか。スピードが上がって学習効果の回数が桁違いに上がると、そもそもの組織学習理論がひっくり返る。

20:22 不動産業界のGenerative AIの使い方

-不動産業界は、広告に予算を投入する割合が多い。その広告作成には、今後AIが入り込んで着ると思う。あとはポータルサイトで掲載される広告文も、情報入れると最適なものが出来るのではないか。一方で不動産は厳格さが求められるが、論点出しに関しては使えると思う。不動産はテーラーメイド。どこまで人の手がやって、どこからAIに任すのかの線引きを試行錯誤している。
-AIが普及すると、リクルートの社員数は減る? -減ると思う。人を減らしてAIが代替していくことは、リクルートのような強い経営をしている企業ほど進んでいくと思う。

25:33 AIを使うようになったデザイナーとそれ以前のデザイナー、どのように変化するか。

-Generative AIはSECIモデル3.0。アジャイルやスクラムをやるのは、形式知がないと出来ない。 Generative AIは形式知的にクリエイティブやプランニングにおいて作れると思う。なのでいかに新しい形式知を使えるかが、今後求められること。
-ボカロPと同じで「AI P」が生まれる。ただどれがユーザーに受け入れられるかは経験則が必要になるので、教育・教養は必要になってくる。
-音楽の世界では米津玄師やVaundyのようなすべてをやれる人がいるように、デザイナーもそういうタイプが出てくる可能性があるのではないか。決め手は創造力になる。
-声が大きくて意志が強い人間は残るが、頭のいいだけの人間は残らなくなる。
-不動産において、今後デベロッパーがいらなくなるかもしれない。

36:18 AIが出来たことで、一番得するステークホルダー、損するステークホルダーは?

-GOでは、一番得するのはアートディレクター。損するのは、CMのコンテライター。
-不動産では、職を失うのはカスタマーサポート。得するのは、資本主義の上流が富を得ていくことになる。
-得するのは、超すごい人たち。そこそこ優秀な人は損する方になる。
-今後は人間が読んでわかるものはデータだという扱いになって来るので、データサイエンスの潮流を押し上げる可能性はある。 -何をクリエイティブ、何をコンセプトと呼ぶのかの再定義が必要になるのでは。

43:31 三浦氏は生成AIを使ってどのような変化を起こしていきたいのか

-一番やらないといけないのは、あらゆるものの値段を上げること。その時に価格の予想、需要の予想。デザインのパターンをどれが一番最適かということを検証するときにAIによるスピードアップは秀逸だと思っているので、そこをうまく 取り入れてやっていきたい。

45:06 質疑応答①「クリエイティブを創る側ではなく、受け止める側のAI活用について」

-意外にうまく支持できないいうことについて学んでみてもらえるといいのではないか。文学や映画、 アートは、人間の脳というAI のプロトコルを変えるプロンプトデザインのようなものなの。
-ユーザー目線で考えると、AIを活用することで寂しくなくなる。テレビに話しかけるやつのすごい版のような。
-LINE占いが人気のように、情緒的価値もテキストコミュニケーションだけで取れる。こういう世界だから、受け止め手側がどうとかあまり考えずにやっていくことが大事。同時に発信者側は、受け止め手側が慣れてきていることに気を付けなければならない。

50:34 質疑応答②「価格を上げるためには、価値を消費者に気付いてもらうということか」

-ユーザーがそれ以上の価格を払っても良いと思う価値を形成する時のロジック作りや、デザインの検証にAIは使える。

52:11 質疑応答③「Vaundyはどういうゲームチェンジャーなのか」

-佐藤可士和や坂本龍一のようなエリート教育を受けた人ではなくて、Vaundyはものすごい教育を受けたわけではないが、インターネットの膨大な情報量によって、プロダクションからデリバリーからプロモーションまで全部1人で出来るような人物。このような人物がデザイナーやエンジニアなどにもたくさん出てくるのではないか。

54:41 AIの発展により、懸念していること

-デザイナーやコピーライターをしたことがない人間に、AIが作ったものの良し悪しが判断できるのか
-まだ揺籃期なので、探索をみんなでやらないと、なかなか良し悪しは判断できない。
-暗黙知が形式化していないのが課題としてずっと顕在化しているので、これをいかに解体するか。解体したものをAIとともに再構築していくのが必要。

57:33 まとめの一言

-デザイン側はもちろん、発注者側も進化する領域はまだある。
-ウォーターフォールや会議を壊していくのが、生成AIの役割だと思っている。
-クリエイティブはほぼ検証によって出来ている。つまりAIの登場で、世の中に素敵なものが生まれる可能性が高まるということなので、ワクワクしている。

  • 江口 亮介

    株式会社TERASS CEO

    慶應義塾大学経済学部卒業。2012年に株式会社リクルートに新卒入社。SUUMOの広告企画営業として、100社以上の不動産会社を担当。その後、売買領域の商品戦略策定・営業推進・新商品開発などに携わる。 2017年にマッキンゼーアンドカンパニーに入社し、戦略・マーケティングを中心とした経営コンサルティングを手がけたのち、2019年4月に不動産売買×ITを手掛ける株式会社TERASSを創業。不動産仲介のDXを通じて、満足度の高い不動産取引を増やすことがミッション。
  • 久志 尚太郎

    NEW STANDARD株式会社 代表取締役

    「この世界は、もっと広いはずだ。」をパーパスに、創作、経営、研究を行う。デザイン思考や意味のイノベーション、感性のデザインが専門。外資系IT企業や社会起業家を経て、2014年『TABI LABO』(現: NEW STANDARD)を創業。経営学修士、東京大学大学院工学系研究科共同研究員。

  • 三浦 崇宏

    The Breakthrough Company GO 代表取締役

    2007年 博報堂入社、マーケティング・PR・クリエイティブを経験した後に、TBWAHAKUHODOを経て
    2017年にThe Breakthrough Company GOを設立。
    クリエイティブの力で社会の変化と挑戦を支援することをミッションに掲げる。
    コンビニ大手からメガバンクといったナショナルクライアントのマーケティングから、スタートアップや自治体のプロジェクトまで幅広く手掛ける。
    Cannes Lions、PRアワードグランプリ、ACC TOKYO CREATIVITY AWORDS グランプリ/総務大臣賞など受賞多数。
    著書『言語化力(言葉にできれば人生は変わる)』(SBクリエイティブ)がAmazonのビジネス書ランキングで1位に。
    『超クリエイティブ 発想 × 実装で現実を動かす』(文藝春秋)ほか著書は5冊。
    THE CREATIVE ACADEMY主催。

モデレーター

  • 田川 欣哉

    Takram Japan株式会社 代表取締役/ロイヤル・カレッジ・オブ・アート 名誉フェロー

    デザインを駆使したイノベーションやブランディングを多く手掛けるTakramを代表として率いる。経済産業省・特許庁の「デザイン経営」宣言の作成にコアメンバーとして関わった。グッドデザイン金賞、 iF Design Award、ニューヨーク近代美術館パーマネントコレクション、未踏ソフトウェア創造事業スーパークリエータ認定など受賞多数。東京大学工学部卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程修了。2015年から2018年まで英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート客員教授を務め、2018年に同校から名誉フェローを授与された。日本デザイン振興会理事、東京大学総長室アドバイザーなどを務める。

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