G1サミット2017
第5部分科会A「ゲノム編集は“生命”をどう変えるのか ~日本は世界の模範になれるのか~」
(2017年3月19日開催/北海道ルスツリゾート)
2012年に誕生した第三世代のゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」は、生物学の研究や開発方法を劇的に変えつつある。正確な遺伝子操作が極めて簡単に行えるようになり、ゲノム編集ツールはインターネット上で安価に売買されるようになった。医療分野においては、iPS細胞とゲノム編集を組み合わせた研究が始まり、農作物やエネルギー分野においても、実用化に向けた研究が進められている。ゲノム編集は、人類にバラ色の未来をもたらすのだろうか。中国によるヒト受精卵のゲノム編集が発表される中、新たな技術にどのように向き合っていくべきか。ゲノム編集の最先端をキーパーソンたちが語る。(肩書きは2017年3月19日登壇当時のもの)
<動画冒頭をテキストでご紹介>
出雲氏: 朝8時の最初のセッションが満席になるというのは、私、実は意外だとは思ってないんですね。今日、何で皆さんがこのゲノム編集のセッションに、眠たいのにも関わらず来られたのか、やっぱり理由は一つだと思うんです。皆さん、すごく気になっている。心配で、これを知らないととんでもない差がついてしまうのではと、そういう危機感をお持ちだからだと思います。
このゲノム編集の分野で、日本の先頭に立っておられる家戸先生と山中先生にたっぷりお話いただくために、なぜ今、ゲノム編集なのか、経緯だけ私からオープニンで共有させていただきたいと思います。
この技術、パンフにも第三世代と書いてありますが、第一世代のジンクフィンガーヌクレアーゼを使ったゲノム編集の技術ができあがったのは1996年です。その一年後に、皆さまと関わりがあることが起こったと思っているのですが、1997年に「ガタカ」という映画が発表されたんですね。(この続きは動画でご覧ください)