G1サミット2017
第6部分科会B「世界を豊かにする包括的資本主義と金融市場とは」
(2017年3月19日開催/北海道ルスツリゾート)
富の格差と社会の二極化が深刻化する一方で、「包括的」資本主義という概念が生まれつつある。またGPIFの国連責任投資原則への署名をきっかけに、国内でもESG(環境・社会・ガバナンス)を投資の判断に取り入れる機運が急速に高まっている。多くの弱者を生み出す資本主義から、投資家に利益を還元しつつも、富を広く社会に広める新たな資本主義を世界中が模索している。従来の富の競争から取り残されてきた人々を包摂する資本主義は、果たして実現可能なのかを議論する(肩書きは2017年3月19日登壇当時のもの)。
<動画冒頭をテキストでご紹介>
高野氏: 今日は「包括的資本主義」ということで、昨日の全体会の中で世耕大臣から「コネクテッド・インダストリー」という言葉が出ましたが、その概念やあるいはサステイナブル・グロース、こういったものは、全部ある意味同じカテゴリーです。「包括的資本主義」という言葉を知っている人はどれくらいいらっしゃいますか?(会場挙手)あまり知らないという人は?(会場挙手)ではそこから始めましょう。ここを理解いただいた上で、なぜ今、叫ばれているかということが、非常に重要です。なぜかというとブレグジットもトランプも、すべてここにカテゴライズされるイシューだからです。
ということで、まず、包括的資本主義とは、あるいはその問題意識はどうしてこういったものが今、出てきたか、林先生からお願いします。林先生は今、国民を豊かにする会でしたか? 資本主義の研究会をされているとのことですので、そのあたりや言葉の定義も含めてお願いします。
林氏: 今日はありがとうございます。今の会は、自民党の中の有志の会、大学でいうとサークルみたいな会ですが、そこで3回、4回と勉強会をやっています。水野さんにも実は講師で来ていただいていて、今日お見えの先生方にも参加いただいています。問題意識としては、GDPの見直しというのを去年からやっています。(この続きは動画でご覧ください)