G1U-30フォーラム2016
第4部全体会「全体会(全体討議)」
日本・世界を動かすリーダーになるために、何をすべきか。
ダボス会議にも参加し、日本・世界を動かすリーダーに多く触れてきた米良はるか氏・山田唯人氏が、グロービス経営大学院学長の堀義人とヒューマン・ライツ・ウォッチの土井香苗代表に迫る。(肩書きは2016年11月5日登壇当時のもの)
<動画冒頭をテキストでご紹介>
米良氏: 今回、堀さんがU-30をやるとなった時、「リーダー」というテーマで掲げられたと思うのですが、ダボス会議に行ったということで私たち二人がモデレーターをさせていただくのもあり、世界のリーダーと、これからリーダーになっていくU-30の人達は、堀さんから見て何が違うのか、何を感じて欲しいか、メッセージをいただけますか。
堀: まず、僕はリーダーを結構見てきましたが、G1のボードメンバーは、恐らくU-30があったらほとんど呼ばれていなかったと思うんですね。僕も含めて、やっていなかったから。そういう意味では、今、リーダーシップを語りながらも、ものすごい経験を積んで、多くのことを学んでいったら良いと思うのです。
その際、リーダー不要論があったと思うのですが、インターネットを開発した人や、ブロックチェーンを開発した人などは、多くの人を巻き込まなくて良いんですね。テクノロジーやプラットフォームを作っていく部分において、多くの人間を巻き込まなくて良い仕事はリーダーは不要だと思うんです。ところが多くの人間を巻き込む必要性があるものに関しては、リーダーシップがないと基本的にできないと思うので、レイヤーが違う議論がされたのは少し残念な面がありました。
一方、今、企業のリーダーというのは比較的権限があるので、これは簡単なんです。権限の中でどういうスタイルを取るかは別として、社会変革をしていく時には、自分の権限が及ばないところをひっぱっていく必要があるわけです。共感や言論、コミュニケーションといった方法論があり、多くの人を巻き込んで、企業や自分の権限を越えた人をどうひっぱっていくか含めて考えていくと、企業リーダーとそれ以外のリーダーを同じように議論してしまうのは、まったく違うリーダーシップスタイルが出てきてしまうと感じます。
安部さんがご質問されたことに関していうと、これからの時代はプラットフォームを作っていくということと、リーダーシップを発揮するということが、トレードオフにならないと思うのです。たとえばグロービスのリーダーとしての自分の姿と、G1というものすごく大きな、大臣やノーベル賞学者が来たりするプラットフォームでは、まったく違う器なのです。
企業経営の場合は比較的簡単に意志決定します。リーダーや経営陣が集まれば決まるわけですが、社会変革をしていく時に重要なのは、プラットフォーム型の生態系を作ることと、それを元にして動かしていくことで、両方が成り立つことが僕はできると思っています。(この続きは動画でご覧ください)