G1中部2016
第3部分科会A「世界に挑む航空産業クラスター ~中部発、国産飛行機が空を舞った日~」
2015年11月11日、日本初の国産小型ジェット旅客機「MRJ」は県営名古屋空港を飛び立ち日本の空を舞った。国産旅客機の開発として、1962年に初飛行したプロペラ機YS11以来、半世紀ぶりの快挙に、欧米の下請けに専念してきた日本の航空産業の節目として日本中が沸いた。愛知・岐阜・三重・長野・静岡の5県はアジアNo.1のクラスター形成特区として、ものづくりの現場を起点に、産官学の積極的な連携を実現している。行政、空港、生産現場のキーマンが“新産業”で世界に挑む気概と戦略を語る。(肩書きは2016年10月15日登壇当時のもの)
<動画冒頭をテキストでご紹介>
古川氏: さっそくこの分科会の議論に入っていきたいと思います。愛知・岐阜・三重・静岡・長野の5県が2012年の1月、ちょうど私が国家戦略担当大臣をやっていた時に「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」に指定されました。それから5年くらい経っているわけですが、まずは最初に知事の方から、特区に指定されて以降のあゆみや現状についてお話いただければと思います。
大村氏: 今、古川さんからお話いただいたように、愛知県を中心に中部5県が「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」に指定されたのは2012年1月、野田内閣の時でした。最初に言っておきますが、最近よく「民主党政権の3年何か月はなんだったんだ」と言われますが、私は愛知県で「いやいや、民主党政権も良いことをやったんだ」と言っています。それがこの国際戦略総合特区で、愛知を皮切りに航空宇宙産業で特区に指定いただき、岐阜・三重・長野・静岡と広げていったことで、今、圧倒的な航空宇宙産業の集積ができているということです。
平成23年~27年の4年間で、23年は中部地区の・・・8~9割が愛知県ですが、航空宇宙産業の製造額は4000億円ちょっとくらいでしたが、今は8500億円です。全国の6割近いシェアで、輸出が1500億から4500億と3倍近くになっています。そういう意味では着実に結果が出ているんです。それがさらにさらに伸びていきます。
なぜ全国の6割近い生産額かと言いますと、一番多いのはボーイングの機体・部品の製造です。実はMRJは売上に入っていないので、まだこれからです。まだまだ伸びしろがある、そういったものをぜひ皆さんの力をいただき伸ばしていきたいと思っています。
ちなみに、この地域には日本を代表する航空宇宙産業の企業として、三菱重工・川崎重工・富士重工の三重工の工場があります。(この続きは動画でご覧ください)