G1経営者会議2016
第5部分科会A「第4次産業革命時代の金融とは ~Fintechが実現する未来~」
テクノロジーの進化があらゆる業界を根底から変えていく中、金融業界もまた、大きな岐路に立っている。 国家の信用を基盤としない仮想通貨が生まれ、ブロックチェーン技術の進化によって送金・決済が簡素化され、P2Pレンディングが普及する中で、従来の銀行業務は、かつてない変化に迫られている。Fintechの進化によって、金融ビジネスはどのように変わるのか。各国の競争が激化する中、変化を競争優位につなげていくために、日本がとるべき打ち手を議論する。(肩書きは2016年11月3日登壇当時のもの)
<動画冒頭をテキストでご紹介>
高野氏: 午後の2回目のセッションということで、眠くなっているかもしれません。Fintechというテーマも眠くなるかもしれませんが、ぜひお付き合いいただければと思います。
実はG1で私がモデレーターでFintechというテーマをやるのは3回目で、3回目なのでどうやって色を付けたら良いか悩んでいたんです。1回目は今年3月のG1サミットで、この時は増島先生にも出ていただきましたし、そちらにいる谷家さん、あとは東大の柳川さんにも出ていただきました。そういう意味では非常にマクロ的な観点から見たFintechをお話しました。これは自分で言うのもなんですが、結構良い感じでいったんです。
2回目がG1ベンチャーで、辻さんやメタップスの佐藤さんなどに出ていただきました。どちらかというとベンチャーのFintechって、それぞれいくつかサブエリアがあるじゃないですか。ブロックチェーンもあればP2Pもあり、ロボアドバイザーもある。そういうベンチャーの人達に出ていただいて議論したんですが、そちらは結構難しかったです。なぜ難しかったかというと、一つひとつがあまりにも専門的すぎて、オーディエンスの方々がついてこられなかったのではないかと思います。そういう意味では、今までのパネリストの方々も素晴らしかったですが、今日の方々は一本まとまった素晴らしさがあって、やはり「銀行」をやりたいなと思います。
「第4次産業革命時代の金融とは ~Fintechが実現する未来~」とありますが、産業としての銀行はどう変わるのか、そしてその結果、銀行を仲介して最終的な消費者や企業にはどういうインパクトを与えるのか、この2つをやりたいと思っていますので、よろしくお願いします。
まず、現状認識というところから入りたいと思います。やはりFintechといえば三メガ銀行、その三メガの中でも最もFintechが進んでいると一般的に思われていますし、私もそう思っています。そちらの一番の頭の方が今日はいらしているので、まず、柏木さんから今の取り組みについてお話いただけますか。(この続きは動画でご覧ください)