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リスニングは音声を「理解して」じっくり聴く――生成AI時代の新・英語学習法入門

投稿日:2025/12/16更新日:2025/12/16

皆さん、最近英語を学ばれていますか?ChatGPT等の生成AIの登場・普及は働き方を劇的に変えていますが、実は英語の学び方も同様に変わり始めています。

そうした中、リーディング・リスニング・スピーキング及びライティングの4技能別に、ChatGPT等の生成AIを活用した新たな英語の学び方を具体的にご紹介しているこの連載(前回はこちら)。

第1回のリーディングに続いて、第2回のテーマはリスニングの学習法です。日本の英語学習者にとって、リスニングは4技能の中で(スピーキングと並んで)最難関のパートであると言えます。「そもそも英語の音が認識できない」「教科書はともかく、実際の音声だと速くてなかなか聴き取れない」「音は拾えても肝心の意味が理解できない」等々、英語を聴くことにある種の絶望感を感じている方も少なくないのではないでしょうか?

そうした皆さんのお悩みを解決する強力なツールとして、ChatGPTを始めとする生成AIが使えます。

辞書や参考書籍を用いてどうしても一方向的に学ばざるを得ませんでしたが、この記事では、音声知覚・聴き取り制度及び意味理解という3つのポイントから、効果的・効率的なリスニングの学習法をご紹介します。

音声知覚×生成AI:「5つの基本型」を手掛かりに音を正確に聴き分ける!

英語を学ぶ際に、リーディングにおいては単語や文法をその基礎知識として学びます。しかし、リスニングにおいては基礎知識なく始めていることがほとんどではないでしょうか。

そのためまずは、英語の音を理論的に学習することが重要です。

英語は日本語よりも音と文字の間に様々な違いがあり、「書いてある綴り」と「実際に聴こえる音」が一致しにくい言語です。単語で見ても綴りの通りに発音されないことが多く、また会話になれば単語同士が繋がったり強弱がはっきり付いたりすることで、書いてあることよりも大きく変化します 。例えば、単語レベルでもヨットを意味するyacht /jɑːt/のように書かれている文字と発せられる音声が違う訳です。 実はこうしたそもそもの基本的な違いを特徴として理解するだけでも、英語のリスニングの改善・向上に非常に役立ちます。

例えばネイティブスピーカーは、速くスムーズな発話を可能にするべく、音声を省略したり結合したりします。これは無意識に起こる自然な現象ですが、ノンネイティブである我々はその音声変化を敢えて意識しながら聴く必要があります。

音声変化は下記の通り5つの基本の型があります。

  1. 弱形(Reduction):音が弱く発される

    例)I can do it. /aɪ kn̩ ˈduː ɪt/

  2. 脱落(Deletion):音が発されない

    例)next day /neksteɪ/

  3. 連結(Linking):2つの音が隣り同士くっつく

    例)go on /goʊ‿wɒn/

  4. 同化(Assimilation):2つの音が隣り同士くっついて違う音になる

    例)don’t you /doʊntʃu/

  5. 短縮(Contraction):2つの単語が1つにまとまる

    例)I’d like that. / aɪd laɪk ðæt/

まずはこうした型を理解すれば、聴き取れる音の幅がグッと増えます。

音声知覚を鍛えるリスニングのトレーニングとしては、スクリプトを手元にGoogleやMicrosoft等の読み上げ機能を活用して、実際の音声を聴いて自分が聴き取れない音を一つ一つ確認することがあります。これこそが、コツコツと地道ながらも着実に力が付く方法・手段です。その際、生成AIにスクリプトを基に「自分の聴き取れない音はこの5つの基本の型のいずれに当てはまるのか」を適宜解説してもらうことが早道です。

聴き取り精度×生成AI:実際の音声を段階的に聴き取る!

英語の音声に関する基本をしっかり押さえたなら、次はその応用として実際の音声を基に聴き取りの精度を段階的に高めましょう!具体的には、リスニング音源のスピード調整やアクセント変更を適宜行いながら、どこまで正確に音を拾えているかを細かくチェックして下さい。その際には、英語のストレス(Stress)とリズム(Rhythm)をきちんと認識することが重要です。

単語にも文にも強く発音される箇所があり、それが「ストレス」です。例えば、単語レベルだとTableと最初の音節が強く発音されたり、文レベルだとI WANT to GO to the STORE.と意味を担う語が強く発音されたりします。
その上で、ストレスが置かれた音節や語がほぼ等間隔に発音される、それこそがリズムです。上記のI WANT to GO to the STORE.では、弱→強、弱→強、弱→強と強い発音が一定の間隔で起きている訳です。生成AIを活用する場合は、これまた生成AIにスクリプトを共有した上で、その文章のストレスとリズムがどうなっているのかを生成AIに尋ねることが、英文を理解し実際に発音してみるにあたり不可欠です。

意味理解×生成AI:要点を押さえた内容をタイムリーに理解する!

リスニングの最終段階としては、「全ての音を正確に聴き取る」よりも、「要点を外さないで英語の意味をきちんと理解する」ことにぜひ集中して下さい。そのために求められるのは、文脈予測・キーワード抽出・チャンク理解の3つです。

第一に、文脈予測とは前後の文脈から次に来る単語や文を予測することです。第二に、キーワード抽出とは文章の中からその意味を理解するに欠かせない語や句を抽出することです。そして、第三に、チャンク理解とは句や構文等の文中の意味のまとまりを理解することです。
こうした意味理解の手段・方法をしっかりと身に着けることにより、英文の意味理解が格段と正確でかつスピーディーになるはずです。生成AIを意味理解において最大限に活用するには、生成AIにスクリプトをチャンク毎にまとまった文章に変えてもらうことにより、自分ではなかなか区切るのが難しい意味のまとまりを確実に捉えることができます。

まとめ

リスニングにおいては、音声理解と意味処理のいずれも重要な能力・スキルです。「何の音がどう聴き取れないのか」・「(音が聴き取れるなら)意味がなぜ掴めないのか」を適宜確認することにより、リスニング力の改善・向上に確実に繋がります。生成AIを最大限に活用しながら、目で見て耳で聴いてリスニングの着実なトレーニングをコツコツと行いましょう!

  • 谷原 英利

    株式会社グロービス ファカルティ本部

    東京大学教養学部を卒業、伊藤忠商事に新卒入社。

    テキサス工科大学修士課程への留学を経て、リクルート・教育系スタートアップにて事業開発と経営企画に従事。

    今現在はファカルティ本部の研究員として、講師登壇・コンテンツ開発及び教育研究を担当。

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