G1中部2016
第4部分科会C「中部の新しい農業から考える ~次世代が切り拓くビジネスモデル~」
地域の特性を活かし特徴ある作物を生産してきた中部の農業。代々の土地を引き継ぎながら、持続可能性の追求と販路の変革、6次産業化、国外輸出等を通じ新たなビジネスとしての転換に挑む若い世代の姿がある。祖父の代からのワインづくりを受け継ぎ、自社畑で栽培した日本固有の甲州種ブドウでの醸造が称賛を受けている三澤氏、家業を継ぎながらテクノロジーを用いたトマト水耕栽培で農業のものづくり産業化を目指す浅井氏、最先端の技術を扱うエンジニアとしての知識を活かしながら農業経営、生産者と購買者を繋ぐための支援に取り組む加藤氏を迎え、これからの日本農業の勝負どころを探る。(肩書きは2016年10月15日登壇当時のもの)
<動画冒頭をテキストでご紹介>
大久保氏: さっそく本題に入って参りますが、実はこの中部地区というのは農家の所得が高いのでも有名ですし、農業宝庫と言われています。かなりの生産量を誇り首都圏の食材を供給している地域です。そういう中で農業の現場で何が起きているかについて、最先端の取り組みをしておられるお三方から色々なお話を聞いてみたいと思います。昨今、農業改革が政府で騒がれています。大規模集約、AI、テクノロジーの活用、色々なことが言われていますが、本当の農業の現場の中で成功するためのポイントはどこにあるのか、そんなことを短時間ではありますが、この場で皆さま方の意見と会場の皆様とをぶつけていきたいと思います。
最初に農業にかける思いや、ご自分達の取り組みというのを簡単にご紹介いただきたいと思います。
浅井氏: 三重県の津市でトマトを中心に栽培しています、浅井農園の浅井と申します。創業から110年目、私は農家の5代目になるのですが、元々の家業はサツキ・ツツジという植木の生産で、親父の代までやっていました。私が創業101年目に東京から三重に帰った時、会社は非常に厳しい状況で、このまま植木を作っていてはやっていけないということで、第二創業的にトマトの生産をスタートしました。
立ち上げた時は私一人でスタートしたのですが、今はそのトマトで150名くらいの雇用を生むことができて、日々成長していく、そういうベンチャー企業のような農業法人をやっています。
色々課題もあるのですが、そんな中でも今、ロボットやAI、色々な企業さんの技術や、商社さんとも一緒に組みながら、一人の力ではなく皆さんの力を借りながら成長しています。今日はよろしくお願いします。
大久保氏: 実は地元の企業さんと手を組んですごい植物工場を作っておられるのです。環境制御システムは割とどの植物工場も入れているのですが、人的管理のシステムを日本で初めて、唯一入れて、人の管理をどうやっていくのか、マネージメントを徹底的に追及しているという意味では、日本で最先端のモデルを作っているのが浅井さんの特徴です。(この続きは動画でご覧ください)