G1サミット2016
第8部分科会C「TPPを契機に考える“稼げる”農業」
2015年10月の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)大筋合意によって、農林水産物の輸出拡大が期待されている。安倍政権は農業を成長戦略のひとつに位置づけ、2020年までに農林水産物・食品の輸出額を1兆円に拡大する目標を掲げる。日本の農業は国際競争力ある産業となり得るか。農業が競争力ある産業となるために必要な改革とは何か。高齢化・後継者不足に直面する国内農家が生産性を向上し「稼げる農業」を実現していくために、どのような「攻め」と「守り」の打ち手が必要なのか。農業改革に向けた行動を議論する。(肩書きは2016年3月20日登壇当時のもの)。
<動画冒頭をテキストでご紹介>
高島氏:皆さん、こんにちは。今日の最後のセッションをやりたいと思います。このG1の場だと、農業に関しては偏りがある皆さんが多くて、2年前に竹中さんが「TPPに賛成な人?」と聞いたらみんな全員が手を上げたんですよね。普通100%の賛成になるっていうのは農業の場だとありえないんですよね。それだけ偏りのある場所で議論していきたいと思いますが。
会場の皆さんはTPPに賛成ですか?(手を上げる)はい、ありがとうございます。登壇者の皆さんはどうですか?(全員が○を出す)はい、画一的なパネラーをご用意しました(笑)。もうひとつ質問です。日本の農業はチャンスがあると思うか?(全員が○を出す)そりゃ、そうですよね。では、食糧自給率を上げた方がいいと思っている人は?(全員が○を出す)僕はそう思ってなんですよね。
まずは岩佐さんに、農業をビジネスとして見た時にどういう特徴があるか?農業といってもさまざまな農業があるのですが、ひとまとめにした時、ビジネスとしてどんなチャンスがあるか?
岩佐氏:岩佐です。よろしくお願いします。まず、農業とは、もしなかったら人が生きていけくなる産業です。それなのに他の産業と比べると、一人あたりの生産性が極端に低い。もうひとつは桃栗三年と言われるように
イチゴが1シーズン終わるのに約20カ月、果樹だと数年。つまり1サイクルのリードタイムが終わるのが非常に長いので、PDCAによる高速回転による拡大再生産がやりにくいのです。つまり・・・(この続きは動画でご覧ください)。