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世界の地政学リスクに対して日本がすべきことは?

投稿日:2016/06/01更新日:2021/10/26

世界の地政学リスクと日本の外交[2]

神保: 御三方のお話を伺って、世界のリスクがよく分かった、ということにしましょう(会場笑)。では、それらの問題に対して日本がどうしていくべきか。堀さんがまとめられた「100の行動」には外務・防衛関連の提言も多い。それを読みながら感じたのだけれども、この3年にわたり、安倍政権が外務・防衛分野で達成したことは本当に数多い。特に防衛分野では8割程度が実施済み、もしくは着手されて相当程度進んだ。外交・防衛のスコアは目覚ましく進んだと、私自身は評価している。

ただ、今は安倍政権の外交が華々しい成果を挙げているように見えるけれども、実のところ、その種は前原さんが外務大臣だった民主党政権時代に蒔かれていたケースが多く、安倍政権がそれを回収した面も多いと思う。また、今はたとえば前原さんが進めようとしていたことと若干違う形で外交が展開していたり、世界情勢の変化によってそれまで進めていたことがオーバーライドされ、変わっていったこともあると思う。そこで、これは皆さんも興味があると思うのでぜひ聞いてみたい。外交を手掛けてこられた前原さんとして、今の日本外交、あるいは今後進もうとしている方向性をどのように眺めておられるだろう。

前原: G1では党の話をしないというルールもあるし、会場にはファーストレディもおられる。従って、安倍政権の批判でなくエールを送るという意味を含めてお話ししたい。

まず、私としては、政権が交代しても外交・安全保障政策は大きく変わっちゃいかんという思いがある。たとえば自衛隊は大事で、そして日米同盟も誰がどう考えたって大事だ。55年体制下で日本社会党が言っていたような、「自衛隊は憲法違反。非武装中立がいい。そして日米同盟は破棄する」という政策は選択肢になり得なかった。だから、真の2大政党制にしようと思ったら外交・安全保障政策は大きくぶれないほうがいいというのが私の思いだし、実際、そこは我々が政権を担っていた3年3ヶ月も同じだった。まあ、最初の1年はちょっと大変だったけれども(会場笑)。

ただ、いずれにしても日米同盟は大事だという考え方に立ったうえで、今の安倍さんの評価と、そして「こういう視点も必要だ」ということを申しあげたい。まず、これは小泉純一郎さんもそうだったけれど、安倍さんはどちらかというと、「日米同盟を強化すれば日本の安全保障能力は高まる」という考え方をしている。それは、一方では正しいが、もう一方ではトレードオフの関係がある。

日米同盟関係を強めれば強めるほど日本の安全保障は本当に高まっていくのか。これは皆さんにもお考えいただきたい。なぜ日米同盟というものが仕方なくも重要なのか。やられたらやりかえす能力が日本にはない。たとえば日本の隣には本当に何をするか分からない北朝鮮という国がある。ミサイルを撃ってくるかもしれない。けれども、日本はそこでやられてもやりかえす能力がない。自衛隊にはその能力がないわけだ。そうなると、やられたときはアメリカに頼るしかない。

また、向こうが「やってくるのかどうか」という、いわゆるインテリジェンスの部分も圧倒的にアメリカ頼り。言えない部分も含め、日米のインテリジェンス能力には圧倒的な彼我の差があり、それでアメリカに頼っている。でも、アメリカだって同盟国だからということで日本にすべてのインテリジェンス情報を渡しているかどうか、分からないですよ? 「これは日本に渡さないでおこう」というものだってたくさんあるかもしれない。しかし、それを踏まえてもアメリカのインテリジェンスがなければ日本の安全保障は成り立たないわけだ。

装備についても同じ。ミサイル防衛システム、イージス艦、第5世代のF-35等々、日本は良いものは持っている。ただ、今はすべてアメリカから買っている。昔のイージス艦なんて、高い値段で買わされるのにブラックボックスということで扱えないような部分もあった。そういう形で買わされていた。アメリカだってボランティアで同盟関係を結んでいるわけではないし、その意味では極めてしたたかな同盟国だと言える。

だからこそ大事にしなくてはいけないという面はあるけれど、日本としては、いかに自立をしていくかに主眼を置いていかないといけない。これまでG1サミットで言われ続けてきた、あるいは今回の全体テーマである「2020&Beyond」ということを考えても同じだ。いかにして自分自身でハードもソフトも強くしていくかを考え続けないといけない。日米同盟関係を強化するだけでは絶対に難しいものもある。

そのうえで、誰も評価してくれないので(笑)、民主党政権で何をしたのか申しあげる。我々は、今の話と逆説的に聞こえるかもしれないが、武器輸出三原則を見直して共同開発・共同生産を行うこととした。「今言ったことと違うのでは? アメリカとの関係を強化するだけじゃないか」と思うかもしれないが、そうではない。アメリカがつくったものを買うだけなら日本の防衛産業は足元からさらに弱まってしまう。だから共同開発・共同生産によって産業の足腰を維持し、発展させるということを考えないといけない。

そもそも、ある時期まで日本の武器輸出三原則は、共産圏、国連決議に基づいた国々、あるいは紛争当事国だけを対象にしていた。ところが三木首相の時代、「平和国家として、あらゆる武器を輸出しないように」ということになったわけだ。しかし、今は共同開発・共同生産というものが世界の主流になっているわけで、いわば「抱きつき作戦」。アメリカはじめ他の国とも仲良く共同開発・共同研究はするけれども、その本質または本音は、自分の足元を強めることにある。

もう1つ。これは意外に思われるかもしれないが、準天頂衛星という言葉を聞かれたことはあるだろうか。ご存知の通り、GPSはアメリカの軍事技術が汎用化したものだ。だから、そうした技術については自前のものを持とうということで、他の国々は自分たちの衛星を持つようになった。しかし、アメリカという国は日本が何か自立しようと思うと必ず横やりを入れてくる。だから「GPSの補完です」と。こんな話をするから今日は完全オフレコなわけだけれども、つまり日本としては、準天頂衛星システムはGPSの補完という立場を取った。それで、「何かあったときは我々がしっかりとアメリカをサポートします」と。準天頂衛星でアメリカと双方向に提供し合う関係にするという、そういう付加価値をつけて進めていった。

いずれにせよ、日本外交の基軸である日米関係の強化は大事だけれども、それだけで日本の安全保障は強まらない。独自に強化することも大事だと申しあげたい。

神保: 宮家さんにも伺いたい。中東情勢にも関連して、日本の外交で「この部分が足りない」「これをさらに伸ばしたほうがいい」といったご提言があれば。

宮家: 1点だけお話ししたいが、(前原氏を向いて)ちなみに武器輸出三原則の件、ありがとうございました。外務省に入って以来、それを何十年夢見たことか。夢が実現しました。ありがとうございます。

さて、「100の行動」に書いてある外交・防衛関連の行動は、その多くがすでに実施されていて、これはすごいことだと思う。で、そのなかで唯一残っている大きな問題がインテリジェンスサービスと言える。これについては某省と某省で喧嘩をせず、早急につくっていく必要がある。分析から工作、すなわちアナリストとオペレーターが協力してグローバル・スタンダード…、というものがあるかどうか分からないけれども、国際水準のインテリジェンスサービスをつくらなければいけない。ここは前原先生、ぜひ、次回お願いします。

神保: 警察省と外務省ということですね? 

宮家: 某省と某省。(会場笑)

神保: (笑)。では、最後に本田さん。

本田: 私は今国際機関にいるが、民間が長かったということもあるので民間外交の観点から1つ申しあげたい。実際、世界的に見てリスクは上がっている。構造的な変化のなかでリスクが上がっていて、そのなかで大きなゲーム・チェンジが起きている。まず新興国への民間投資を見てみると、今までアフリカと中南米で頑張ってきた国の動きが若干調整局面へと入ったように見える。

であるとすると、日本企業にとっては新興国投資を考える1つのチャンスだ。もちろんリスは上がっているから、なんらかの形でその回避または低減を行わないといけない。ただ、日本国政府は現在、JBIC,やNEXI、JICA,それからDBJ(日本政策投資銀行)を中心に民間へのサポートを強めていらっしゃると思う。これは非常に良いことだし、併せて私ども世銀グループやアジア開発銀行といったマルチな開発銀行も活用して欲しい。

今はそのように、「リスクが上がっているなかでどのように実利を取るか」ということを、従来とまったく異なる観点で考える良い時期だと考えている。世銀ではTICAD(アフリカ開発会議)のセミナーも共催している。

神保: では、会場全体での討議に移ろう。積極的なご発言をお願いしたい。

会場(瀬尾傑氏:講談社「現代ビジネス」編集長): タブーとされている日本の核武装についてお聞きしたい。東アジアでは北朝鮮が核武装していて、もしかしたら北朝鮮が崩壊して韓国と統一したとき、朝鮮半島に核武装国家・韓国というものができるかもしれない。そういう可能性があるにも関わらず、日本では核武装の是非に関する議論すらオープンにできていない。僕自身、日本は核武装しないほうがいいとは考えている。ただ、少なくともオープンに議論する必要はあると思うし、それがタブーになっていて議論できないというのはちょっと異常な状況だと思う。その辺についてお考えを聞かせていただきたい。

会場(松田公太氏:参議院議員): 去年、安保法案審議で「存立危機事態」の部分に危機感を覚えた私は修正案を提出させていただいた。で、その「入口」「中口」「出口」のなかで「入口」部分について簡単にご説明すると、これは「存立危機事態を認定する際は国会を通さなくてはいけない」というものだ。それまでは、基本的には総理大臣もしくは国家安全保障会議の大臣数名で決めて、閣議決定を通じて実現してしまうものだったのに対し、修正案は衆参両院で可決しないと通せないというものだった。これを出した際、「なぜ、そんな余計なものをつくるんだ」「お前は裏切り者だ」等々、私は両サイドから相当批判された。それでも、これは国益のために絶対必要だと思ってつくらせていただいた次第だ。そうして安倍総理には最終的にご決断いただき、附帯決議だったが、その修正案を閣議決定のうえ実現していただいた。この修正案について前原さんはどうお考えだろう。当時の永田町ではなかなか本音を出せない部分もあったと思うが、ぜひ本音の部分をお聞きしたい。

会場(堀義人氏:グロービス経営大学院 学長/グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー): トランプ氏は、「アメリカには日本を守る義務があって、日本にはアメリカを守る義務がないのはなぜだ」といった話をしている。これはパンドラの箱を開けたようなもので、恐らくアメリカでも「その通りだ」という意見が増えてくると思う。トランプ氏が当選するかどうかは別として、そうした議論の機会も増えるのではないか。トランプ氏の立場からすると、「当然、ビジネス・パートナーなら総務じゃないか。そうじゃなければ契約反故だ」とも言いかねない。そうした話に対してどんな準備をすべきだろう。また、それは憲法改正というイシューを含めた大きな議論になると思うが、その辺についてどうお考えだろうか。

会場(土井香苗氏:国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ 日本代表/弁護士): 民主主義国家が増えていないどころか減っているというのは、世界にとって大きなリスクの1つだと思う。7年前、ヒューマン・ライツ・ウォッチが東京に事務所をつくったのは、そうした世界の現状に対して「日本のような国に頑張って欲しい」と、その外交を応援するためにつくったということがある。しかし、北朝鮮の問題では安倍首相のイニシアティブがあると思うものの、他にはなかなか目立ったものがないと感じる。日本は民主主義国家のリーダーの1つになる必要があると思うし、安倍首相もそれを言葉にはしているが、実際にはそのビジョンがまだまだ見えない。そのあたり、日本がリーダーの1つとして世界の民主主義リードするためのビジョンとは、どんなものであるべきだとお考えだろう。それともう1つ。民主主義国を増やすためには‘Change comes from Within’。武器で倒すことができない一方、そうした国のなかには民主主義や人権を求めて動いている人たちが大勢いる。そうした人々による内側からの変化をサポートするのも重要な国家戦略だと思う。ただ、日本はそれも組織的にできていない面がある。この点をどうするべきかというビジョンも併せて伺いたい。

会場(森俊子氏:Toshiko Mori Architect PLLC建築事務所 創立者CEO/ハーバード大学院教授): 世界は今不安定な状態に陥っているが、外から見ると日本という国はすごく安定していると、ニューヨークに住む私は感じる。日本への信頼感も相当大きくなっていると思う。だから今は日本がリーダーシップを発揮して、地政学的な問題で各種ネゴの役割を積極的に果たす良いタイミングだと感じるし、今のところ、他にそれができる国もないように思う。そんな風にして、日本が地政学上のさまざまなリスクを緩和するためにリーダーシップを取ることができるとお考えだろうか。あるいは日本にその気があるのか否か、そして、そのためにはどういった行動に移るべきかを伺いたい。

前原: まず核武装について。当然、核武装はすべきでないと私は考えている。ただし、将来の状況変化を見据えた議論まで現時点から封印してしまっていいのかといえば、そこは異論がある。ご質問にあった通り、朝鮮半島で統一国家が生まれた場合はそこが核武装国となる可能性はある。アメリカとの間合いで実際にどうなるかは分からないが。で、先ほど宮家さんはナショナリズムというキーワードを出されていたけれども、そのとき日本のナショナリズムは恐らく耐えられないだろう。そして「日本も核を持つべきだ」という議論になる可能性が極めて高いと思う。実際、原発や衛星の打ち上げといった、核を持つための下準備を日本は取りも直さず行ってきて、そのポテンシャルを持っている。従って、私は持つべきでないと思うし、同盟国であるアメリカもそれを許す筈がないけれども、将来にわたってその議論まで封印するべきかというと、瀬尾さんと同じ意見だ。オープンに議論するべきというのが私の考え方になる。

それと松田さんのご質問にお答えすると、私は憲法解釈の変更によって集団的自衛権が部分的に行使できるようになることには賛成だ。ただし、今回は法案の出来が悪かったことに加えて、ホルムズ海峡の機雷掃海と米艦防護という立法事実が2つとも有り得ないという答弁を、安倍さんがしてしまった。その意味で、何をファクトベースにしているかが極めて不明確だった。いわゆる周辺事態というものが認定をされているときは、アメリカの後方支援は可能になる。けれども、後方支援をしているときにアメリカが攻撃を受けたら「武力行使との一体化」と認定され、後方支援を止めなければいけないわけだ。そんなことを厳格に運用していたら日米同盟は破綻する。そういう部分では、まさに延長線上ということでやれるようにするといった話のほうが、ホルムズ海峡の機雷掃海や米艦防護より良かったのではないか思う。

あと、国会決議に関して批判があったとのお話だったけれども、やはり民主主義国家なわけだし、私はいいと思う。ただ、これは国会でも申しあげた通り、今回は公明党の主張である安保理決議というものに、あまりにも重きを置き過ぎた。安保理なんていうのは、まさに世界における権力闘争の場だ。こんなものを金科玉条にして日本の安全保障政策にビルトインするというのは、まったくもっておかしかったというのが私の意見になる。

宮家: まず核について申しあげると、日本は戦略的重心がないからめちゃくちゃなコストがかかってしまう。また、良い意味で日本の核アレルギーは決して過小評価してはいけないと思う。さらに言うと、日米同盟があるかぎり核武装は不要だ。ただ、おっしゃる通り、オプションとして議論まで放棄すべきでないというのが私の意見になる。

あと、国会決議は元役人にとって悪夢だ(会場笑)。ただ、第1部全体会で議論されたように国会(に議員がしばられてしまう状況)がきちんと改革されたら、これは結構ですよ。やってください。それとトランプ氏について。双務性の話をはじめるときりがないけれど、安倍総理が義務の双務性について、言い方は悪いけれども風穴を開けた。これは大きな意味があったと思う。アメリカにとって、最終的にはNATO並みの同盟国になることがバランスのとれた同盟関係だと僕は思っているので、その第1歩はきちんと踏み出せたと思う。

それと、内側からの民主化をサポートするというのは、我々、1990年代に中国でやったじゃないですか。「中国が経済的に発展すれば民主化する」というイリュージョンを持ってやったけれど、結局は逆だった。だから、残念ながらうまくいかないケースのほうが多いのかもしれない。あと、日本のリーダーシップに関して言うと、今は本当におっしゃる通りで、いいときだと思う。安倍さんだって100~200年もやるわけじゃない。だから、次のリーダー、あるいは次の次の次のリーダーまで、現在のようにできるのかどうか。そういうことを考えなければいけないときが、あと10年ぐらいしたら来るのかもしれない。

本田: 日本が世界のなかでどういったリーダーシップを取っていくことができるのについてお話ししたい。皆さんいろいろご不満もあると思うが、今の日本は大変住みやすい国だ。雇用率も高い。そういうなかで海外に出ていって、国際機関ないしはバイラテラルでもいいけれど、そこで丁々発止やりたいと思えるような若者をどれほど育てることができるか。そこが大事だと思う。

ヒューマン・ライツ・ウォッチにいらっしゃるということは、日本としてどのようなリーダーシップのポジションを取っていくかということをお考えだと思うけれども、実際のところ、そんなに簡単ではない。だから、とにかく小さなところから、たとえば今日いらしている皆さまのような方々が少しずつリーダーシップを取っていく必要がある。また、そのうえで皆さまの部下の方々のなかから、次世代のグローバル・リーダーになれるような人材を育て、サポートしていくことが一番の早道ではないかと考えている。
 

神保: ありがとうございました。私からも1つ申しあげたい。これまでのG1サミットにおける外交関連セッションは、世界のパワーバランスが変化するなかで、日本のポートフォリオが相対的にプレゼンスを失うという悲観的な話になることが多かった。しかし、「100の行動」のなかで「アライアンスパワー」という言葉がある。前原さんもおっしゃっていたように、今後は日米同盟だけではなく、新たに台頭してくる国々を仲間に引き込み、バランスシート全体のなかで外交力を高めていく必要がある。そう考えると、実は日本のアライアンスパワーというのは年々高まっているのだと思う。多くの国々と協調・協力して外交力を高めるというこの方向性は、今後も変わらないだろう。

それと、これは土井さんがおっしゃっていたこととも関係するが、日本は、実は原則主義よりも若干柔軟な立場を取っている。もちろん「価値の外交」というものはある。民主主義と法の支配を大変重視はする。けれども、たとえばクーデターを起こしたタイのプラユット政権とは付き合い続けているし、ロシアのプーチン大統領とも接近している。北朝鮮とも、今はダメだけれども、その前の段階ではいろいろな形で交渉を続ける国だった。

つまり、「日本は入口のドアを価値で閉ざす国ではない」と。恐らく出口の価値のところまで互いに引き合って、たとえば民主主義や基本的人権の普及、あるいは法の支配といった核となる目標に、問題のある国と手を携えて伴走する。一緒に出口まで走るような国家像を目指すことができるのではないかと、今日の議論を聞いていて強く感じた。「100の行動」で掲げたことは数多く達成されている一方、やはり世界の情勢はそれを上回るペースで変化して、さまざまな課題を生み出している。それらを今申しあげたような国家像とともに新しい行動へと塗り替えていくパワーが今は必要だと、大変強く感じた次第だ。壇上の皆さま、今日は本当にありがとうございました。会場の皆さまも、今日は積極的なご参加、ありがとうございました。(会場拍手)
 

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https://globis.jp/article/4343

パネリスト

  • 本田 桂子

    コロンビア大学 Adjunct Professor

    ベイン・アンド・カンパニー、リーマン・ブラザーズをへてマッキンゼーに入社し、シニアパートナーとして、金融機関等へのコンサルティングに従事。マッキンゼー在職中に規制改革会議委員、一橋大学客員助教授をつとめる。2013年より現職。

  • 前原 誠司

    衆議院議員

    1962年、京都市左京区に生まれる。京都大学法学部に入学、恩師である故・高坂正堯教授のもとで国際政治を専攻。大学卒業後、1987年に財団法人松下政経塾 第8期生として入塾。1991年、京都府議会議員選挙に左京区から出馬、28歳で初当選を果たす。1993年第40回衆議院議員総選挙における初当選以降、現在まで7期連続当選中。民主党代表を経験、民主党政権期に国土交通大臣、外務大臣、国家戦略担当大臣等を歴任。現在は、民主党行財政改革総合調査会長を務める。専門分野は「外交・防衛」「徹底した行政改革」「住民参加型分権社会」。座右の銘は「至誠 天命に生きる」。趣味はSLの写真撮影。
  • 宮家 邦彦

    外交政策研究所 代表/キヤノングローバル戦略研究所・外交安全保障 研究主幹

    1953 年神奈川県生まれ 1978 年3 月東大法卒 1978 年4 月外務省入省 1986 年5 月外務大臣秘書官 1991 年10 月在米国大使館一等書記官 1996 年7 月中近東第二課長 1998 年1 月中近東第一課長 1998 年8 月日米安全保障条約課長 2000 年9 月在中国大使館公使 2004 年1 月在イラク大使館公使 2004 年7 月中東アフリカ局参事官 2005 年8 月外務省退職、外交政策研究所代表に就任 2006 年4 月立命館大学客員教授 2006 年10 月-07 年9 月総理公邸連絡調整官 2009 年4 月キヤノングローバル戦略研究所・外交安全保障研究主幹"

モデレーター

  • 神保 謙

    公益財団法人国際文化会館 常務理事 慶應義塾大学 教授

    慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了(政策・メディア博士)。専門は国際政治学、安全保障論、アジア太平洋の安全保障、日本の外交・防衛政策。
    タマサート大学(タイ)で客員教授、國立政治大学(台湾)で客員准教授、南洋工科大学ラジャラトナム国際研究院(シンガポール)客員研究員を歴任。政府関係の役職として、防衛省参与(2020)、国家安全保障局顧問(2018-2020)、外務省政策評価アドバイザリーグループ委員などを歴任。
    主な著書に『検証安倍政権:保守とリアリズムの政治』(共著、中央公論新社、2022)、『現代日本の地政学』(共著、中央公論新社、2017)、『民主党政権:失敗の研究』(共著、中央公論新社、2013)、『アジア太平洋の安全保障アーキテクチャ:地域安全保障の三層構造』(編著、日本評論社、2011年)、『学としての国際政治』(共著、有斐閣、2009年)、The New US Strategy towards Asia: Adapting to the American Pivot (共著、London: Routledge, 2015)、China's Power and Asian Security (共著、London: Routledge, 2014)など多数。

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