新年度スタートから1カ月。新卒入社、育休・産休から職場復帰、次世代リーダー候補に抜擢、新しい職場でマネジメント――等々、ワーキング・ウーマンにとっても大きな転機の季節ですね。女性管理職比率約30%のグロービスで活躍している3人のキラキラ先輩女史が「貴女(あなた)」にエールを贈ります。(企画・構成:水野博泰=GLOBIS知見録「読む」編集長)
自分ひとりでパーフェクトにやろうとしないで
ワーキング・ウーマンの皆さん、特に新年度になって管理職に昇進・昇格した女性の皆さんに、ぜひとも伝えたいことがあります。
貴女独りでパーフェクトにやり切ろうとしないでください。
貴女はものすごく優秀で、認められて、いろいろなことに気を配って、気を張って、ずっとパーフェクトにやってきたかもしれません。でも、これからはそうはいかなくなります。管理職とは、1人でやりきれない仕事をチームで達成するために存在するのです。当然、皆さんの達成すべき業務は1人分ではなくなります。さらに、結婚、家庭、出産、子育て、等々、まだ男性よりも女性のほうが重荷を背負わなければならないことが多く、これらも皆さんの肩にかかっているかもしれません。今までのように1人のプレーヤーとしてパーフェクトにやり切るというわけにはいかないのです。
チーム全体として成果を出すことを考えましょう。独りで抱え込まずに、チームメンバーそれぞれが得意なことを分担してもらうようにしましょう。独りで頑張らないで、もっとチームメンバーを頼っても良いのです。
貴女のせいじゃないんです
もう1つ。貴女が悩んでいることは、日本中の他のワーキング・ウーマンも同じように悩んでいることなのです。貴女がうまくいかないで悩んでいることは貴女のせいじゃないんです。
職場の女性は多くの場合、おかしいと思うことがあっても、マイノリティであるために声を上げられないでいます。本当は職場の仕組みを改革すべきなのに、ついつい「私のせい」「私が悪い」と自分を責めてしまうのです。企業向け研修「女性リーダー育成プログラム」で多くの女性リーダー候補とお話をすると、皆さん、同じようなことを経験し、同じように悩んでいることがわかります。1人が「実は…」と話し始めると、「私も!」「うちの職場も!」「同じ気持!」と共感の輪が一気に広がり、それぞれのエピソードが溢れ出してくるのです。
ぜひ、勇気を出して声を上げてほしい。貴女の悩みは、ワーキング・ウーマンみんなの悩みなのです。男性も女性も等しく、皆が働きやすい企業文化を作っていくためには、勇気がいることですが、現場から声を上げていくことが大切だと思います。「思い切って上司に相談してみたら親身になって聞いてくれた。もっと早く話せばよかった」という話をよく聞きます。
今の女性リーダー候補は、会社のダイバーシティ推進の先導役という重責を背負わされてもいます。会社から「率直に提言してほしい」と言われて、それならと率直に提言すると、男性管理職から総スカンを食らったり…。「いったい何なの?!」と、めげている人が多いのです。どの会社でも同じ。日本中で同じことが起こっています。
貴女だけに起こっていることではないのです。貴女が悪いわけではないのです。貴女は独りではないのです。