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おたくの部長、機能していますか?

投稿日:2026/02/16

今年2月発売の『グロービスMBAエグゼクティブ・マネジメント入門』から「まえがき」の一部を紹介します。

部長というポジションは、初めて経営幹部(エグゼクティブ)の入り口に立つ階層ともいえる。課長までのオペレーショナルな思考や、プレーイングマネジャー的思考を持ったままでは、組織に望ましい結果をもたらせないばかりか、人々を疲弊させ、業績を悪化させることにもつながりかねない。

業績の良い企業は、トップが優れていることはもちろん、部長層にも有能な人材が多く、厚みがあることが多いものだ。逆に部長層が弱いと、どれだけトップが優秀でも、組織を正しい方向に導くことはできない。

日本はいまだに年功序列の色合いが少なからず残っており、残念ながら、年齢を重ねてはいても「イマイチ」な部長が散見される。

こうした状況では企業は変化にも対応できないし、グローバル競争に勝っていくこともできない。部長となった以上は、肩書に安住するのではなく、経営の全体像を正しく理解したうえで、自分が本来なすべき仕事を理解し、適切にマネジメントを行い、効果的にリーダーシップを発揮する必要があるのだ。

そうした部長層の厚みこそが企業の将来を大きく左右するといってもいいだろう。今回は、部長が組織の中で機能することのメリットを3つ紹介する。あなたの部署の部長は適切な行動ができているだろうか?

(このシリーズは、グロービス経営大学院で教科書や副読本として使われている書籍から、ダイヤモンド社のご厚意により、厳選した項目を抜粋・転載するワンポイント学びコーナーです)

◇    ◇    ◇ 

部長が機能することの3つのメリット

部長は組織において極めて重要な役割を果たす。ここでは、部長が効果的に機能することで組織にもたらされる3つの代表的なメリットを紹介する。

第1に、企業の戦略遂行がスムーズに進む。「力不足の部長」が陥りやすいのは、経営陣の意図を汲み取れず、従来の方法を踏襲したちょっとした改善に重きを置きすぎることである。これでは会社に提供する価値は限定的となり、経営環境が大きく変化する局面ではむしろマイナスに作用しかねない。経営の一角を担っているという意識が欠けていると、こうした状況に陥りやすい。

部長は本来、企業の戦略的な目標を理解し(あるいはその策定に一部関与し)、それを具体的な行動計画に落とし込む役割を担う。

優れた部長は、経営陣の意図を部門の目標に反映させ、それを部下に伝え、実行させることで全社の目標達成に貢献する。その過程で、成果を生み出すために解決すべき課題の優先順位を定め、最適な計画を策定し、部門のリソ一ス(ヒト・モノ・カネ+α)を効率的に配分していく。さらに、協業パートナーなどのステークホルダー間の調整を行い、相互に利益をもたらすWin-Winの関係を構築しながら戦略を遂行していく。

部長がそうした意識を持って業務に臨むか否かで、成果の差は極めて大きくなる。

第2に、部署のモチベーションやエンゲージメント(帰属意識、組織に関与したいという意識)が高まり、職場が活性化する。力不足の部長が率いる組織では、部下のモチベーションもエンゲージメントも低いことが多い。その結果、部下はやりがいを感じられず、職場は暗く沈んだ雰囲気や疲弊した状態となり、パフォーマンスの向上も期待できない。退職者や異動希望者が増えることも少なくない。

一方で、優れた部長は、部下の能力や潜在力を比較的高い精度で把握し、それを最大限に引き出すことの重要性を強く意識している。それを実現するうえで、自分一人ではなく、部下である課長をうまく機能させる必要があることもよく理解している。さらに、明確な目標設定や公平な評価を行うことで、部署全体の士気を上げることも重視している。部長自身が明るく振る舞うことでムードメーカーとなり、率先垂範して好ましい行動をすることで、組織文化にも良い影響を与える。

このように良好な職場環境を整えることができれば、おのずと組織のパフォーマンス向上にもつながっていく。

第3に、部長が上層部と部下の橋渡しを行うことで、組織全体の情報の流れが健全に保たれる。力不足の部長は、上層部に遠慮して、十分に情報を共有できないことが多い。また、情報の核心部分をそのまま伝えず、自分の解釈を加えてオブラートにくるんで話をした結果、本来伝えるべき内容が正しく届かないことも多い。その結果、経営陣の問題発見が遅れたり、彼らの誤った意思決定を招いたりしてしまうこともある。

一方で、優れた部長は、一般社員や課長が経営陣に直接言いにくい事柄であっても、ネガティブな側面も含めて的確に伝えるよう心がけている。これは、ありのまま伝えるという意味ではなく、適切に「翻訳」して理解しやすい形で伝えることを意味する。経営陣は現場で起きている問題や、顧客の声、あるいは従業員一人ひとりの思いを正しく把握することが難しい。そのため、部長がそれらを的確に伝えることで、組織全体の意思決定を望ましい方向に導くことができるのである。

このように、優れた部長はリ-ダーシップとマネジメント能力を発揮することで、企業全体のパフォーマンス向上に大きく寄与する。

グロービス出版


グロービスMBA エグゼクティブ・マネジメント入門
著:グロービス経営大学院 発行日:2026/2/11 価格:3,410円 発行元:ダイヤモンド社

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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