堀 義人/グロービス経営大学院 学長
<100の行動21>
ODA戦略を明確にし、積極的に他国との信頼関係を築け
1993年以降世界第1位であった日本のODA予算額は現在では第5位に転落している。ODAの戦略を構築し、必要予算額を確保し、実行のために必要な国民の理解と支持を得るための5つの提言(肩書きは2015年5月当時のもの。視聴時間3分52秒)。
1. 国際協力(ODA)戦略を積極的に見直し、再構築を
ODAの戦略的重要性を踏まえ、安全保障、通商、金融、外交戦略の一環として、ODAのグランドデザイン・戦略を策定する必要がある。今後はアフリカ等への配分を増やすことを提案したい
2. 「国際協力庁(仮称)」の設置を
戦略構築と実行のために、司令塔として国際協力庁(仮称)の設立を提案する。日本ではODA関係省庁が12省庁もあり、政策・予算・権限の一元 化が図られていないことは課題である
3. ODA予算額を維持・増額せよ!
国の一般会計でのODA予算額は2014年では5502億円、国民一人当たりの負担額でみても、OECD22カ国中第18位と、低迷が続いている。国益を重視した戦略をたてて、積極的に増額するべき
4. 国民にODAの目的と重要性を明示せよ!
ODAに対する国民の評価はあまり高くない。具体的な国際協力の重点分野、(1)貧困削減、(2)平和への投資 (3)経済成長の後押し(4)資源・エネルギー・食糧の確保、など全ての援助プロジェクトの進捗状況や事後評価などを情報公開し、ODAへの共感を得る努力をする必要がある
5. 国際援助に係る人材を積極的に育め!
援助活動に従事した人が、帰国後ビジネスの世界に戻れるような、自由自在にキャリアを選べる社会にすることが重要となる