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淡路島に280名の若者が集まった「音楽と農業」を兼業する仕組み~地方創成の可能性

投稿日:2015/05/08更新日:2019/04/09

パソナ・南部靖之氏×奈良市長・仲川げん氏
G1地域会議2014 関西
第7部 分科会A「地方創成の可能性~淡路島の事例から学ぶ自治体と企業のコラボレーション~」

東京への一極集中から、地方は若者を呼び戻せ。日本で最古の神話の島〝淡路島〟から、地方創成ののろしをあげる。農業と文化の兼業でビジネスチャンスを生んだ淡路島の事例を挙げて、その土地ならではの雇用を促進してきた南部氏の手法を紹介。雇用が人を集め、人が夢を、夢がイノベーションを生む。その具体例と、世界を視野に見据えた今後の展開を語る(肩書は2014年10月19日登壇当時のもの。視聴時間1時間15分11秒)。

仲川 げん氏
奈良市長
南部 靖之氏
株式会社パソナグループ
代表取締役グループ代表

【ポイント】
・競争過多の東京では新たなビジネスは難しい。フリーター、ニート、団塊の世代の雇用問題を解決するために、地方で雇用を生むことが必要。知事・市長と方向性が合い、空港や関西の都市からの利便もいい淡路島の「地の利、天の利」をいかして新たなビジネスチャンスを生み出そうと決意(南部氏)

・東京オリンピック決定の瞬間に「東京一極集中」崩壊のきざしを感じた。物価や地価、家賃があがる東京では多少の給料の増加では、若者の豊かな生活は望めない。これから、東京の若者の大脱走が始まる(南部氏)

・12年前に秋田県大潟村からはじまり、数多くの自治体と手を組んで若者を呼び戻す手伝いをしてきた。戻ろうと考えている若者に、面白い道筋を示すことで戻りやすくなる(南部氏)

・淡路島では、農業と音楽を兼業する仕組みづくりを開始。3年間で300名近い若者が集まり、7割は定着している。人生を楽しみつつ、ビジネスを成り立たせ、1人の農業生産者が10人の雇用を生み出した。年間12万人が訪れるレストランなど、あちらこちらの自治体から注目を集めている(南部氏)

・大都市圏の仕事を地方に移動すると、大都市圏がだめになった場合は地方も共倒れになる。地方で人件費まで稼ぐためには、その土地ならではの産業をつくらねばならない。今後は淡路島特産の野菜を使って健康寿命日本一を目指し、漢方を生かした医療の仕組みづくりをすることで、雇用を生む計画をねっている(南部氏)

・農業に手を染めやすくするために、農業の経験知識を数値化することや、農業へのビジネス移動のための座学もつくる予定。セミナーを通して農業に入りやすい形を作る(南部氏)

・地方創成は雇用から始まる。雇用は人材誘致。人がいるところには夢があり、夢があるところにはイノベーションがある(南部氏)

《トークセッション》
・自治体の長は、予算を大きく組んで、口はださずにいてくれることがコツでありノウハウ。(南部氏)

・創造するときに採算は度外視したほうがよい。起業したときに、父から教わった近江商人の心得は「買い手よし、売り手よし、社会よし」。社会よしを中心にすえれば問題はない。社会を考えていった結果、利益が出る(南部氏)

・奈良市では専業主婦率が全国一。女性の労働参加率を高めることが行政の課題。創業の1976年当時、主婦を対象にしたポイントはどこにあるのか(仲川氏)

・人生の40年近くを女性の活躍の場所作りに費やしてきた。家庭の主婦が進出する場がないという社会の問題点解決のため起業したことが、現在につながっている(南部氏)

《質問:地方創成のためにこれだけは必要だというものを挙げると?(仲川氏)》

・1. 省庁の地方都市への分散、ハローワークの民営化などで、ものを動かす
・2. JRの料金を遠くにいけばいくほど料金を下げるなどして、人材の流動を促す(南部氏)

《質問:予算が組めない自治体と資本がない民間に対する、地方創成のヒントとは?》

・大きな勝負ができない場合は、アイディアを募る。地方創成の交付金を作ることも視野に入れる(仲川氏)

《質問は:地方創成は最終的には少子化対策につながるのか?》

・地方には時間があるので、若者がくれば子どもも生まれる。これは少子化対策。地方でも、インターネットを通じて海外との情報交換、語学習得はできる。受験や新卒採用の考え方自体も変化してくるのでは。国内のグローバリゼーションが必要となってくる(南部氏)

《質問:神戸に活気がない現状をどう考えるか?》

・関西は、自然、世界遺産の多さや文化産業など宝の山。関西に人を集め、元気づけるため、関西にいる学生が夢をもてるようにすること。関西から出ていった人がもどってくるための仕組みが必要(南部氏)

《質問:自治体と企業のコラボレーションを考えた際、予算はなくとも口は出す自治体の長はやりづらいものか?》

・予算がない場合、自治体の長一人で行政をするのは無理。どれだけ多くの方にアイディア、ネットワークを出してもらえるかの仕組みづくりが重要になる(仲川氏)

《質問:人材の流出(マイナス)を食い止める策ではなく、ポジティブな意味で若者に響く地方ならではのものとは?》

・ポジティブな政策は税制であり、公共費まで含めた制度と仕組みづくりが必要。ふるさと納税のように、ネット上でバーチャルな社会を作って登録してもらう制度など。県や市の責任は大きい。すべてのものが一体となってこそ、地方創成が実のあるものになる(南部氏)

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