堀 義人 グロービス経営大学院 学長
<100の行動12>
知財戦略の推進を
知財がますます重要となった昨今、大切な5つの視点――スピード向上、国際化への対応、インターネット時代への対応、知財が生み出される環境整備、人材育成――について説く(肩書きは2015年4月のもの。視聴時間4分12秒)。
【ポイント】
1. 特許の審査手続きの迅速化・効率化、審査請求制度の廃止を!
日本における特許出願から審査開始までの待ち時間は、2013年の施策により、28.7か月を11カ月に短縮された。審査開始から権利確定までの時間は29.5カ月を14カ月に縮小の方針が出されている。今後に期待したい。
2. グローバル化への対応:政府は国際連携による知財保護の強化、企業は国際標準の獲得を!
iPS細胞、鉄道インフラ、水関連技術、生活支援ロボットなどは日本が強い分野。企業が国際標準を獲得し、政府が国際的な知財保護できる体制を。
3. インターネット時代に合わせた著作権制度の確立を!
コンテンツ分野はインターネットがない前提で権利関係を処理しておりネット配信が進まない。今後はネットを前提にして権利を明確にし、世界に発信を。
4. ベンチャー、中小企業、大学などから知的財産が大量に産み出される環境を作れ!
筑波大学・サイバーダインの山海嘉之教授、京都大学 iPS細胞のノーベル賞学者・山中伸弥教授、東京大学 ミドリムシベンチャーのユーグレナの出雲充氏がG1サミットに登壇した。
大学やベンチャーが知財を大量に産み出し、新たな産業をつくるサイクルができるよう望む
5. グローバルに対応できる知財人材の育成強化を!
韓国をはじめとする諸外国では、政府機関が中心となり、知財人財育成を図っている。日本でも、政府が直接関与し、積極的に知財人財育成を行う必要がある