G1地域会議2014 関西
第4部 分科会B 「関西・観光客"倍増"計画 ~2020年に向けての挑戦~」Part2/2
政府は2020年までに訪日外国人数2000万人を目標に掲げ、観光を成長戦略のひとつに掲げている。歴史都市・京都、奈良を擁する関西は、観光戦略の牽引役として大きな注目を集める。関西が観光客を倍増するために、必要な打ち手は何か。京阪電鉄の下條氏、訪日観光特化の旅行会社を立ち上げた須田氏、元・外務副大臣の福山氏、京都市長の門川氏、星野リゾートの星野氏が議論する(肩書は2014年10月18日登壇当時のもの。視聴時間39分02秒)。
門川 大作氏
京都市長
下條 弘氏
京阪電気鉄道株式会社 取締役常務執行役員
びわ湖大津観光協会 会長
須田 健太郎氏
株式会社フリープラス 代表取締役
福山 哲郎氏
元内閣官房副長官 参議院議員
星野 佳路氏(モデレーター)
星野リゾート 代表
【ポイント】
・95%以上のツアーは複数の県を回る。プロモーションが各県バラバラ(須田氏)
・オーストラリアからの観光で、北海道と組み、スキーをした後、京都で舞妓さんに会うツアーを組んだら、10倍の客数になった(門川氏)
・各市町村で観光協会、土産屋まで事業者レベルで連携し、行政は応援したい(門川氏)
・九州では企業、自治体協力して観光に取り組んでいる。(佐賀県知事(当時)・古川氏)
・世界の観光業界の話題は、AirbnbとUber。Airbnbは自分の家や別荘を観光客に貸し出すもの。Uberはタクシーを組織化している。業界は反対しているが客は増える一方(星野氏)
・日本のおもてなしの最大の特徴は安心・安全。町にとっても観光客にとっても良いことが大事。京都では町屋を宿泊施設にするために規制緩和した(門川氏)
・旅館業法と消防法で規制される旅館との調整が必要。また安心安全確保したうえで、規制緩和には取り組んでいきたい(門川氏)
・日本の観光に足りない意識は、旅行者のある程度の「自己責任」。安心・安全を強化しすぎることの弊害も考えたい(星野氏)
・外国人観光客増に対し、バスが足りない。これは営業権の問題。成田にバスを出したいときは千葉に営業所がないといけないなど。インバウンドに限っては規制緩和が始まっている(須田氏)
・規制緩和の結果、事故が2件起きて逆に規制が進んだ。日本では規制緩和しても問題が起こると逆戻りするので難しい(福山氏)
・観光シーズン、イベント時にはAirbnbでないと普通の価格で予約できないことが多いので、推進するしかないと思う(佐賀県知事(当時)・古川氏)
・今のIR法の進め方は、各自治体から提案を募っている。これは過去のリゾート法に似ている。リゾート法で立ち上がったものはほとんど破たんしており、安心安全の基準をつくり、あとは自由にやれるようにしたほうがいいと思う(星野氏)
・外国人インバウンドマーケットは各国さまざま。それぞれ対策が必要。去年は日本は韓国および東南アジアと競合していた。今年はヨーロッパと競合している。日本国内の移動費(バス)と宿泊費が上がった結果(須田氏)
・歴史的建造物を変えないで済むよう、法律適用除外を受けているのが京都の古い建築。訓練などを頻繁に行うことでハード面をカバーしたりしている(門川氏)
・ワーキングホリデー導入などで多言語対応もより可能になるのでは(星野氏)
Part1/2映像はこちらから
関西空港と京都をリニアで結びたい(星野氏) 関西・観光客“倍増”計画 Part1/2