世界で初めて小惑星の微粒子を地球に持ち帰ることに成功した探査機「はやぶさ」。日本人宇宙飛行士による国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」での長期滞在。日本の宇宙事業が大きな成果を上げ、宇宙開発利用の果たす役割が国際的に益々拡大している。2013年度からスタートする「宇宙基本計画」では、「安全保障・防災」「産業振興」「宇宙科学などのフロンティア」に重点を置く一方で、有人宇宙活動の予算減、二足歩行ロボットによる月探査構想(2020年)も立ち消える日本の科学技術の衰退を懸念する声もある。資源開発・安全保障・外交・人材教育など多様な点を踏まえ、国として目指すべき宇宙開発利用のあり方を、参加者と共に考える。(文中敬称略。肩書きは2013年2月10日登壇当時のもの)
スピーカー
川口淳一郎 氏 独立行政法人宇宙航空研究開発機構
シニアフェロー宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系 教授
立川敬二 氏 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 理事長
鈴木 寛氏 (モデレーター) 参議院議員
・地球の中身はだれも見たことがない。地震の原因も中身を知らないでは調べられない。そのヒントが小惑星にある(川口)(8:00)
・小惑星は隕石と違う色をしている。太陽系の歴史の手掛かりがわかった(川口)(8:50)
・日本の宇宙開発には50年の歴史、JAXAはまだ設立後10年(立川)(10:30)
・JAXA設立前、宇宙開発事業団は、通信衛星、放送衛星、気象衛星を80~90年代に実施、実用化が可能となり、民間に移管済み(立川)(11:45)
・測位衛星により、紛争地帯での機械の無人操作、農業の機械化などが可能になる(立川)(12:00)
・現在の衛星は、魚群探知、森林伐採状態の確認、稲作状況の確認などにも活用しうる(立川)(17:00)
・はやぶさ2は、生命を進化させた環境を調べるプロジェクト(川口)(19:00)
・「宇宙にはロケットで」は違う、「ロケット」と「飛行機」の境界がなくなる時代になる(川口)(22:00)
・アメリカの方向性は商業、有人飛行(川口)(28:00)
・日本の宇宙政策は、現在基本は10年。30年は見るべき(立川)(35:30)
・Docomoの年間研究費は1500億円、JAXAは1600億円しかない(立川)(37:00)
・有人飛行はロシアのみに現在頼っている状態でリスクが大きい(立川)(38:00)