G1サミット2013 第6部分科会
福島で考えるエネルギーの未来
2011年3月、福島第一原子力発電所で起きた事故は、日本のエネルギー政策を根底から揺るがした。国内原子力発電所54基中52基が稼働停止し、液化天然ガスの輸入額は21.8兆円に上り、貿易収支の圧迫要因となっている。エネルギー価格の上昇は製造業のコストを圧迫し、企業の海外移転を促進させている。安全面を重視しながらも、安価で安定的なエネルギーをどのように確保するのか。安全保障・外交・環境問題を視野に入れ、社会的コストを最小化する日本のエネルギー政策のあり方を議論する。(肩書きは2013年2月10日登壇当時のもの)
池田信夫 氏
株式会社アゴラ研究所 所長 経済学者
河野太郎 氏
衆議院議員
澤 昭裕 氏
21世紀政策研究所研究主幹、国際環境経済研究所所長田久保善彦(モデレーター)
グロービス経営大学院経営研究科研究科長 学校法人グロービス経営大学院 常務理事
【河野太郎氏プレゼンテーション】
・ウランからできる使用済み核燃料を再処理し、高速増殖炉でプルトニウムを使えば国内で発電できるはずだった(河野)(5:50)
・楽観視しても高速増殖炉でのプルトニウムはあと40年はできない(6:30)
・六ヶ所村の再処理工場が稼働しない場合、使用済み核燃料用のプールがあふれる(10:00)
・使用目的なくプルトニウムを持てないため、ウランと混ぜたMOX燃料をふつうの原子炉で燃やすのがプルサーマル計画。有限のウランの節約には大してならない(11:00)
・事故の賠償責任は国民負担でなく、保険に入っておくべき(16:00)
・日本原子力発電は発電量0でも年間費用は1400億円、電気代に乗っている(18:00)
【パネルディスカッション】
・高速増殖炉もんじゅは撤退するしかない。それは核燃料サイクル全体がダメということを意味する(池田)(21:00)
・民間と国のこれまでの関係をリセットして、これからを考えるべき(澤)(27:00)
・東京電力もやりたくないことを続けているのが六ヶ所村(河野)(29:00)
・核燃料サイクルはサンクコストの問題、ただ回している危険な状態(池田)(32:00)
・もんじゅの問題は、経済的に価値がないであろうということ(池田)(34:00)
・国際的な枠組みで再処理について考える時期では(澤)(36:30)
・最終処分の場所の具体的な名前はすでにあるが、政治的に言えない状況(池田)(45:00)
・プルトニウムを日米安保がなくなったときの武器オプションとみなす考え方もある(池田)(51:00)
・もんじゅをどう有効なものにするか、別のオプションを考えないといけない(澤)(54:10)