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グローバル展開だけで終わらない、次の一手はこれ

投稿日:2015/04/23更新日:2019/04/09

グローバル・ニッチビジネスの戦略[4]

安渕:今までやってきたことをベースとした次のステップというか次のチャレンジとしてどのようなことを考えておられるだろうか。(54:57)

更家:事業を広げればリスクはあるし、赤字の企業もあれば儲けている企業もあるから、その辺のバランスはいつも考えている。そこで、ある部分では不安を持っているけれど、同時に希望も持っていないといけない。アンビバレンツなところがある。それが大きな課題だ。で、やはりグローバルでやっていくにはグローバルにマネジメントできる体制を取らないといけない。我々はそこで最初に日本人を送る。一人で大変なら2~3人送ったりしているけれども、それを現地化していくことが一つの手段というか、あるべき姿だと思う。そのうえで、たとえば法務や契約のこともきっちりしなければいけないから、そこは中小企業的なやり方になる。大企業と違う。その辺が今後の課題だ。今後は展開する国の数も製造拠点も増えていく。だから購買部にも「早くグローバルな部材コードを付けて運用をせい」と、今はケツを3回ぐらい蹴って少しずつ動き始めている。そういうところをやり直していかないといけない。

辻本:カプコンは今後も大阪本社を開発の中心にしていく。東京に行く方も多いし、実は僕も住んでいるのは東京だ。ただ、大阪本社があるので物事を両方の視点から見ることができる。それが一番いいのかな、と。とにかく、デジタルコンテンツ系で世界に出て勝負する会社が関西にあってもいいんじゃないかと思う。もちろん任天堂さんが京都におられるけれど、任天堂さんはハード。僕らはゲームコンテンツとIPで勝負をかけていく。で、さらに大きなことを言うと、日本企業としてグローバルなゲーム産業のトップを絶対に取りたい。

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今は世界中でさまざまな技術や人材がゲーム産業に入り込んできている。9月に発売された「Destiny」というゲームには、制作とマーケティングでグローバルに500億円がかけられたという。制作費用だけで250億円ほどかけていたと思う。そういう領域にハリウッドの映画関係者が、そしてオンラインゲームにもサーバー周りのエンジニアがどんどん入ってきている。世界中の優秀なネット系またはデジタル系の人材がゲーム産業に集まってきた。カプコンもそういう人材を関西で育成・活用して、今後も頑張っていきたい。あと、ぜひともカプコンのゲームを買ってください(会場笑)。あ、買わなくてもいいから息子さんがやっていても反対しないでください(会場笑)。

渡部:冒頭でお話しした通り、やっぱりアウェイの試合は資本力という点できつい。今はアジア各国で、お金をじゃぶじゃぶ持って「会社ごと買ったらええ」と言う方が一部いらっしゃる。そのなかで式場に投資して戦っていくのは不利だと思う。一方で、日本は現在観光大国を目指していて、アジアから数多くのお客さんがいらっしゃるようになった。当社ブライダル事業もその大きな流れに乗って、「ホームグラウンドで戦っていこう」ということで今はいろいろやっている。

これは、我々がハワイやラスベガスで結婚式を挙げることに憧れるのと同じだ。すべてのアジアの国々から見て、日本はアジアで最も近くの国で、最も早く裕福になった国だ。デザインやホスピタリティ等々、いろいろな面で「イケてる国」だと思われている。たとえば中国の工場で働くうちの中国人従業員も、教育を通して「日本が嫌いだ」と言い続けていた。でも、そういう彼らも一度日本に来たら「日本大好き」と言うようになった。これを使わん手はないと思う。

→グローバル・ニッチビジネスの戦略[5] はこちら

講演者

  • 更家 悠介

    サラヤ株式会社代表取締役社長

    1951年生まれ。1974年大阪大学工学部卒業。1975年カリフォルニア大学バークレー校工学部衛生工学科修士課程修了。1976年サラヤ株式会社入社。取締役工場長を経て1998年代表取締役社長に就任、現在に至る。1989年日本青年会議所会頭、(財)地球市民財団理事長などを歴任。(特活)エコデザインネットワーク副理事長、(特活)ゼリ・ジャパン理事長、大阪商工会議所常議員、関西経済同友会常任幹事、 公益社団法人日本食品衛生協会常任理事、ボルネオ保全トラスト理事、公益社団法人日本WHO協会副事理長などを務める。
  • 辻本 春弘

    株式会社カプコン代表取締役社長 最高執行責任者

    1964年、大阪府に生まれる。大学在学中よりアルバイトとしてカプコンで働き始め、機器の修理などの現場業務の経験を積む。1987年、大学卒業と同時にカプコンに入社。当時の新規事業だったアミューズメント施設運営事業の立ち上げに参加し、業界ナンバーワンの高収益ビジネスモデルの確立に貢献。 1997年には取締役に就任し、以後は家庭用ゲームソフト事業の強化に注力。常務取締役(1999年~)、専務取締役(2001年~)を経て、2004年からは全社的構造改革の執行責任者として、コンシューマ用ゲームソフト事業の組織改革(開発・営業・マーケティングを一体化した組織への改革)、海外事業の拡大などに携わる。2006年に副社長執行役員となり事業全体を統括。2007年7月には創業者である父・辻本憲三(現、代表取締役会長最高経営責任者(CEO))から社長職を引き継ぎ代表取締役社長 最高執行責任者(COO)に就任し、現在に至る。
  • 渡部 秀敏

    ワタベウェディング株式会社代表取締役会長

    京都府生まれ。駒沢大学卒業。第二電電(現KDDI)勤務を経て、1992年「ワタベウェディング株式会社」に入社。海外事業部に配属後、オーストラリア現地法人設立の立ち上げに参画し、ジェネラルマネージャーに就任。以後、パン・パシフィックエリア(ハワイ、グアム・サイパン、オーストラリア、USA・カナダ等)の現地法人社長・海外事業全般の統括室・室長を勤める。2004年、日本国内におけるマーケティング・商品企画販促に携わる営業企画部・部長に就任。2006年、取締役海外挙式事業本部長に就任する傍ら、上海・ベトナムなどアジアの現地法人社長を歴任。2008年3月、取締役営業統括担当 兼 デスティネーション挙式事業本部長。2008年6月に代表取締役社長。2014年4月に代表取締役会長に就任。現在に至る。

モデレーター

  • 安渕 聖司

    アクサ・ホールディングス・ジャパン株式会社 代表取締役社長兼CEO

    三菱商事、リップルウッド・ジャパン、UBS証券投資銀行本部を経て、2006年、GEに入社。GEキャピタル・ジャパン社長兼CEOを経て、2017年よりVisaの日本代表、2019年より、保険のグローバル・ブランドであるAXAに移り、アクサ・ホールディングス・ジャパン(株)およびアクサ生命保険(株)代表取締役社長兼CEOに就任。 著書『GE世界基準の仕事術』(新潮社, 2014)、『GEの口ぐせ』(PHP研究所, 2015) 経済同友会幹事。(一財)KIBOW評議員。学校法人至善館理事、(公財)茂木本家教育文化財団理事、(一社)ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ理事、UWC-ISAKジャパン・ファウンダー。熱心な歌舞伎、文楽ファン。 早稲田大学政経学部卒、ハーバードビジネススクールMBA。

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