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資生堂 カーステン・フィッシャー氏×LIXIL 八木氏×イオン 羽生氏 「世界次元で勝てるリーダーシップとは」

投稿日:2014/12/12更新日:2019/04/09

鎌田英治氏(以下、敬称略): 本セッションのテーマは「世界次元で勝てるリーダーとは」。まずは前段で鍵となる問いを3つ挙げてみよう。

1つ目は、外なる競争にどう勝つか。グローバル競争は熾烈だ。競争相手も違うし、中国のようなメガマーケットは各社が注目している。そこでいかに競争を生き抜き、勝ち抜くか。

2つ目が内側。マネージする規模も範囲も違うし、仲間も多様になる。そこで人のマネジメントという内なる問題が出てくる。それを統合するリーダーシップとは何かという議論もしたい。

最後にもう1つ。企業全体の持続性を考えると、そうしたリーダーシップをいかに育むかも重要な論点だと思う。(01:19)

さて、御三方については会社も含めてよくご存知だと思う。八木さんのLIXILはアメリカン・スタンダードとグローエを買収。M&Aを軸に住産業でグローバルNo.1を目指し、今は相当アクセルを踏んでいる。また、羽生さんのイオンもまさにスーパーリテーラーとしてグローバルNo.1を目指し、現在はアセアン本社と中国本社も構えている。その中国本社トップである羽生さんには、現地でリーダーとしてどのあたりに意識を向けていらっしゃるのかもお伺いしたい。そして、資生堂のフィッシャーさん。P&Gから資生堂さんに移り8年が経とうとしている。魚谷雅彦さんが新たな社長となった現在、真のグローバル化を目指すうえで資生堂をどのように変革していくかという文脈が1つのベースになるだろう。では早速、皆さんがお考えになる「世界次元で勝てるリーダー」というお話を、できれば具体的エピソードを交えつつ順にお話しいただこう。(03:04)

八木洋介氏(以下、敬称略): グローバル化を加速させるためには日本でかかっているブレーキを外すこと。そうすれば加速していく。今はそれを3つほどやっている。また、グローバルに行っていることも2つある。(05:25)

まず、鎌田さんの問いに「人のマネジメント」というのがあったけれど、人材はそもそもマネージしちゃいけない。管理しても人間はパワーを出せない。いかに人事管理を止めて、活力を引き出すかという視点で我々はやっている。私も前職ではGEに13年ほどいたけれど、その前は日本の鉄鋼メーカーが最初のキャリアだったから分かる。日本企業はすごく「管理、管理」というふうにやる。そうじゃない。LIXILもその例に漏れなかったけれど、そういう管理を外す。

例えば、「1つのポジションに上がると3年間いなければいけない」とか、「管理職の標準年齢は35歳」とか、そういうしょうもないことをやる会社が多いわけだ。我々はそれを止めていく。また、出身の違いで総合職と専門職を分けたりして、やたらと人を閉じ込めようとする企業も多い。でも、人は自由にしてあげたほうがパワーを出す。だから、今はうちにも制度屋さんがいるけれども、彼らには制度をなくすということを一生懸命やってもらっている。それが1つ。(05:48)

2つ目は、人事が権限を捨てること。人事はやたらと権限を持っていて、「人事マフィア」なんてよく言われる。人事が人の移動や採用、そして給与や評価まで決める会社があるわけだ。でも、会社の調子が悪くなったって人事が責任を取るわけじゃない。最初に責任を取るのはマネジメント。リーダーであり、ラインマネージャー(以下、ライン)だ。だから人のことは基本的にはラインに任せ、人事は人事権を持たない。じゃあ、人事は何をやるのか。プロとしての見識を出すということだ。その見識をどう磨くかということで今はやっている。磨くためにも権限を捨てる。だから私は「人事としての権限は一切要りません」と公に言っているし、実際に権限を捨てている。(07:08)

そして、3つ目は社長を育てること。LIXILの社長はGEから来た藤森義明という人間だ。自社で社長が育たないのは、会社としてはすごく悔しいこと。だから、私も外から来た人間ではあるけれど、やっぱり社内で社長を育てたい。ただ、皆さんはどうだろう。「そんなの当たり前だよ」という顔をしていらっしゃるけれど、普通の会社は社長でなくマネージャーを育てている。せいぜい部長までだ。(07:57)

部長と社長の違いは何か。社長は誰かに言われて何かをする人じゃない。自分で何かを考え、変革を起こす人だ。しかし、多くの日本企業は人事で変わった人、あるいは変革を起こすような人を必ずしも大事にしてこなかった。そうした自分なりの経験から、人事として間違っている、あるいは理不尽だと感じていることを止めようと。そして、「社長を育てる」という言葉によって人事を変革していきたいと考えている。すべての人事は社長を育てるのでなく、良いフォロアーを育てるような形で行われていると感じる。でも、今はリーダーを育てなきゃいけない時代だと思う。(08:29)

一方、グローバルでは1つの価値観とプラットフォームをそろえていく。基本的なものをグローバルで皆が共有するようにしたい。我々はアメリカン・スタンダードを2013年8月、グローエを2014年1月に買収したけれど、すでにグローバルグレードやバリュー、あるいはトレーニング体系やコンペンセーションの考え方等々、すべてそろえた。基本的なものを1つにそろえ、1つのチームをすぐにつくることが大事だと思う。(09:17)

また、やはりグローバル企業としてリーダーを発掘・育成・活用していかなければいけない。そのために、ダイバーシティ、イコールオポチュニティ、そしてメリトクラシー(業績主義、能力主義)の3つを我々の柱となる文化として推進している。会場を見渡すとおじさんばかりだ。でも、ダイバーシティがない企業はダメ。世界で勝とうと思ったら国籍や年齢やジェンダーに一切関係なく、ダイバーシティのなかで最もデキる人を探さなければいけない。そしてデキる人にオポチュニティを与え、最もアウトプットを出した人にはさらなる評価を与えて次につなげていかなければ世界では勝てないと私は思う。(10:01)

羽生有希氏(以下、敬称略): 私の職場でも、会議では男女比が20対1だ。また、ほとんど私より歳上の方ばかりで、63歳の方もいらした。ある意味ではやりにくいけれども、いずれにせよ私は海外に出て12年目を迎えた。最近の日本では若者がなかなか海外に出て行きたがらないという話を聞く。海外志向が低く、結局は日本の居心地がすごく良いのではないかと言われているわけだ。しかし、一方では日本企業がグローバル化を進めていくなかで外に打って出て行かなければいけない。そうした覚悟を皆さんはお持ちなのだろうかと思う。従って、今日は外に出ている私たちがどのような覚悟でグローバルに進んでいるかという話もできればと思っている。(11:20)

それともう1つ。弊社はわりと早く、1980年代から海外に出ていて、香港を皮切りに進出した中国では来年で30年を迎える。ただ、「企業の寿命は30年」という話もあり、となると30年だから死ぬ寸前という話にもなる(笑)。では、そこで生まれ変わるためにどうしたらいいのか。当然、数少ない日本人だけで生まれ変わることはできないし、各国の方々と一緒に頑張っていかなければいけない。そこで、どんなリーダーを育てたら企業の生まれ変わりを導いてくれるのかという話も今日はできればと思う。(12:51)

カーステン・フィッシャー氏(以下、敬称略): 8年前、資生堂に入った頃は海外売上比率が30%強だったが、昨年ようやく50%を超えた。そのなかで我々は特に海外でダイバーシティを強化していて、今は女性管理職比率も56~57%となっている。グローバルプラットフォームになったし、現地化も進んでアメリカ人がフランスへ行ったりフランス人がアメリカへ行ったりと、外国人の移動も増えた。また、1つのブランドを育てたら次に別のブランドに移るといったこともできるようになってきた。ある意味ではグローバリゼーション1.0が終わり、今は2.0に入らなければいけない時期と言える。(13:52)

そこで不可欠なのが日本本社のグローバル化だ。今年4月には魚谷さんが新社長に就任した。今後は本社のシステムや意思決定に関して透明性を高め、多様性も高めていくという課題に対して積極的に取り組むつもりだ。そして本当のマトリックスオーガニゼーションに、つまりもっとお客様の近くで、かつスピーディーに意思決定を行う組織にしていく。そのためには、今まで本社が持っていた意思決定の権限を現地やブランドに渡さなければいけない。今まではそれがかなりのボトルネックだった。ただ、いずれにせよ今後はそういった流れでグローバリゼーション2.0が資生堂の旅になるので、今日はその話をしたい。(14:52)

鎌田: では、今のお話を少しずつ深掘りしたい。まずはフィッシャーさん。今後の鍵は意思決定やスピードであり、現地への大きな権限委譲とのお話だった。これ、現実問題として日本本社がなかなかそうならない面もある。なぜだとお考えだろう。(15:56)

フィッシャー: コンプライアンスを言い訳にしているというのが大きなポイントだ。細かいことが知りたいから本社で決定したいという文化が強い。あと、資生堂はヒエラルキーを強く意識している。本社と支店、あるいは本社と販社があって、それで「本社が偉い」と。支店や販社は本社に従って命令通りにやるものだという文化が元々強かった。それを変えなければいけない。ルールを設けたうえで一定の権限を与えても本当に自由な仕事はできない。本社の専門性が足りず、海外の専門家がなかなか本社と同じベクトルで仕事ができない面もある。それで本社が不安になり、「コンプライアンスの観点でコントロールしたい」と。今後はそうした部分を変革していくつもりだ。(16:47)

八木: 皆で同じように考えて仲良くやって、同質性のなかで「そうだね」と言っているのが気持ち良いのだと思う。それで勝てればいい。でも、今、日本が置かれている状況を考えると変革とイノベーションなしに世界では勝てない。いろいろな人が入ってきて多様性ある組織になると、あまり気持ち良くはない。意見もたくさん出てくるし、ファイトしなきゃいけないし。でも、今はそれをやらないと勝てない時代だ。その認識がどれだけできているか。資生堂やLIXILが云々という話じゃない。日本全体でそれがどうなのかと。国内で「皆一緒が気持ちいい」という世界ではガラパゴスになって失われた20年になる。そこに我々が早く気が付いてアクションを取らないといけない。(18:15)

鎌田: 内側で一緒になることにこだわって、一方では海外マーケットに関する理解や知識が不足していくという…。(19:09)

フィッシャー: 当然、そうなる。本当のコンシューマーインサイトを理解していないのだと思う。八木さんが言うように、安定した環境で皆一緒に、同じベクトルで仕事をするのはすごくラクだ。でも、今は次々と環境が変化してブレークスルーが頻繁に起きるから、ダイバーシティがないと新しいアイディアやイノベーションが出てこない。その意味では資生堂も女性比率こそ他の企業より少し高いけれど、まだまだ多様性に対応できていないと思う。(19:25)

鎌田: 1つのスタンダードや変えちゃいけないものに対するこだわりが強いとも聞こえる。それを払拭するものが現地における真の顧客インサイトであると。(20:09)

フィッシャー: 成功した会社は皆、大きなプライドを持っている。それを捨てたくないから過去の延長線上で育成をしていく。それを一度捨てて生まれ変わらなければいけない。皆、それを口にはするけれど、「本当にやるんですか?」となると、やらない。だから私としては、「こういう表現は止めたほうがいいね」と思うもこともある。たとえば、「資生堂らしさ」「資生堂では」といった表現だ。「そんなふうに今までの延長線上で評価するのは止めましょう」と。リーダーとして新しいリスクを取らないといけない。変わるということを妥協なしで進めていかなければいけないと思う。(20:30)

鎌田: 羽生さんはどうだろう。30年という寿命を前にしていかに生まれ変わるか。具体的にどのような取り組みをなさっているのか伺いたい。(21:27)

羽生: イオンとしては30年を超えてさらに長い歴史があるし、それぞれの企業は歴史のなかで普遍的価値を必ず持っている。それを守りながら、どのように次へと進化させていくかが大事なのだと思う。今後も守っていかなければいけないものと、脱皮させていかなければいけないものの整理をする必要がある。従って、私は「ルールを外す」というより、「ルールを作り直す」という考え方をしている。時代に合わせて最適なルールをつくることができる筈だ。競争環境も企業の歴史も違う。だからこそ、これまでの30年で培ったもののなかから残すべきものは残す一方で、変えるべきものは変えていく。で、日本と海外を比べると、ひょっとしたら海外のほうが変えなければいけないものは多いように思う。人種も文化もマーケットも違うので。(22:09)

鎌田: イオンのDNAを時代に応じて作り直すという作業の難易度は、国内と海外で違うと思う。それを乗り越えることのできるリーダーが持つべきコアは何だろう。(23:50)

羽生: たとえば、海外経験がある方はなかなか日本に帰りたがらないと聞く。海外のほうがいろいろなことができるからだ。意思決定が早く稟議の時間も短く、考えたことをすぐ行動に移せる。だから日本に帰りたくないと。その意味では、変えたいという気持ちさえ持っていれば海外ではいろいろなことができると思う。(24:23)

先般、中国事業部では日本と異なる人事制度に変えた。別に、人事制度を変えたからといって人を大切にしなくなるわけじゃない。では、なぜ変えたのか。現地の人たちにもっと伸びてもらうためだし、もっといい仕事をしてもらってさらに良い評価をしていくためだし、理由はいろいろある。ただ、それを日本でやろうと思うとすごく大変だけれど、海外では議論にあまり多くの人間が参加しなくて済むし、すぐに意思決定ができる。だから、あとは「やるか、やらないか」だけの話になる。その意味では、グローバルリーダーに求められるのは行動に移すこと。「やりたいのか、やりたくないのか」「変えたいのか、変えたくないのか」ということが大きなポイントになると思う。(24:56)

鎌田: 羽生さんがそれを実感した瞬間というか、「もう、あとは行動するだけだ」と感じるようになったきっかけはあるのだろうか。リーダーの成長や変化といったことにも着眼したい。ご自身のキャリアを振り返るとどんなことが思い出されるだろう。(25:54)

羽生: うちの会社は比較的寛容というか、それまでもやりたいようにやらせていただいていた。ただ、リーダーになったときの重みは大きく違った。部長や本部長であった頃もいろいろやれてはいたけれど、そこで失敗したときの影響はそれほど大きくなかった。会社全体の仕組みのなかで、1つのパーツに過ぎなかったからだ。(26:13)

でも、リーダーとして一つひとつの判断が会社全体に影響を及ぼすという重さを感じたのは、北京で社長になってから。それまではほとんどの場面で、「この判断は正なのか非なのか」「この判断でいい結果が出せるかどうか」というふうに、仕事中心の考え方をしていた。でも、リーダーになった瞬間、人が乗っかってくる。「そこに2000名の社員がいる」と。当時はその重みがすごかった。従って、覚悟にもいろいろあると思うけれど、リーダーになる覚悟というのは社員たちと一緒に歩んでいく覚悟なのだと思う。それは日本でも同じだと思うが、それが海外ではさらに大きくなる。「この人たちと一緒にやっていこう」という覚悟ができているか否かを考えさせられたというのが、私が経験から感じさせられたことだ。(26:45)

鎌田: 八木さんはいかがだろう。自分で考えて変革を起こすための肝というか、マネージャーと社長の違いという点で改めて八木さんの考えをお聞きしたい。(27:41)

八木: マネージャーと社長というより、マネージャーとリーダーの違いだと思う。「マネージャーとは言われたこと、あるいは与えられた目標をきちんと実現する人」というふうに言えば分かりやすいと思う。でも、リーダーとは「何が正しいのか」というところから考えて、現状がどうあれそれを正しい方向に動かしていく人だ。そうして変革をドライブしていくのだと思う。また、マネージャーが持っているのはポジションのパワーだけれど、リーダーが持っているのは人間としてのパワー。それは考え方や行動様式のことで、マネージャーとはその辺が一番違う。社長やCEOは誰からも指示を受けないのだから、自分で意思を決めないといけない。羽生さんのお話で言えば、覚悟を持って責任を取らなくちゃいけないという話だと思う。(28:27)

ただ、人はある瞬間、突然社長になるのかというと、ならない。私は先ほど「社長を育てる」と言ったけれども、そのためにはマネージャーでなくリーダーを育てなきゃいけない。リーダーとは自分で考え自分で行動を起こす人。私はうちのリーダーシップ研修でよく言うことがある。その研修に呼ばれるのは、うちで一番よくデキる人たちだ。最も仕事ができてコントリビューションが大変高い。そういう人たちを前に、私はまず、「皆さんは一生懸命仕事したら社長になると思いますか?」と聞く。一生懸命仕事をしても残念ながら社長にならない。LIXILには5万人以上、一生懸命仕事をしている人たちがいるけれども、社長は外から来た。(29:16)

何かほかのもの、つまり自分の考えや意思決定、あるいは自分の行動力が必要になる。それをどう刺激するか。「会社や人事というのは人を育てるものだ」とはよく言われるけれど、人は育てられない。人の横に立って毎日ずっと見るのなら可能かもしれない。でも、人事が「この人は優秀だ」と思う人を100人選んで、横に座って見続けるのは無理だ。では、どうやって育てるか。自分で考え、自分で学ばなければいけないという意識を持たせるしかない。それができるかどうかが人事の価値だと思う。(30:18)

鎌田: フィッシャーさんからは、いたずらな妥協はいけないといったお話があった。そうしないため、リーダーには何が備わっていなければいけないのだろう。(31:07)

フィッシャー: 妥協しないためにはパッションが必要だ。パッションがないと、どうしてもマネージャーで終わってしまう。で、もう1つは価値観。たとえば倫理とか。何が正しくて何が正しくないかを自分で考えるということに対しても、パッションを持っていないといけない。それともう1つ。やはり会社員というか組織の一員だから、どうやって人をやる気にさせるか。組織に火をつけるコミュニケーション力も大事になると思う。(31:47)

これは日本だけじゃないと思うけれど、人は偉くなればなるほど、自分のポジションがエンタイトルメントだと考え、役職は自分のものだと思うようになる。でも、組織の一員である以上、それは与えてもらったもの。いつでもなくなる可能性がある。でも、自分の価値観がポジションと密接につながればつながるほど、人はそれを失いたくないと思うようになる。そうなるとリスクテイキングする力も変革力もなくなっていく。失うことが怖くなるから。従って、プロまたは人間としての価値観を、自分の役職と関係なく持っていなければいけない。そうしたセルフアウェアネスが大事だと思う。(32:52)

八木: それと、「勝つ」ということに1つ言っておきたい。「いい人」では勝てないと、私は思う。これから100~200年先にいい人が勝つ時代は来るかもしれない。しかし今は、ただのいい人では残念ながらグローバル競争に負けてしまう。いい人、あるいはいい会社なら勝たなきゃいけない。じゃあ、勝つってどういうことか。成長でも利益でもいいけれど、そこでとにかく勝ちの定義をして、そこで徹底的にこだわること。残念ながら我々が生きている資本主義のマーケットは、いまだ勝つか負けるかという狩りの場だ。そこで勝ち取らなければいけないのだから、どうやって強くなるかを考える必要がある。「そのために、なんなんだ」と。勝つために必要な価値観であり、知恵が必要ということだ。あまりナイーブに「いい人であって欲しい」と考えるのは…、それ自体はいいけれど、我々が今置かれた環境では勝ちを意識しないと負けてしまう。(34:02)

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