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「結果を出すリーダーシップ」質疑応答

投稿日:2014/08/14更新日:2019/04/09

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高島:高齢化についてこれほど熱く語っていただくとは完全に想定外だった(会場笑)。想定できることは徹底的に予測し、動きを決めておけというお話だと思う。では会場からも質問を受けよう。まず、上司がいらっしゃる方からの質問を受けたい。(59:18)

会場A:メンターというか師匠のような存在は、リーダーシップを発揮していくうえで必要だろうか。必要であれば、その理由も併せて教えていただきたい。(01:00:29)

会場B:いかにして部下や後輩のモチベーションを高めるべきか。やる気のない人のモチベーションを、どうすれば高めることができるかという点で悩んでいる。(01:00:47)

会場C:大きな組織におけるリーダーの早期抜擢について伺いたい。特に欧米企業では幹部候補生のような形で採用し、35歳ぐらいまでに部長となっていなければCEOになれないといった仕組みのところも多いと思う。日本でも同様のやり方が必要だろうか。どのようなやり方が良いとお考えか、ぜひご意見をお聞きしたい。(01:01:25)

会場D:私の所属部署は「上司とその他」のようなチーム構成になっていて、上司が大変デキる方だけに「その他」の方々はあまり考えない傾向にある。そうした人々もきちんと引っ張っていくために、どのような心構えが必要だろう。(01:02:02)

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田村:欧米のグローバルリーダー企業におけるコーポレートガバナンスの議論で最も重要なのは、経営者選定委員会だ。次の経営者をどうやって選ぶか。そこで、最初からファストトラックに乗せて育てる考え方もあるし、中国企業のようにいろいろなことをやらせて引きあげるというのもあるだろう。で、日本はどうかというと、そこが一番弱い。なぜなら、ぶっちゃけて言ってしまうと、自分よりできないやつを選びたがるから。たとえば社長職を退いた人間が、会長や最高顧問とかになって君臨し続ける。その人たちに、どうやってすっきり辞めてもらうか。政界も同じで、自分より優れた人間をリーダーにするのが怖いわけだ。(01:03:02)

問題はそこだけだと思う。リーダーシップに一般論はなく、シチュエーショナルリーダーシップしかないと、僕は思っている。ただ、1つ大事なことあるとしたら、次の経営者をどのように育て、彼らに譲らせるか。そこで求められるのは、株主がプレッシャーをかけるといったことじゃないと思う。辞めさせる人、選ぶ人、そして辞めていく人に、どのように良いモチベーションを与えるかが‘妙’になるのではないか。昔の議員年金はそのためにあったのに、それがなくなったからおじいちゃん議員が辞めなくなった。それ以外に稼げないし続けるしかないからだ。そうじゃなくて、一時金をぽんとあげて辞めてもらう趣旨だったのだけれど、国民の批判でポピュリズムに走り、止めてしまった。それで、さらに辞めなくなったというのがある。それなら、たとえば財団をつくってあげてそこへきちんと移してあげるとか、いろいろなことが必要だと思う。答えになっているかどうかは分からないが、とにかく重要なのは、どのように次の経営者を育て、渡していくか。ここは世界的にも答えがなかなか出ていないところだ。(01:04:48)

小林:モチベーションと部下の育成については、心掛けていることが3つある。1つは先ほどの感謝力。で、2つ目は、できるだけビッグピクチャーを見せることだ。何をするにも必ず、「この仕事はこういうビッグピクチャーのこの部分だからすごく大事だよ」というふうに話し、ただの雑用係りみたいな人にしないよう心掛けている。そして3つ目は、失敗してもいい範囲まで、失敗も織り込み済みで任せること。自分が責任を取れる範囲なら、「この人は失敗するかも」と思っても任せちゃう。それで実際に失敗することはあるけれど、失敗した時ほど皆すごく反省するし、むちゃくちゃ勉強して成長してくれる。そういう機会をたくさん持ってもらうことも大事だと思う。(01:06:47)

高島:実際、モチベーションが低いというのは本人にとっても不幸だ。基本的にはモチベーションを高く持っていたい人が多いと思う。(01:07:45)

小林:そう思う。皆、やっぱり楽しくやりたいと思う。(01:07:53)

大西:私のメンターはスタジオジブリの鈴木敏夫チーフプロデューサー。意外に思うかもしれないけれど、何もないところからプロデュースをするという点では我々と似ている。鈴木さんも宮?駿監督も、徳間書店の社長だった故・徳間康快さんという方に育てられたとおっしゃっている。徳間さんは1000億円以上の借金をして亡くなられた方で、ジブリはまだそれを返しきれていない。ただ、それは徳間さんがバブル期に借りるだけ借りてジブリにも投資してくれたから。社会で何か突出したことをやらせるためには、そういった懐の深いメンターが必要だ。「誰だって最初から完成されているわけでも力があるわけでもなし、だんだん磨いていくわけだから、メンターは大事だ」というふうに、かつて恩恵を受けた鈴木さんと宮崎さんは認識している。僕もたまたま鈴木さんに見出され、うちの団体が困った時に数億円といった寄付をいただいた。もちろんお金だけじゃない。僕は何か悩みがある時、鈴木さんを訪れて相談することにしている。徳間さんというメンターのお世話になったから今のご自身があると思っていらっしゃるから鈴木さんはすごく面倒見が良くて、僕はその恩恵を受けている。(01:08:07)

何を言いたいかというと、まず、メンターはいたほうがいい。で、どんなメンターが良いかというと、メンターに育ててもらったという自身の経験から、「そうしないと社会は進化しないんだ」と思っている方が良いということだ。実感としては、その方の力が云々という話ではなくて、その方自身がメンターに感謝していることが大事なのだと思っている。その意味で、「仮にギブアンドギブになったとしても、今度は誰かのために自分がメンターにならなきゃいけない」と思っているような、そんな立派なメンターに巡り会えたら幸せだ。僕はそれで何度か救われた。(01:09:51)

高島:そこで具体的にどういう会話をなさるのだろう。何かヒントをもらえるのか、それとも話していくうちにご自身のなかから気付きが生まれるのか。(01:10:32)

大西:鈴木さんは夜中でも2〜3時間、ときには4〜5時間でも話し続ける。たぶん、いきなり結論を言うと納得できないこともあると思うけれど、彼は話すうちにそれをきれいに気付かせてくれるし、最後は結論もクリアに言ってくれる。(01:10:39)

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高島:時間も迫ってきたので、最後に3人から一言ずついただきたい。会場の皆さんが来週月曜から何をすべきか。僕らも同じ世代であるし、これからの日本を一緒につくっていく皆さんに、ぜひメッセージを送って欲しい。(01:11:25)

小林:楽観力に関連して1つ、私にとって座右の銘みたいな言葉があるのでご紹介したい。アランというフランスの哲学者は『幸福論』のなかで、「悲観は気分に属するけれども楽観は意思である」と書いている。田村さんのお話じゃないけれど、未来は悲観材料でいっぱいだ。マクロでは環境がどんどん悪くなっていく。けれども、「そのなかで未来が楽観できるものになるのかどうかは、結局のところ自分の意思にかかっているんだよ」と。私はそういう言葉だと理解している。自らアクションを起こし、自分の意思で未来を変えることが大事なんだと思う(会場拍手)。(01:12:12)

田村:コンディショニングがすべてだと思う。長生きすること。誰かより10年遅れていたら、そいつより10年長く生きれば追いつける。20年長く生きたら追い抜いている。人生長い勝負だから、途中経過にくよくよしたり左右されたりしない。ピークを最期に持ってくるのがいい人生じゃないかと僕は思う。そのためには適度に体を鍛えて食事に気をつけ、ハッピーでストレスなく、そしてアホと一回戦ったら二度と戦わないというのがいいと思う(会場拍手)。(01:13:15)

大西:高島さんと同じで、「はよ会社辞めろ」という感じだ(笑)。この会場にいるということは、何か求めているんでしょ? ここに来てMBA取って、それで会社に帰ってまた歯車に収まるのは、面白くないじゃん。だから辞めてまえばいい。この国であれば八つ裂きにされて戦車に轢かれることはない。それなら、賭けたらいい。何かトライしようと思っているんでしょ? そこで崖から誰かにケツを押されないとダメですか? 自分で崖から飛べばいいじゃん。ジャンプしてください(会場拍手)。(01:14:03)

高島:「知る」も「学ぶ」も楽しいけれど、「やる」はもっと楽しい。ぜひ皆さん一緒にやっていきましょう。今日はどうもありがとうございました(会場拍手)。(01:14:56)

講演者

  • 大西 健丞

    公益社団法人Civic Force 代表理事 特定非営利活動法人ピース ウィンズ・ジャパン 代表理事兼統括責任者(CEO)

    1967年、大阪生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業後、英国ブラッドフォード大学院で紛争解決、人道介入を学ぶ。1996年にピース ウィンズ・ジャパン設立。以来、イラク、コソボ、東ティモール、アフガニスタン、リベリアなどで緊急人道支援に携わる。日本のNGOが緊急支援の初動資金の調達に苦しむ状況を改善するため、政府、経済界などに協力を求め、ジャパン・プラットフォームの設立を主導。現在は理事。2009年より公益社団法人Civic Force代表理事。大規模災害への対応プラットフォームを構築し、迅速で効果的な支援を行う、企業やNGO、行政・政府をコーディネートする民間主導のプラットフォームを提唱している。
  • 小林 りん

    学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン 代表理事

    経団連から全額奨学金をうけて、カナダの全寮制高校に留学中、メキシコで圧倒的な貧困を目の当たりにする。その原体験から、大学では開発経済を学び、UNICEFプログラムオフィサーとしてフィリピンに駐在。ストリートチルドレンの非公式教育に携わるうち、リーダーシップ教育の必要性を痛感する。帰国後、6年の準備期間を経て、2014年に軽井沢で全寮制国際高校を開校。2017年には世界で17校目となるユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC) へ加盟校し、ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンへ改名。同校は80カ国以上から集まる生徒の7割に奨学金を給付している。
    1998年 東京大学 経済学部卒業
    2005年 スタンフォード大学 教育学修士課程修了
    2012年 世界経済フォーラム「ヤング・グローバル・リーダーズ」選出
    2013年 日経ビジネス「チェンジメーカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
    2015年 日経ウーマン 「ウーマン・オブ・ザ・イヤー大賞」受賞
    2016年 財界 「経営者賞」受賞
    2017年 イエール大学 「イエール・グリーンバーグ・ワールド・フェロー」選出
    2018年 一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事就任
    2019年 Ernst & Young「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2019ジャパン 大賞」受賞
    2020年 ユナイテッド・ワールド・カレッジ (UWC) 国際理事就任

  • 田村 耕太郎

    ミルケンインスティテュート アジアフェロー/国立シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院 兼任教授

    日本戦略支援機構代表理事。国立シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院、エグゼクティブプログラム開発アソシエイト兼任教授。前参議院議員(二期)。第一次安倍政権で、第一次アベノミクスの司令塔である、内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権担当)をつとめる。元参議院国土交通委員長。前大阪日日新聞代表取締役社長。新日本海新聞社顧問、前大阪日日新聞社代表取締役。上海国際商工学院顧問、国立シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院名誉顧問。エール大、ハーバード大、ランド研究所でも研究員をつとめた。早稲田大学、慶応義塾大学大学院(在学中にフランス高等経営大学院に単位交換留学)、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。オックスフォード大学AMPおよび東京大学EMP修了。日本人政治家で初のハーバードビジネススクールのケースの主人公になる。

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