間下:もう一つ伺いたいのが、資金面。海外で始められたということだが、資金調達をどうしてこられているのか。
窪田さんは東京で上場されたが、なぜ東京で上場したのかなど、その辺りを簡単に紹介していただけるか。【46:26】
窪田:私は米国でオペレーションをやっているが、100パーセント投資家は100パーセント日本の企業。ワシントン大学が一部持っているのを除けば、全て日本の投資家から今までの350億、400億弱のお金はIPOを含めて調達させてもらっている。本当はきちっとしたビジョンとパッションとストーリー、ビジネスモデルというのがあれば、僕は日本の方から投資を十分受けられると実感として持っている。そういう意味では、こういう経済的に豊かな国に生まれたことが非常に自分は幸福だとやはり思う。大体最初にアメリカに僕が行った時は所詮外国人だから、このアメリカに何年居つけるかもわからないし、アメリカ人の従業員をうまくマネージしていけるかどうかもわからないし、わからないことだらけだった。だからもしもアメリカで調達するとすれば当然新しいCEOを雇って、僕は技術アドバイザーとして大学教授を続けながらやるという手はもちろんあった。僕は日本人が主体としてやりたいとか、できれば日本の投資家から投資を仰ぐことによって、幸いにしてうまくいったら日本の投資家の方がリターンを得る形にしたいとか、色々いろいろな思いがあった。日本の投資家をずっと募って、最初の数年は大手事業会社の企業の方ばかりだったが、ファンドのように期限のないR&Dのお金を大企業の方が複数出資してくださって始められて、後にベンチャーキャピタルの方が期限付きのお金を入れてきたという経緯でやってきた。
間下:なるほど。やはり日本人が社長だと現地で調達というのはハードルが高い?
窪田:非常に高いと思う。そもそもコミュニケーション能力からしてアメリカ人を雇った方がはるかにわかりやすいわけだし、小さい頃どういうテレビを見た、何を食べたなんて話を僕ができるはずもなければ、人のマネージっていうのはそういうエモーショナルな部分に触れるところがないと人は動いてくれない。ロジックも大事だが、半分はエモーショナルな部分があって、そこを学んでいくのが一番やはり苦労した。それで、やっと多くの人が「こいつについていってもいいや」と思ってくれて共感してくれるようになった。この12年やっている中の最初の数年は、たまたま親日的だとかたまたまなんかという人が集まって、それでその人たちに揉まれているうちに少しずつ文化的なトレーニングができて、「こういうことを覚えておこう」、「ああいうことを覚えておこう」とやって少しずつ他のいわゆるアメリカに住んでいるアメリカ人、何ジェネレーションも住んでいるアメリカ人の人たちの理解を得られるというか共感を得るようになって、その人たちを束ねていけるようになってきたというのがある。それをベンチャーキャピタルとか最初のアメリカの投資家から見ると、そんなことは僕が当時始めた時に、できるかできないかの予測はできない。できない方に賭けた方が早いし、アメリカはもういくらでもプロフェッショナルな経営者がいるのだからその人に任せた方がはるかに技術の成功確率が高いわけだから、それを勧められたが私はこだわりがあって、先程申し上げたような理由があったものだから、それを目指して幸い今まで来られたということだ。
間下:なるほど。上場された時に東証に上がった。恐らく始めて日本人が海外で起業して逆輸入型でやったパターンになったが、これは何かハードルはあったか?
窪田:やはりSECレギュレーションと日本の金融庁財務省レギュレーションって真っ向から違うレギュレーションがあったりする。それはもう日本とアメリカだけじゃなくて、ヨーロッパも違うし、日本も違うし、アメリカも違う。それぞれこれぐらいグローバル化した世の中でも金融の細かいレギュレーションが全然違って、両国の弁護士が今回は日本に上場するからアメリカのルールはごめんなさいしてこちらを優先しようとか、でもこちらで人を雇っているからこのルールに関しては日本の財務省に交渉してこれはごめんなさいと言ってこちらをやろうとかいうので、かなりやりとりを2年位やってできた。そういった意味では、今回東証の方も初めて全部英語で審査して、英語でセレモニーをやってもらって、たぶん社員の方からしたら青天の霹靂。「なんでこんなことやらされてるのか」と。でも頑張っていただいたお陰でなって。東証の方はできれば上海とかシンガポールとか香港に負けないような、世界中から海外の企業が上場してくれるような市場にしたいので、まずはこういうことを苦労してでもやりたいと言ってくださり、2年位前にそういうプロジェクトを立ち上げて、今があるということ。
何度もこれはもう無理かなと、一応ナスダックにも上場できる体制をいつも取っていたが、やはり僕の投資家からの願いで、できれば本国マーケットで上場していただきたいと。そういうことを12年サポートしてくださった多くの投資家の日本人の方に言われていたので、なるべくそれを優先したいということでやってきて、やりきれてよかった。特にアメリカ人のスタッフの人間が皆、いちいちアメリカで上場経験たくさんある人たちだから、「なぜこんなにルールが違う、なぜこんなに苦労してやらなければいけないのか」というのを説得するのが大変だった。アメリカだったら簡単にできてしまうのに、半年とか4,5ヶ月で上場できるのが、2年間も準備したから、アメリカの人たちからしたら気が遠くなる辛い思いをした。それでも日本の東証に上場する外国企業の第一号になるというユニークなことをやってみるという好奇心とか、結果として十分な資金調達ができて、場合によってはこの飲み薬で失明を治すというものが実用化して世界を変えられるかもしれないという思いでやってくれたというのは非常にありがたかった。【48:53】
藤田:私のところは少し違っていて、2006年に起業した時に、私はMRIの業界で長いものだから色々いろいろな顧客の方がいて、その方々はが私がどういう技術を持っているかというのを分かっておられた。それで、「こういう製品を開発してもらいたい」とシーメンスと東芝から言われた時に、「これだけお金がかかる」ということを伝えると最初に現金で前払いしてくれた。それが言ってみれば最初の会社の運転資金になって、ここまで一度もベンチャーがも入ったことはもないし、銀行からのお金も入れたことがない。そういう意味で言うと、我々はベンチャーとか銀行とかとは関係ないが、一つ冗談というか本当のことだが話す。銀行がよく「お金を借りてくれ、ビジネスをエクスパンションするのにこれだけ融資するから」ということを言うわれる。僕は借りるということに非常に抵抗があるもので、自分のところの利益をまた入れて伸ばして延ばしてきている。わけだが、ある時駐車場で、パーキングロットのお金が無かった。その時、隣に銀行の頭取がたまたまいて10ドル借りた。だから「銀行から10ドル借りたことがある」というのをジョークにしている。(笑)。それ以外は今のところなくて、ずっと自前でやっている。【54:38】
渡辺:僕は会社を作って、資本政策についてすごく気にしながらやってきた。一番最初にシードラウンドした時に思ったことがある。僕はDeNAの一番最初からいたということもあって当時の起業家仲間とかお金持ちとかがいっぱいいたりとか、自分で出したりとかいうオプションもあった。しかし異国でやっていて全くわからないので、とにかくイギリスのVCから一番最初できるだけ早いタイミングで出してもらって、アドバイスをもらわないとダメだと思った。それで創業した直後からイギリスのVCを周り始めて、結果的に(スカイプ創業者を設立し)、最近日本にも支部ができたアトミコというところが出してくれることになった。1シードラウンドでは本来VCラウンドではないような小さいところにもVCに入ってもらい、何かあったらすぐ電話して(クリスという人が担当だったが)、「こんな問題が起こった」、「お祈りは〜」といった細かいところから全てについてアドバイスを受けてイギリスでのオペレーションを考えてきた。
次の段階のファンドは、アトミコに味をしめてというわけではないが、教育というのはすごくローカルなので、できる限りたくさんの国から調達したいというのが次のラウンドの目指したところ。結果的にグロービスさんが出してくれることになったのと、あとアトミコ、が追加で出して、あとアメリカ。アメリカはシリコンバレーで27社のVCを周り、行脚に次ぐ行脚を重ねて、結果的に幾つかオファーも頂いたが、スロットとかストラクチャーの関係でファイブハンドレッドスタートアップスさんからちょっともらった。それでグローバルに展開しやすいような資金調達にした。また当時思っていて今も思っているが、教育というのはやっていて気持ちがいい。だからあまり自分が気持ちよくならないように、とにかく資本市場からのチェックというか、資本家とかビジネスからのチェックをちゃんと自分の会社に効かせる。
僕もどちらかというとドライな方だし、さっき言ったようにカレー屋から転身したように「教育、教育」と瞳孔が開いているタイプではない。それでも先生や生徒から感謝のメールとか来ると舞い上がってしまう、気持ちよくて。そういうふうにならないようにということで、経営者側を守るというよりはどちらかというとどんどん参加してくださいというスタンスでやった。始めた頃はゲームっぽくとか、マーケットプレイスで俺はよく知っている、みたいなところも少しあったりしたが、やり始めていくと教育は奥が深くて、メソトロジーが本当にいいものでないと続けてもらえない。思ったよりも奥が深く、アカデミックもずっと蓄積されたものもありそれをちゃんとサービスに取り入れていかないと逆に効率が悪いしというのがある中で、ベネッセさんとの出会いがあった。そこもしっかり出してもらって、むしろ色々いろいろ教えてもらうというか「教育とは何か」、「ユーザーとは何か」みたいなところを今も惜しみなく教えてもらっている。という感じで、マーケッティング的な広がりというのと、気持ちよくならないようなチェックと、教育、学習について教えてもらえるところから資金調達した。つい先日、今度は既存株主の方にまた出していただいた。その辺が資本政策を考える中で意識したことだ。【56:15】
間下:それでは、会場に質問を振っていきたいと思う。
会場A:私はカリフォルニアの温かいお天気のいいところで会社をやっている。カリフォルニアは日本の会社で向こうに法人を作って進出して来られる方がたくさんいるが、見ていると日本からトップが落下傘で来て、現地のニュアンスとかわからないままグシャグシャにしてしまうケースとか、でなければトップに現地人を採用したがうまくいかなかったとか、どっちかに振れてしまうケースが、他人事だが見ていて圧倒的に多いと思う。話を聞いていると三人とも元々日本育ちの日本人なのに、向こうに行ってきちんと現地のカルチャーも理解した上で、人のマネージメントをされているような印象があったが、何が違うのだろうか?現地にボンと来る人と。
藤田:こういうことをいうとおかしいが、私は命を賭けている。失敗するという選択肢が僕らには無い。従業員も抱えて、会社のパーティーをやって家族皆来ると五千人位になる。そういう人たちと一緒に仕事をしている。ということは、失敗するという選択肢が無いので、僕らは命を賭けてやっている。だからそのたぶん情熱というのが国を超えて国籍を超えて文化を超えて共有できるものではないかと僕は思っている。
渡辺:Quipperの場合には、やはりその問題があって、少し形が違うがイギリスで働いている従業員たちというのは、僕とCTOどちらも日本人で日本のオペレーションが大きくなってくる中で「所詮ここは日本の会社ではないか」と言われたりするし、逆に日本のオフィスの人たちというのは「時々ロンドンから指示が飛んでくる。やっぱり俺たちは支店なのか」みたいなことを言ってくる人もいる。マニラは最近作ったばかりで、「そもそもQuipperって何?」みたいな。いろいろ出てくる中で、もちろん藤田さんと同じように頑張れると思っているが、それと向き合いながら一個一個解決していって、しっかりお話しをしていって、コミュニケーションをしていって、というところを粘り強くやるしかないという気がする。Quipperはすごくうまくやっているという認識は、まだまだ持てない。そういうクロスカルチャーの、皆で一体感とか、本当に優秀なチームにするとか。
窪田:マネージメントする時に一番重要なポイントはコミュニケーションだと思う。日本はいわゆる文化圏でいうと、ハイコンテクストでローコンテントなカルチャーだと言われている。欧米の少なくともアングロサクソン系の人はハイコンテントでローコンテクスト。それはなぜかというと、空気として共有しているものの多さが違うわけだ。欧米というのはいろいろな価値観の人がいて空気として共有していないものがあるためにかなり語り尽くさないと相手に伝わらない。日本はあうんの呼吸だとか以心伝心だとかいうのが美徳とされるように、比較的バーバルなコミュニケーションが少なくても相手が動く、というのに慣れて育ってきている。それをすごく戦略的に、自分をそうではない自分に変えていくということを意図的にやらないと、驚くほど相手に伝わらない。そういうことでマネージメントがうまくいかないケースというのはある気がする。
藤田:これは私がアメリカで何十年もいて感じたことだが、全部が全部ということではないので、そこは汲んで聞いていただきたい。日本からアメリカ、もしくはヨーロッパに行かれる駐在員の方というのは何年か後にやはり日本に戻るという前提がある。だから「本社」というのは東京だと、「僕は今こちらに出ているが、何も問題を起こさずに2,3年経ってまた本社に戻れば違う役職がある」と。そこでやはり現地への自分の気持ちの入れ方、そこに僕は差が出てくるのではないかと思う。そういう方に私は何人も会ったことがある。どうしてこういうグローバルな世界になってきた時代に、東京がまだ今でも本社だという意識、日本人がフワッと持っている意識が変わらないのか、ということは問われないといけないと思う。【1:00:10】
会場B:皆さん日本人に生まれて、海外で勝負されている。「日本」としての良さ、敢えて「日本人」とか「組織」とか言わないが、日本の良さというのは三人が感じているところはあるか。日本人でも、日本社会でも、日本組織でも、海外で展開していて、日本の良さはどういうところだと感じるか。
窪田:私個人で感じるのは、一神教ではないというバックラウンドがあるために、いろいろな文化を実は許容できることだと思う。全てが白か黒かではない、正義か非正義かではない。ビジネスというのはグレーな部分が非常に多いのが実情で、ブラックアンドホワイトではないわけだ。そこをナビゲートしていく時に、異文化の人たちをそれぞれ許容してマネージできるという、理解しているフリではなく本当に理解できるというのは、僕が日本人であるがゆえだと思う。
藤田:僕は日本人の持つ、本当に人を思いやる、和を尊ぶ精神性が世界的に見ても貴重なものだと思う。私もアメリカの会社で、アメリカの従業員が多いわけだが、日本の和を尊ぶというか、皆と力を合わせて皆のことを思いやって頑張っていこうと言った時に、これは国籍を越える。「こんなふうに扱われたことはなかった」という組み立て工の話もある。日本の精神性の美しさを、僕らは誇らないといけないと思う。
渡辺:大体同じ意見だ。ただ僕は教育サービス、学習サービスを提供しているので、日本の学習サービスって「やれ詰め込みだ」など問題が指摘されるが、やはり優れていると思う。何かをアドオンしなければいけないかもしれないが、すごく優れているし、このやり方を展開したいと思っていて、世界中でいいところをエッセンスとして抽出して、サービスとして使ってもらいたいと思っている。逆に外から学習サービスをやる中で、自分の受けた教育とか日本のやり方みたいなものに対してすごく誇りを持つようになった。【1:05:58】
会場C:海軍カレーの町、横須賀で市長をやっている吉田と申します。是非渡辺さん、横須賀も海軍カレー美味しいですから、日本で一番美味しいのは横須賀なのでよろしく。自治体という立場から、中高の留学支援を結構やっているが、そういう初等教育とかで留学、海外の異文化を知るということの大切さ、あるいは意味の無さでもいいが、どのように感じているか教えてほしい。
窪田:私は非常に重要だと思う。日本人としてのベースをきっちり持っているということが前提。その前提があれば、限られた期間、欧米でもアジアでもどこでもよいがそこに行って、外から日本を知ることによって、いかに日本が素晴らしいのかという点を理解できるし、中には「こういうふうにあってほしい」ということも理解できる。外に出たことによって気付くというのは、実は子どもの時は非常に感受性豊かなので、僕はすごくあると思う。だからそれが1年でも2年でも、海外に行くチャンスがあるということは、すごく大きな財産になると私は強く信じている。
藤田:私も同感。本当に若い時に海外に出て、いろいろな価値観があり、文化の違いがあるというのがわかることはとても大切なこと。例えば立命館という学校が関西にあるが、高校3年生の生徒を20〜25人選抜して毎年アメリカに留学させている。そこで私がたまたまアメリカにいるので、話をしてくれということで授業をさせてもらうこともある。そうしていたら生徒が、アメリカのこういう考え方もあるのか、違いもあるのかということがわかるみたいで、やはりそれは大切なことだ。私は奈良県出身で、畝傍(うねび)高校という高校を出たが、実は自民党の高市さんと同じ高校。するとその校長先生から電話をもらい、「他校に授業をしているんだったら、なぜ母校でやらないのか」と言われ、今年は文化の日に奈良に行って話をさせてもらうことになった。そういう若い人たちに、いろいろな世界があることを伝えることはすごく大切だと思う。
渡辺:同じ。日本の若者たちに言いたいのは、英語ができるはずだということ。とにかくガーッと喋っていたら、アジアの人だったらあちらも同じようなレベルだし、英語のネイティブな人だったら逆にわかってくれる。そこで怯えないような教育であるとか、怯えないための訓練とか、そういうものが重要。それさえあれば自然に面白いことは一杯あるし、ドラマとか映画とかもあるわけだし、そこのところは簡単なようで実はポイントなのではないかと個人的に最近思っている。
間下:確かに、東南アジアでは間違っても皆堂々と喋っている。【1:08:50】
会場D:横須賀続きで申し訳ないが、藤田さんにピンポイントで聞きたい。商務長官の顧問をお務めだということで、僕自身も政府の中に入って見える景色が変わる。それは一国会議員で見ている国と、政府の中に入って見えない部分が本当に見えてくる部分で。藤田さんが商務長官の顧問という形でアメリカの政府機関と関わり合いを持って、アメリカの官僚機構だとか、物事を形にしていくプロセスの中での発見だとか、そういったところで話があれば聞かせてほしい。
藤田:私は日本の官僚システムで働いたことはないが、巷で言われていることはわかっている。アメリカの官僚システムには良いところも悪いところもあるが、非常に対応が速い。我々のような顧問が16人いるわけだが、政府に対していろいろな要求をする。例えば「このことがわからないので、もっと詳細なレポートを出してくれ」と。すると商務省の長官のオフィスでは、「この話だったら商務省ではなくて、エネルギー省だ」とか、もしくは違う省だということで、ちゃんとそこから担当の役人を呼んできて、我々の前でアップデートしてもらえるということが非常に速く起こる。そういう意味で横のつながりがあり、縦割りの官僚組織ではない。アメリカの場合、民間の方が強いのではないかと錯覚することがある。要するに、民間が国を動かしているということで、あくまでも官僚というのはサービスを提供する。国民が知りたいことに対して提供していくということで、非常にスピードが速いのと、横のつながりがあると思う。【1:12:11】
間下:時間もそろそろ無くなってきたので、最後に一人ずつ簡単に、今後海外展開されていこうとする方々に一言お願いする。
窪田:是非日本のプレゼンスを世界に高めるためにも、少しでも多くの日本人の方が海外に出て行って仕事をするという選択、自由な選択の一つとしてそれを考える方が増えていただければ、海外に住む日本人としてありがたい。
藤田:私は日本人というのはいろいろな才能を持っていて、世界のどの国の人たちよりもモノを作り込むとか、細かいことを注意できると思う。例えばTOTOのトイレとかもそうだ。あれはすごい革命で、ああいう能力を持っている国民というのは世界を見ても僕は日本人しかいないと思う。だからもっともっと外に出て行って、自分たちの得意なところで世界に貢献していく、そういう気概を持った若い方がどんどん出て来ればいいと思う。
渡辺:最近、クラウドシステムのようにいろいろな国で直接繋がったり、直接タスクをやったり、いろいろなITの技術が進歩することで、昔できなかったような海外展開の仕方とか、あるいはすごく軽く出たりとか調査したりとかができる時代になってきていると思う。その時に、気軽にできるだけの語学が必要。上手になるまで溜めないで、気合いというかノリでとにかく発して、下手でもいいからメールを書くとか下手でもいいから喋るとか、そこが一番本当にシンプルなようでいて大事。普通に日本に生まれて日本の公教育を受けて育った人は喋れないと思いがちだが、「自分は喋れる」と信じて飛び込んでみるみたいなマインドの変化、スイッチの切り替えを、ぜひ子どもも大人もやってほしいと、実際苦労しつつも思う。
間下:恐らくこれから展開される中で、海外に住んでみると全く違う世界が見えると思うし、まさに御三方からの話でもいろいろな新しいことが国によって出てくる。是非、海外に住んでみて展開してほしい。そして海外に住んだ時は、V-CUBEを使って(笑)、本国とやり取りをしてほしい。本日はどうもありがとうございました。【1:14:16】