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川口淳一郎氏×立川敬二氏 日本の宇宙開発—見果てぬ夢を叶える戦略とは

投稿日:2013/05/21更新日:2023/06/27

「小惑星から試料を持ってきたことで地球の中身が分かるようになった」(川口)

鈴木寛氏(以下、敬称略):皆さまも今日は伺いたいことがたくさんあって仕方がないと思うので早速、本論に入りたい。まず川口博士に伺っていこう。申しあげるまでもないが、「はやぶさ」は素晴らしい夢を我々に与えてくれたし、色々なものを持って帰ってきてくれた。現在の状況を含め、改めて同プロジェクトについてお伺いしたい。(01:15)

川口淳一郎氏(以下、敬称略):「はやぶさ」の計画は1985年にはじまった。私たちがハレー彗星に向けて惑星探査機を打ち上げた1985年、「小惑星サンプルリターン小研究会」というものが初めて開かれて、その翌年にサンプルリターン構想がまとめられた。無謀だったかもしれないが、当時は「今さら火星や金星に行って新しいことが出来るのか」という議論があった。ある意味でニッチだが、「誰もやったことがなく、かつ意義が大きいものに挑戦しよう」と。それでサンプルリターンに狙いを定めた。(03:12)

「はやぶさ」計画はサンプルリターン技術の証明を目的とした技術実証計画だ。打ち上げは2003年。で、本来は2007年に帰る筈だったところが色々とトラブルがあって2010年の帰還となった。ロケットエンジンとイオンエンジンの二つを搭載した、それまでなかったタイプの探査機だ。小さなもので、全体でも510kgぐらいしかない。(04:38)

2011年8月にはアメリカの科学雑誌『Science』でサンプルの初期分析結果が特集され、その号の表紙を小惑星イトカワの微粒子が飾った。同誌では2006年にも小惑星イトカワでのリモートセンシング結果が特集され、当時も表紙を飾った。『Science』で2回も特集され表紙を飾ったというのは、私たちにとって夢のような話だった。(05:28)

「はやぶさ」がイトカワにつく前だったか、JAXAを知っている人は街頭アンケートでも10数パーセントという状態だったが、今はおかげさまで状況も大きく変わった。ギブアンドテイクという話かもしれないが、「はやぶさ」の映画化に協力する代わりに、いわゆる広報活動を映画会社さんに担っていただいた。20世紀フォックスさん、東映さん、松竹さんにそれぞれ映画をつくっていただいた。科学技術への理解はなかなか浸透しにくいものだが、映画化もあって理解者が大変増えた。本当に有難い。(06:26)

鈴木:サンプル分析の具体的な内容はお話し出来ないかもしれないが、研究のすごさを実感出来るような話を聞きたいと思っていた。少しお願い出来れば…。(07:29)

川口:一番の目的は地球を知ることだ。「知っている」と皆が思うかもしれないが、地球の中身を実際に見た人はいない。地球の中身がどこにでもあるような岩で出来ている訳ではないし、掘ることも出来ない。今はその中身がどんな材料で出来ているか知らないまま、たとえば地震のメカニズムを研究している訳だ。地球を知るためには地球の中身を知らなければいけない。ではその中身がどこにあるのか。小惑星にある。小惑星から試料を持ってきたことで地球の中身が分かるようになった。(07:41)

また、小惑星はたくさんあるが、望遠鏡で見ると実は隕石と違う色をしている。その点については謎も多かったが、「はやぶさ」がイトカワの試料を持ち帰ってきたことでそれも解明された。宇宙風化作用と呼ばれる現象があることが分かったのだ。太陽系誕生時の歴史が分かったと言えば良いのか…。隕石は地球にも落ちてくるが、それらがどこから飛来してきたかは分からない。従ってその起源が分からず、今まではそこから先の研究が進まなかった。しかし起源が分かっているところから試料を持って帰ったことで、地球の生い立ちや誕生を解明する手がかりが得ることが出来た。(08:41)

「災害状況把握、CO2計測、水循環観測などの官需に加え、宇宙開発の民間活用にも尽力したい」(立川)

鈴木:次は立川理事長に伺っていきたい。JAXAは立川さんが理事長になられて以降、「はやぶさ」以外にも数多くのプロジェクトを動かすようになったと感じる。(09:27)

立川敬二氏(以下、敬称略):宇宙利用の視点でお話ししたい。JAXAとなってから今年で10年になるが、日本の宇宙開発にはおよそ50年の歴史があり、国産ロケットの研究は1970年代から進められていた。そして1990年代、純国産ロケットを完成させて、日本も自力でロケットの打ち上げが行える国となった訳だ。(10:16)

ではその輸送手段で何を運ぶのか。「出来るだけ社会に貢献しよう」ということで、通信衛星、放送衛星、そして気象衛星を打ち上げた。そして1980〜90年代にかけて研究を行い、「これは実用化出来る」ということで現在は民間に移管した。また、測位衛星も打ち上げている。これは元々軍用ではじまったものだが、民間でも大いに使えると考えたためだ。「みちびき」という衛星を打ち上げ、こちらは現在も周回している。こうした衛星で地上の測位精度を高めていけば、危険な地域における工作機械の無人操作や、農業機械の無人操作も可能になるのではないかと。最近の実証実験ではその誤差も10センチにまで縮まっている。(11:02)

ほかにも色々とある。衛星の強みは上から地球を見ることが出来る点だ。それを最初に活用したのが2006年に打ち上げた「だいち」になる。もともとは正確な地図をつくる目的で打ち上げた衛星だが、観測をしてみたら災害状況等が意外によく分かった。それで「災害対策に使えるのでは?」ということで、今年は「だいち2号」を打ち上げる計画だ。災害予防にはならないが、いざ起きたときに状況をただちに把握し、迅速な災害対応に繋げることが出来ると思う。(12:34)

また、最近は地球環境問題も盛んに議論されているが、この問題で正しく対応するためには環境がどのように悪化しているかを知る必要もある。そのために打ち上げた「いぶき」は、CO2の濃度分布計測を世界に先駆けて実現した。現在、こうした衛星は世界で一機しかない。その成果を活用して環境問題の議論に役立てて貰うだけでなく、CO2排出権取引の元データにも利用出来るのではないかと期待している。(13:35)

さらに去年は水循環を観測する「しずく」も打ち上げた。地球は豊かな水資源に囲まれているが、人間・生物が飲むことの出来る水は全体の0.1%しかない。2020〜30年代にかけて世界では人口増加とともに水飢饉がはじまるとも言われている。そこで水循環のメカニズムを解明し、対応策を国際的に提言していくというシナリオだ。(14:34)

こんな風にして人工衛星の活用領域は広がってきたが、問題もある。今ご紹介したのはどちらかといえば官需だ。災害なんて起こらないほうが良い訳だから、災害対策と言ってもこれはあくまで次善の策。環境問題への対応もすぐに個人の利益に繋がるものではない。そのため、「あまり役に立っていないのでは?」と言われることもある。基礎的な研究に役立てつつ、今後はぜひ民間で使えるようにしていきたい。(15:29)

民主党政権下で出来た宇宙基本計画にも、「民間でもっと利用出来るようにしよう」と書いてある。今は産業化をテーマに色々と作戦を練っているところだ。測位衛星にも国としてようやく本腰を入れることになり、昨年度から予算もついた。また、環境関連の衛星について言えば、バイプロダクトとして魚群探知や森林の伐採状況把握、あるいは稲作状況も把握にも活用出来るのではないかと思う。今はそんな風にどんどん広がっているので多いに期待していただきたい。(16:02)

「次なる探索は“生命の起源を知る”ための旅。地球と生命を進化させた環境を調べる」(川口)

鈴木:非常に整理した形で理解出来た。では今後の“川口プラン”についても伺ってみたい。現在は「はやぶさ2」以外にも色々な計画があるとお聞きしている。(17:14)

川口:後々に繋がるにお話をしたい。まず「はあやぶさ2」に関して。「もう小惑星には行かなくて良いのでは?」と言う人もいるが、地球は石だけで出来ている訳ではない。地球の表面というのは、実は石というよりは海水と、そして生命体…、たとえば森林やプランクトンあるいは海草に至るまで、すべて有機物つまり水で出来ている。(17:52)

イトカワから持ち帰った砂粒には水がまったく存在しなかった。また、有機物を形成する炭素もほとんど出てこなかった。つまりイトカワだけを見ても地球を説明していることにはまったくならない訳だ。とすると、C型小惑星というものが地球をつくった材料に入っていたのではないかと。Cは‘carbon’のC。我々は「はやぶさ2」で、このC型小惑星を探索したい。そこで地球の表面をつくっている環境、いわば地球と生命を進化させてきた環境を調べたい。今度は1999 JU3という小惑星がターゲットとなる。(18:39)

この探査の意義は、究極的には生命の起源を知るということになる。キリマンジャロ等の高い山には(氷河の雪が溶けるか溶けないかの)万年雪限界線がある。実は太陽系も同じだ。太陽から離れていくと、あるところでスノーラインと呼ばれる限界線に行き着く。それより外側は表面が氷だ。(19:35)

そこに何が残っているか。炭素化合物は熱に弱い。一定以上の熱を与えると…、ビニールを火に近づけると溶けてしまうのと同様に、炭素同士の結合が千切れやすくなる。しかし、スノーラインより向こう側にはあまり熱くならず育った天体がある。従って大きな分子が残っているかもしれない。たんぱく質の存在を予測する人すらいる。(20:15)

そこへ行くことで、生命の起源を知ることが出来るかもしれない。生命は地球上で発生したのか、それとも宇宙から持ち込まれたのか。その究極に迫ると表現すれば良いのか…、言ってみればそれが究極のゴールだ。地球を知り、人類を知る。おかげさまで、仕分けに遭っていた「はやぶさ2」計画にも先月25日の閣議で予算がついた。皆さまありがとうございました(会場笑)。(20:48)

それともうひとつ、政策面を含めてぜひご紹介したいことがある。講演でも常にこの話をするのだが、私としては「ロケットで考えるべきではない」と思っている。垂直に上がるロケットだけが宇宙に行くことが出来るというのは誤解だ。そもそもロケットというのはミサイル。「いつまで人間をミサイルに縛り付けて打ち上げるのか」と。時代は変わっており、いずれ飛行機とロケットとの境界は消えていく。30年ほど先の話かもしれないが、その先はスペースプレーンの時代だ。これは超音速機のさらに上をいくので極超音速機と呼ばれている。(21:40)

「中国は有人ロケットで打ち上げている。日本は何故上げないのか」とよく聞かれるが、私はそこをゴールにしてはいけないと思う。アメリカは音速の20倍で飛ぶような飛行機の実験をすでに行なっているが、日本はやっていない。お金がかかるから。しかし、現在のような苦しい状況でこそ未来への投資が必要になると私は思う。大切なのは、飛行士を危険に晒してまで打ち上げを行ない、中国についていくことではない。日本は30年後、最初にイノベーションのゴールをきる国になるべきだ。(22:39)

未だに「ロケットで」と思い込んでいる国はある。北朝鮮だ。ただ、先月通った日本の宇宙基本計画にも「ロケット打ち上げ能力を確保して衛星を打ち上げよう」と書いてある。北朝鮮と同じではないかと(会場笑)。基本計画には長期的な展望が何も書かれていない。がっかりする。先月人工衛星を打ち上げ、世界で11番目の衛星打ち上げ国となった韓国の宇宙政策も日本と同じだ。先進国である日本が彼らと同じことを語っていて良いのか。先進国は長期計画を持つべきだと私は思っている。(23:29)

現在はアジア圏でも宇宙開発が加速している。中国の月探査機「嫦娥二号」は月の周回軌道から離れて惑星間に出た際、トータティスという小惑星の近くを通り、その写真を撮影した。今年10月にはインドも火星を周回するオービターという探査機を打ち上げる。実は日本も火星周回機の打ち上げを試みたことはある。1998年に打ち上げた「のぞみ」だ。しかし最終的には火星周回軌道への投入を断念した。残念ながら2年前には「あかつき」の金星軌道投入にも失敗している。(24:50)

「のぞみ」の頃はアメリカとソ連に続き、世界で3番目に火星を廻る軌道に乗せる国となる筈だった。しかし今はアジアで3番目になることが出来るかどうかといった状況だ。そんな状況でもロケットで衛星を上げることだけが政策になっているのだとしたら、これは情けない。偉そうに聞こえるかもしれないが、「日本も」ではなく、「日本が」に変わっていかなければいけないと思う。(25:49)

「“ミサイル”に人を括りつけて打ち上げることをメインの目標にしていて良いのか」(川口)

川口:もう1点。有人宇宙開発の実験機についてだが、宇宙ステーションから探査への切り替えが必要ではないか。宇宙ステーションには年間400億円ほどのお金がかかっているが、当初2016年までとされていた運用期間も延長されることが決まった。その経費をどのように削減していくべきか。私としては宇宙ステーションの運用費用を各国で分担するための取り決めを読み変えるべきだと考えている。(26:16)

アメリカは宇宙分野でも商業活動を展開しており、その活動には有人輸送も入っている。国際的に見ると地球を周回する低高度への輸送はすでに商業活動な訳だ。そこで有人宇宙活動におけるプレゼンスを持つため、日本までロケットで人を打ち上げるということをメインの目標にして良いのだろうか。仮にそうした有人ロケット打ち上げに成功しても、「中国に続いてよくやったね」と言われて終わる程度かもしれない。むしろ国際協働のなかで有人活動に取り組む姿勢をアピールしつつ、新型の高速輸送に取り組むという、したたかな施策が必要ではないだろうか。(27:05)

アメリカの民間有人輸送機はというと、ボーイングの「CST-100」、シエラ・ネヴァダ・コーポレーションの「ドリームチェイサー」、スペースXの「ドラゴン」がある。一方、欧州では欧州宇宙機関(ESA)が「SLS(Space Launch System)」というサービスモジュールをアメリカのロケットに提供する試みをはじめた。(27:51)

オバマ政権で最初に宇宙探査のシナリオを書いたのはオーガスティン・コミッティという委員会だが、実は公式にレポートを出しているのはここだけだ。同委員会は民主党政権下ということもあり、倹約・節約ということを言っている。ブッシュ政権では再び有人月面着陸を行おうとしたのだが、今は「もっと節約して国際共同で取り組もう」と。そのやり方も「フレキシブル・パス」と呼ばれるもので、まず月を周回したあとに月や地球のラグランジュ点へ飛び、小惑星に行く。そのあとは途中で月に行く等、色々と工程もあるのだが、最後は火星に着陸するシナリオだ。(28:34)

今はこうしたレポートに則ってさまざまな活動が行われている。そのひとつが欧州のSLSをアメリカのロケットにつけるという計画だ。これはもちろん将来に渡るアンカーテナンシーを与えられたという意味でなく、色々な活動にヨーロッパが貢献していくことを示すのかもしれない。ただ、いずれにせよまだ端緒についたばかりだ。(29:34)

そこで日本はどういうことをやれば良いのか。アジア戦略という意味で言うと、中国やインドがいずれ自前で行うことが想定されるような開発対象に入っていっても、すぐにキャッチアップされてしまうだろう。中国がやろうとしていることは目に見えている。アメリカを追って、月面着陸を行い、スペースシャトルを打ち上げ、宇宙ステーションをつくるだろう。日本がこれをやってもすぐに中国が追いついてくる。(30:17)

有人宇宙活動は、当面、アメリカを軸とする国際共同で進む筈だ。ただ、将来像が見えない活動に巨額の投資を行うリスクはどの国も取りたくない。たとえば有人の月面探査や火星探査が構想されても、その着陸機や表面移動車をつくる国は出てこない。では日本がそれを引き受けるのか。「途中で梯子を外されたら…」と考えたら、とても投資は出来ない。従ってどの国にとっても多目的なアーキテクチャということで、やはりロケット等の開発になるだろう。今はそういう面での役割分担を模索している。一方、短期間の飛行で済む地球周回軌道までの輸送は、アメリカでは民間の事業者に転回されていく。従って我が国が国家投資される対象としては不向きだ。」(30:39)

「国には、宇宙開発については30年にわたる長期展望をもったビジョンを立ててほしい」(立川)

川口:そうなると日本が投資すべき対象は、まずは長期飛行の国際ミッションに必須のアーキテクチャ要素になるだろう。さらに言えば、日本人飛行士枠の確保に貢献出来なければいけない。その意味も併せてしたたかに考えていくと、我が国は「有人宇宙活動を国際協働でやっている」ということを見せなければいけないと思う。(31:34)

また、投資対象は我が国の新規技術における先進的位置の確保に、将来に渡って繋がるものでなければいけない。新規技術ということで言うと、当然、有人宇宙飛行ということになるだろう。ただ、有人機はリスクを下げなければいけないから、無人機への貢献になるのだろうと思う。(31:59)

その例をいくつか示したい。ひとつは軌道間輸送機(OTV)。有人活動を展開する場所に荷物を送るためのものだ。低い軌道、地球と月のラグランジュ点、あるいは太陽と地球のラグランジュ点に送る。小惑星への片道飛行もあるだろう。繰り返し使用出来るようにするとすれば自動的にメンテナンス飛行をすることになるから、有人ミッションも誘起していく。(32:18)

有翼の帰還機も考えられる。ただ、当座は差別化出来るものの、そのうち中国もスペースシャトルはやるだろう。アメリカではシエラ・ネヴァダ・コーポレーションが民間ビジネスとしてやっている。従ってこの領域で国家投資の意義は認めにくい。(32:54)

三つ目が貨物機へのエンジン供給だ。日本がH-IIAおよびH-IIBロケットで培ってきたエンジンを無人の貨物機に供給し、国際有人探査を支援する。ただ、ここで対等なパートナーになるのは難しいと感じる。アメリカは防衛・宇宙産業政策として自国産業を保護・育成する。わざわざ日本のものを使うことはないだろう。日本はアメリカ企業のプロバイダにしかならないと思う。あくまで予想だが、そんな見方がある。(33:14)

ではこれから何をすべきかについて、ひとつご紹介させていただきたい。いずれやってくる極超音速機の時代に向け、試験の方法が必要になる。そこで我々が考えているものは、ジェットエンジンを積んだ機体だ。軌道に打ち上げられたものが落ちてくるだけのシャトルとは決定的に異なる。こうした機体が打ち上げられたことはない。我が国として、ここで極超音速機の先鞭を付けたいと思っている。(33:54)

実験だけではなくフライング・テスト・ベッド(FTB)もつくっていく。極超音速機を実用化するためには、それこそ毎週のように打ち上げなければいけない。しかし毎回軌道から落とす訳にもいかないから、FTBという実験用の機体をつくる。そのあと本当の実用機に繋げていく訳だ。およそ30年後の実用化をゴールとしているが、私としてはこれを目指して行動するような政策が欲しいと思っている。(34:31)

鈴木:この“川口プラン”を実現するために、どんなことが必要になるだろう。(35:03)

立川:政策決定者に30年ほどの長期ビジョンを立てて貰いたい。現在のビジョンは基本的に10年単位だ。そのうえで5年間の計画しかない。従ってJAXAとしてはその辺を自分たちで考えざるを得ない状況だが、そこで何をどう選択していくかの判断が難しい。すでに路線が敷かれているものはまだ良いが、根本的に政策を変えていくような新しい計画については、やはり30年ぐらいのビジョンで考えたい。(35:18)

国としては「30年先を今語っても仕方がない」ということで、5年ベースの宇宙基本計画にしているのかもしれない。そこにはやはり有人ロケットや有人宇宙船の話が出てこない。その辺で少し困っているというか、現在のビジョンと10〜30年に渡るビジョンとどのように繋げていくのかが我々の課題になる。(36:15)

大事なのは長期展望を持って何を手がけるか、だ。日本の宇宙関連予算はアメリカの1/10。宇宙ステーションに400億は高いという声もあるが、かつて私がいたドコモは毎年1500億円の研究費を投下していた。JAXAの予算は年間1600億円だ。きちんと考えればお金はもっと出てくると思う。アメリカは民間の力を上手く利用しようという戦略だが、日本はもっと、国家としてその力をつけておいたほうが良いだろう。(36:41)

私としては有人ロケットが重要になると思う。たしかに今成功してもロシア・アメリカ・中国に続く4番手にしかならない。ただ、今はロシアの「ソヒューズ」以外、国際宇宙ステーションに人間を輸送出来るロケットがない。1機種に頼るのは危険だと思う。火星についても同様だ。片道200日かかる訳で、そこへ行く手段を持つ国がロシア・アメリカ・中国の三カ国で良いのかと思う。あくまで10〜20年先の話だが。あとは川口さんがおっしゃる通り、「あんなロケットでいつまでもやっているのか」という話になる。新しいものを考えなければいけないだろう。とにかく我々としては、短期的に具体化すべき話と将来に向けた話の両睨みでやっていく必要があると思っている。(37:34)

「民需を集め、単目的の小型衛星を複数つくることで若手研究者の活躍機会を増やしたい」(立川)

鈴木:では会場からも質問やご意見を募っていこう。(38:57)

会場(守安功・ディー・エヌ・エー代表取締役社長):大学で航空宇宙工学を専攻し、スクラムジェットエンジンの研究もしていたが、研究現場には地味な苦労も多いと感じていた。JAXAをはじめとした宇宙産業部門で活躍する同期と話をしていても、最近は閉塞感を感じているようだ。私は今年で40歳になるが、30〜40代の人間をもっと活用すべきではないか。それと民需に関しては、民間の力で開発資金を集めながら新しいものをつくる視点も必要だと思う。この辺についてもご意見を伺いたい。(39:23)

立川:おっしゃる通りで、出来るだけ新しいプロジェクトを生み出していきたい。予算の関係で難しい面はある。ただ、宇宙科学に関して言えば川口さんのお話通り、今は色々なことが議論されているし、むしろボトムアップで色々な意見が出てくる。その辺は…、(川口氏に)若い方はかなりやる気があるよね(笑)。(40:30)

課題は利用する側ではないか。民需がなかなか出てこないので我々も苦労している。今は民間投資で事業が成り立つかどうかの、ぎりぎりのところだと感じる。従ってロケットや衛星のコストをもう少し下げる必要があるのかなと。通信衛星や放送衛星は今どうにかビジネスになっているが、観測衛星がなかなか伸びない状況だ。(40:55)

ではどうすべきか。ひとつの方法として、衛星を単目的で、出来るだけ小さくかつ安くつくる。今までは「あれもこれも実験しよう」と、機能も盛りだくさんにして、1機6トンなんていう衛星になっていた。今後は目的を絞って小型化し、1トン以下にしたい。そんな風にしてプロジェクトの数を増やすと皆もかなりのやる気を見せてくれる。(41:37)

川口:輸送系の民間投資等がなかなか回らない最大の理由は、実用機に繋がる筋書きが見えない点だ。たとえばスクラムジェットもついても…、よくご存知だと思うが、基礎研究はやっている。しかし実用化に向けた、先ほどの例で言うところのFTBがない。それで実用化への開発シナリオを描くことが出来ず、実用機がどのような形で登場するのかという橋渡しの部分も見えなくなっているのだと思う。(42:22)

実は私たちが今一生懸命取り組んでいるのはそこだ。太平洋を2時間で渡る極超音速機を開発するのであれば、それは太平洋を渡るものでなければいけない。ものすごく速いからといって、「グアムまでの約1時間が30分になる」ということだけで喜ぶ人はいないからだ。従って実用機までのステップが大変高い。太平洋を2時間で渡るからこそ意味がある。そこまで考えると、「実用機にはどんなエンジンが何基必要になるか」という話も出来る。そのエンジンを試験するシナリオ等も含めてきちんと具体化すれば、民間も協力してくれると私は思う。(43:05)

私たちは2点間輸送と呼んでいるが、この大陸間で行われる2点間輸送と宇宙空間での輸送であれば、私はまず2点間輸送から進めるべきだと思う。たとえば、今は命をかけて航海しなければ辿りつけないような絶海の孤島があったとする。で、その島に行くことの出来る高性能な船を建造するため、巨額投資を行うとする。その際、どのように意義を説くか。「やがて乗客も増えていくから、そのうち産業も興るだろう」と言う訳だ。これは宇宙空間を進む輸送機を巨額の投資でつくろうという発想だ。転がる訳がない。その新造船は絶海の孤島に輸送することを目的に開発されるべきなのか。今は冒険が評価されるかもしれないが、それはその時代の錯覚に過ぎない。(44:18)

新造船は異なる大陸の大都市間を結ぶ交通手段として開発すべきだ。それで性能の良さを引き出し、やがては孤島への輸送にも役立てたら良い。大陸間を2時間で渡るような高速輸送機が登場すれば、宇宙に行くための再利用可能な一段目も出来上がる。輸送機をつくるのであれば、そんな風にして、本当にビジネスが展開出来る具体的シナリオを見せることが大事になるのではないか。単に基礎研究をやって、「エンジンはこの性能が出たら良い」という話ではない。「エンジンをこのように試験すれば出来る」ということを示す必要があると思う。(45:17)

「グローバルな世界を目指すうえで宇宙開発が一里塚になるのではないか」(立川)

会場(村井純・慶應義塾大学環境情報学部長):今日は他国との競争という視点が多かったと思うが、一方ではグローバルあるいは人類全体のミッションといった視点もあると思う。もちろん日本の国益といった観点から出発しなければならない議論もあるのは事実だ。このあたりについて、国家、インターナショナル、そしてグローバルという三つの関係を宇宙開発の領域でどのように捉えているかを伺いたい。(46:23)

立川:難しい問題だが、グローバルな世界を目指すうえで宇宙開発は一里塚になるのではないか。良い例が国際宇宙ステーションだ。人類が初めて共同で宇宙に人口構造物をつくった成果として、どうなったか。構想から25年間、参加国のあいだに紛争は発生していない。それほど協働出来ている。そんな事例をせっかくつくった訳だし、将来的には世界国家というような形でやるべきだと思う。(47:24)

川口:「はやぶさ」の成果に関して、たとえば大学生から「サンプルを世界にどんどん分配し、世界の文化レベルが上げることがゴールですよね?」といった質問もよく受ける。その通りだ。我々がどうしているかというと、今はもう国際公募を行ってサンプルを分配している。ただ、最初の一年間は日本の研究施設で分析する形にした。その主査ももちろん日本人だ。(48:41)

宇宙開発に投資をするための税金を国民が納める意義は何か。生意気を言うようだが、「まずは日本のため」と、私は思う。最終的には世界の発展がゴールだ。ただ、ノーベル賞を受賞された益川敏英先生が「自発的対称性の破れの発見」と言っていた通り、どの国も平等で平坦化された世界は、実は不安定の極地だと私は思っている。緩やかな差ではあるけれども先進国があり、そうした国々が科学等をドライブしていくというのは、言ってみれば自然に発生する安定状態への移行ではないか。経済や産業も同じで、先進国がドライブするからこそ全体が底上げされる。従って、まずは日本がそれをドライブ出来る国になるため、国民が税金を収める。そこから、やがては世界のレベルがどんどん上がってという形が良いのではないかと思う。(49:21)

会場(堀善人・グロービス経営大学院学長):宇宙開発と安全保障の関係について伺いたい。今は陸海空に加えて宇宙とインターネットも安全保障の領域に入る。そのなかで日本の安全保障能力を高めるような戦略と、科学的な開発の方向性も合致したほうが、税金の使い方としては良いのではないか。その点についてはどのようにお考えだろうか。(51:18)

立川:日本は今まで宇宙開発を軍事に使わないという方針だったが、それが2008年に制定された宇宙基本法で少し変わった。あくまで非軍事だった従来の方針から、いわゆるノンアグレッシブというか、侵略的でなければ良いというところまで変わった。そこから先を具体的にどうするかについてだが、JAXAは今のところ民需に重点を置いているので軍事用のことはよく分からない。技術は提供するが、何をするべきかという部分は防衛省のほうで決めていただきたいというスタンスになる。(52:03)

川口:要はソフトパワーという話だと思う。我々の科学技術は当然ながら非侵略だ。けれどもポテンシャルを示すことが、その国のバロメーターになっているということではないか。ソフトパワーを上げることに特化して何かをやるという意味ではないが、宇宙開発をはじめとしたビッグサイエンスが、ある種、そのような面を持っているのは確かだ。間接的にそういう効果は発揮出来るのではないかと思う。(53:15)

「軍事、コマーシャル・・・宇宙開発に巨額の税金を投資する正当性は何であったか、次は何か」(鈴木)

鈴木:宇宙開発では、30年プラン、20年プラン、10年プラン、5年プラン、そして来年度の予算、これらすべてを揃えなければいけない。で、今は1年プランを予算で決めることが出来、5年プランは法律で決めることが出来る状態だ。一方、10/20/30年プランは決定的に抜けているが、川口先生は30年プランを明確に持っておられるし、JAXAにも20年プランがある。ただ、5年プランまでは財政的コミットがあるため、それをつくるためには財務省および納税者の合意が必須になる。そこでハードルが一気に上がる。5割以上の国民の皆さまから合意を取り付けなければいけない。(54:09)

そこで20年プランに書かれたほとんどのものが削がれてしまう。すべての科学技術や先端技術で言えることだが、天才にしか分からない30年先のビジョンというものはある。しかし税金を使った瞬間、5割以上の人が分かるようにしなければならない訳だ。この絶対矛盾を解くことに…、私もその端くれだが、社会科学者はこれまであまりにもサボり過ぎていた。そんな訳で私は去年、「科学技術イノベーション政策のための科学」というプログラムを立ち上げた。(55:34)

これまでの科学技術政策や宇宙政策はエビデンス・ベースド・ポリシー・メイキングではなく、パワー・ベースド・ポリシー・メイキングだった。声の大きな政治家が特定の科学者と仲良くなった瞬間、予算シフトが変わる世界だった訳だ。私が文科副大臣だったときもそうだった。宇宙分野でも、ある人は「望遠鏡が最も重要だ」と毎日言ってくる。その話を聞いているうち、本当にそうだなあ」と思えてくるのだが(会場笑)、次の日に「はやぶさが最も大事だ」と言われ、その日は「やはりはやぶさをやらなければ」と思ったりする。どの先生のお話にもすごく説得力がある。しかし政治はそこに優先順位をつる必要がある。そこで、今までは「政治家とその科学者は仲が良いから」といった理由で動いてしまっていた。この辺の状況に関しては、私から見ると理系の学者が政治に近寄り過ぎで、文系の学者が逃げ過ぎだと感じる。これを健全にしたい。(56:37)

で、話を戻して「宇宙開発に巨額の税金を投資する正当性は何であったか」と考えてみると、少なくとも東西冷戦構造下では軍事だった。そして冷戦終結後のロジックはコマーシャルだ。衛星放送や衛星通信が産業インフラに資するということで、まさに立川理事長もその分野を引っ張っていらした訳だ。それはそれで合理的であったし、そこで「だいち」「いぶき」「しずく」などの成果も生まれた。ただその一方で、今は月以遠の話が注目されなくなり、投資&リターンのメカニズムによって「お金がつくところを開発しよう」流れになってきた。民間がそうなるのは仕方がないが、少なくともこの15年はすぐに「リターンは?」という話になり過ぎていた。官民一体の投資効率という文脈のなか、川口先生が本日お話しになっていたような分野はとばされてしまっていたと。今、我々が考えなければいけないのは“その次”だ。(58:05)

安全保障面でのロジックもあるだろうし、ナショナルプライドや国家競争力、あるいは国際協力といったロジックもあるだろう。そうした各種ロジックや背景をまとめたうえで、全体的なソーシャル・インベストメント・ポートフォリオをどのように構築していくべきか。今はそれをサポートする人材もいなければ議論の場もなく、極端な状態だ。川口プラン、JAXAプラン、そして財務省がお墨付きをつけたプランしかない。その中間が欲しい。さまざまな声を、たとえばすでにあるソーシャル・フレームワークとしての学術会議でオーソライズしていく。そうすれば異分野のサイエンティスト同士でも、少なくともラフ・コンセンサスをつくることは出来ると思う。そうした仕組みをどのようにして中間段階に入れていくか。日本学術会議や新しいフレームワークのなか、サイエンスに社会科学や人間科学も交えながらラフ・コンセンサスをつくっていくべきだ。(59:47)

そのうえで、ドネーションを含めた民間資金についても、リターンのある資金についても考えて、投資家も巻き込んでいきたい。もちろん宇宙開発は民間ドネーションで廻るような世界ではまったくない。ただ、「納税者の理解を獲得するためのアドボガシー費用であれば寄付する」、「アドボガシー費用ならリターンとのバランス次第で考える」という企業やNPO・NGO、あるいは個人が出てくると、国民の理解度も大きく変わると思う。「はやぶさ」を描いた3本の映画も文部科学省と映画会社のタイアップで、かつJAXA全面協力の下で公開出来た。その成功が「はやぶさ2」の大きな支持にも繋がった。ただその一方で望遠鏡の人は怒っていて、「今度は望遠鏡の映画をつくってくれ」と(会場笑)。とにかく中間段階でシームレスにたすきを繋いでいくプロセスのなか、30年後、20年後、10年後、5年後、そして1年後が見えてくるのだと思う。(1:02:40)

ただ、そこで同時に考えなければいけないのが人材育成だ。お金はなんとかなる。頑張れば3年ほどで何兆や何十兆というお金が、色々ことが重なれば使えるようになるという実感はある。しかし人材は別だ。もし30年後にスペース・プレーンをつくると決めたのなら、そこに向けて要素技術や運用に関わるありとあらゆる人材を育成する必要がある。3年では無理だ。相当な戦略を持ってやらなければいけない。2030年から逆算したうえで、たとえば宇宙経済アナリストや宇宙法の弁護士を、その評価者や育成者も含め広く育成していきたい。(1:04:32)

今まではそうした領域で50%以上の理解を得るのは不可能だった。しかし今後は新しいイニシアティブが出来るようなプラットフォームのなかでトライ・アンド・エラーを重ねながら、ラフ・コンセンサスをつくり、それを国際的にも開かれたネットワークにしていくのが次の課題だと感じる。会場の皆さまにも役割はあると思う。やはり川口プランは実現したい。そのためにどういうことが出来るのか、皆で落とし込んでいくようなアクティビティがG1等でもはじまったら良いと思う。それでは最後にお二方から一言ずついただきたい。G1サミットにはその縁側を含めると色々な方が集まっている。「こういうことを一緒にやれないか」といったご提案でも有難い。(1:07:08)

「イノベーションは3/1000の確率。ただ、こま切れに予算をばら撒けばいいわけではない」(川口)

川口:ロングレンジのプランは非常に重要だ。アメリカでは全米研究評議会(NRC)のようなところがそのパースペクティブを出し、それに則って予算計画も決まる。私としてはそうしたパースペクティブを出す機関の存在が大事だと思う。学術会議でどんなことが議論されているかというと、先ほどのご指摘通り。理系の人間が政治に近づき過ぎる。学術会議が出す大型研究計画では最後に重点研究を決めるのだが、驚くことに、そこには「ただちに着手すべきものを決める」と書いてある。学術会議が次の概算要求に出すものを決めるのか。そんなことをやってはいけないと思う。もっと将来に向けたディレクションを示すことが見識だと思うが、残念ながら今はそうなっていない。そこをなんとか変えていかなければいけないと思う。(1:08:57)

また、大型研究でよくあるのが、「コミュニティの拠点形成」というものだ。さもありなんという感じの言葉だが、実際には何をやっているかというと、「このコミュニティにきちんと研究費が来るように分担しましょう」と。お金を分散しているだけ。それでは何にもならないと、私は強調したい。イノベーションは3/1000の確率であると言われる。財務省に言わせると「屍が累々だ」。たしかにそうだ。ただ、100やってみて当たらなければ止めて良いのかというと、そんなことはない。1000やらなければいけない。それを細切れにしてばら撒いていては何にもならない。100億円を国民ひとりで大まかに勘定したらひとり100円。それで買わなくて良いものを100円ショップで買っていったら何にもならない訳で(会場笑)、お金はきちんとした単位で使っていくべきだ。そのなかでロングレンジのパースペクティブを持つことが出来るような見識が、コミュニティのなかに醸成されることが大事ではないか。(01:10:36)

立川:私のほうは執行機関ということもあるので、5年間ぐらいのプランを明確にして進める形になる。ただ、ぜひ20年後の展望を皆さんにも諮りつつ、コンセンサスを得ながら実行に移していきたい。その意味で国民の皆さまにも理解していただきたいのだが、私としては4番煎じではあっても有人ロケットを持ち、宇宙船を用意し、国際協調していくのが良いと思う。宇宙科学は世界最先端を狙いながらやっていけば良いと思うが、日本のGDPは世界第3位だ。人口も減少しているが、少なくとも2030年代まではまだかなりの位置にいるだろう。やはり世界的な役割を日本国として果たしていくべきだと思う。その一環として宇宙開発も対象にして良いのではないか。(01:12:17)

鈴木:本セッションを経て皆さまも宇宙に大きな関心を持っていただけたと思う。G1メンバーは「分からなくても分かる」という、そんな達人ばかりだ。皆さまとご一緒に色々な形で宇宙開発を応援していけるようなきっかけに、本セッションがなっていればとも思う。今日は本当にありがとうございました(会場拍手)。(01:13:46)

執筆:山本 兼司

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