キャンペーン終了まで

割引情報をチェック!

MBA経営辞書「プランニング学派」

投稿日:2015/01/06更新日:2019/04/09

プランニング学派(Planning school)

経営学者のヘンリー・ミンツバーグは著書『戦略サファリ』の中で、戦略の形成過程に着眼し戦略論を10の学派に類別した。その中の1つであるプランニング学派は、先行するデザイン学派の影響を受けながら発展し、1970年代に非常に強い影響力を持った。その後、同じく規範的(prescriptive)な学派であるポジショニング学派に主流は譲ったものの、いまだに一定の影響を残している。

プランニング学派に属する著名な経営学者に、「アンゾフのマトリックス」で知られるイゴール・アンゾフがいる。1965年に上梓された彼の『企業戦略論』(Corporate Strategy)は戦略論の古典として今も読み継がれている。

プランニング学派の特徴としては、その名の通り、戦略プランニングのプロセスを合理的なものと見なし、そこに比重を置いている点がある。戦略立案のプロセスはいくつかのステップに分解できる。具体的には、目的、予算などである。こうしたプロセスを運営するのは経営企画室をはじめとするスタッフメンバーであり、彼らが強い力を持つことになる。

プランニング学派は、もともと60年代の経営環境の変化の増大に対応して適切なプランニングを行うことを意図していた。しかし、昨今の環境変化は60年代から70年代などとは比べ物にならないほど激しい。それゆえ、プランニング学派の考え方は、経営環境が比較的安定的で、企業のリソース配分や組織コントロールが重要な論点となる場合などに機能しやすいとされる。現代でも、一部の業界や官僚組織などでは、(多少の微調整はされているが)この考え方に基づいて戦略立案がなされている。

プランニング学派の弱点としては、ダイナミックな環境変化に対応しにくい、集団浅慮に陥りやすい、イノベーティブな戦略が生まれにくいことなどが指摘されている。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

サブスクリプション

学ぶ習慣が、
あなたを強くする

スキマ時間を使った動画学習で、効率的に仕事スキルをアップデート。

17,800本以上の
ビジネス動画が見放題

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

利用者の97%以上から
好評価をいただきました

スマホを眺める5分
学びの時間に。

まずは7日間無料
体験してみよう!!

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

新着記事

新着動画コース

10分以内の動画コース

再生回数の多い動画コース

コメントの多い動画コース